何だか忙しくなりそうな二礼です、こんばんは。
えーとですね…。
実は身内に不幸がありまして、来週はちょっと更新とかが出来なくなりそうです。
火曜日辺りには自宅にも戻っているしPCにも触れますが、他にも色々やらなくちゃいけない事があって、小説とかが書けなさそうなんですよね。
なので申し訳無いのですが、来週の金曜日まで更新はお休みさせて下さいませ。
拍手コメントやメール自体は見られますので(火曜日以降)、二礼に何か連絡等がある方はそちらにどうぞ~!
面倒臭いけど、こればっかりはどうしようも無いもんねぇ…。
北海道はもうかなり涼しいのだろうか…?
長編『STEP』の『すてっぷふぁいぶ』をUPしました。
すっごい久しぶりの『STEP』の更新でございます…w
色々プロットを練り直した結果、何とか形になってきたので、とりあえずコレだけをUPしてみました。
ちなみに作中がお盆休みの時期になっているのは…ですね。
二礼が先月のお盆辺りにコレを書き始め、そしてそのまま途中で放置していたせいですw
季節感が合わなくて申し訳ございません…(´∀`;
城之内が海馬の気持ちに追いつくのは、一体いつになるんだろうねぇ…;
以下は拍手のお返事になりますです~(*'-')
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(´∀`)
『上下確定のジジツ』と日記の感想をありがとうございます。
まずは冒頭の『城之内の一人称』について教えて下さってありがとうございましたw
いや~、素で間違っていました…;
Rosebank様のコメントを見るまで、全く気付きもしませんでしたよ…;
何を考えて城之内と書いたのか、全然思い出せませんw
多分眠くて仕方が無くて、ボーッとしてたんだと思います。
Rosebank様は『上下逆転のススメ』の続きを読めるとは思いませんでしたとコメントされていますが、私自身もまさかあの小説の後日談を書くとは思ってもいませんでした…w
最近私の中では新しい話を考えるのも良い事だけれど、古いネタに深みを増すのも大事なんじゃないか…という考えが湧き上がって来たんですね。
それで色々考えた結果、今回はこの『上下逆転のススメ』をチョイスしてみる事にしたんです。
この話の海馬は私が書く話の中では珍しく、城之内に対して物凄く強気なんですよ。
何せ自分を『上』にしたがっていますからね~w
だからこそ逆に可愛いなぁ…とか思ってしまう訳でして…w
こういうタイプに現実をしっかりと突きつけてやったら面白いんじゃないかと思って、『上下確定のジジツ』を書かせて頂きました。
久しぶりにエロも書けたし、自分的には満足な出来です(*'-')
あとこの話の城之内は、ウチの数ある小説の中でも随一のエロ之内だと思っています!
いや、ウチの城之内はもれなく全部エロイんですが…w
なんかこう…この城之内は獣臭がするというか何ていうか…エロ全開で向かって来ているというか何というか…w
そんな感じがするんですよ(´∀`;
こんな城之内の相手をする強気社長も大変だなぁ…とは思いますが、本人達が幸せそうなので良しとしますw
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
2009年9月アーカイブ
バタバタと派手な足音を立てて寝室から飛び出す城之内の背中を、オレは無様に伸ばした手もそのままに半裸の姿で呆然とベッドに座り込んで、ただ見送る事しか出来なかった…。
ベッドの上から逃げる城之内を見送った時から遡ること数時間前、オレは自室の窓から夕日が沈むのをじっと見ていた。次いで壁の時計を確認する。時計はそろそろ十八時半を指そうとしている。それを睨み付けるように暫く見詰めたあと、腕を組んで部屋の中をウロウロと歩き始めた。そうでもしないと心臓がドキドキし過ぎて耐え切れそうになかったから。
世間が盆休みに入るこの時期。バイト先が盆休みに入ったとかで暇になったと城之内から連絡が入ったのは、昨日の夜の事だった。
我が海馬コーポレーションには特に盆休みは設けてはいないものの、周りの会社がこぞって休みになるこの時期は特別暇な時期で、希望があれば社員にも休みを与えていた。勿論そんな中でオレ一人が忙しく働く事も無く(というより何より、するべき仕事が無い)、こうして邸でのんびりしているという訳だ。
そんな中で降って湧いた城之内からの連絡に、オレが諸手を挙げて喜んだのは言うまでもないだろう。
………まぁ、こんな姿は誰にも見せられないがな。
こうして二人で色々話し合った結果、城之内は今日我が邸に泊りに来る事になったのだ。
恋人の初めてのお泊まりにオレは少なからず緊張したが、それ以上に期待に胸を沸かせていた。
先日、あの神社の裏手のベンチで意識した事。オレが城之内を欲しがっているという事実。それが今夜にでも達成させられそうで、思わず口元に笑みを浮かべてしまう。
約束の時間は十八時半。城之内が来たら夕食を一緒に食べて、その後は一緒にDVDでも見て過ごすというスケジュールになっていた。それから先の予定は決まってはいないが、そんな事敢えて口に出して言うまでもない。
恋人同士が一緒に眠るといったら…アレだ! アレしかないだろう!!
それを想像した途端に顔が熱くなって堪らなくなったので、思わずソファーに置いてあったクッションに突っ伏した。ボフッボフッと顔を叩き付けていると、ドアの外からメイドが呼ぶ声がする。「何だ?」と問うと「城之内様がいらっしゃいました」と答えられたので、慌ててその場で立ち上がった。乱れた髪を手櫛で直して舞い上がって服についた埃をパッパッと払うと、なるべく冷静な声で「今行く」と答えた。
ギクシャクしながら部屋を出る。途中で右手と右足が一緒に出ているのに気付いて、慌てて直した。緊張し過ぎだろう…と自分で呆れてしまう。
オレはその時、自分の気持ちがそこまで辿り着いた事に有頂天になっていて忘れていたのだ。
オレと城之内の関係は、いつも自分の気持ちが先行していたという事を…。
夕食を食べ終わった後、オレと城之内は暫く部屋でゆっくり寛いでいた。メイドに煎れて貰ったコーヒーを飲みながら城之内が「そろそろDVDでも見ないか?」と言って来たのに「そうだな」と軽く答え、予め用意していたDVDソフトを取りに行く。
実はオレには作戦があった。今日オレが用意していたのはホラー映画のDVDだ。しかも暴力的な表現が多い洋物では無くて、精神的な怖さが売りの和製ホラーだ。別にオレはホラーが苦手という訳ではなかったが、コレを一緒に見て要所要所で怖がるふりをすれば城之内に自然に引っ付く事も可能だろう。
見終わった後も怖がっているふりをすれば、きっと城之内もオレを心配して「一緒に寝ようか?」と言ってくれるに違いない!! 一緒にベッドに入ってしまえば、アイツだって男だ。後はやる事は一つだけって訳だ。
完璧だ! 完璧過ぎる!!
余りにも完璧な作戦に思わずフフフ…と笑ってしまう。背後から城之内が「おーい! 海馬ー! まだかー?」と叫んでいるのが聞こえて、オレはにこやかな笑顔で振り返った。そして「夏と来ればコレだろう!!」と自信満々に城之内に持っていたDVDソフトを突きつける。
その途端、城之内の顔が盛大に引き攣った…。
その顔をオレは、一生忘れる事はないだろう…。
「っ…ひっ! ちょ…ちょっと待って!! ヤバイヤバイ! ヤバイってば!!」
何故…こんな事になってしまったのだろうか…?
本来の予定ではオレが城之内に引っ付いて悲鳴を上げている筈だったのに、今現在、状況は完璧に逆転してしまっている。
ソファーに並んでホラー映画を見ているのだが、城之内は隣に座った俺をギュウギュウに抱き締めてチラチラとTV画面を覗いている。そんなに怖ければ見なければいいのに、どうやら内容は気になって仕方無いらしい。
そんなに怖いのならもう見るの止めるか…と尋ねるも、城之内はオレにピッタリくっついたままフルフルと首を横に振った。
「嫌だ…」
「何故だ? 怖いのだろう?」
「いや、怖いけど…。でも先が気になるし…」
「いっその事早送りして結末だけ見てしまうか?」
「それはダメだ!! それだけはしちゃいけない!! そんな事をしたら、コレを作った人に対して失礼だ!!」
恐がりな癖に変なところにこだわりがあるらしい。結局城之内はオレに引っ付いたまま最後までホラー映画を鑑賞してしまった。本気でガクガクと震えたり、ビクッと身体を揺らしたり、ギャーッ!! と悲鳴を上げたりするのは…まぁ可愛いとは思ったがな。
「ひぃ…やっと終わった…。マジで怖かった…」
見終わったDVDをデッキから取り出してケースに仕舞っていると、ソファーにぐったりと項垂れた城之内が疲れ果てたように呟いたのが聞こえた。その言葉に心底苦笑して、オレは城之内の側へと近付いていく。そして荒れた金髪をそっと撫でながら、彼の隣に座り込んだ。
「お前は…本当に怖がりだったんだな」
苦笑しつつそう言うと、すっかり窶れた顔を上げて城之内が恨みがましく睨んで来る。
「仕方ねーだろ…。オレお化けとか幽霊とか、そういうホラー系の奴って大っ嫌いなんだよ…」
「あぁ、だから貴様のデッキにはアンデッド系モンスターが一枚も入っていないのか」
「余計なお世話だよ。それにしても…今日どうしよう…。怖くて一人で眠れねーじゃねーか!!」
ただの八つ当たりに過ぎないその言葉を聞いて、だがオレは心の中でガッツポーズを繰り出した。少々計画がズレた事は否めないが、結果が一緒なら別に構う事は無い。むしろこれは好都合だ…と思い、オレは城之内の身体に体重を掛けて凭れ掛かった。
「そうか…。では一緒に寝るか?」
「は?」
「貴様には客室を用意してあったのだが、一人で眠れないとなれば一大事だ。大事な客を寝不足にする訳にはいかないからな。どうだ? オレの寝室で一緒に眠らないか?」
身体の位置をズラしてなるべく城之内の視線の下から見上げるように覗き込む。なるべくオレが本当に伝えたい事を表情に載せてじっと見詰めていると、ふいに城之内の喉がゴクリと鳴った。そして赤くなった顔でコクリと頷いてみせる。
その表情を確認した瞬間、オレは心の中で二度目のガッツポーズを繰り出した。
そして今、オレのベッドの上でパジャマ姿の男二人が向かい合っていた。お互いに風呂はもう済ませてしまったので、後はやる事をやるだけだろう。部屋の明かりは既に消してあり、ベッドサイドの明かりだけが仄かに辺りを照らしていた。状況もムードも完璧だとオレは本日三度目のガッツポーズを繰り出して、そしてそっと城之内に手を伸ばした。城之内の肩に手を掛けて、誘うようにその場にゆっくりと寝転がる。それに伴って上にのし掛かってきた城之内は、オレの顔の横に手を付いて熱い瞳でじっと見つめてきた。
「城之内…」
小さく名前を囁くと、城之内が動いてその顔が近付いてくる。そして唇を重ね合わされた。
熱い唇がまるでオレの唇を食べるように挟み込み、やがて口内に熱い舌がぬるりと入り込んでくる。口内を好き勝手に嬲る城之内の舌にこちらも必死になって自分の舌を絡めてやった。
「ふっ…んっ…!」
頭の芯がジンジンと痺れる。気持ちが良くて仕方が無かった。たったこれだけの刺激でこんなに気持ち良いなんて、実際にセックスなんてしたらどうなるのか全く検討も付かない。果たしてオレは耐えられるのだろうか…と不安になりつつも、決して止めようとはしなかった。それだけ自分が城之内を求めているのを知っていたから。
オレの両頬に当ててあった城之内の手がそっと離れて、オレのパジャマのボタンにかかった。一つ二つと外していき、やがて前面のボタンが全て取り外され、パラリと脇に肌蹴られる。露わになったオレの胸を、城之内の熱を持った掌が優しく撫で回してきた。まるでマッサージをされているかのような優しい刺激にウットリしていたら、突然ビリッとした強い刺激が伝わってきて、オレは大きく身体を跳ねさせた。
「あっ…んっ!」
城之内の指先がオレの乳首に引っかかって、そこから強烈な快感が湧き上がる。その刺激に思わず声を上げたら、城之内が小さく喉を鳴らして再びオレの乳首に手を伸ばしてきた。そしてそのまま乳首を指先でキュッと摘まれて、オレはまた身体を奮わせながら声を上げてしまった。
「ひゃっ…!」
「ここ…気持ちいいんだ?」
「ふっ…んっ…。あ…気持ち…いい…と思う…」
「何だか女の子みたいだな。そっか…男でもここって感じるんだ」
何だかとても嬉しそうな顔をした城之内が、より身体を密着させるようにオレにのし掛かってくる。そして顔を寄せてオレの乳首をペロリと舐めてきた。
「あっ…!」
濡れた感触に思わず高い声を出すと、城之内はますます嬉しそうな顔して今度は完全に乳首に吸い付いてきた。ジュッジュッと濡れた音を起てながらまるで赤ん坊のように乳首を吸われる感触に、オレは身体を捩りながら身悶える。身体が熱くなって頭の芯がジンジンと痺れて、もう何も考える事が出来なかった。ただ城之内が与えてくる快感に酔いしれる事しか出来ない。城之内の身体の下でゴソゴソと動いていると、ふと自分の膝に城之内の欲望が当ったのを感じた。そこはもうすっかり固く張り詰めていて、城之内がオレの身体で欲情してくれているのが分かって、それがとても嬉しかった。
余りの嬉しさに感極まって、オレは自分の胸に吸い付く城之内の頭を抱きかかえて甘い声で城之内の名前を呼んだ。
「あっ…んっ! 城之…内…っ!」
まさか…ただ名前を呼んだその一言が、城之内に正気を取り戻させたとは誰が考えたであろうか。
オレに名前を呼ばれた城之内は、突然そこでガバリと上体を起こした。そして眼下に広がっていたオレの身体をマジマジと見詰めて目を丸くする。
「城之内…?」
突然の城之内の行動にこちらも驚いてそう問い掛けると、城之内は「ダ…ダメだ!」と声をあげて頭を抱えてしまった。
「城之内…? どうしたのだ一体…」
「ゴメ…ン…」
「………? 何を謝っているのだ?」
「オ…オレ…、今日はこんな事するつもりじゃ…」
「こんな事…? セックスの事か? 別にいいじゃないか…。オレ達は恋人同士だろう?」
「そうなんだけど…。そうなんだけどさ…」
城之内はどこか苦虫を噛み潰したような顔をして悩み込んでしまっている。そこでオレも漸く城之内が何に悩んでいるのか思い当たってしまった。城之内と身体を繋げたいと…一つになりたいと盛り上がっていたのはまだ俺一人だった事に…気付いてしまったのだ。
だが城之内は確かにオレに対して欲情していた。それは間違い無い。だったらそれでも良いと思ったのだが、どうやら城之内の考えはそうでは無いようだった。
「城之内…。お前、欲情していたじゃないか」
そう問い掛けると、城之内は少し悲しそうな顔をしてオレを見た。
「うん…。だけど今のオレのこの状態は、決してお前自身に欲情してた…という事じゃ無いと思う…。お前はよくオレの事を犬に例えるけどさ、それに習えば目の前に最高級の肉を置かれてコレを食べていいって言われた犬と同じなんだ。その肉は確かに凄い魅力的だけど、オレは人間だ。お前の身体だけに満足しちゃいけないんだ。お前の心も…身体も…魂も…その全てを愛する事が出来たら、初めてそこでお前に触れる事が出来るんだと思う」
「城…之…内…」
「今のままじゃ…オレの愛が足りないんだ…。こんな状態でお前を抱く事は、お前に対して失礼な事だ。だから今は抱けない。本当にゴメンな…」
城之内の言葉に、オレは何も言えなくなった。ゆっくりと上体を起こしてみるが、肌蹴たパジャマを直す気力さえ無い。ただ呆然と座り込んでいると、城之内が寂しそうに微笑んでオレを優しく抱き締めた。そして「ゴメン…」と小さく呟くと、頬にそっと唇を押し当てて身体を離す。
「待っ………!!」
慌てて手を伸ばしてもその手は届かず、城之内はバタバタと派手な足音を立てて寝室から飛び出してしまった。一応客室の位置は教えてあったので、そっちに向かっていったのだろう。やがて遠く廊下の奥の方でバタン! と客室の扉が閉まる音がした。
取り残されたのは中途半端な熱を持て余したオレ一人だけ…。伸ばした手を降ろして、ベッドの上で膝を抱えて丸くなった。
「巫山戯るな…」
考えれば考えるほど、悔しい気持ちが胸を占める。未だ冷めやらぬ熱を押さえ込むように、オレはギュッと力を入れて自らの身体をかき抱いた。
「巫山戯るな…、巫山戯るな…っ! ここまでしておいて、何が愛が足りないだ! 何が今は抱けないだ!! 巫山戯るな!!」
それが城之内の真摯な気持ちだという事には気付いていた。それが城之内なりの愛情だという事にも気付いている。そしてこの関係は、いつだって自分の気持ちが先行していた事も…思い出した。
だからとても…やるせなかった。悔しくて…情けなくて…みっともなくて…恥ずかしかった。
「オレばっかり愛して…っ。馬鹿みたいじゃないか…っ!!」
知らず流れ出てきた涙もそのままに、その日オレは、そのまま眠れない夜を過ごした…。
好きなMADは何度でも見ちゃう二礼です、こんばんは。
今日は久しぶりにニ/コ/ニ/コ/動/画で好きなMADを眺めつつ、ゆっくり過ごしました(´∀`)
出来の良いMADはいつ見ても見応えがあるし、何度見ても飽きないものですよね!
しかも何故だか必ず同じ場所で笑ってしまうんですよw
結末が分かっているのにも関わらず…ですw
今日見てたのは、現在丁度運動会シーズン(私が今住んでいる地域では、運動会シーズンは5月から6月にかけてなんですけどね…w)だという事で、『結/束/の/コ/マ/ン/ド/運/動/会/Full~動画Ver~(sm/4/2/4/1/0/4/0)だったんですけど、コレ本当に面白いですよねーw
見てない方は是非是非ご覧になって下さいませw
超オススメです!!
音MADなのにちゃんとストーリーが成り立っているんですよ!
この辺りが他の音MADには無い、この動画ならではの面白さだと思っています(*'-')
あと最近またデ/ス/ノ/ー/トMADが流行り初めていますけど、運営さん…消さなくていいんですかね?w
いや、個人的にデ/ス/ノ/ー/トMADも大好きなので、消さないでいてくれるなら凄くありがたいんですけど…ねw
そういや今日見たデ/ス/ノ/ー/トMADには、社長がゲスト出演してたな…。
アレも運動会ちっくで面白かったwww
短編に『上下確定のジジツ』をUPしました。
サイトを開設したばかりの頃に書いた『上下逆転のススメ』の後日談です。
実は最近自分の中で、古いネタを掘り起こしてみようキャンペーンが発動しておりまして…。
その一環として今回このネタを使って続きを書いてみました。
『上下逆転のススメ』の時のエロはあくまで海馬の妄想でしかありませんでしたが、今回はちゃんと現実でヤッておりますw
久しぶりにこのネタで書いてて思ったのですが、素直じゃなくて強がってばかりいる海馬って…妙に可愛いですねw
何だかこう、余計に苛めたくなってしまいますw
これもまた一つの愛…なんでしょうかwww
以下は拍手のお返事でございます~(´―`)
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(・∀・)
『彼岸の花』と日記の感想をありがとうございます。
風景描写が上手いと言って頂けて良かったです(*'-')
元々頭の中に描いている風景を文字化するのは好きな方だったんですよ。
特に今回の『彼岸の花』のような動きが少ない物語は、より風景描写に力を入れるようにしています。
城之内や海馬が見ている景色を、文字で読んで下さっている方達にも『見て』頂きたいんですよ。
絵や写真と違って小説での風景はあくまで想像に過ぎませんから、脳裏に描く風景にも皆それぞれ若干の違いはあるとは思います。
それでも『同じような』風景を脳裏に思い描いて下さる事によって、ただの文字にも美しい色が付くのだと思っています。
その色は、書き手が文字を書くだけでは付く事は出来ません。
やっぱり読んで下さる方が付けてくれるからこその『色』なのだと思います(´∀`)
それにしても、私が赤い世界=彼岸(あの世)と書きたがっていた事によくぞ気付かれましたw
この辺りはさすがRosebank様ですねぇ~。
あぁそれと、日曜日の日記の写真を褒めて頂いてありがとうございますw
アレは私が写したものでは無いのですが、それでも相棒が撮った写真の中から気に入ったものを自分でセレクトして載せてみました。
気が付いたらもうすっかり秋なんですね~…。
一年って本当に早いです(´∀`;
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内×海馬。
海馬の一人称です。
以前書いた『上下逆転のススメ』の後日談になります(*'-')
シャワーを浴びてきてバスローブを羽織ったままのオレを、同じくバスローブを着て既にベッドの上に寝転がっている城之内が手招きで呼んだ。その招きに応えてゆっくりと近付いていくと、突如手首を強く掴まれて引っ張られ、そのままベッド上に転がされてしまう。仰向けに寝転がったオレの上に嬉々として乗り上げて、にやついた笑みを浮かべる城之内を睨み付けるように視線を向ける。だが城之内はそんなオレの視線にも怯む事なく、そのまま顔を近付けて唇を貪ってきた。
口内にぬるりと押し込まれる熱い舌。傍若無人に暴れ回るそれを押し返そうとするが、その抵抗も虚しく逆に舌を絡め取られて喘がされるだけだった。
段々と苦しくなる呼吸に眉根を寄せて耐えていると、やがて満足したのか、城之内の顔が離れていく。そして半ば咳き込みながら荒い呼吸をしているオレの頭を撫でて、殊更優しく耳元に囁く。
「なんでそんな嫌そうな顔してんだよ。気持ちいい癖に」
その余りな言いように、オレはカチンと来て思わず大声で言い返してしまった。
「嫌そうなのではない! 嫌なのだ!!」…と。
城之内と付合うようになってコイツと初めてセックスをした日から数ヶ月。もうこの手の行為にもすっかり慣れてしまって、オレ達は恋人として度々肌を重ね合わせていた。
初めて結ばれた日の夜、コイツが泊まりに来るまでの間、オレの頭の中では今の状況とは全然違う理想が存在していた。オレは自分と城之内の体型の差から言って、絶対にオレの方が上…つまり攻める役だと思い込んでいたのだ。実際オレ自身もそれまでの城之内の態度を『可愛い』と思っていたのだから、そう決定付けてしまうのも仕方無いと思う。
だが、自分の理想とは裏腹に現実はそう上手くはいかない。現実どころか妄想でさえも己の自由にならず、オレと城之内の位置は逆転したまま変わる事が無かったのだ。そしてあの夜、自分は体良く城之内に押し倒され、身体の隅々までしっかりと貪られてしまったのである。
それ以来自分の立場は『下』から変わる事が無く、男を受け入れるという行為には慣れてしまったものの、それを『良し』と思った事は一度も無い。城之内はオレが今の立場で満足していると思っているらしいが、そう思われる事さえ甚だ不愉快だった。
いつもはただ流されるだけの行為。だが今日はそうはいかないと、オレは精一杯の力で城之内の身体を押し返す。そんなオレに対して城之内は本気で不思議そうに首を傾げてキョトンとしているだけだった。その何も分かってなさそうな顔すらムカツク要因にしかならないという事を、コイツは分かっているのだろうか?
「嫌? 何が嫌なの?」
心底不思議そうに聞いてくる城之内に、いい加減にしろという気持ちが強くなってくる。空っぽな頭にも理解出来るよう、分かり易く説明する為にオレは体勢を整え深く息を吐き出した。
「言っておくが、おれはまだ納得した訳ではない」
「納得って…何が?」
「セックスに置いてオレが抱かれる立場な事についてだ!」
「え? 何それ。今更? もう初めてしてから何ヶ月経ってると思ってんだよ」
「何ヶ月経とうが関係無い! オレはずっと嫌だったのだ! ずっとどころか最初から嫌だった!」
「まぁ…同じ男だからお前の言いたい事はよく分かるけどさぁ…。オレ達の関係はどう考えたって、コレが最良だろ?」
「それは貴様が思っているだけの事であって、オレがそう思っている訳ではない!」
怒りと興奮の余り苦しげに息を吐き出しながら、オレは城之内に訴える。それに対して城之内は少し考え込み、次の瞬間、徐ろにゴロリとベッドの上に仰向けに寝転がった。そしてオレに向かって指先だけでチョイチョイと手招きをし、ニヤリと笑いかける。
「お前の言いたい事はよくわかった。んじゃ、今日はお前がリードしていいから。好きなようにしてみな」
そう言うとそのまま瞳を閉じて、ニヤついた顔のままベッドの上で大の字になる。
余りに突然の出来事に呆然としていると、城之内が薄目を開けてこちらを見詰めてきた。そしてさも可笑しそうな顔をしながら「するんだろ?」と言い放つ。その如何にも馬鹿にしたような物言いにムカッときて、オレはそのまま城之内の上にのし掛かった。
「勿論だ。絶対してやる。後悔するなよ?」
「お前こそ後悔するなよ? オレは別にどうでもいいけどさ」
「な…っ? それはどういう意味だ?」
「さてね。やってみりゃ分かるんじゃねーの?」
城之内の余裕たっぷりな態度には苛つかされたが、それでもやっと巡ってきた千載一遇のチャンスとばかりに、オレは城之内のバスローブに手を掛けた。ハラリと肌蹴けさせると、目の前に現れた逞しい胸板と腹筋に目眩がする。興奮して口内に溜まって来た唾液をゴクリと飲み込むと、目の前の城之内がプッと吹き出した。
「わ、笑うな…っ!」
「はいはい。もう笑いませんよ。ご自由にどうぞ」
笑わないと言っている割にはクスクスと笑い続ける城之内にチッと舌打ちを打って、オレは目の前に晒されて肌に唇を近付けた。しっかりとした首筋に唇を落としチュッと音を起ててキスをする。そのまま軽いキスをしながらゆっくりと胸元まで辿っていくと、それがくすぐったいのか、城之内が笑いながら身を捩っていた。
「大人しくしてろ」と言っても城之内はクスクスと笑うだけで、もう返事すらしない。それが大いにムカついて、オレはさっさと気持ち良くさせてやろうと胸の飾りに吸い付いた。流石にその時ばかりは城之内も「…っ!」と軽く呻いて身体を強ばらせる。漸く笑いが収まった事に満足して、オレはそのまま乳首をしゃぶり続けてやった。
固くなっていく乳首に舌を絡みつかせるようにしゃぶっていると、オレの口から飲み込めなかった唾液が零れ落ちてくる。城之内の胸に溜まっていくそれをジュルリと吸い上げながら愛撫していると、やがて無骨な指が優しくオレの髪を梳いているのに気が付いた。
「あ…うん…。気持ちいいよ…」
城之内の口から出た熱い吐息混じりのその言葉でオレは心底嬉しくなって、今度はその場所から更に下に降りて、城之内の欲望の中心へと辿り着いた。半勃ちになっているそれに指を絡みつかせ上下に擦る。何度か擦っている内にそれはすっかり固くなって、溢れる先走りの液でオレの手をグチョグチョに汚していた。
「海馬…銜えて…? 舐めて…欲しいな」
頭上から城之内の声が聞こえてきて、オレはそれに習ってすっかり逞しく成長したそれに唇を寄せた。根本から浮いた血管に沿って何度も丁寧に舐め上げ、口を大きく開けて濡れて震える亀頭を口内に招き入れる。トロトロと粘液を垂れ流す鈴口を抉るように舌先をのめり込ませると、その度に城之内の身体がビクリと跳ねて反応した。それが嬉しくて、何度も何度も繰り返す。
城之内のペニスはもう既にグショグショに濡れてしまっていた。それが彼が自分で出した先走りの液のせいなのか、それともオレの口から流れ出した唾液のせいなのかは分からない。ただオレは、纏わり付いたその粘液を舐め取るのに必死になっていた。舌で城之内のペニスを舐めれば舐めるほど、手の中のソレは固く大きくなっていく。それがとても嬉しくて、そして物凄く興奮した。
ふと…自分の身体に異変が起こっている事に気付いた。
ズクリ…と、身体の奥がやけに疼いている。最初は気のせいかと思った。何故なら今日リードを取っているのは城之内では無くこのオレだから。オレが攻めているのに、まるで攻められている時のように身体が疼く筈は無いと思っていた。だけどその疼きは時間が経つにつれて、段々と酷くなってくる。
身体が…熱い…。身体の最奥が、まるで火がついたかのようにジンジンと熱く痺れている。ズクズクと疼いて、何かが足りないとオレに訴えかけていた。
「んっ…! うぅ…っ!」
それでも自分は今攻めなんだと思って、何とか城之内への愛撫を続けるが、身体の方はとうに限界を迎えていたらしい。激しく疼く身体に耐えきれなくて内股をもじもじと摺り合わせながら呻いていたら、それまで黙ってオレの愛撫に身を任せていた城之内が、腹筋の力だけで半身を起き上がらせた。そしてオレの顔に手を当てて、優しく引き上げる。
「ご苦労さん。もういいんじゃない?」
「な…何が…だ…」
「顔真っ赤。目もトロンとしちゃって可愛いったらないね。そろそろ限界なんじゃないの? 奥…辛いだろ?」
城之内の言葉にオレは慌てて首を横に振った。それを認める訳にはいかなかった。今日の自分はあくまで城之内の『上』にいなければいけない。だからどんなに切なくなっても、それを口に出す事だけは嫌だった。例えそれを城之内に見抜かれていても…嫌なものは嫌だったのだ。
だが城之内はそんなオレの心情も見透かしているようで、優しく微笑むとそのまま体勢を入れ替えてオレの上に乗り上げてしまった。そしてオレの内股に手を伸ばし、熱い手でその場所をゆっくりと撫で擦る。それだけでもう…身体の奥の熱が暴走しそうになってしまった。
「あっ…んっ!」
「ほら、もうこんなに敏感になってる。奥に欲しい癖に」
「ほ…欲しく…な…んて…無い…っ!!」
「嘘ばっかり。今日は全然触って無いのに、こんなにヒクヒクさせちゃってさ。ちゃんと自分で分かってる?」
「んぁ…っ!!」
城之内の熱い指先がオレの後孔の淵に触れた。それだけでまるで電気が走ったかのような刺激が背筋を突き抜ける。思わずビクリと背を浮かせると、城之内が満足そうな顔をして笑ったのが目に入った。笑みを浮かべたまま城之内は自分のペニスに纏わり付いた粘液を指先で拭い取ると、その指をそのままオレの後孔に持ってくる。そして濡れた指先をグイッとオレの体内に押し込めてきた。
「くっ…! あっ!」
途端に感じる軽い圧迫感。だけどそれ以上に感じる強い快感。ずっと待ち望んでいた刺激が与えられて、自分の身体が喜びに震えるのを感じていた。城之内の長い指が何本も入って来て、その指先がオレの弱いところを撫で擦る度に、オレは嫌々と首を横に振って喘ぐ事しか出来ない。身体の奥に溜まっていく熱が苦しくて仕方無くて、城之内の二の腕に縋り付いて涙をボロボロと零した。
「どうした…海馬?」
優しい癖にどこか厭らしく感じる城之内の問いかけに、オレは必死で言葉を紡いだ。
「た…足りな…い…っ。奥…足りない…っ!」
「うん。何が足りない?」
「い、嫌だ…っ! 意地悪…しない…で…くれ…っ!!」
「意地悪なんてしてないぜ? 海馬がちゃんと答えてくれたら続きをやってやるから」
「それが…意地悪だっ…て…言っている…んだ…っ! 馬鹿…っ!!」
どこか呆れたように、それでも優しそうに微笑んだ城之内は、オレの手を取ってそっと指先に口付けてくれた。そして快感に震えるオレの指先を口中に招き入れ、熱い舌で嬲りながら妙に熱っぽい視線でオレを見詰めてくる。
「海馬…。オレが…欲しい?」
その問い掛けに必死でコクコク頷くと、城之内はオレの唇を親指の腹で撫でながら「ちゃんとこのお口で、言葉にして言ってみな」と言い放つ。オレはもう…その言葉には逆らえなかった。逆らうにしては、オレの身体はもう限界をとっくに通り過ぎていたのだ。
「欲しい…っ! 城之内が…欲しい…っ!!」
「どこにオレが欲しい?」
「な…か…っ。身体の中に…欲し…い…っ! もう…挿れて…くれ…っ!!」
ボロボロと流れ落ちる涙が止まらない。快感による震えで身体中はもうガタガタだった。疼く体内に早く城之内のペニスを挿入して欲しくて、自ら大きく足を開く。そして身体を不自然に曲げて、自分の両手でその場所を大きく晒してみせた。
「はや…く…っ! ここ…ここに…っ!! はやく…っ!!」
オレの言葉に城之内がゴクリと大きく喉を鳴らす音が聞こえた…と思った瞬間、オレは自分の足を大きく抱えあげられ、そして一気に最奥までペニスをねじ込まれていた。疼く箇所に直接熱の固まりが押し付けられて、一気に脳天まで雷に打たれたかのような電気ショックが走り抜ける。
「ひあぁぁっ―――っ!!」
ビクビクと身体全体を大きく痙攣させ、のし掛かる城之内に強くしがみついて悲鳴を上げた。体内で大きく膨らんで感じる場所を容赦なく抉る城之内のペニスに、オレはなすすべも無く喘がされる。どれだけ涙を零そうと、口の端からみっともなく唾液がダラダラと流れ落ちようと、もうその快感を留める術は持たなかった。ただただ城之内の与える刺激を全てこの身に受けて、その快感に流されるだけなのだ。
「気持ちいい…? なぁ…海馬…。気持ちいいか…?」
城之内の熱っぽい囁きに必死になって首を縦に振る。
「あぅ…っ! い…いい…っ! 気持ち…いい…っ!!」
「オレに突っ込まれるの…好き…?」
「好き…! あふっ…んっ! あっ…好…き…っ! 好きぃ…っ!!」
「そうか…。海馬はオレに抱かれるのが好きなのか…」
「あんっ! 好き…好きだから…あぁっ! も…もっと…もっとぉ…っ!!」
「うん、いいよ。もっとあげる」
城之内はそう優しく囁いて、だけどその声とは裏腹の激しさでオレを翻弄した。
熱くて固い熱がオレの体内で暴れ回る。あっという間に高められた熱は出口を求めて彷徨って、そして限界はすぐそこまで来ていた。
「ふあぁ…っ! あっ…も…ダメ…っ!! も…う…イク…っ!!」
「海馬…っ!! 一緒に…っ!!」
「あっ…あっ…くぁっ!! んああぁぁぁ――――――――――っ!!」
最後に大きく仰け反って、オレは全ての欲望を吐き出した。それと同時に体内のペニスがビクビクと震えて、最奥に迸る熱が注ぎ込まれたのを感じる。その熱に何だかとても安心して、オレはそのまま意識を失ってしまった。
ふと目を覚ますと、窓の外はうっすらと明るくなっていた。枕元の時計を見るとまだ起きる時間では無かったが、既に朝は迎えているようだった。隣では熟睡している城之内の姿があって、その余りの間抜け面に思わず吹き出してしまう。キュッと鼻を摘むと「んがっ」と呻いて盛大に眉根を寄せて苦しげな顔をしたので、それで少し溜飲が下がった気がした。
まだ全て認めている訳ではない。だが、もうこれで仕方無いとも諦めている。何故ならば…この形が一番自然だと、自分でも気付いてしまったからだ。そういう風に城之内に身体を作り替えられてしまったと考えるのが一番楽だが、最初からこの形であった以上、こうなる事が必然だった事にも気付いている。
「仕方が無いな…。これで我慢してやる…」
鼻を摘まれたまま未だにうーうー言っている城之内に苦笑しつつ、オレは小さく呟いた。
男として抱かれるという事は確かにプライドが傷付く行為ではあるが、城之内に抱かれるというその行為が自分にとって酷く安心する事も知ってしまったから…。
だからこれで確定でいいと…そう思いつつ、オレは間抜け面にキスを送り、もう一度眠る為にその温かな身体に擦り寄って目を瞑った。
何だか妙に疲れが溜まって眠たい二礼です、こんばんは。
原因は分かっているんです。
今日は火曜日、本来なら平日です。
普段だったら相棒は仕事に行き、私は家で自分だけの時間をゆったりと寛げてる筈だったのですが…。
そのリズムが朝から狂いっ放しですwwww
休日には休日の、平日には平日の私のリズムってもんがあるのですが、こういう大型連休だと休日モードに入った相棒に振り回され、自分のリズムを取る事が出来ません…w
うんまぁ…連休ってのはいいモンだよ。
普段お仕事頑張ってるし、はしゃぎたくなる気持ちもよく分かる。
だがしかし、私には連休なぞ関係無いのだ!
休みの日にもいつも通りに仕事に行って(しかも休日手当付き! 時給100円UPヤッホーイ♪)、普段の日と変わらぬ日常を過ごすだけなのだ!
自分のリズムを狂わされ、尚かつ他人に振り回されるというのは、本当に疲れる事なんです…(´_ゝ`;
でもまぁ三連休くらいだったらこんな事にはなりません。
一日休みが増えたくらいでは、特に何も感じる事がないようです。
ただしそれが四連休以上になると話が違ってきますw
途端に脳と身体が付いて行けなくなるのですよ…w
という訳で、毎年ゴールデンウィークには上記の理由で疲れが溜まって口内炎が出来るのですが、今年はこの時期にも出来ちゃいそうな気がしますねぇ~…。
既に下顎にプチッてのがあるのが確認出来るしw
あと一日…頑張ろう…w
短編に『彼岸の花』をUPしました。
日曜日に美しい彼岸花を見てきたのと、前々からこの時期には彼岸花に纏わる話を書こうと思っていたので、こういうの書いてみました。
彼岸花って本当に綺麗ですよね~。
それでいてとても不思議です。
いつもと同じ風景の中に、ある日パッと出て来て美しい赤い花を咲かせているのを見るのは、何だかそこだけ異質のような気がして怪しい雰囲気満載です。
でもこの不思議な雰囲気が子供の頃から大好きで、毎年お彼岸の時期にはわざわざ彼岸花の咲いている場所で遊んでたりしてました。
その傾向は今でも変わらず、お散歩してたりしても彼岸花を見付けるとついつい足を止めちゃったりしちゃうんですよね~(´∀`)
ちなみに個人的には、彼岸花は日向に咲いているのより日陰にひっそり咲いているのを見る方が好きです。
だって、その方がらしいじゃないですかw
彼岸が終われば10月か…。
社長誕企画…。
さてさて、どうしましょうかね?(*'-')
城之内+海馬。城之内の一人称。
秋のお彼岸の時期に咲くあの赤い花の物語です。
ちょっと生命力の輝きが希薄な海馬が出て来ます。
今日は一緒に帰る? と聞いたオレに、海馬は口元に笑みを浮かべて黙って頷いた。
もう大分前からになるけど、オレと海馬はこうして時々一緒に下校したり、たまにお互いの家に入り浸ってみたりするようになっていた。切っ掛けはオレの方が海馬に近付いた事だったけど。
本当はずっと嫌な奴だと思っていた。けれど、バトルシティでのコイツの勇姿とか、三千年前のエジプトでの前世の姿とか(本人はこの事を言われると盛大に嫌がるが)、あとアテムを共に見送った時の事とか色々あって、気付いたら別に嫌でも何でも無くなっていた。それどころかオレは随分と海馬の事が気に掛かるようになっていたんだ。そういう風に気に掛けて好意的な目で見てみれば、今まで見えて来なかった海馬の側面が見えて来る。新しく見直した海馬の印象は、また何て言うか物凄く希薄な存在だった。
いや、存在感はバリバリにある。あんなに目立つ奴はいないと思うくらいだし、本人もかなりの目立ちたがり屋だしな。ただ何て言うんだろう。命が感じられない。他の人間が持っている生命の輝きって奴が感じられないんだ。
バトルシティで本格的に立ち直った海馬が、とんでも無く大きな夢を抱え世界に進出していったのは良く知っていた。その夢を実現させる為の行動力は本気で凄いと思っていたし、感心もしている。
でもさ、普通の人間ってまず命ありきだろ? 自分の命があって、そこで初めて夢が発生する。自分の命を抱えて、その上で自分の夢を実現させる為に頑張っていくもんだ。だけど海馬はそうじゃなかった。海馬にとってはまず最初に夢があって、命なんてその夢を実現させる為のただの付属品でしか無かったんだ。だから生命の輝きが感じられない。凄く…存在自体が希薄に感じられる。
オレはそんな海馬を放っておけなかった。
その頃になるとオレもかなり海馬を好きになっていたし、以前感じていたような嫌悪感は全く残っていなかった。だから自分から海馬に近付いたんだ。
最初は一方的にオレが喋り倒すだけだったこの関係も、やがてオレに心を許した海馬が応えるようになって大分様相が変わってきた。最近では向こうからコンタクトを取ってくる事も珍しくない。こうしてオレ達は時間があれば顔を付合わせ、お互いにとって重要な事から、何て事は無い下らない話まで色々するようになっていた。海馬がオレと一緒に下校する為にリムジンでの迎えを断わって、たまに徒歩で帰るようになったのもこの頃からだった。
秋の夕暮れの街を二人で歩く。もう大分日は短くなって、西日が長く二人分の影を背後に引っ張っていた。近道だと言う事で河原の土手に上がって歩いている為、前後左右遮るものが何も無い。真っ赤な西日を右斜め前から浴び、今日最後の陽光にきらきら光る川面を眺めながら黙々と歩く。いつもだったら何かしら喋りながら歩いているのに、何故か今日は何の話題も出て来なかった。
何となく気不味いなぁ…とオレが思った時だった。ふと、隣を歩いていた海馬が立ち止まって、じっと何かを見詰めていた。何かと思ってその青い視線の先を辿ると、河原の一角が真っ赤に染まっているのが目に入る。「なんだあれ」とオレが呟くと海馬は「ふむ…」と少し悩んで、そして急ぎ足で歩き出した。そして数メートル先にあった河原へと繋がっている階段を降りて、そのまま下に行ってしまう。赤い何かに誘われるように近付いて行っている海馬を見て、オレも慌ててその後を付いていった。そして近付いてみて、その赤い何かの正体が漸く分かった。
それは怪しいほどに美しく咲き誇る彼岸花の花畑だった。
こんな花、いつの間に出て来たんだろう? 何度もここを通っているのに全く気付かなかった。
「美しいな…」
呆然と真っ赤に咲く花々を見ているオレの横で、海馬が感心したようにボソリと呟いた。ただでさえ血のように真っ赤なその花は、秋の夕日に染められてますます赤く輝いている。
物凄く…幻想的な風景だった。
「これって、彼岸花…だっけ?」
語りかけるようにそう呟いたら、海馬はこちらを振り返ってコクリと一つ頷いた。
「そうだ。よく知っていたな」
「まぁ、いくらオレだってこのくらいは…」
「別名は曼珠沙華とも言う。仏教用語だがな。他には死人花とか地獄花とか幽霊花とか…」
「余り縁起が良くない名前ばっかだなー」
「彼岸の時期に突然現れて派手な花を咲かせたと思ったら、再び突然消えていくのが当時の人間にとっては気持ち悪かったんだろうな」
「確かにちょっと気味悪ぃ…」
「そうか? オレは結構好きだがな」
そう言うと海馬は穏やかな表情で足元の真っ赤な花々を見詰めていた。オレもそれに習って黙って彼岸花を見詰める。川から吹いてきた冷たい風が二人の間を通り抜けていった。
オレ達が今いる世界は、怖い程に赤い赤い世界だった。
西の地に落ちる寸前の太陽の赤い光、その光を受けて水面を赤く染め上げている大きな川、そしてその光に包まれてより赤い花を咲かす彼岸花の群れ。美しい世界だとは思ったけど、何だかちょっと恐ろしかった。ブルリと背筋を奮わせて、足元の彼岸花から目の前の海馬に視線を戻す。そしてオレは驚いた。
海馬が赤く染まっていた。真っ白な肌に西日を一杯に受けて、冷たい風に栗色の髪を靡かせている。夕日の赤と、川面からの反射光の赤と、そして足元の彼岸花からの赤と…。まるで海馬を包み込むように、全ての赤が飽和していた。
「海馬…っ!!」
「………っ!?」
足元の彼岸花を蹴散らすように走り寄って、慌ててその細い身体を抱き締めた。何故だか…どうしても今、コイツを抱き締めておかないとダメなような気がした。そうしないと不安で不安で仕方が無くて、我慢する事なんか出来なかった。
オレに抱き締められた海馬は驚いて暫く固まっていたが、やがてハッと気付いて腕の中で暴れ始める。
「き…貴様! 突然何だ!?」
「ゴメン! お前が消えちゃいそうな気がして…!!」
「は…?」
海馬には笑われるかもしれないけど、オレには本気で海馬が消えてしまうように見えた。あの赤い世界に包まれて、そのまま連れて行かれるかと思ってしまった。生命の輝きが感じられない海馬。存在が希薄な海馬。命ある者なら簡単に抗える彼岸への招待を、コイツが抗えるとは到底思えなかった…。
この手でその存在を抱き締めてもまだ安心出来ず、オレはそのまま海馬を強く抱き続ける。それに苦しそうに海馬が身体を捩るけど、腕の力を弛めることはしなかった。
「苦しいぞ…城之内」
「ゴメン…。だけどもう少しこのままで…」
「一体何だと言うのだ」
「お前が連れていかれると思って…」
「連れて…? 何にだ」
「分かんない…。分かんないけど、何か知らない何かに知らない場所へ連れて行かれるような気がしたんだ」
「何だそれは。相変わらず理解不能だな、お前は…」
呆れたように海馬がオレの肩口で溜息を吐く。だけどもう、それ以上の抵抗はしようとはしなかった。オレはそれに安心して、ほんの少しだけ腕の力を弛めた。せめて海馬が苦しくないようにするけど、それでもまだ抱き続ける。この身体を離そうとは…思えなかった。
「ずっと思ってた事なんだけど…。お前ってさ、存在が薄いよな」
完全に日が沈んで徐々に暗くなっていく世界をこの目で捉えながら、そう海馬の耳元に囁いた。オレのその言葉に、海馬は心底不思議そうに首を傾げてみせる。
「そうなのか? 結構派手に動いているつもりだが…」
「あぁ、うん。そういう意味では派手だしよく目立ってるよ。オレが言ってるのはそういう事じゃない」
「意味が分からんな。ではどういう意味だ?」
「それが…オレにも上手く説明出来ないんだよ。ただ何て言うか…命が感じられない」
「命だと? オレは普通に生きているつもりだが…」
「うん。海馬は間違い無く生きているよ。だけど生きていこうとする気力が感じられない。生命の輝きが全く感じられない。生きていく為に夢を実現するんじゃなくて、海馬の場合は夢を実現する為に命がある感じだ」
「………」
「そういうのってさ、見てて凄く不安になる。実際オレはずっと不安だった。いつかお前がパッタリ目の前から消えていってしまうんじゃないかって…不安だった」
そうだ。オレはずっと不安だった。
まるでこの彼岸花のように、突然目の前に現れた海馬。何の前触れも無く派手な花を開かせて、その強烈さに目を奪われた。だけど彼岸花の寿命は短い。今は間違い無くこの腕の中に存在している海馬だけれど、まるでこの花の運命のように突然オレの目の前から消えてしまったらどうしようって…ずっとそう思っていた。そう思って…凄く怖かった。
「好きだよ」
突然零れ落ちたオレの言葉に、腕の中の海馬が身体を硬くした。こんな事言うつもりなかったんだけど。何か今ここで言わなくちゃいけないような気がして、つい言葉にしてしまった。一瞬しまったって思ったけど、出てしまったものは仕方が無い。こういうのを後悔するのは好きじゃないんだ。
「オレ、お前の事が好きなんだ」
「………っ。それは…いつから…だ」
「分かんない。最初からはそうじゃなかったと思う。でも今それに気付いた」
「今か!?」
「今だろうが前からだろうが、そんなのは関係ねーよ。好きなもんは好きでいいじゃねーか」
「だが…お前…っ」
「好きなんだから仕方無いだろう? とにかく! オレはお前の事が好きなの! 好きだからお前がオレの目の前から消えるのが嫌なの!! だから抱き締めて捕まえた…それだけの事だ」
オレの言葉に海馬はすっかり黙り込んでしまった。ただ、相変わらず大人しくオレの腕に抱かれたままになっている。今コイツは男から愛の告白を受けて、その相手に抱き締められているって事をちゃんと分かっているのだろうか?
嫌なら逃げろよ…と思いつつ、少し身体を離して海馬の顔を覗き込んだ時だった。思いがけず海馬がクスリと笑みを零したのが目に入ってくる。
「ふっ…くくっ…。相変わらず…即物的な男だな…貴様は」
「海馬…?」
「好きだと思ったから即行動とは…。流石というか何というか、オレにはとても真似出来ん」
「えーと…? 海馬?」
「数週間悩んだ自分が馬鹿みたいだ」
心底面白そうにそう言い放った海馬を見詰めつつ、オレはその言葉の意味を理解するのに大分時間を要した。気付いた瞬間に顔が一気に熱くなっていったのが分かる。余りの衝撃にあわあわと意味不明な言葉しか出ないオレを見て、海馬がまた笑いながら口を開く。
「城之内、彼岸花みたいな色になってるぞ」
「へ? な、何が?」
「顔の色が…だ。真っ赤になっている」
もうとっくに日は落ちて辺りは真っ暗だというのに、海馬は土手の街灯の僅かな光を頼りにオレの顔色を見てそう言った。それにまた少し悔しくなって、もう一度今度はわざと力を入れて細い身体を抱き締める。さっきと同じように苦しいと文句を言われたけれど、これは仕返しだから力を弛めてやるなんて事はしない。ただ漸く…安心した事は確かだった。初めて海馬の存在をこの手で確かめられたような気がした。
「消えるなよ」
ギュッと愛しい人を抱き締めながらそう言った。それに対して海馬はオレの背に腕を回しながら「だから何がだ?」と問いかけて来る。
「オレの目の前から突然消えるなって言ってんだ」
「別にそんな事しようとは全く思っていないが?」
「思ってようが思ってなかろうが、そんな事は関係無いの。だってお前の希薄さは相変わらずで、今にも消えそうになってんだからさ…」
「だったら…お前が何とかしてくれ」
「え…?」
「オレに生命の輝きが感じられないと言ったな。だったら貴様がその手で、オレにそれをもたらせばいいだろう。オレに命を取り戻させるのは、城之内…貴様の役目だ」
海馬の余りの言いように一瞬呆れたけど、でもそれが一番良いと思ったのも事実だ。だからオレはその言葉に黙って頷いて、海馬の顔を引き寄せた。秋の夜風にすっかり冷たくなった唇に口付ける。オレの熱いくらいの温度が移って、冷たい唇が温かくなるまで…。
足元には彼岸花の花畑。だけどあれほど派手に赤々と輝いていた花々は、今は夜の闇に紛れて目に見えない。あの赤い世界から海馬を取り戻す事が出来たんだと、オレは心からそう感じながら愛しい身体を抱き締めた。
もう二度とこの男が攫われそうになる事が無いように、強く…強く…。
久々のサイクリングでいい汗かいた二礼です、こんばんは。
たまに相棒と一緒にサイクリングに行ったりするのですが、八月中は暑い日が続いていたので本格的なサイクリングは取りやめになっていたんですよね。
私自身暑いのが凄く苦手なんで、途中でパッタリ倒れちゃったりするのも何なので…w
んで、最近は随分涼しくなったという事で、思い切って遠出してみる事にしました。
今日は本当にいいお天気で直射日光は暑かったものの、風はもう秋の風になってるんですね~。
凄く涼しくて気持ち良かったです(´∀`)
浜離宮恩賜庭園のコスモスが満開だというので、片道12㎞の距離をせっせとロードバイク漕いで見に行ったのですが、本当に綺麗で感動しました!
コスモスも綺麗でしたが、萩や曼珠沙華が本当に美しくて溜息が出ました…。
蝶とか蜻蛉とか蜂とか花虻とかの虫さん達もめっちゃ飛んでいましたがw
赤蜻蛉なんて久しぶりに見たよ…。
もうそんな季節なんだねぇ。一年って早い!!
一年が早いと言えば、たまたま帰り道に選んだコースが去年社長オンリーが開かれた会場の前を通るコースで、思わず一人でニヤニヤしてしまいましたw
あのイベントも楽しかったなぁ…(*´д`*)ハァハァ
また社長オンリーとか開かれないかなw
ついでなんで、また撮ってきた写真上げときます。
主に相棒が撮った写真ですが…w
そう言えば遊戯王10周年記念の3D映画の情報が出ましたね~!
今から滅茶苦茶楽しみです!!
隣でそのニュースに浮き立っている私を見て相棒が「見に行くんですね、分かります」と冷静に言っていたのが気に掛かりますが…w
一緒に見に行っては…くれないね、やっぱw
いいよもう~! 一人で見に行くから!!(・3・)
子連れ城海シリーズに『ただ一つの恋、もう一つの絆(Ver.城之内)』をUPしました。
前回上げた海馬Verの対として書いたものです。
ゴメンナサイ…、33歳の男を大泣きさせてしまいました…w
でも私は、城之内君には何歳になっても本気で大泣き出来るような男でいて欲しいと思っています(*'-')
逆に海馬は常にひっそり泣き推奨で!
我慢して我慢して最後まで我慢して、んで耐えきれなくなったら人目に付かない場所でひっそり涙を流していればいいと思いますw
可愛いなぁ~ホントに(*´∀`*)
以下は拍手のお返事でございます~(・∀・)
>発芽米子様
こんばんは~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
『子連れ城海シリーズ』を気に入って下さってありがとうございます!
城海の二人はおっさん化してるし、オリキャラの子供は出しゃばっているしで、これを纏めようかどうか散々悩んだのですが…。
思い切ってやってみる事にしました。
米子様から「嬉しいです!」とのコメントを頂けて、私も嬉しく思っています(*´∀`*)
この物語の城海やオリキャラ達に対する人の反応は様々ですが、私個人としましては『悪人』は誰一人いなかったという方向性で書いています。
大人四人(城海とその奥さん達。子供達は関係無いのでこの際パスw)にはそれぞれ思惑があって、一人一人が少しずつ間違ってしまった結果が今現在(城海41歳時点)の状況なのですが、それでもその中で城海が本当に幸せになれる道を探れたらいいなぁ~と思っています。
ちなみに海馬の奥さんは、もう出て来ないんじゃないですかね?w
彼女はあくまでこの物語に色を添えるだけの脇役なのでw(身も蓋も無い事を…w)
あと、瀬衣名を気に入って下さってありがとうございます~v
ちょっと…いやかなり嬉しいです!!(>_<)
城之内の娘ならこんな感じだろう…と想像して作ったキャラではありますが、きっと城之内君が女体化してもこんな感じなんでしょうねw
下着姿で歩き回ることを注意されても、本人にしては「だから何?」って感じなんだと思いますよ(´∀`)
あとは克人の出番なのですが…。
彼の出番は…増えるんでしょうかねぇ…?www
何か地味~なキャラなんで、出ても全く活躍しそうにないですw
あ、そうそう。
全然関係無いですが、ミクの『1/6』が10月25日にJOYSOUNDで配信だそうですよ~!!
10月25日っていったら社長の誕生日じゃないですか~(´∀`人)
ダブルで嬉しいでっす!!
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>栗原一志様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
返事は大丈夫…との事でしたが少しだけw
栗原様が仰っておられたのは「そういや」の部分だったのですね!!
確かに読み返してみたら、あの台詞は社長にしては随分乱暴…と言うか城之内っぽい感じですw
いえいえ、こちらこそスミマセンでした。
教えて下さったお陰で、より社長っぽく修正する事が出来ましたw
逆にお礼申し上げます(´∀`) ありがとうございましたv
誤字脱字や、こういった表現のオカシイ部分等を教えて貰えるのは凄くありがたい事だと思っています。
見返しても自分じゃ気付かない事も多いですしねー。
特に初期の頃の小説は…何かもう色々とダメな部分が多くて…w
怖くて今更自分では見返せませんwww
なので栗原様がそんなに謝ったりする必要は無いのですよ~(*´∀`*)
むしろちゃんと読んで下さっているんだなぁ~と感じられて、凄く嬉しいと思っています。
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内26歳、瀬衣名2歳→城之内33歳、瀬衣名9歳。
前編は城之内が奥さんと死に別れた時のお話で、後編は遊園地騒動(城之内が海馬と再会した直後)のお話です。
二歳になったばかりの小さな娘を連れて、城之内は病院の廊下を歩いていた。右肩には大きな荷物をしょっている。鞄の中には入院中の妻の着替えとタオル、まだ小さな娘が外で粗相をした場合の換えのオムツと下着と洋服、それから妻の好物のプリンと娘の為の飲み物が入っている。重さでずれてきたその荷物をしょい直し、城之内は左腕に抱えていた娘を地面に降ろした。
「ほら、もうすぐママの病室だぞ。ちゃんと自分で歩きなさい」
そう言うと小さな娘はコクリと頷いて、ついこの間買って貰ったばかりの靴をコトコトと鳴らしながら廊下の突き当たりまで歩いて行った。
長い廊下の最奥の右手にあるのが、城之内の妻が入院している病室だった。入り口に置いてあるアルコール消毒液で娘の手と自分の手を消毒し、城之内は娘の手を引いて中に入っていく。廊下側に入院している人に会釈をしながら窓際まで進みカーテンを覗き込むと、そこにはすっかり窶れた自分の妻が眠っているのが見えた。
「ままー!」
母親の姿を視認して娘が声を上げる。その声に閉じていた瞼をそっと開いて、白いベッドの上から彼女は城之内を見詰め、そしてフワリと優しく微笑んだ。
「あら…、来てたのね…。ごめんなさい、私…眠っていたわ」
「いや、大丈夫だよ。今来たばかりだし」
ベッドの背を起こして楽な姿勢をとりながら、彼女は本当に嬉しそうに笑っていた。寝間着の襟元を直しつつ、少しずれたバンダナをはめ直しながら彼女は娘に向かって微笑みかける。そしてその小さな手をそっと握った。
「来てくれたのね、瀬衣名ちゃん。ありがとう」
「まま、げんきー?」
「えぇ、元気よ。瀬衣名ちゃんが来てくれたからすっかり元気になれたわ」
ベッドによじ登る娘を支えながら、彼女は娘の足に手を伸ばした。ベッドのシーツを汚さないように娘の小さな靴を脱がしてやりながら、「あら?」と驚いたように声を上げる。
「また新しい靴。どこかで無くしちゃったのかしら?」
「ハハハ。違うって。瀬衣名の足がすぐに大きくなってしまって、靴なんてあっという間に履けなくなっちゃうんだ」
右肩にしょっていた大荷物をパイプ椅子の上に置き、中身を整頓しながら取り出していた城之内は、妻の素っ頓狂な質問に笑いながらそう答えた。その答えを聞くや否や、彼女は本当に心から嬉しそうに微笑んで娘を見詰める。そして柔らかな髪を愛おしそうにそっと撫でつけた。
「そうなの…。瀬衣名ちゃんはもうそんなに大きくなっちゃったのね…。偉いわねぇ~」
城之内の妻はすっかり痩せ細って荒れてしまった指先で、大事に大事に娘の髪を撫でていた。娘の髪は固いだけの自分の髪とは違って、彼女に似てとても柔らかで触り心地が良かった。娘と全く同じ髪質だった彼女の豊かな長い髪は、今はもうどこにも見られない。抗がん剤の治療によってすっかり全て抜け落ちてしまった彼女の頭は、今はカラフルなバンダナで隠されている。それがとても痛々しいと、城之内は彼女の姿を見る度に胸を痛めた。
決して美人では無かったが、いつも明るくて優しくて、柔らかな髪をフワリと風に靡かせながら微笑んでいる人だった。その面影はもうどこにも無い。彼女の身体に巣くった病が、確実に彼女の命を削っているからだった。
城之内は三日程前に、彼女の担当医から妻の余命を聞かされていた。あと一ヶ月持てばいい方だ…と言われていた。
鞄の中から取り出した新しいパジャマや下着、タオルなどを側の戸棚に入れながら、城之内はなるべく普段と同じような飄々とした表情で親子の会話に加わっていた。彼女の前で哀しい顔をする事だけはしてはいけない。せめて親子三人でいる間だけは、なるべく楽しい記憶を残そうと…そう心に決めていた。
「ぱぱー。のどかわいた」
荷物を全て整頓し終わって漸くパイプ椅子に腰を下ろした城之内に、ベッドの上で母親と戯れていた娘が声をかける。その声に笑顔で頷いて、城之内は用意してあった小児用のストロー付き水筒を手渡した。本体に差し込んであったストローを取り出して娘の小さな口に銜えさせてやると、よっぽど喉が渇いていたのか、中に入っていた常温の麦茶が凄い勢いで減っていくのが見える。
ゴッキュゴッキュと喉を鳴らしながら麦茶を飲んでいる我が子を、城之内は妻と二人で和やかに見詰めていた。
「子供の成長って早いのね…。私が入院している間に、こんなに大きくなってしまって…」
「うん、そうだな。オレも驚いてる」
城之内の応えに、彼女は深く息を吐き出した。そして再び娘の頭に触れて、その小さな頭を優しく優しく撫でつける。
「この調子なら幼稚園に入るのなんてあっという間ね。あ…でも貴方が仕事しているのだろうから、幼稚園じゃなくて保育園かしら。保育園に入ったと思ったら次は小学校。一年生になって大きな赤いランドセルを背負った姿を見てみたいわ。どんなにか可愛いでしょうに…。それから六年後には中学校…。制服はセーラー服かしら、それともブレザーかしら。どっちにしても良く似合うでしょうね」
妻の夢物語を、城之内は側で黙って聞いている事しか出来なかった。その物語に口を挟むことなど出来はしない。
彼女は…自分の病気の事をよく知っていた。そして自分に残された時間が残り少ないことも…よく分かっていた。
「二十歳になったら成人式ね。この子の為にとっても素敵な着物を買ってあげましょう。それから結婚式…。旦那さんはどんな人かしら? 真っ白で凄く可愛いウェディングドレスを着せてあげたいわ。きっと世界で一番素敵なお姫様になるわよ」
娘はいつの間にか母親の夢物語を子守歌代わりに、白いベッドの上で眠ってしまっていた。規則正しい寝息が小さな口から漏れて、幼児特有の少し膨らんだ丸いお腹が上下している。
それを目で確認して、城之内は深く項垂れる。もう…笑顔を保つ事は出来なかった。
「あんまり…泣かすなよ…」
「え…?」
「あんまり泣かすなって言ってんだ…」
ここで泣いてはいけないと分かってはいたが、溢れてくるものを留める事も出来なかった。それならばせめて…と顔を俯けたままで身体を震わせる。声もなく震えて静かに涙を流し続ける城之内に彼女は優しく微笑むと、その頭に細くなった指先を載せて優しく荒れた髪を梳いた。
「ゴメンね、克也君」
付合っていた頃の呼び名でそう城之内を呼び、彼女は小さく謝った。
「ゴメンね…。本当にゴメンね、克也君…」
「何謝ってんだよ…。意味分かんねー…」
「それでもゴメンね…」
「謝るなよ。大体何に対して謝ってんだよ」
「全てかな」
「全て…?」
妻の予想外の返答に、そこで漸く城之内が顔を上げた。涙で濡れた城之内の頬を優しく痩せた掌で拭いながら、彼女は少し寂しそうに微笑んでみせる。
「克也君に好きな人がいるのは分かってた。例え別れていたとしても、その人の事を本気で忘れられないのも知ってた。だけど無理言って付合って結婚して貰ったのは私の方だから…。だからゴメンね」
「何でお前がそれを謝るんだよ…っ! それについて謝らなくちゃいけないのはオレの方だろ? アイツの事を忘れられない癖にお前の優しさに甘えてきってしまっていたのは…オレの方だ…っ!」
「うん…。でも克也君、苦しんでた。その人の事が忘れられなくて、その人の事を好き過ぎて、凄く苦しんでた。自分の幸せの為だけに、克也君のその苦しみを利用したのは私の方。だから私の方が謝らなくちゃいけないの。ゴメンね…」
「………ッ!」
「きっと…罰が当ったんだわ…。自分の気持ちと恋だけを優先して、克也君の気持ちを無視したから。克也君に無理させちゃったから」
「そんな…っ! そんな事は関係無い…!!」
妻の寂しげな物言いに、城之内は必死になって首を横に振った。その必死な形相に彼女はまた嬉しそうに微笑み、そして再び口を開く。
「ねぇ…克也君。二つ…お願いしたい事があるんだけど…いいかな?」
城之内の瞳から流れ出る涙を優しく拭い、そして彼女はそっと腕を回して城之内の頭をその胸の内に抱き込んだ。彼女の力に従って、城之内は痩せた胸に頭を寄せる。トクン…トクン…と聞こえて来る心音は今にも消えてしまいそうなくらいに弱々しく、頬から感じる体温はもう随分と低くなっていた。
「一つは瀬衣名の事。あの子が立派な大人になれるように、克也君が守ってあげて欲しいの…。克也君はこの子のお父さんだもの。出来るわよね?」
胸の内から響いてくる優しい声に、城之内はコクリと頷く。もうこれ以上声を出す事さえ不可能だった。声を出せば大声で泣いてしまいそうで…必死で嗚咽を飲み込む事しか出来ない。喉の奥が…酷く痛かった。
「それからもう一つは…克也君、貴方の事」
すっかり細くなってしまった腕が、ギュッと城之内の身体を抱き締めた。
「お願いよ…。どうか私に縛られないで…。これから先は自由に生きていって欲しいの…。克也君の好きなように…貴方が信じるままに…どうか…自由に…」
どうか自由に生きて欲しい。
それからというものの、彼女は会う度に城之内にそう告げた。まるで遺言だとでも言うようにしつこく何度も何度も、城之内がきちんと了承するまで何度も。
彼女ははっきりとそれが遺言だとは言わなかった。だけど城之内はそういう事なんだろうと理解している。理解しているからこそなかなか了承出来なかったが、結局彼女を安心させる為に首を縦に振らざるを得なかった。
そして半月後…、静かな雨が降り続ける夜の事。彼女は城之内と娘に見守られて、静かに旅立っていった。
あれから七年。城之内は今リビングの脇にしつらえた小さな仏壇の前に座り、飾られている写真立てをじっと見詰めていた。写真の中の彼女はいつでも明るく優しく微笑んで、城之内と娘を見守っている。
妻が旅立って行ってから七年間。城之内はずっと悔やんでいた。彼女を心から愛する事が出来なかった事を後悔し続けていた。
彼女は死の間際に、自分が病気になったのは自分が城之内を利用した罰が当ったのだと話していた。だが城之内は、彼女が死んだ事こそ自分が彼女を利用した罰だと思っている。
本当は彼女の事を心底愛していた。大好きだった。でも海馬への想いが強過ぎて、彼女を一番に愛する事が出来なかった。それを深く後悔はしているが、きっと何度やりなおしても彼女を一番に愛する事は無理なのだという事もよく分かっていた。
城之内にとって海馬は特別だった。自分がしたただ一つの恋だった。海馬の事を考える度に、あの最後の別れの夜が思い出されて胸が痛くなった。海馬と別れて、彼が取引先の会社の社長令嬢と婚約した事を知って、翌年にはその婚約者と結婚した事もニュースで見て知って…。その度に苦しくて苦しくて死にそうになった。何度彼を攫いに行こうかと思っただろう。だけどその度に自分の気持ちを押し留めて…泣いて…苦しんで…。
そしてそんな城之内の溢れ出る苦しみを救ってくれたのが…彼女だった。
海馬との間にあった絆は、彼女との間には無かったのかもしれない。だが、確かにそこには抗いきれないただ一つの強い絆があった。城之内にとってはその絆がとても心地良く、彼の心を救っていたのは紛れも無い事実である。そして彼女の心もまた…城之内との断ち切れない強い絆によって救われていたのだ。
隣の部屋では九歳になった娘がぐっすり眠っていた。家出という大冒険をした上に真夜中に帰ってきたので疲れているのだろう。ちょっとやそっとでは起きそうになかった。そっと部屋を覗いてみると何か楽しい夢でも見ているのか、口元に笑みを浮かべてムニャムニャと何か寝言を言っている。その寝顔に少し癒されて、城之内は再び仏壇の前に戻って来た。そしてその場所に座り込んで、写真の中の彼女に語りかける。
「今日な…、瀬衣名が家出したんだ。オレが海馬ランドに連れて行かないのを不満に思ってたらしくてさ…。黙って一人で行っちまいやがった」
困ったような笑顔を浮かべて城之内は喋り続けた。
「随分楽しかったらしい。気の合う男の子に出会って、ずっと一緒に遊んでたんだってさ。まったく…困った奴だよな。その間、オレがどんなに心配して探し回ってたと思ってやがるんだ」
膝の上に置いたままだった手をギュッと強く握る。
「夜になってその男の子の親が保護してくれたらしくってさ、オレに連絡が来たんだ。それで瀬衣名を迎えに行ったんだけど…驚いた…んだ…。だって…その子の親って…まさか…アイツだなんて…思わなくて…」
泣きたいのか、笑いたいのか、酷く複雑な気分だった。でもこの気持ちに嘘は吐けない。嬉しくて嬉しくて、飛び上がりたい程だった。
「ゴメン…ッ! お前に悪いと思って…何とか諦めようと頑張ってみたんだけど、どうしても忘れられなくって…!! いつまで経っても好きで…大好きで…愛してて…っ! そしたら…急に目の前に…アイツが…現れて…っ! オレ…オレ…どうしたらいいか分からなくなって…っ!!」
ボロボロと涙が零れ落ちた。ずっと愛し続けていた人物に再会出来た喜びと、亡くなった妻に対する申し訳無さと、気持ちを抑える事が出来ない自分に対する困惑と。全ての気持ちが綯い交ぜになってグチャグチャになって涙が零れ落ちる。その涙を止める事はどうしても出来なかった。
「やっぱり好きだったんだ…! こんなに胸が苦しくなる程…オレはアイツの事が好きだった…! 愛してた…!! どうしたらいい…? なぁ…オレ、どうしたらいいんだ…? 教えてくれよ…っ!!」
口元に手を当てて溢れる嗚咽を抑えつつ、城之内は泣き続けた。それで仏壇の向こうから答えが発せられる訳では無かったが、ふと…頭の中にあの時の妻の言葉が甦る。
『お願いよ…。どうか私に縛られないで…。これから先は自由に生きていって欲しいの…。克也君の好きなように…貴方が信じるままに…どうか…自由に…』
慌てて顔を上げてみても、その目に映るのはいつも通り明るくて優しい笑顔を振りまいている彼女の写真だけ。だけど城之内はスッと胸の内が晴れていく感覚を感じていた。
「あぁ…うん。分かった…よ…」
手の甲で涙を拭いながら、鼻声で城之内は写真に向かって囁いた。そして心に強く決意を固める。
もう一度…もう一度海馬を手に入れよう。そして今度こそ、二度と手放す事はしない…と。
写真の中の彼女が「きっと大丈夫よ」と言ってくれている気がして、城之内は顔を上げて微笑んだ。その目にはもう…迷いは見えなかった。
鯖の調子の悪さにイラッときた二礼です、こんばんは。
鯖っつっても海で泳いでいるアイツ等じゃないですよ?w
サーバーの略語です。
二礼が自分のサイトやらメールやらで使っているサーバーは、実は相棒お手製の自宅サーバーなんです。
今も足元にサーバーマシンがあって、もう随分長いことコイツのお世話になっていたのですが…。
このところ妙に調子が悪いみたいです。
突然外から繋がらなくなったりしちゃうんですよ。
昨日も昼頃から夜まで繋がらなかったみたいですしね…。
回線が直に繋がっている自宅だと普通に見られるのですが、一旦外に出ちゃうとダメみたいですね~。
ちなみに私はこの手の事は全然分からないので、一旦サーバーの調子が悪くなると相棒が直接直すまでどうする事も出来ません…w
今相棒が必死で原因を探っていますが、これから先もチョクチョク鯖落ちするような事があるかもしれません。
ご迷惑をおかけすると思いますが、どうぞご了承下さいませ。
見えなくなっても何の予告も無くサイトを突然閉めるような事は絶対にしないので、「何だ。また落ちてんのかyp~(・3・)」と気長に待って下されば幸いです。
子連れ城海シリーズに『ただ一つの恋、もう一つの絆(Ver.海馬)』をUPしました。
以前から日記でちょくちょくSSをUPさせて貰っていたのを、思い切って纏めてみました。
設定とかも多少付け加えとか修正とか入れさせて貰っています。
何か城海はおっさんだし、オリキャラの子供はいるしで、本当はこんなキチンとした形にするつもりは無かったんですけれどね…;
でも自分の中でキッチリとした設定が出来上がっていて、どうしても勿体無い! って思ってしまったんですよ。
以前の日記ではずっと「キチンとやるつもりは無い」なんて言っていましたが、結局こんな事になっちゃいました…;
本当に申し訳無いです…。意志が…弱い…orz
あ、でも定期更新するつもりは全くありませんので…。
気が向いたらチョロチョロやっていきたいなぁ…と思っています。
もう本当にコレ、他の小説とは全然趣旨が違いますので、興味のある方だけ目を通して頂ければ…という感じです。
こういうのが嫌いな方がいらっしゃいましたら、心からお詫び申し上げます。
マジでスンマセンでした…っ!!
そうそう。あとですね。
昨日UPした『冷たい手(Ver.2)』ですが、後半の海馬と城之内の会話に少しだけ付け加えをしておきました。
海馬に一番言わせたい台詞を言わせるの忘れてました…(´∀`;ヤッチマッター
あと読み返してみて改めて思ったのですが…、何か城海っつーか海城っぽくも見えるな…コレw
いや、でも、城海なんですよ!!
間違い無く城海です!!
以下は拍手のお返事でございます~(*'-')
>栗原一志様
初めまして~! 二礼しげみと申しますv
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
『冷たい手(Ver.2)』を読んで下さってありがとうございます(´∀`)
具合が悪い時って、本当に心細くなりますよね~。
そんな時に誰か側にいてくれれば凄く安心致しますし、それが好きな相手だったりしたら天にも昇る気持ちでしょう~!
更にそれが普段ツンツンな社長だったりしたら、城之内は本気で嬉しいんだろうなぁ~なんて考えつつ書いた小説でした。
私も昔牡蠣に中たってエラク酷い目にあった事がありましたが…、吐くのって苦しいですよね…w
本当にもう…お食事中だったら大変申し訳無いものを書いてしまったと、反省しまくりです…w
汚い話でスミマセンでしたw
それから栗原様に言われてもう一度『冷たい手』の方を読み返してみたのですが…。
本当だ!! 凄く城之内っぽい!!
この頃はまだサイト開設して一ヶ月経つか経たないか…ってぐらいの時なので、まだ城海を手探りで書いていた時期でした。
当時は普通に社長の台詞として書いていたのですが、今読み返してみると確かに城之内っぽいですね…。
言われて初めて気が付きました。
教えて下さってありがとうございました~!!(>_<)
早速ちょっと手直ししてみましたが…どうでしょうか?
これで少しは社長っぽく見えるかなぁ?
それでは今日はこれで失礼致します。
これからも、お暇な時にでも遊びにいらっしゃってくれたら凄く嬉しいです(*´∀`*)
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(・∀・)
『冷たい手(Ver.2)』と日記の感想をありがとうございます。
表現がリアルっつーか何つーか、まぁ…自分が学生(小中高)だった頃を思い返して書いてみたらあんなんなりました…w
あと私実は内臓系が弱くて、酷い風邪ひいたりするとよく××しちゃうんですよね…;
牡蠣に中たった事もありますし…w
そういう事を思い返しつつリアルさを追求して書いていたら、思った以上にリアルになり過ぎちゃったみたいですね…(´∀`;
汚い話で申し訳ありませんでしたw
今回は周りがどう見ても「偉い!」という事をしているのに、本人にとっては何て事ない事をしている海馬が書いてみたかったのです。
自分が吐き出したものなんて自分でさえ汚いと思っているのに、それを赤の他人が平気な顔してさっさと片付けてくれちゃったりすると、本当に心の底から「コイツ凄い…っ!!」って思いますよね~。
ちなみに私が高校生の時に体験したのは、遊戯ポジションでした。
友人A、登校早々教室の入り口で××る。(まだ予鈴前でした)
↓
一人で立てなかった為に、力があった私が抱えて保健室に連れていく事に。
↓
振り返って見たら、平気な顔して友人BとCとDがさっさと掃除。
それを見た時に、本当に「コイツ等凄い!!」って思ったんですよ。
つか、感動してました。
人との絆って普段は見えにくいですけど、こういう時に深く感じられるのが本物の絆なんだなぁ~と感じずにはいられません(*'-')
そうそう、あと本田と漠良を既に休ませていた理由ですが…。
Rosebank様の仰るその理由でバッチリOKですw
いやだってほら、アイツ等いたら海馬の出番が無くなっちゃうもので…w
掃除だって友達だから本田や漠良がやってくれるでしょうしね。
そういう訳で奴らには既に病人になって貰いましたw
それに気付かれるとは…流石です!!
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
海馬29歳。克人5歳。
時系列的には、海馬が29歳の時に奥さんと別れた時のお話です。
海馬が空港の到着ロビーから外に出ると、すぐに磯野が駆け寄って来るのが見えた。
「瀬人様…っ! 奥様が…っ!!」
「分かっている。話は聞いた」
慌てたように叫ぶ磯野になるべく冷静に声をかけると、海馬はそのまま表で待っていたリムジンに乗り込んだ。
自分が二週間のアメリカ出張に行っている間に用意周到に行なわれた妻と部下の駆け落ち計画は、その成功を持って海馬の元に報せが届いていた。
特に悔しさを感じた訳では無かった。妻と部下との関係については薄々気が付いていたから。妻は美しかったがいつまで経っても子供らしさが抜けず我が儘で、部下はそれなりに優秀ではあったが全く信用に足りない男だった。自分の眼を盗んで彼等がちょくちょく会っているのは知っていたが、妻を女として心から愛している訳では無かった海馬は、それに対して特に何も感じる事は無かったのである。
その事で自分の妻が酷く寂しがっている事も、海馬にはよく分かっていた。ただでさえ仕事で忙しくて共に過ごす時間が取れない上に、戸籍上だけの夫婦でそこに愛も何も無ければ、愛を与え癒してくれる男に走るのは至極当たり前の事なのだ。更に妻は海馬より三つ程年下で肉体的にもまだまだ若いのに、身体の関係においても一年で片手で数えるくらいしか共に過ごしていない。愛想をつかされるのは当然だった。
「克人はどうしている? アレが連れていったのか?」
「それが…。奥様は克人坊ちゃまも置いていかれました」
邸に着く直前に磯野にそう尋ねた海馬は、返ってきた答えにきつく眉根を寄せた。
いくら愛していない男との間に出来た子供だとしても、自分の腹を痛めて産んだ子供だろうに…。それを簡単に置いていった妻に、海馬は漸く怒りを感じていた。だがそれと同時に、彼女がそういう行動を取らざるを得なかった要因が全て自分にあった事も思い出して、ふぅ…と諦めた様に小さく溜息を吐く。
いつか彼女がこのような思い切った行動に出ることは、何となく予想は付いていた。
一体いつの頃からだったのだろう。まるで小さな少女のように自分に懐いてくれていた彼女の瞳から、徐々に光が失われていったのは…。いや、もしかしたら最初からだったのかもしれない…と海馬は思った。
結婚式を挙げてすぐにヨーロッパ各国を巡る新婚旅行に出掛けた。ただ海馬にとっては、それはあくまでヨーロッパの各地にある海馬コーポレーションの支社を視察する為と、ヨーロッパに存在する有力な企業と契約をするのが目的の旅だった。新婚旅行とは名ばかりで海馬は行く先々で仕事を優先し、観光は全て信頼出来る部下を伴わせた彼女一人で行かせ、夜も遅くまでホテルには帰らなかった。
一度だけ、一体何の為に新婚旅行に来ているのかと詰め寄られた事があったが、海馬はそれに対して「このオレと結婚したからには、お前も海馬コーポレーションの社長夫人になったのだ。社長夫人なら自分の事よりも、会社のことを一番に考えるべきだ」と答え、全く相手にはしなかった。
その途端彼女は酷く顔を歪めて振り返りどこかに行ってしまったので、その後彼女が泣いたかどうかは海馬には分からない。ただ、結局彼女と初めて身体を繋げられたのは童実野町に帰ってきてからの事だったのも、紛れも無い事実であった。
自分と妻の間には愛は無かった…と海馬は考える。何故ならば、自分が愛している人間はこの世でただ一人だけだからである。
世間の常識に負けて、取引先の大会社の社長令嬢と許嫁になり、城之内と別れる事になった最後の夜の事を海馬は今でもよく覚えている。
酷いセックスだった。城之内も海馬も、お互いの身体にお互いの記憶を残そうと必死だった。痛みと苦しみだけしか残さないような最後のセックス。城之内は海馬の体内をまるで引き裂くように抉り、海馬も城之内の背中に鋭い爪痕をいくつも残した。
そうする事しか出来なかった。お互いにまだ心から愛し合っていたのに、世の中は無情にも二人を引き離そうとする。一度は抗おうとした。だけど無駄だと分かってしまった。ならば全てを諦めて、後は自分達の新しい人生を歩む事くらいしか道は残されていなかったのである。
城之内との恋は、海馬にとってこの世でただ一つの恋だった。
そしてそのこの世で一番大切な宝物を捨てて、海馬は『妥協』して新しい人生を手に入れた。自分ではそれでいいと思っていた。だが、歪んだ選択は間違い無く新しい犠牲者をこの世に生み出した。
それが…自分の妻だった…。
彼女は完全に籠の鳥になってしまっていた。自由を奪われ、愛も与えられず、ただ黙ってそこに存在し続ける日々。愛が欲しくて何度も囀ってみても、海馬はそれに全く気付けなかった。いや、気付こうとしなかった。
だから彼女は籠を飛び出したのだ。自分の囀りに答えてくれる相手と共に、自ら羽ばたいて飛んで行ってしまった。
「お父…さ…ん…っ!」
邸に帰ると同時に、まだ小さな息子が飛びつくように抱きついてくる。
「克人…」
「お父さん…っ。お母さんどこ行っちゃったの…? 急にいなくなっちゃったんだ…」
「克人、大丈夫だから落ち着きなさい」
「ねぇ、お母さんもう帰って来ないの? どうしていなくなっちゃったの…!?」
泣きじゃくる息子を抱き上げて海馬は立ち上がった。そしてそのまま妻の部屋まで歩いていき、そっと白木の扉を開いてみる。目に入ったのは乱暴に開かれた箪笥や引出し。クローゼットの中は勿論空っぽで、ドレッサーの引き出しにも何も入っていなかった。宝石類を入れていた赤いビロード張りの宝石箱にも何一つ残ってはいない。視線をぐるりと巡らせると、いつも彼女がお茶を飲んでいた小さなテーブルの上に、小さな小箱と白い封筒が置かれているのが目に見える。海馬は息子を側のソファーに座らせると、ゆっくりとそのテーブルまで近付いていった。
ポツンと置かれた小箱には見覚えがあった。今から八年前、この小箱には結婚指輪が入っていた。結婚式を挙げた教会で、この小箱に入っていた指輪を彼女の左手の薬指に嵌めた時の事を思い出す。嵌められた指輪をじっと見詰めて、妻はまだ幼い顔を心から嬉しそうに綻ばせていた。
そっと蓋を開けると案の定、そこにはダイヤモンドの付いた細いシルバーのリングが入っていた。その小箱を重石にして置いてあった封筒にも手を伸ばし、中から紙を一枚取り出す。それは酷く薄っぺらくて緑色の文字や欄がギッシリと記されている書類だった。よくよく見れば妻の欄にだけ名前と印鑑が押してある。まるで彼女から決死の覚悟を見せつけられたかのように感じられた。
「手紙も何も無し…。離婚届一枚だけとは…。フッ…どれだけ恨まれていたんだ、オレは…」
何だか酷くおかしくなって笑いたくなってきてしまった。なのに何故か目頭が熱くなって目の前の景色が潤んでいく。
「お父さん…」
手に持った離婚届をクシャリと握り潰し棒立ちになっていると、いつの間にか複雑そうな顔をした息子が自分の足に縋り付いてこちらを見上げてきていた。先程まで泣きじゃくっていた息子は今は涙をピタリと止め、逆に心配そうな顔で海馬を見詰めている。
「お父さん、泣かないで」
「克人…」
「僕がいるから大丈夫だよ。お母さんいなくても、僕がいれば寂しくないでしょ?」
僅か五歳の自分の息子は、こんなに小さいのにも関わらず自分達の身の上に何が起こったのか正確に把握していた。大好きな母親に去られて一番哀しいのは自分だというのに、それでもショックを隠しきれない父親を必死で守ろうとしているのだ。この小さな手で、いつも仕事仕事でたまにしか顔を見せない薄情な父親を。
「克人…っ!」
その場でしゃがみ込み、海馬は息子の身体を抱き締めた。
子供特有の妙に高い体温が、今はとても気持ち良く感じる。この体温には覚えがあった。
一つはモクバの体温。まだ小さかった弟を抱いた時はいつもこんな温かい体温に包まれて、その度に弟がこの世に存在する事を感謝したものだった。
もう一つは城之内の体温。彼は自分と同い年の癖に自分よりずっと高い体温を持っていて、彼に抱かれる度にあの熱い体温に翻弄され、そして心から安心した。それは彼が海馬を想う気持ちそのものがまるで熱になったかのような、そんな温度だった。
そして最後の一つは…、出ていった妻の体温だった。細くて小さい身体から感じるその温かな体温は、確かに彼女が自分に対して持っていた愛そのものの温度だったのだ。
城之内を愛し過ぎて、彼女を心から愛する事が出来なかった。完全に仮面だけの夫婦だと思っていた。だが、それだけでは無かったのだ。もう一つの絆は確かにそこにあったのだ。ただ…それに気付けなかっただけで。
この絆を壊したのは自分自身…。間違い無く自分のせいなのだ。
海馬は息子を強く抱き締めながら、そう心に感じていた。
後日、海馬は信頼出来る部下を使って元妻の居場所を割り出し、一通の手紙を出した。
その手紙が彼女の目に触れるかどうかは分からない。もしかしたら差出人の名前を見ただけでゴミ箱行きになるかもしれなかった。だがそれでも、手紙を書かずにはいられなかったのだ。
手紙には彼女に対する謝罪と、そして感謝の言葉が記されていた。
あの手紙は今どの辺りを走っているのだろう…と、海馬は社屋の最上階にある社長室から外を眺めながらそう思う。そして指輪を外した左手の薬指を右手で擦りながら強く心に思った。
この後悔を無駄にしないようにしよう…。せめて彼女が置いていった息子だけは、自分の手で立派に育てあげようと。
それが新たな自由を求めて出ていった彼女に対しての、自分なりのせめてもの償いだと…そう信じて。
海「城之内、そろそろ瀬衣名ちゃんが戻って来る時間じゃないか?」
城「あぁ、その筈。夕飯までには帰るって言ってたからな。今日お前飯は? 一緒に食ってくか? カレーだけど」
海「そうだな。たまには三人で食べるのもいいだろう」
城「克人君は部活の合宿中だっけか。瀬衣名が寂しいって愚痴ってたぞ」
海「たまには彼氏ばかりじゃなく友人と遊ぶのも大事だと言っておけ」
城「うん。まぁそれで今日は友達と映画を見に行ったらしいけどな」
ガチャガチャバターン
城「あ、帰って来た」
海「………」
城「………」
海「…? 遅くないか? この家の廊下はそんなに長くないだろ」
城「余計なお世話だよ。マンションなんだから設計主に言ってくれ」
海「ツッコミ処はそこじゃないだろう?」
城「そういや遅いな…。何やってるんだ?」
ペタペタペタ…バタン!!
瀬「あー、暑かったぁー!! ただいま~パパ。あ、海馬のおじさま、いらっしゃいませ」
城「おかえり~って、おいぃっ!! 何でお前ブラとパンツだけなんだよ!!」
瀬「暑くて汗ビッショリだったから洗面所で脱いできたの。そのままシャワーを浴びようと思ったんだけど、着替えが無くて取りに来たのよ」
城「だからって若い娘が下着姿でうろつくな!! しかもお前、海馬がいるのに…っ!」
瀬「未来のお義父様なんだから別に構わないじゃない。あんまり細かい事気にし過ぎると禿げるわよ? パパ」
城「お前は気にし無さ過ぎだー!!」
瀬「はいはい。じゃ私はお風呂に入ってくるから。海馬のおじさま、どうぞごゆっくりv」
バタムッ!!
海「………」
城「………」
海「城之内…」
城「何?」
海「娘の育て方…間違ったな」
城「うん…。オレも今そう思った…」
海「あとな」
城「うん」
海「オレは何も見てないからな」
城「嘘吐け。バッチリ見てた癖に」
海「いや、本当にオレは見てないぞ。ただ少し…意外と巨乳だな…と思ったくらいで」
城「しっかり見てんじゃねーか」
瀬衣名は父親(城之内)の前だろうと、海馬の前だろうと、平気でブラとパンツで歩き回れるような剛胆な娘だと良いと思います(´―`)
あとプロポーションはバッチリ最高だと思います。
城「もう帰るのか?」
海「あぁ。明日も仕事だし、子供達もそろそろ帰ってくる時間だしな」
城「もう23時か。ネズミの王国は22時までだから、確かにそろそろ帰ってくるな」
海「貴様もいつまでもそんな格好してないで、さっさと着替えたらどうだ。瀬衣名ちゃんに見られても知らないぞ」
城「はいはーい。ところでお前大丈夫か? ちょっと辛そうだけど」
海「辛そうなのではない。辛いのだ。歳を考えろ…全く。もう若くは無いんだぞ」
城「そう言われればオレもちょっと腰にキテるわ。無理し過ぎたかな」
海「貴様はいつでも全力投球過ぎる」
城「それがオレのいい所じゃん。あ、それで思い出した。お前知ってた?」
海「何をだ?」
城「アイツ等、もうヤッちゃってるんだって」
海「何だとっ!?」
城「あれ? 知らなかったんだ」
海「克人は…そんな事は一言も…。それは…何というか…ウチの愚息が…大変…申し訳無い事を…」
城「何言ってんの? 海馬」
海「いや…。いくらお前の娘とは言え…、まだ十代の娘さんに…」
城「気にすんなよ。アイツ等だってもう子供じゃないんだし」
海「だが…まだ十七歳で…」
城「そんな事言ったらオレ達だって十七でセックスしてたじゃん。それにアイツ等だったらきっと大丈夫だよ。オレ達みたいに間違った道に進む事は絶対にない」
海「自信たっぷりだな」
城「瀬衣名を信じてるからな。お前だって克人君を信じてるだろ?」
海「まぁ…な」
城「でも不思議な話だよな。オレ達は間違った道を選んだからこそ、こうして子供にも恵まれて、人の親としての人生を歩む事も出来ている訳だ」
海「そしてその子供がきっかけで、こうやって正しい道に戻ることも出来た…と」
城「そういう事」
海「城之内…」
城「そんな顔で見詰めるなよな。キスしたくなるじゃんか」
海「したければ…すればいいではないか…」
城「海…馬…」
海「城之内…」
ガチャガチャバターン!
瀬「パパ、ただいまぁー!!」
克「おじゃまします…」
城海「「ギャァーーー!! 帰ってきたぁーーーーー!!」」
瀬衣名「ねぇねぇ克人、『父の日』のプレゼント、何にするかもう決めた?」
克人 「いや…まだ」
瀬衣名「何にしようかしら? ネクタイとかハンカチとかだとありきたりだと思うし…」
克人 「普通のプレゼントを考えられる時点で、オレよりマシだと思うよ?」
瀬衣名「そうねぇ…。ウチのパパはともかく、海馬のおじさまにプレゼントするのって考えただけでも大変そう」
克人 「ネクタイやハンカチなんて山程持っているし、かと言って金に任せて土地とか車とかプレゼントしても怒られそうだしなぁ…」
瀬衣名「それ…、ご自身はモクバのおじさまの誕生日によくやってたみたいだけど?」
克人 「だからだよ。オレにはそういう事やって欲しくないんだそうだ。もっと庶民的に生きろとか…今更無理だろう。じゃあ見本を見せてくれって言いたくなるよ」
瀬衣名「ベルトとかは? 海馬のおじさまはいつもスーツ着てるから、意外と役に立つんじゃない?」
克人 「今更あのKCベルトを外すと思う?」
瀬衣名「思わない…」
克人 「いい歳して自社マークの入ったベルトってどうなんだろうと思うけど」
瀬衣名「似合ってらっしゃるからいいんじゃない?」
克人 「似合うのがまた問題だよなぁ」
瀬衣名「ねぇ。もう面倒臭いから、ウチのパパと海馬のおじさまのプレゼント、一緒にしちゃわない?」
克人 「いいねそれ。で、どうする?」
瀬衣名「ヒント。ここに某ネズミの国の割引チケットが二枚あります」
克人 「それ…学生割引パスポートじゃないか…。しかもウチのライバル社の遊園地なんて、父さんは絶対行かないと思うけど」
瀬衣名「違うってば。パパ達に行って貰うんじゃなくて、私達が行くのよ」
克人 「…?」
瀬衣名「もう、鈍いわね! 朝から夜まで一日中私達がいなかったら、パパ達はそれだけイチャイチャ出来るでしょう?」
克人 「なるほど…」
瀬衣名「今年の『父の日』のプレゼントは、パパとおじさま二人だけの時間。これでいきましょう! あとはお土産をちょっと買って帰れば充分だと思うわ」
こうして今年の『父の日』は、海馬と城之内は二人っきりで過ごす事になりました。
子供達が遊園地で遊んでいる間に父親達がどう過ごしていたのかは、それは大人の秘密だそうです。
朝起きたらパパの声が凄い事になってた。
どうやら風邪をひいちゃったみたい。
瀬衣名(以下瀬)「パパ、お粥作っておいたからね。お腹空いたら後で食べて」
城之内(以下城)「瀬衣名…。お前はこんな状態のパパを置いていくのか…」
瀬「うん。だって今日は克人とデートだもん」
城「うっ…。オレだって今日は海馬とデートの筈だったのに…っ」
瀬「久しぶりの休日だったのに残念だったね~。とりあえず海馬のおじさまには、さっき電話しといたよ」
城「サンキュー…。あぁ、このキャンセルの埋め合わせ…どうしよ…」
瀬「あ、ちなみにパパ。海馬のおじさまにしたのはキャンセルの電話じゃなくて、パパの看病をお願いする為の電話だからね」
城「な、なにっ!?」
瀬「多分もうすぐ来るんじゃない? んじゃ、私は行ってくるね~」
城「ちょっと待った瀬衣名! 前から一度聞いておきたいとは思ってたんだけど…。お前、克人君とはどこまで…」
瀬「あー…。うん、えっと、最後まで?」
城「はぅっ…!! ………。ですよねー。最近の子って早いもんねー…」
瀬「避妊はちゃんとしてるから安心してね」
城「当たり前だってば! 出来ちゃった結婚とかやめてよね…ホント…」
瀬「大丈夫だって。私の事より自分の事を心配したら? 今日だって久しぶりのデートだっていうのに、こんな事になっちゃって」
城「ですよね…。スミマセン…。ていうか、瀬衣名ちゃん…キツイ…」
瀬「別にパパを苛めてる訳じゃないんだけどなぁ? あ、そういえば海馬のおじさま! 最近凄く可愛くなってきたような気がするんだけど」
城「ちょっ! か、可愛いって…っ!! お前は四十越えた男相手に何を…っ!」
瀬「ホントだってば。あ! やだ、もうこんな時間。じゃあ私行くからね。お大事に、パパ」
最後に振り返って見たパパの顔は真っ赤だった。
多分熱のせいだけじゃないと思う。
何だ、パパも可愛いとこあるじゃない。
そう思いながらマンションの玄関を出たら、丁度入り口に黒塗りのリムジンが到着したところだった。
車の中から出てきた海馬のおじさまは、とてもじゃないけど四十過ぎた子持ちの男の人には見えません。
あんなおじさんをこれだけ可愛くしたのは一体誰なのかしらね~?
とりあえず海馬のおじさまにはパパの事をお願いして、私は自分の恋を優先する為に待ち合わせ場所に向かって走り出した。
子連れ城海シリーズの人物設定です。
城海だけで無くてオリキャラとかもいるので、コレに目を通して「苦手だな~」とか「嫌だな~」とか思った方は、そのまま回れ右を推奨致します(*'-')
●城之内克也
現時点で41歳。17歳から20歳まで海馬と付合っていました。
23歳で就職先で知り合った彼女(5歳年上)と結婚。
(結婚する際に彼女には「自分は別れた元恋人の事がまだ大好きで、きっと一生忘れられない」という事を伝え済み)
翌年、24歳の時に一人娘の瀬衣名をもうける。
幸せな家庭を築いていましたが、26歳の時に奥さんが病気で死亡。
奥さんが病気で早世したのは、自分が心から彼女を愛せなかった罰だと思い込み、心底悔やみます。
それからは一人で娘を守り生きていく事に。
33歳の時に娘の瀬衣名が家出をし、その事が切っ掛けで海馬と再会。
その後再度お付合い開始。今に至る。
●海馬瀬人
現時点で41歳。17歳から20歳まで城之内と付合っていました。
城之内と別れる直前に取引先の社長令嬢(3歳年下)と許嫁関係に。
別れた直後に婚約発表。翌年(21歳の時)に結婚。
基本的にセックスレスの夫婦だったが、24歳の時に一人息子の克人をもうける。
29歳の時に奥さんが部下と駆け落ちをして、そのまま離婚。
奥さんが出ていったのは彼女を愛せなかった自分のせいだと後悔する。
33歳の時に海馬ランドの視察から脱走した息子が城之内の娘を連れてくる。
それが切っ掛けで城之内と再会。
そのまま再度お付合い開始。今に至る。
●城之内瀬衣名
現時点で17歳。いつの間にか海馬克人とは親公認の恋人同士になっていた。
プロポーションは抜群。既にHは経験済み。
基本的に大胆不敵な性格で、細かい事には拘らない。
名前は城之内が海馬の事を忘れられずに、『瀬人を被(衣)る名前』という意味で名付けられた。
僅か2歳の時に母親を病気で亡くした。
それ以来父親に溺愛されて育って来た為、若干のファザコン傾向有り。
ただ自分が克人と、城之内が海馬と付合うようになってからは、ファザコンは形を潜めている。
9歳の時に家出をし、忍び込んだ海馬ランドにて克人と出会う。
父親達の恋人関係は大いに認め、むしろ歓迎すらしている。
城之内の事は「パパ」、海馬の事は「海馬のおじさま」と呼んでいる。
●海馬克人
現時点で17歳。気が付いたら城之内瀬衣名とは親公認の恋人関係になっていた。
性格は大人しめで、基本的に常識人なところは父親より叔父のモクバによく似ている。
瀬衣名とのHは既に経験済み。
名前は言わずもがな。城之内の事を忘れられなかった海馬によって、『克』の字を一字当てられて付けられた。
5歳の時に母親が海馬の部下と不倫の上駆け落ちし、父親共々邸に置いていかれた。
それ以来、母親には会っていない。
9歳の時に海馬ランドの視察から抜け出した際、家出してきた瀬衣名と出会う。
父親達の恋人関係については少々複雑な様子。だが特に反対もしていない。
むしろ瀬衣名が良いと思っているなら、それで良いと思っている。
海馬の事は「父さん」、城之内の事は「城之内さん」と呼んでいる。
一番影が薄い人物でもある…w
●城之内の奥さん
城之内が23歳の時に結婚した人。故人(享年31歳)。
城之内より5歳年上で、彼が務めていた会社の先輩だった。
決して美人では無かったが、性格は極めて優しく穏やかで、他人に良く好かれるタイプ。
城之内が前の恋人(海馬)を忘れられずにいるのを知っていながら、それでもいいからと宥めて結婚。
彼女が城之内に恋をしていたのは確かだったが、半分は母親もしくは姉として城之内を慰める為に結婚したようなものだった。
(娘の名前の由来も知っていたが、それで城之内が慰められるなら…と特に何も言わなかった)
翌年には一人娘の瀬衣名を産むが、直後病魔に襲われ倒れる。
城之内が26歳(瀬衣名が2歳)の時に「どうか自由に生きて欲しい」と遺言を残し、そのまま死亡。
結局海馬に勝つ事は出来なかったが、城之内に本気で愛された数少ない人である。
●海馬の元奥さん
海馬が21歳の時に結婚した人。海馬より3歳年下。
海馬コーポレーションと取引のあった大会社の社長令嬢だった。
見た目は物凄く美人だったが、性格はいつまでも子供っぽく我が儘なタイプ。
彼女が17歳の時に許嫁同士になり、海馬が城之内と別れた直後に正式に婚約発表。
翌年18歳で結婚。
海馬とは殆どセックスレスの夫婦だったが、それでも結婚してから6年後に一人息子である克人を産む。
ただしその直後から海馬の部下と不倫を開始。
海馬が29歳の時には、ついにその部下と共に駆け落ちをしてしまう。
当たり前だがそのまま離婚。
それ以来海馬にも息子にも会っていない。
子連れ城海シリーズは、この話を背後に置いて、前後のストーリーを色々と書いていこうと思っています。
いわばこのシリーズの主軸ってところでしょうか?
非常に分かりにくい年表としては、こんな感じですw
海馬と城之内の歳/出来事
17/付き合い開始
20/別れる。海馬が許嫁と婚約
21/海馬結婚
23/城之内結婚
24/克人と瀬衣名が産まれる
26/城之内の奥さん死亡
29/海馬離婚
33/遊園地騒動&再付き合い開始
41/現在
お互いまだ相手の事が大好きな癖に、世間の常識に負けて結局別れる事になった城之内と海馬。
海馬はその後有名企業の娘さんと婚約をしてその後政略結婚をし、一人息子(以下克人)をもうけます。
だけどこの嫁さんが年下な上に超我が儘で、更に城之内の事を忘れられない海馬との間はまさに冷戦状態。
嫁さんはやがて海馬の部下と恋愛関係になり、不倫の末に海馬と克人を残して駆け落ち、そして離婚。
海馬は、嫁さんが出て行ったのは彼女を愛せなかった自分のせいだと後悔し、結局男手一つで克人を育てて行く事になります。
城之内の方はと言えば、海馬の結婚から二年後に就職先で知り合った年上のお姉さんと結婚します。
城之内はこのお姉さんには最初から「自分は別れた元恋人の事がまだ大好きで、きっと一生忘れられない」という事を言ってあります。
だけどこのお姉さんはそれを承知で城之内と結婚してくれたのです。
心穏やかで優しいお姉さんとの結婚生活は結構幸せで、やがて二人の間に一人娘(以下瀬衣名)が生まれます。
このまま親子三人で仲良く暮らしていこうと思った矢先に、お姉さんは病気で突然亡くなってしまいます。
このお姉さんの死に関して城之内は、自分が彼女を本当に愛する事が出来なかった罰が当ったのだと悔やみ、瀬衣名を自分一人で育てて行く覚悟をします。
瀬衣名の為に必死で勉強して働いた城之内は、やがて個人のオフィスを持つまでに成長。ウェブデザイナーとして成功を収めました。
瀬衣名の事は溺愛で、彼女が行きたいと言うところにはどんなところでも連れて行ってあげていました。
海でも山でも川でも公園でも遊園地でも動物園でも水族館でも、どこへでも。
でも、一つだけ瀬衣名が「行きたい!」とお願いしても、どうしても連れて行ってくれない場所がありました。
それは『海馬ランド』。
城之内にとっては海馬ランドに行けばどうしても海馬の事を思い出してしまう為、いくら瀬衣名の頼みでも連れていく訳にはいきませんでした。
だけどそんな大人の事情は瀬衣名には分かりません。
どうしても海馬ランドに行きたかった瀬衣名は、意気地無しのお父さんに愛想を尽かしてついに家出をし、一人で海馬ランドに忍び込んでしまいます。
丁度その時、海馬家の克人は海馬と一緒に海馬ランドの視察に来ていました。
海馬に「側を離れるな」と言われていたのにも関わらず、好奇心旺盛な子供はやがて黒服達の注意を逸らして脱走。
逃げ回っている内に城之内家の瀬衣名と出会い、子供二人だけで夜の遊園地を駆け回って遊ぶことになります。(二人の年齢は九歳)
だけどそれを見咎めた海馬によって二人は保護され、瀬衣名の口から彼女が城之内の娘だと言うことが判明し、海馬から城之内に連絡が入ります。
閉園した海馬ランドに車で駆けつけて瀬衣名を迎えに来た城之内と、それを待っていた海馬は、そこで十数年ぶりの再会を果たすのです。
その後、家出して心配をかけさせた瀬衣名を叱ろうとした城之内を克人が止めたり、逆に「パパ、ごめんなさい!」と抱きつく城之内と瀬衣名を見て、海馬が何とも言えない気分に陥ったりと色々ありまして。
そこから四十近いおっさん同士の再恋愛が始まる…というお話でした。
このシリーズは少し特殊な設定になっておりますので、読まれる際は十分ご注意下さい。
下記の記述に一つでも当て嵌まる方は、ご覧になられない方がいいと思います。
- 城之内と海馬がおじさん(41歳)だなんて許せない
- おじさん同士の恋愛なんて気持ち悪い
- 城之内と海馬が一度別れた事があるなんて嫌だ
- 城之内と海馬に結婚歴があるなんて有り得ない
- 奥さんと死に別れた城之内なんて見たくない
- バツイチの海馬なんて冗談じゃない
- オリキャラが嫌いだ
- ましてやオリキャラが目立つなんてもっと嫌いだ
- 城之内に娘がいるなんてとんでもない
- 海馬に息子がいるなんて考えたくも無い
上記の記述を読んでもまだ大丈夫な方は、どうぞ先にお進み下さいませ(´∀`)
設定・人物紹介等
一応設定や人物紹介を先に読まれる事をオススメ致します。
短編集
短編集は基本的に時系列関係無く書きたいものをダラダラと書いていくので、その時々の設定にご注意下さいませ。
それぞれのお話の前には、そのお話がいつの時期のものか…とか、城海が何歳くらいの話だとか…とか説明を載せていこうと思っています(*'-')
面倒臭いとは思いますが、確認の上読んで頂ければ分かり易いと思います~!
SS集
SS集は二礼が日記で書いていた子連れ城海を設定に持つ会話SSが置いてあるページです。
基本的にこの会話SSは城海が41歳時点(つまり、現段階の城海)を元にして書いてあるので、余り他の時期に行ったり来たりはしません。
あと会話SSに限っては、城之内の娘である瀬衣名ちゃんが主人公格として目立っています。
オリキャラ設定が嫌いな方等は、余りご覧にならない方が良いかもしれませんね…w
それではどうぞ~!
少し体力を回復した二礼です、こんばんは。
何だか色々疲れてしまったので、本日はゆっくりと過ごしてみました(´∀`)
お宝にも少し目を通して幸せ一杯ですw
特に今回は小説本を一杯買ったので、読み応えがあって最高ですわ~(*´д`*)
小説本には漫画本とはまた違った魅力が一杯詰まっていますからね~。
更に文章力の上手い作家さんの本を読んだりすると、自分自身の勉強にもなる訳です。
もうね、目から鱗状態ですよ。
こういう表現があったのかー!! とか、こんな書き方もあったのかー!! とか、こんな魅せ方があったなんてー!! とかキリがありません。
多分絵書きさんが他の方が書いたイラストを見て、構図や色の使い方を勉強するのと同じような事だと思います。
世の中には凄い方が一杯いるんだなぁ…と思わずにはいられませんw
私なんてまだまだなんだなぁ…と感じましたw
あ、そうそう。
多分もう皆さん知ってらっしゃると思うんですが、二礼は大の女体化スキーです。
(『真実の証明』とか書いている辺りでバレバレだね)
女体化ってのは人を選びますし、実際サイトでも同人でもあんまり数が無かったんですけどね…。
今回のオンリーイベントでは、本当に沢山の女体化本を買う事が出来ましたぁぁぁぁ―――――ッ!!
あんまり嬉しかったんで叫んでみました。
マジでウハウハですwwwww
可愛いよぉ~瀬人子さん可愛いよぉ~vvv
こうなるとますます百合城海の続きが書きたくなるな…w
参ったねw
短編『冷たい手(Ver.2)』をUPしました。
時事ネタです。インフルエンザです。
城之内に嘔吐させてしまいました…。
ゴメンナサイ。
本当は全く違うタイトルにするつもりだったのですが、以前書いた『冷たい手』と同じような状況(海馬が城之内の面倒を見る)だった上に、やっぱり冷たい手でどうこうするという描写が出て来てしまったので、いっその事ヴァージョン違いにしちゃえ…という訳でこんなタイトルになりました。
以前の『冷たい手』を書いた時にも言いましたが、手の冷たい人って凄く心が優しいって言いますよね。
普段ブスッとしている海馬が実は物凄く優しかったりしたら、滅茶苦茶萌えると思うんです。
城之内じゃなくても惚れちゃいますよね~(*´д`*)ハァハァ
ちなみに二礼の手は、めっさホットですwww
以下は拍手のお返事でございます~(*'-')
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(´∀`)
『落陽』と日記の感想をありがとうございます。
今回のタイトルはですね、確かにちょっと『Rising sun』とかけている部分はあります。
『Rising sun』は夏の物語だったので『日の出(来光)』。今回の物語は秋なので『日の入り』です。
真っ暗な夜から希望の光が昇る日の出(始まり)と、明るい昼間から最後の光が消えていく日の入り(終わり)の対比もかけています。
まぁ…どっちにしてもハッピーエンドには違いないのですが、太陽一つとっても全く違う話が出来るので、こういうのはやっぱり面白いですよね。
あと季節感重視になっているのは、私自身が季節の移り変わりが好きだからなんだと思います。
春に秋の話を書いたり、夏に冬の話を書いたりするよりは、やっぱり今の季節の話を書いた方が臨場感も出るし書きやすいので…w
特に今の季節は私が一番苦手な季節なので(秋って寂しくないですか…? 私は一年で一番寂しさを感じるのが秋なんですw)、ついつい自分の『寂しい』という感情をキャラクターに移してしまうんですよ(´∀`;
その代わり『切ない系』の話が一番映えるのも秋だと思っていますので、この季節に普段はやらないストーリーを色々書いてみたいと思っています。
あと海馬の『過去を振り返らない男』ですが、今回は私もそれを重点的に考えて敢えてあの台詞を言わせてみましたw
海馬は決して「あの時あーすれば良かった…」とは考えませんもんねぇ…;
どちらかと言えば「これからどうすればいいのか」という考え方をする人なので、そういう部分を見るとやっぱり強い人間なんだなーって関心します。
逆に城之内は普段は強いですけど、ちょっと混乱するとすぐに「あの時あーしておけば…」と考えそうですよね。
一瞬考えるだけで、深く思い詰めたりはしなさそうですがw
こういう対比も、城海の魅力の一つですね(*´∀`*)
最後に一つだけ。
海馬が平手打ちしたのは、もしグーで殴っていたら本気で城之内がKOしてしまい、話が続かなくなるからでしたw
でも確かに好きだと思っている男相手に、いくら海馬でもいきなりグーはやりませんよね…w
あれはRosebank様のコメント通り、海馬の愛の形って事でいいと思いますwww
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内+海馬。
以前UPした同タイトルの『冷たい手』とは、全く繋がりがありません。ご了承下さい。
あと今回嘔吐ネタがあるので、その手の表現が苦手な方はご注意下さいませ。
胃の奥からせり上がってくるものを感じて、城之内は思わず口元に手を当てた。何とか耐えようとしても、内臓が激しく動いて消化仕切れなかったものを体外に押し出そうとしてくる。
慌てて席を立ち上がってトイレへ向かおうとした。教室の後ろのドアから廊下に出ようとした時に、丁度向こうから歩いてくる海馬と目が合う。城之内のただならぬ様子に驚いたように海馬が足を止めたのを見て、慌ててそこから数歩後ろに後ずさった。そしてついに耐えきれずにその場で崩れ落ち、廊下の真ん中で胃の中のものを全て吐き出してしまった。
このところ学校内で見かける生徒の数が減っていた。近年希に見るインフルエンザの大流行で、あちらこちらの教室が学級閉鎖に追い込まれていたからである。城之内達のクラスはまだ閉鎖にまでは至っていなかったが、既に何人か休む者も出て来てしまっていた。普段一緒に過ごしている本田や漠良も数日前から姿を見せていない。勿論病名はインフルエンザである。
「やっぱりあの二人がいないと、つまらないよねー」
授業の合間の休み時間。遊戯がそう面白く無さそうに呟いた。それに杏子も頷いて同意する。
「今回のインフルエンザは一回かかると結構辛いみたいだし…、ちょっと怖いわね。二人とも大丈夫?」
「僕は大丈夫だよ。ちゃんと手洗いとうがいはやってるしね」
「城之内は?」
「オレはインフルエンザに掛かるような柔な身体はしてねーよ」
そう胸を張って応えると、遊戯も杏子も「城之内君はいつも元気だからね」と言って安心したように笑っていた。
二人を安心させる為にそうは言ったが、実は城之内は朝から何となく気怠さを感じていたのだ。早朝の新聞配達から帰ってきた時は少し熱っぽいと思っていただけだったのに、今は確実に背中にゾクゾクとした悪寒を感じている。二人に気付かれないようにそっと額に手を置くと、自分の手ですら分かるくらいにそこが熱くなっているのが分かった。更に具合はどんどんと悪くなっていき、今では朝には気付かなかった胃の不快感まで感じられるようになっている。
それでも次の授業は何とか受けているものの、一分一秒毎に城之内の具合は悪くなっていく。ただの不快感が吐き気に変わるまでにはそうそう時間はかからなかった。黒板の上に掲げられている時計を何度も睨み付ける。
あと十五分…。あと十分…。あと五分…と、授業が終わるまでの時間を気の遠くなるような思いで見詰める。
この授業が終わったら保健室に行こう…。そう城之内が思った時だった。それまで何とか大人しくしていた胃が、突然動き始めた。体調の悪さ故に完全に消化しきれなかったものを体外に排出して楽になろうと、本人の意志を無視して胃液を逆流させる。
もうダメだ…! これ以上は我慢出来ない!!
そう感付いた城之内は慌てて席を立ち上がって、教室の後ろのドアから廊下に飛び出した。驚いたように名前を呼ぶ教師に理由を告げる暇も無い。廊下に一歩足を踏み出し、トイレのある方向を向いた時だった。向こう側から海馬が歩いてくるのが見えた。
多分時間に調整を付けて途中から登校して来たのだろう。授業中でまだ誰もいない廊下を、背筋をピンと伸ばして規則正しいリズムで歩いてくる。キュッキュッという上履きが廊下のタイルに擦れる音が城之内に向かって近付いて来ていた。
ふと、少し俯き勝ち加減で歩いていた海馬が、人の気配に気付いて顔を上げた。そして目の前に居た城之内の顔色を見て、驚いたようにその足を止めてしまう。二人の間の距離はおよそ一メートル程。足を止めた海馬に気付いた城之内は更にそこから数歩下がり、ついに耐えきれずにその場に崩れ落ちてしまった。そしてそのまま身体の意向に従って、胃の中に収まっていた内容物を全て吐き出してしまう。
「うっ…! げぇ…っ!! ゲホッ…ガハッ…!!」
城之内の奇行に何となく廊下を見ていた生徒数人がいち早く異変に気付き、未だ授業中だというのに悲鳴をあげた。
「先生! 大変です! 城之内が廊下で吐いてます!!」
ある一人の生徒の叫びにより教室内はあっというまに騒然となる。ガタガタと何名かが席を立つ音が聞こえ、教師も教室の前の扉から廊下を覗き込み「うわっ!」と声を上げた。
その声を聞きながら(何が「うわっ!」だよ…。こちとら本気で具合悪いんだ…)と城之内は内心で舌打ちをする。本当だったら今この場であの教師に向かって文句を言ってやりたかった。だが吐き気は一向に収まっておらず、もはや出るものは胃液だけしか無いというのに何度も吐き続けていた。体内からものを吐き出しているせいで上手く呼吸が出来ず、苦しくて涙が零れ落ちる。ゼーハーゼーハーと苦しげに呼吸を繰り返し、何度も咳き込んだ。
だがふと…その苦しさが少し楽になったのを感じる。誰かが自分の背を優しく撫でていた。
最初は遊戯かと思った。だが彼が「城之内君! 大丈夫!?」と叫びながら教室の後ろのドアから飛び出してきたのを見て、自分を支えている人物が遊戯ではない事を知る。
では、この手の持ち主は一体誰だ…? そう思った時、自分の背を撫でている人物が遊戯に向かって話しかけた。
「遊戯。今すぐコイツを保健室に連れて行け」
海馬だった…。
何とか海馬の顔を見たくて後ろを振り返ってみようとするが、寒気と震えが走って身体の自由が効かない。そうこうしている内に海馬に向かって「うん、分かった」と頷いた遊戯は城之内の腕を持って引っ張り上げた。身体は小さくてもそれなりに力がある遊戯に凭れ掛かって、城之内は何とか立ち上がる。そして「大丈夫?」と気遣う遊戯に頷きつつ、保健室に向かって歩き出した。
自分の背後ではクラスメート達が「汚ねぇー!!」とか「臭せぇー!!」とか好き放題に騒いでいる。好きで吐いた訳でも無いのにそんな事を言われればやはり傷付くが、もし自分があちら側の立場だったら同じ事を言ったかもしれない…と思うと遣り切れなかった。ただ背後から掃除道具が入ったロッカーが開かれる音と、杏子の「煩いわね、アンタ達!! 邪魔だからあっち行っててよ!!」という怒鳴り声が聞こえて少しだけ安心した。
保健室に辿りつき、養護教諭に適切な処置をして貰った城之内は、今はベッドで静かに休んでいた。遊戯は次の授業の為に教室に戻って行ってしまったし、養護教諭も用事があるとかで席を外してしまっている。静かな保健室の中で、城之内は一人で落ち込んでいた。
窓から涼しい風が入ってきてそちらに視線を向けると、厚手の白いカーテンが緩やかに揺れている。秋らしい涼しい風に、城之内は小さく溜息を吐き瞼を閉じる。二ヶ月程前、海馬に自分の気持ちを告白した頃はもっと熱い風が吹いていた筈だと、疲れた脳裏で思い出した。
今から二ヶ月程前、夏休みに入る直前の暑い日の放課後だった。たまたま海馬と二人で補習を受ける事になった城之内は、放課後の誰もいない教室で今と同じように揺れるカーテンを見詰めていた。
青い夏空と白い入道雲。校庭や体育館からは運動部のかけ声が響き、音楽室の方からはブラスバンド部の練習音が鳴っていた。騒がしい程の蝉の大合唱と、遠くの空を飛んでいくジェット機のエンジン音。
「なぁ…海馬。オレ…お前の事が好きなんだ…」
少し…感傷的になっていたんだと思う。本当は告げる筈の無かった想いを、何気なく…本当に何気なく伝えてしまった。
プリントにペンを走らせていた海馬は驚いた表情で顔を上げ、じっと城之内を見詰めていた。そのまま二人で無言のまま見つめ合う。短くて長い時間だと思った。多分お互いに見つめ合っていた時間は五分も無かっただろう。なのにもう一時間以上もそうしていたようにも感じてしまった。
先に動いたのは海馬だった。ふぅ…と溜息を吐くと、軽く瞳を伏せ口を開いた。
「それで…? お前はオレに何を求めているんだ…?」
「別に何も」
「何も?」
「うん。男同士だし、お前だってオレを受け入れられる訳じゃないだろ? だから、別に何も求めてないよ」
「………」
「海馬…?」
「少し…。少し待っててくれ」
「え…?」
「よく…考えてみたいんだ。だから少し…待っててくれ」
その時の会話はそれで終わってしまった。だから城之内は正式にはフラれた訳じゃないと思っている。思うけれど…フラれたも同然だよなぁ…とも思っていた。
(情けないとこ…見せちまったな…)
はぁ~っと盛大に息を吐き出しつつ、城之内は布団を頭まで被った。布団の向こうから授業終了のチャイムが鳴っているのが聞こえる。
海馬の前で情けない姿を晒す事だけは嫌だった。それなのに身体が保たなかった。せめて自分の吐瀉物で彼を汚す事の無いように数歩後ろに下がり、そしてそこで我慢出来ずに吐いてしまったのだ。あの時の海馬の驚いたような顔が脳裏にこびり付いて忘れられない。きっと本気で幻滅してしまっただろう。
「終わったな…」
そう小さく呟くと、突然ガラリと保健室のドアが開く音が聞こえた。軽やかな足音と共に、カーテンの隙間から遊戯が顔を出す。
「城之内君、具合どう?」
「遊戯か…。あぁ…少し良くなった。もう少し休んだら今日は早退するよ…」
「そっか」
「なぁ、遊戯。廊下…どうなった? オレ汚しちゃって…」
「もう! そんな事気にしなくていいんだよ」
「でも気になるじゃんか。誰か掃除してくれたのか?」
「うん。杏子と…あと海馬君が」
「え…? 海馬…が…?」
遊戯の応えに城之内は心底驚いて目を丸くした。杏子が掃除してくれたのは何となく予想が付いていた。背後で失礼な奴らを怒鳴っているのが聞こえていたから。だけど海馬が掃除をしてくれたとは…完全に予想外だった。
「海馬君、偉いんだよ。僕が教室に戻った時は掃除は殆ど終わってたんだけど、海馬君ったらちゃんと雑巾で水拭きしてたんだ」
「あの海馬が…? ま…まさか…?」
驚きに震えた声を出した時だった。再び保健室のドアが開く音がして、今度は大股でゆっくりとした足音が城之内の寝ているベッドまで近付いて来る。そして遊戯の背後から現れた姿に、城之内は息を飲んだ。
「海馬…」
城之内がその名を小さく呼ぶと、海馬は視線をずらして遊戯の方を見詰める。そして「悪いが少し席を外してくれないか?」と問いかけた。遊戯は一瞬心配そうに城之内と海馬の顔を交互に見ていたが、海馬の表情が予想外に穏やかなのを見て取ると、コクリと頷いて教室に戻っていく。遊戯の気配が完全にいなくなったのを確認して、海馬はベッド脇のパイプ椅子に座って城之内の顔を見詰めた。
「具合はどうだ?」と問いかけて来る海馬に、城之内は慌てて首を縦に振った。
「あぁ…うん。もう大丈夫。まだ少しダルイけど…さっきよりは全然いいから」
「そうか」
「あ…あの…海馬…」
「何だ?」
「えーと…。オレの吐いたの…掃除してくれたんだってな…。さっき遊戯から聞いたんだ。悪かったな…ありがとう」
「別に。慣れているからな」
「慣れて…? お前が…?」
「今はそうでもないが、施設にいた頃はよくあぁやって掃除していたぞ。モクバを始めとして小さい子供達は、すぐに熱を出してはよく吐いていたからな。それを片付けるのは年長者の役目だったし、慣れれば別に大した事では無い」
「で…も…。あんなに汚いもの…」
「気にするなと言っているだろう。誰でも具合が悪くなれば、吐く事だってある。それとも嘔吐した事の無い人間がこの世の中にいるとでも?」
「いや…。いないと…思います…」
「そうだろう。ならば気にする事など何も無い」
海馬の目を見れば、彼が言っている事が嘘では無い事が分かった。海馬は本当に大した事なさそうにケロリとしている。だがそれで城之内の罪悪感が無くなった訳ではない。普通だったら誰もが嫌がる汚くて臭い吐瀉物を掃除するのは、やはり大変な作業だろう。現に普段は仲良くしているクラスメート達も、あの時ばかりは誰も近寄ろうとはせず悪態ばかりをついていた。それが普通だと思っていたのに…。
「海馬…。お前…凄いな」
「そうか?」
「うん…」
心底申し訳無いと思って目を瞑って深く息を吐き出すと、熱を持って火照る頬に何か冷たいものが触れた。目を開けるとそれは海馬の白い手である事が分かる。その手は熱を確かめるように頬を包み込み、そしてそのままそろりと上がって来て前髪を掻き分け額に掌を押し付けられる。ヒヤリとした海馬の手が心から気持ちいい思った。
少し冷たくて荒れ知らずの滑らかな手。細くて白くて繊細な…そして何より優しい優しい海馬の手。この手に自分が吐き出した汚れ物を触れさせたのだと思うと、城之内は遣り切れなくて仕方が無かった。だが海馬は全くそんな事を気にしてはいないらしい。一通り城之内の体温を確かめると、その手はゆっくりと戻っていった。
「まだ熱が高いな。今日はもう帰れ」
「うん。そうする…」
「あぁ、そうだ。城之内」
「ん…? 何?」
「考えが纏まった」
城之内は一瞬海馬が何を言っているのか理解出来なかった。だが次の瞬間に、その言葉の意味に気付いて顔を赤くする。
ずっと聞きたくて聞きたくて仕方の無かった海馬の返事。だけど今はそれが凄く怖かった。あんな姿を晒した後では、色良い返事などとてもじゃないが望めそうになかったから。
恐る恐る海馬の顔を見上げてみる。てっきり完全に呆れられている表情が浮かんでいると思われた海馬の顔は、何故か心無しか穏やかだった。その顔を見て、城之内は思いきって自分から切り出してみる。
「それで…? 返事はどうなの…?」
「さて…どうしようかと思っているのだ。ここで重要な事など告げたら、今の弱りきっているお前じゃ心臓麻痺でも起こして死んでしまいかねん」
「なんだよそりゃ…。オレ心臓強いから大丈夫だよ。バトルシティの時だって、心停止してもちゃんと戻ってきただろ?」
「あぁ、そうだったな」
海馬は城之内の言葉に面白そうに笑い、パイプ椅子から立ち上がった。そしてそのまま踵を返して立ち去ろうとしているのを見て、城之内は慌てて止めようとする。
「お、おい! どこ行くんだよ!」
「悪いがこれ以上貴様の側にはいられないんだ。オレにも仕事があるからな。インフルエンザを移されて倒れる訳にはいかない」
「えー…。なんだよ…それ」
「その代わりと言っては何だが…、早く元気になれ。貴様が健康状態であるならば、時間がある時ならいつでも側にいてやってもいいぞ」
「は…い…?」
海馬の言葉に完全に固まってしまった城之内を心底面白そうに見詰め、海馬はクスリと笑いを零した。そしてそのまま軽く手を降るとベッドから離れ、保健室から出て行ってしまう。
後に残されたのは城之内一人だけ。だが静かな保健室の中には、幸せ一杯な空気が溢れていた。熱で火照った脳でも、先程の海馬の言葉の意味がちゃんと理解出来たからだ。
「ヤベー…オレ。超嬉しい…! ホントに心臓麻痺で死んじゃうかも…!!」
保健室のベッドの布団にくるまりながら、城之内はその後もずっとニヤニヤしていた。熱はまだあったが、具合の悪さはもう殆ど感じられない。
海馬の為にも早く元気にならなくては…!!
最後に海馬が自分の顔に触れていったあの冷たい手を思い出し、城之内は幸せそうに微笑むのだった。
おまけ
海馬が去って城之内が幸せな気持ちを噛み締めた時から数分後…。
「あらヤダ。空気が籠もっているわ。ちょっと窓開けて換気するからね、城之内君」
保健室中に溢れた幸せ一杯の空気は戻ってきた養護教諭によって、城之内から解き放たれたインフルエンザウィルスと一緒に外へ放出されてしまったという…。
すっかり疲れきってしまっている二礼です、こんばんは。
別に日曜日のオンリーの疲れが残っている訳じゃないですよ?
この疲れは昨日のバイトのせいです…w
昨日は普段一緒に働いている店長が身内のお葬式に出なくてはならなくなって、代わりに本部のアシスタントが来ることになったんですよ。
土曜日の夜に店長からメール貰ってたので覚悟はしていたのですが…、やっぱり本部の人間に相対すると気疲れするんですよね…w
「一通り何でも出来るみたいだし、指示出してくれればいいから^^」と店長は申しますが、普段使われる立場の人間が突然使う立場に立たされたりすると、逆に何していいか分からなくなるんです(´∀`;
大体いくら年下だって言っても、本部の人間には変わり無い訳ですよ。
しかも自分よりずっと背の高い男の人だしさー…;
何かもう指示出すのも面倒臭くなっちゃって、結局彼を一番楽なレジに置き、普段は手分けしてやる掃除や品出しを全部一人でやってました。
だってその方が楽だったんだもん…www
でもそういう時に限ってお店ってのは暇な時間が出来るもので…;
普段だったらそういう時間帯はお喋りをして過ごすのですが、全く知らない男性と一体何を話せばいいのかと小一時間(ry
パトラッシュ…僕はもう…疲れたよ…; つー訳で、只今二礼はクッタクタでございます…orz
肉体的疲労より…むしろ精神的疲労の方が強いわ…w
あんまり疲れて今日はお宝も読めなかった…;
明日…。明日こそはお宝に塗れて過ごそう…っ!!
うん、そうしよう…(⊃д⊂)
短編『落陽』をUPしました。
イベント後の切ない気持ちを活かして切ない系を目指してみたのですが、結局最後はあんなんなりました…。
そうだよねぇ~、もう分かりきってる事だよねぇ~(´∀`)
自分にはアンハッピーは無理だと悟っているので、もうどうでもいいですw
ていうか今、書きたいものが多過ぎて困っています。
『STEP』もそろそろ再開したいし、百合城海も続きを書きたいし、何より逆転系城海を何とかしたいんです。
来月には社長の誕生日もあるし、どうやって整理したものか…今から悩んでいますw
さて…どっから片付けたものかのぉ?
以下は拍手のお返事になります~!(*´д`*)
>ポチ様
どうも~! 日曜日は本当にお疲れ様でした~!(´∀`)
ずっと色んな事をお話したいと思っていたので、ゆっくりお喋り出来て嬉しかったです!
こちらこそ本当にどうもありがとうございました~!!
機会があったらまた一緒に遊んで下さい(*´∀`*)
お誘い待ってますw
(自分からは誘わない。だって内気だから…www)
あぁ、あとT/M/ネ/ッ/ト/ワ/ー/クはネクタイヒラヒラしません(*'-')
あれは西川の方だw
あのボケにはチョット笑いました…w(そして少し凹みましたorz)
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>散様
わんばんこぉ~www
土曜、日曜と本当にお疲れ様でした~!!(>_<)
ずっと一緒に遊んだりお話したりしたかったので、本当に嬉しかったです!!
心から感謝致します。
ありがとうございました~!!
あ、ちなみに私も帰ってから自分が買った同人誌を数えてみたのですが、散さんの買った数-20冊くらいだったかな?
まぁ私の場合は基本的に城海オンリー(作家さんによっては例外有り)なので、少ないのは仕方無いと思うんですがね。
それでもこんだけ買えて、すっげー幸せでした(*´д`*)ハァハァ
私もこれからゆっくりお楽しみタイムに入りたいと思いますw
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(*´∀`*)
以前も思ったのですが、Rosebank様が基本的にサイトやブログにコメントするのが苦手と仰るのが信じられません…w
私がサイトを開設してすぐにRosebank様からのコメントを貰っていたからだと思うのですが、前にそういうコメントを頂いた時に本当に驚いたものです。
文章もしっかりしているし、むしろ「慣れた方なんだなぁ~」と思っていたくらいですからw
でも、コメントとかメールとかって凄く大事ですよね。
勿論物凄く勇気がいる作業ではありますが、逆にその勇気を出さないと何の進展もありませんからねぇ。
私も遊戯王にハマってからは無い勇気を振り絞って、好きなサイトさんのところにコメント残したりメールを出したりしたものです。
大体サイトを開設した事が今年一番の勇気であったし、その後も他のサイトさんにリンクのお願いに上がるのもワタワタしながら一生懸命やってましたw
お陰で今では仲良くなって下さった方達もいますし、今回のイベントでご挨拶出来たところもあった訳です。
こういうのってやっぱり思い切りが大事なんだなぁ~と、しみじみ考えさせられました(´∀`)
むっちゃドキドキしますけどねーw
さて、未だに切ない気持ちは続いているのですが…。
Rosebank様の仰る通り、今回のイベントの思い出と戦利品を糧に、これからも頑張って城海を書いていこうと思っています。
今まで通り生温かい目で見守って頂ければ幸いに思います(*'-')
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内×海馬。
ちょっと切ない系(?)のお話です。
喉の渇きを覚えて城之内は目を覚ました。
部屋の中が薄暗くなっていて慌てて枕元の目覚まし時計を確認すると、針は十七時半を差している。寝入ったのは昼の三時でまだ外は太陽が高く昇っていたというのに、たった二時間半でその威力は西の彼方へ消えようとしていた。 秋の落日は早い。そっと西向きの窓から外を眺めると、今まさに最後の陽光が沈みゆこうとしている最中だった。
赤い光が遠く西の地へ落ちたのを見届けて、城之内は振り返った。布団の上ではまだ海馬が気持ち良さそうに眠っている。白い裸体に毛布を巻き付けて一瞬ゴソリと動きはしたものの、溜息のように深く息を吐き出すと再び規則正しい呼吸を繰り返し始めた。
城之内がこの海馬と身体の関係を持つようになってから、丁度一年が過ぎていた。
去年の今頃。丁度二学期に入り夏休みの自堕落な生活を忘れ、規則正しい学校生活のリズムを取り戻していた頃。城之内と海馬は唐突にそういう関係に陥った。
切っ掛けはよく覚えていない。確か学校が始まりバイトが忙しくなってストレスが溜まっている時に、久しぶりに登校した海馬とちょっとした事で揉めて激しい言い争いになった事が始まりだったと思う。
海馬も海馬でもうすぐ上半期が終わるこの時期は仕事が立て込んでいて、それでも何とか仕事と学業を両立させようと必死に頑張っていた。溜まり続けるストレスに閉口しながらも、終わらせた課題を提出しようと登校したところで城之内とぶつかってしまったのである。
どちらが先に因縁を付けたかなんてもう忘れてしまった。ただ教室内で激しく言い争い城之内が海馬の胸ぐらを掴んだ辺りで、慌てた遊戯に止められた事だけはよく覚えている。
結局そのすぐ後に授業が始まってしまい、海馬との喧嘩もそれで終わった筈だったのだが…。どこから嗅ぎつけたのか。次の日、城之内の携帯に海馬からのメールが届いていたのだ。曰く、
『貴様も色々溜め込んでいるようだな。丁度いい。今度我が邸に来るといい。良いストレス解消を教えてやる』
…と書いてあったのだ。
一瞬何か裏があるんじゃないかと訝しげに思ったものの、結局単純思考の城之内はその言葉通りに海馬邸を訪れて、そしてストレス解消と称したセックスに勤しむ事になったのだ。
初めて海馬と身体の関係を持ってから丁度一年。最初は自分が海馬邸に訪れるだけだった逢瀬も、いつの間にか海馬も城之内の家に上がり込むようになった。海馬邸の柔らかいベッドとは違う畳に直に引いた固い布団の上で、海馬は城之内の愛撫によがって泣いた。防音管理が完璧な海馬の私室とは全く違う薄い団地の壁を気にして、口に手を当てて漏れ出る声を必死に我慢する。目元を真っ赤に染め上げて「っ…! うっ…!」と泣きながら耐える海馬を見る度、城之内は酷く興奮して余計に酷く海馬を抱いてしまうのだ。
海馬邸での開放的なセックスと、そして自分の家での閉鎖的なセックスを両方楽しみつつ、二人の関係は続いていく。そして気が付いたら一年が過ぎていたのだ。
完全に日が没したせいで外はあっという間に暗くなり、部屋の中も電気を付けなければ何も見えない状況になっていく。それでも城之内は明かりを付ける事を躊躇って、自分の布団の中で穏やかに眠る海馬を黙って見詰めていた。
一年経って漸く気付いた事がある。それはお互いの気持ちがどこにあるのか、全く分からないという事だった。
気持ちを伝えた事なんて無い。何故ならばそれは全く必要の無い事だったから。自分達が身体を重ねるのはあくまでストレス解消の為であって、決して愛を確かめる為の行為では無かったからだ。
海馬の身体の事なら隅々まで知っている。多分海馬も城之内の身体の事なら何でも知っているだろう。互いに互いの外側は知り尽くしているというのに、その中身が分からないのだ。心の中が見えない、読めない、感じられない。身体の熱は昂ぶっても、心はいつもどこかに置き去りにされヒンヤリと冷めたままだった。
城之内は、最近この関係に疑問を持つようになってきた。何となくこのままではいけないような気がする。だけれども、同時にこのままで良いような気がするのも事実だった。
自分達はもう高校三年生だ。半年後には卒業して、それぞれの行き場所へと散っていく。海馬はそのまま海馬コーポレーションの社長として世界をその手に握る為に、今まで以上に奮闘していく事だろう。自分も卒業後は本格的に働き出す予定だ。必死で働いて父親がこさえた借金を返さなくてはいけない。そしてお互いの世界で生きていく自分達は、今までのようには会えなくなるという事なのだ。
そこまで考えて城之内は深く溜息を吐く。
つまり…自分達の関係はここまでだ…という事に気付いたのだ。
「あぁ…。参ったなぁ…」
口の中で小さく呟き、城之内は布団の脇に落ちていた自分の下着とTシャツとスウェットを手に取った。手早く身に着けてそのまま足音を忍ばせて布団を横切り、居間に続いている襖を開ける。そして後ろ手で静かに襖を閉めると、居間と台所の電気のスイッチに手を伸ばした。パチンという音と共に明るくなる部屋の中。暗い世界になれていた瞳孔がその明るさに耐えきれずに、一瞬何も見えなくなった。まるで無理矢理夢から覚めさせられたかのようだな…と思いながら、何度か瞬きを繰り返して人工的な明るさに瞳を慣らしていく。
自分の眼が漸く明るさに慣れたのを感じて、城之内はそのまま台所へと進んでいった。コップを手に取り蛇口を捻って水を出す。コップの縁ギリギリまで水を貯めて、そしてそれを一気に喉に流し込んだ。乾いた喉が潤っていく。身体の隅々にまで水が染み渡っていくようだった。なのに…最深部の心にだけはその水は届かない。ずっと乾いたままなのだ。
空のコップをテーブルに置き、シンクに寄りかかったまま城之内はまた深い溜息を吐く。
本当は自分の気持ちにはもうとっくに気付いていた。海馬との関係をこのまま終わらせるのは嫌だった。だが自分だけがそう思っていたところで、一体どうしろと言うのだろう。海馬の気持ちがどこにあるのか、全く分からないというのに。
「馬鹿だな…オレ」
そのままズルズルとしゃがみ込み頭を抱える。
身体だけの関係だなんて、最初から分かっていた事じゃないか。このセックスはただのストレス解消の為の行為。一般的な愛を語り合う為のものじゃない。それでもいいと、いや…むしろその方がいいとお互いに納得して今の関係になったんじゃないか。
自分だって最初はそう思っていた。このままでいいと信じて疑わなかった。それなのに時が経つにつれ、どんどんと心が引っ張られていった。互いの心が見えなかったばかりに、その事実に気付かなかった。そしてある日突然気付かされたのだ。自分が海馬に惹かれている事に…。
慌てても時既に遅しとはこの事で、既に後戻りは出来ない状況にまで追い込まれていた。せめてこれ以上は…と思って何とか無関心を装うが、一度確認してしまった感情は肥大していくばかりで留まる事を知らず、城之内を苦しめていくだけだった。
海馬が欲しい! 海馬が欲しい! 海馬が欲しい!
城之内の心が必死で叫ぶ。そんな事は不可能だと分かっているのに。海馬とのセックスに溺れて流されて、彼を抱けば抱く程その想いは強くなっていった。海馬への気持ちに気付いた本当の自分が、心の内側からドアを叩き続ける。ここから出せとずっと叫んでいた。だが、出してやる訳にはいかなかった。そんな事をすれば、この関係はすぐに終わってしまう事が分かっていたから…。
「あ…。でもそれ、いいかもな…」
しゃがみ込み、薄汚れた台所の床を見ながら城之内はポツリと呟いた。
そうだ。いっその事本心を告げてしまえばいいのだ。そうしたらこの関係はすぐに終わってしまうだろう。さながら先程見た秋の落陽のように…あっという間に。きっと海馬は城之内の身体は求めていても、心は全く求めていない。自分の中に海馬に対する気持ちが溢れていると知ったら、途端に面倒臭くなって自分から離れて行くのは目に見えていた。
そうだ…そうしよう…終わらせてしまおう…。何もこの関係を卒業まで引き延ばす必要は無いのだ。それであと半年も苦しい思いを抱え込まなきゃならないのなら、いっその事今の内に終わらせてしまえばいいのだ。そうすればきっと楽になる。最初は辛くても…きっと無駄にズルズルと関係を続けるよりマシだと確信した。
どうせなら今ここでさっさと終わらせてしまえ。そう思ってその場で立ち上がった時、唐突に居間と寝室を隔てている襖が開いた。驚いてその場所を見詰めていると、暗闇の中から上半身にシャツを纏っただけの海馬がゆらりと出て来る。明るい電灯に眩しそうに目を細めながら裸足のままペタペタと床を歩き、そして城之内の前でピタリと止まった。青い瞳がじっと自分を見詰めてくる。
「な…何…?」
余りにもじっと見詰められて居心地が悪くなり、そう問いかける。すると海馬は酷く不機嫌そうに眉を顰めて口を開いた。
「貴様…。何で側にいない」
「は?」
「真っ暗になった他人の部屋で目覚めて、しかも一人にされている気持ちを考えろ。不安になるだろうが」
「あ、あぁ。そういう事か。ゴメン…あんまり良く眠ってたもんだから…」
「大体貴様はオレの恋人の癖に無責任過ぎる。オレの身体だけ手に入ればそれでいいのか? オレとは身体だけの関係なのか?」
「え…いや、そういう訳じゃ…。って、ええぇぇぇ―――――っ!?」
余りに自然に海馬の口から漏れ出た『恋人』の言葉を一瞬そのまま流しそうになって、一拍遅れて気付いた城之内は思わずその場で叫んでしまった。何でそこで城之内が叫んだのか海馬には全く理解出来なかったらしく、その煩さに不快そうに眉を顰め首を傾げる。
「何故そこで叫ぶ。煩いぞ凡骨。静かにしろ」
「えぇっ!? だ、だって、こ…こ…恋人って…っ! 恋人って…お前っ!?」
「………? 恋人だろう? 何を今更」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!! オレ達いつから恋人になったんだよ!!」
「は? 貴様は何を言っているんだ? いつからって…ふむ。丁度一年前か」
「えぇぇっー!? マジで!? アレから? 最初から!?」
「………? 城之内…? 貴様…もしかして…」
城之内の驚きように、漸く海馬も何が起こっているのか理解し始めたようだった。途端に不機嫌になり、眉間の皺がますます深くなる。青い瞳が鋭く睨み付けてきて、城之内は思わずたじろいでしまった。
「城之内…」
「は…はい…」
「貴様…もしやこのオレをただのセックスフレンドとは…思ってはいないだろうな…?」
「………」
「どうなんだ?」
「えーと…」
「城之内」
「スミマセン…。思ってました…」
城之内がそう謝った途端、「巫山戯るなぁー!!」という怒声と共に左頬に激しい痛みが襲ってきた。海馬が思いっきり城之内の頬を平手打ちしたからなのだが、その余りの激しさに揺らぐ身体を何とかシンクに手を付く事で支え、城之内は慌てて目の前の海馬を見返した。
目の前に立っている海馬は、顔を真っ赤にして震えていた。青い瞳がじんわりと潤っている。全身から迸る怒りと悲しみが、城之内の目にも見えるようだった。
「貴様にも舐められたものだ…っ。オレが…このオレが…っ! 何の関係も無い奴に平気で足を開くような奴だと思われていたとは…っ! 情けなくて涙が出るわ!!」
「ゴ…ゴメン…ッ!」
「謝るな! 余計虚しくなるわ!!」
「ゴメン…ッ!!」
「謝るなと言っているだろう!! 一年も恋人だと思って…一人で盛り上がって…。情けないにも程がある…っ!」
「ホントにゴメン…ッ!」
怒りと悲しみでブルブル震える身体に手を伸ばし、城之内はその細い身体を抱き締めた。途端に海馬が激しく抵抗するが、それも腕力にものを言わせて無理矢理抱き込んでしまう。
「離せ!!」
「嫌だ! 離さない!!」
「離せと言っているんだ!! 貴様にとってオレなんぞただのセックスフレンドの癖に!!」
「そうは思って無い! いや、思ってたけど…。でも好きなのは本当だから…っ!!」
「嘘を吐け!!」
「嘘じゃない!! 好きなんだよ! オレ、お前の事が好きだ!!」
「嘘だ…っ! 貴様なんてどうせ、セックスさえ出来ればそれでいいのだろう!?」
「そんな事思って無い…! 思ってないから苦しかった…っ! お前の事を好きになって苦しかったんだよ…っ! だって…だって…」
未だ抵抗を続ける身体を思いっきり強く抱き締めて、城之内は心から叫んだ。
「だって…お前の本心がどこにあるのか…全然分かんなかったから…っ!!」
城之内の叫びに漸く海馬が身体の力を抜く。そして信じられないように小さく耳元で「何だと…?」と問いかけてきた。
「海馬…。オレはお前の方こそが、オレの事をただのセックスフレンドだと認識してるんだって…思ってた」
「馬鹿な…っ。そんな筈無いだろう…?」
「でもさ…。お前…自分の気持ちを教えてくれなかったじゃんか。最初の理由だって『ストレス解消の為のセックス』だっただろ? だからオレもてっきりそうなんだと思ってたんだ」
「つ、伝えて…無かったか?」
「うん…」
「本当に…?」
「残念ながら…」
二人で一瞬固まり、そして次の瞬間には互いに「はぁ~…」と情けない声を出しつつ抱き締め合いながらその場に崩れ落ちた。
馬鹿なオレ達…と城之内は海馬の身体を優しく抱き寄せながらそう思う。一年も互いに互いの気持ちを確認せず、ずっとすれ違ったままだった。あんなに肌を重ね合ったのに、語り合う時間もあったというのに、確かめる勇気さえ持てず危うく本当に崩壊するところだった。
シャツ一枚しか羽織ってないせいで秋の夜の空気に冷えてきた海馬の肌を擦りながら、城之内はもう一度強くその身体を抱き締める。今はどんなに嫌がられても、この身体を離そうとは思わなかった。まぁ…抱き締められている海馬の方にも一切抵抗は見られなかったのだが…。
「オレ…鈍いから…、お前の気持ちに気付けなかった…。本当に…ゴメンな…」
心からそう謝ると、城之内の首元に顔を埋めた海馬はフルフルと小さく首を横に振った。
「もういい…。ちゃんと言わなかったオレも悪かった…」
「でも…。せっかく恋人だと思ってくれたのに、一年も無駄にしちまった…」
「後悔したって過去には戻れんぞ」
「うんまぁ…そうだけど」
「これからではダメなのか?」
「え…?」
「この一年はもういい。いい勉強になったと諦めるしか無い。だから…これから始めるのではダメなのか…と聞いている」
「………っ!!」
聞こえてきた海馬の言葉が本当に嬉しくて、城之内はますます力を入れて細い身体を抱き締めてしまった。それに当の海馬は苦しそうに呻いたが、別に文句を言う事も無く大人しく腕の中に収まっている。それどころかそっと腕を回して、城之内の背を強く抱いてくれた。サラリとかかる栗色の髪に自分の頬を擦りつけるように、城之内は何度も頷く。
「うん…っ。うん…っ。これから…これからでいいから…。だからオレの恋人になってよ…っ!」
城之内の脳裏に先程の秋の落陽が浮かび上がる。西の地に消えていったあの最後の光は、てっきり自分達の関係だと思っていた。だが、あの落陽の光はそうではなく、消えていったのはこの一年の間に知らず知らず気付いていた自分達の誤解の方だった。
外はもうすっかり暗くなり、夜空には秋の星々が瞬いている。澄んだ秋の空気はとても美しく星空を彩っていた。人工的な明かりの中にいる二人にはそのささやかな光が届く事は無いが、それでもその光達は漸く本当の恋人同士になれた二人を祝福するようにいつまでも輝いていた。
昨夜とは打って変わって切ない二礼です、こんばんは。
本日は日記のみのUPになります。
ご了承下さいませ。
只今イベントから帰って参りました~!
いやぁ~、本当に楽しかったですよ!
関東はずっと涼しかったのに今日に限って暑くなっちゃって、汗ダラダラで申し訳無かったですw
売り子として役に立ったかどうかは分かりませんが、久々に売る側として参加出来たのが凄く嬉しかったなぁ~(´∀`)
今までお世話になっていた方にご挨拶したり、仲良くさせて貰っている人達と色んなお喋りしたりして、イベント中はずっとテンション上げ上げで楽しくて仕方ありませんでしたw
本当は差し入れとか持って行きたかったのに(現に前の日に用意していた)、持って行くのを忘れてしまったのが痛かった…;
電車乗ってから気付いたんだもの…;
もっと早く気付けよ、私!!
イベント終わった後も仲良くさせて貰っている方達と一緒にお茶したりと(お茶っつーか、酒飲んでましたが…私w)、最後まで楽しく過ごす事が出来ました~(*´д`*)
なのに何ででしょうかねぇ…;
めっさ切ねぇぇぇぇーーーーー!!
イベント終わると何でこんなに切なくなるんでしょう?
5月のスパコミの時や8月の夏コミの時は買い専だったのでこんな気持ちにはならなかったのですが、今はすごーく切ないです。
実はこの感覚には覚えがあって、つまり数年前に自分がサークル活動をしていた時に感じていた気持ちと一緒なんですよ。
今回は『REMS』の散様のご好意で売り子をさせて貰ったですが、やっぱり買い専と違ってサークル側として参加すると物凄く充実する事が出来るんです。
イベント開始前の準備から始まって、イベント中の売り買いだとか挨拶回りだとかに夢中になり、最後の撤収まで手を抜かずにバッチリやりますからね…。
それから解放された時の喪失感といったら無いですwww
明日からまた普通の生活に戻っていく訳ですが、それもまた夢を見終わった感じがして切なく感じさせるんでしょうね。
まぁ…ここは気持ちをキッチリ切り替えて、また自分なりの小説をバッツリ書いていきたいと思っています(*'-')
今回、前日から沢山遊んでくれて売り子として雇ってくれた散様。
隣のスペースで色々お話して下さってその後も一緒にお茶して下さったポチ様。
更に私の下らない萌え話に付合って下さり楽しくお話をして下さったマサキ様。
それから初めてご挨拶させて貰ったり、色んなおしゃべりをして下さった方々。
心から感謝の言葉を述べさせて頂きます。
ありがとうございました!!
また何か機会があったら、こんな風に一緒に楽しめればいいなぁ~と思っております(´∀`)
オンリーイベントに参加なさった皆様、今日は本当にお疲れ様でした~!!
…という訳で、私はこれからお楽しみタイムに入りますぜ(*´∀`*)ヘッヘッヘ
切なくたって疲れてたって、お宝は拝読しないとねー!www
以下は拍手のお返事でーす(´―`)
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(・∀・)
散様にはRosebank様の伝言をちゃんと伝えておきましたよ~!
でも、こういうのは御自分で伝えた方があちらの方も喜ぶと思うんですが…どうでしょうか(*'-')
自分が伝えたいメッセージは、やっぱり本人に直接伝えるのが一番だと思いますよ~v
私もそういう意味では、毎回Rosebank様のコメントに恩恵を受けている訳ですがw
今日はもう疲れてしまって小説を書けそうにはありませんが、火曜日にはいつも通りに更新したいと思っています。
今の気持ちを活かして『切ない系』を書くのもいいかもしれませんね…w
いつもハイテンションなんで、このくらいのテンションの方が丁度いいのかもしれません(´―`)
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
ごめんなさい!!
返信漏れがありました…orz
個別返信はちゃんと書いていたのですが、コピペするのを忘れてしまいました;
大変申し訳ありません~!!
>飛香莉様
うわわわ;
大変申し訳ございませんでした~!!
せっかく拍手頂けたのに、こんな事してちゃダメですよね…;
本当にスミマセンでした。
コメントもどうもありがとうございます~!!
社長の剃毛プレイにドキドキして下さって、ありがとうございましたw
本当は社長が気を失ったところで終わらせるつもりだったのですが、ついついおまけを入れてしまいました…(´―`)
毛を剃った後って、やっぱりチクチクしますよね~w
本人は別に良くても、やっぱり肌を重ねる方は痛いと思うんですよ。
でもまぁ…この場合は、城之内の自業自得ですけどねw
社長の毛が生えきるまで、このチクチクで城之内は少し反省すればいいと思います(´∀`)
…多分懲りないと思うけど…w
それでは今日はこれで失礼致します。
今回は本当にゴメンナサイでした!!(>_<)
ではまた~(・∀・)ノシ
ハイテンションな二礼です、こんばんは。
今日は臨時日記なので少々短めに…。
えー…前々から言っていました通り、本日我が家にお客様がやって参りました。
ぶっちゃけてバラしちゃうと『REMS』の散さんなんですけどね…(´∀`)
今回散さんとこの本の校正などを手伝わせて頂いた経緯で、お礼に城海シムを見せて下さると言うので、御言葉に甘えさせて頂きました。
で…実際に目の前で見た感想ですが。
もう滅茶苦茶萌えました…(*´д`*)
ヤヴァイよ、アレ…。
SSで見るだけでも萌え萌えなのに、実際に動くのを目の当たりにするともう心臓バックバクですよ!!
エロ過ぎで萌えまくって危うく自分の世界に入り込みそうになりましたが、そこは自重して何とか自我を保つ事に専念していました…w
シムいいなぁ…。見てるだけでも面白かったなぁ…(´∀`)
機会があったらまた見せて欲しいものですvvv
ちなみに明日のオンリーはですね。
何か散さんとこで売り子のお手伝いをさせて貰える事になりました。
頑張って働かせて頂きますので、宜しくお願い致しますw
あとは…そうですね。
今ココにいる散さんから一言どうぞ~!↓
わああ、家にお邪魔したばかりか日記にまでお邪魔してどうもスミマセン……今日はしげみさんの所にシム持ってタダ飯食らいに来ました(笑)いやもうその実まともに会って話したのは今日が初めてなんですが、どこが初めてっすか?!な盛り上がりようで……ほんと煩く騒いで申し訳ありませんでした。やっぱ同士の方の所にお邪魔すると激しく色んな話が出来て楽しすぎますな!!城海最高!!……ではでは、お目汚し失礼しました。明日も宜しくお願いします。というかディスプレイデカくて緊張するわ!(笑)
以下は拍手のお返事になりますです~(*'-')
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(・∀・)
『素質Ⅵ』(後編)の感想をありがとうございます(´∀`)
剃毛プレイについての「最高」とのお褒めの言葉、とても嬉しかったですw
過去のシリーズを踏まえて書いているのは、やっぱり『素質Ⅳ』でローターの事をすっかり忘れてバイブプレイを書いちゃった事を反省したからです…(´∀`;
一つ一つが短編なのですが、それでも一応シリーズ物なので、やっぱり矛盾等が出て来ちゃったらダメですからね。
今回も自分で以前の話に目を通して、何とか矛盾が無いように頑張らせて頂きましたw
でもここまで長くなると、やっぱり最初の頃の設定とかは忘れてしまうんですよ~。
普通の長編と違ってシリーズ物は続けて書くような事もありませんし、思い出したように続きを書くと時系列が滅茶苦茶になっちゃったりするんです。
そこら辺はやっぱりRosebank様の仰る通り、前の作品を読み直す事によって予防するようにしています(*'-')
あの時も大事なアドバイスを、どうもありがとうございました。
お陰様で今回も何とか無事に書く事が出来ましたw
ちなみに素質シリーズの海馬は、ドMな癖に強気なところがいいんだと思っています(´―`)
そうでないと逆調教なんて出来ませんからね~w
まぁ…最初はそれで良かったみたいですけれど、最近は立場がすっかり入れ替わってしまったので、これからがどうなるかが見物ですね。
先日の日記でも申しました通り、これからもこの二人には色々とチャレンジしていって貰おうと思っています。
それから喘ぎ声や叫び声についてですが…。
う~ん…、上手い…ですかね?www
脳裏に出て来た擬音をそのまま文字化しているだけなので、自分ではそんな風に思った事ありませんでした…w
むしろ自分では「喘ぎ声書き過ぎで、くどいよな…」と思っていたくらいなので…(´∀`;
でもRosebank様に「上手い」と言って頂いて、少し自信を持ちましたw
これからも喘ぎ声はくどく書いていこうと思いますw
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
今日もお掃除してました二礼です、こんばんは。
自宅にお客様を呼ぶなんて本当に久しぶりなので、かなり真面目に掃除してました。
お陰で大分すっきりしましたが、物が捨てられない性格なので、未だゴチャゴチャしている事には変わりません。
そこはもう、目を瞑って貰おうw
基本的に私は、自分のテリトリーに他人が入って来るのが嫌な人なんですよ。
(物理的な意味でもそうですし、精神的な意味でもそうです)
だから友達とかでも会うのは大体外なんですが…。
明日いらっしゃるお客様は、自分的にそういうのが全く気にならない方なので、逆に今から楽しみですw
この違いは一体何々でしょうかねぇ…?
まぁ友人と言っても私が腐だと知らない人もいるので、そういう方がプライベートの空間に入って来て自分の本来の姿を見られるのが嫌なんでしょうね。
あと先日の日記でも言いましたが、掃除が苦手というのも、お客様をお迎えしたくない理由の一つのような気がします。
ようは外面はいい癖に、家の中はグッチャグチャっていうのを見られるのが嫌なんですよw
それがそんなに嫌なんだったら普段からキチンと掃除しとけって話になるんですが…。
そうですね、まさにその通りでございますw
物が捨てられないっていうのも、またダメなんだろうなぁ…;
使わなくなったものとかは潔くポイしないとダメですね。
でもまだ何かに再利用出来るかも…とか思っちゃうと、結局仕舞い込んじゃったりするんです;
後から考えると「こんなモン、何に使うっていうんDA!」ってなものばかりなんですけどねーw
これを期に反省して、もうちょっと思い切った掃除が出来るようになりたいです(´∀`;
話は変わりますが、この土日は予定がギッシリで小説を書く暇が無さそうです…;
土曜日は上記の通りお客様がいらっしゃいますし、日曜日は勿論の事オンリーに行かさせて頂きます(*´д`*)
という事で日曜日の更新はお休みさせて頂く事にしました。
ご了承下さいませ。
その代わりと言っては何ですが、もしかしたら明日の夜、臨時で日記を書くかもしれません。
日曜日も当日のオンリーの事とかの日記はUPさせて頂きます。
小説は…もし万が一まがり間違って書けちゃったりしたらUPしますが、多分無理だと思います…(´―`;
ゴメンナサイです。
素質シリーズの『素質Ⅵ』(後編)をUPしました。
やっちまった…。
またやっちまったんだな…。
しかも剃毛プレイ…やっちゃったんだな…。
もうね、ダメだねこれはw
元々城海に変態的なプレイをさせる為に発足させたシリーズだったのですが、コレはチョット…やり過ぎと違いますか?www
うん…でもまぁ…いっかw
どうでもいいけど、城之内がどんどん変態になっていきますね。
もうこれ以上変態になりようが無いみたいですが、しかしSMの世界は奥が深いからなぁ…w
まだまだネタはありそうですw
さて、今度はどうしようか…?
以下は拍手のお返事でございま~す!
>飛香莉様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
素質シリーズを楽しみにしていて下さってみたいで、コメント読んでとても嬉しかったですv
毎度の事ながら、何か変態チックな仕上がりになってしまって申し訳ありません…;
このシリーズの城海はもうこういうモノなんだと諦めて下さいませw
私自身も、もう諦めちゃってきています…w
というか、元々こういう変態チックなプレイをさせる為に『素質』を書き始めたんで、いずれこうなる事は目に見えていましたがね…w
素質シリーズはまた何かネタが浮かべばやりたいと思っていますので、気長に待っていて下さると嬉しいです(*'-')
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(*´∀`*)
『素質Ⅵ』(前編)の感想をありがとうございます!
あー、やっぱあのシーンは分かり辛かったですかねぇ。
そうですそうです。最初からではありませんが、城之内は隣室で海馬が自慰しているのをしっかり聞いていました。
自分と会うのを断わり続けている癖に、やる事はしっかりやっている海馬に厭味を込めてあの台詞を言ったんです。
分かりにくくてスミマセンでした…。
さて…。
そんなこんなで立派なドSに目覚めてしまった城之内に翻弄されて、ドM社長はすっかりセックスが怖くなってしまい、挙げ句の果てに恋人である城之内から逃げまくっていた訳なんですがね…。
不思議な事に、城之内を避ける事で彼に嫌われるとか捨てられるとかは全く考えていなかったようですw
そこら辺が無駄に自信満々の『素質シリーズ』の海馬の成せる業なのかどうかは分かりませんが、城之内の愛を疑う事だけは考えつかなかったようですねw
まぁ…多分Rosebank様の仰る通り、海馬もまた混乱していたんだと思います(´∀`)
何てったってセックス(SMプレイ)に関しては最初は自分がリードして城之内を翻弄していた筈なのに、いつの間にか城之内はそれに追いつき、そしてあっという間に抜き去っていきましたからねぇ…。
おまけに今まで考えもしなかったドライオーガズムの体験が、海馬をすっかり臆病にさせてしまいました。
それをまた海馬自身が認めたくないと思っているので、今回のような事が起きてしまったのですが…。
でもまぁ、ちゃんと誤解が解けた事で、城之内は逆に今の状況を楽しんでいるみたいですがねーw
これからもドS之内君にはもっと色んな事にチャレンジして貰って、ドM海馬をメロメロにして欲しいですねぇ~(*´∀`*)
Rosebank様の仰る『エロスの極み』を目指して、私も頑張りたいと思っていますw
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
風呂場で二人とも裸になり、よく泡立てたボディソープでお互いに素手で身体を洗い合っていた。
城之内は酷く機嫌が良く、一向にオレに『お仕置き』する気配が無い。訝しげに思いつつも身体に纏わり付いた泡を落とす為にシャワーを浴びようとした時だった。「ストップ!」という城之内の声がかかり、オレは腕を掴まれて動きを阻害されてしまう。
何だと思い城之内の顔を見詰めると、彼は至極嬉しそうな顔をして何かを取り出した。
「はい、コレは何でしょうか?」
「何って…、安全剃刀だろう?」
城之内が持っていたT字型の剃刀を見て、オレは別に何を思う事無く正解を導き出した。その応えに満足したのか、城之内がニヤリと笑って口を開く。
「正解。んじゃ、こっからお仕置きタイムね」
「は…? 一体何をするつもりだ?」
「剃刀使うっていったら、用途は一つしか無いじゃねーか。それじゃぁ綺麗に剃り剃りしましょうねー?」
「剃り…? …っ!? き、貴様…まさか…っ!」
「はい、そのまさかです。オレ一度剃毛プレイってやってみたかったんだよなー!」
嬉々としてオレの足の間に身体を割り込ませ両膝を開こうとしてくる城之内に、オレは足に力を入れて抵抗する。別にオレはドMだから何をされようが構わないが、それだけはどうしても嫌だった。
一過性のプレイと違って、剃毛プレイは文字通り毛を剃ってしまうプレイなので、プレイが終わってもその痕跡は確実に身体に残ってしまう。トイレに行く度、そして風呂に入る度に嫌でも目に入ってくるその惨状に、何日もその時の事を思い出させられてしまうのだ。想像しただけでも恥ずかしくて仕方が無い。
「い…嫌だ…っ! それだけは…っ!」
「嫌だからお仕置きになるんでしょ。はい、我が儘言わないでちゃんと足開いて。あ、もっとソープ付けた方がいい?」
そう言うと城之内はボディソープのボトルを何回かプッシュし、出て来たソープを泡立てる事無くそのままオレの陰部に撫で付けた。ぬるりと滑る感触で、背筋にゾワリと快感が走る。
「んっ…!」
「あ、感じちゃった? でも勃ってる方が安全でいいかも。そのまま大人しくしてな」
風呂場の床に直に座らされ大股を開いた状態で、オレは自分の足の間で城之内が安全剃刀のカバーを外すのを黙って見ていた。城之内はまるで鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気で、至極楽しそうに剃刀をオレに近付ける。刃を剥き出しにした剃刀がオレの陰部に近付いて来るのを見て、オレはフルフルと首を横に振った。
「やっ…! 嫌だ…城之内…っ!」
「ダーメ。じっとしてて。大事なとこ切っても知らないよ?」
「ひっ…!!」
「大丈夫、切らないから。だからちゃんと大人しくしてるんだぜ」
舌舐めずりをしつつ、城之内がオレの陰部に剃刀の歯を当てた。そしてそのまま下へ滑らせる。たっぷり付けられたボディソープのお陰で痛くは無かったが、くすぐったいような感触が伝わってきてじっとしているのが辛かった。
「ほら、もうちょっと足開いて。奥まで綺麗に剃れないよ」
「………っ!! ふぅ…っ!」
「そうそう。いい子だねー海馬」
浴室にショリショリという毛を剃る音が響いている。その音が酷く恥ずかしくて、オレは目を強く閉じて顔を背けた。自分の陰部が今どうなっているのか知りたかったが、とてもじゃないがそれを直視出来そうも無いし、確かめたくもない。今は羞恥で身体を震わせながらただ黙って、城之内の作業が終わるのを待っているしか出来なかった。
どのくらい時間が経ったのだろうか。突然身体に温かいシャワーがかけられて、オレは恐る恐る目を開けた。
「………?」
「ほら、綺麗に剃れたぜ。つるつるして赤ちゃんみたいで、ホントに可愛いなぁ…」
「っ………!!」
「一度ヴァーチャル世界でつるつるのお前見た事あるけど、やっぱりただのデータの世界と実際に目の当たりにするのじゃ、全然違うな。断然こっちの方がいい!」
城之内は綺麗に剃り上げられたオレの陰部を、指先で撫でるように触ってくる。怖々自分でも確かめてみるが、その余りの淫猥さにクラリと目眩がした。
綺麗に毛を剃られて隠すものが何も無くなってしまったその場所で、それでも興奮していたオレのペニスは頭を擡げて、先端から先走りの液をダラダラと垂れ流していた。その余りにも恥ずかしい光景に思わず泣きたくなってしまって、顔を歪めてしまう。城之内はそんなオレに優しく微笑みかけると、両手をオレの頬に当てて唇にキスを落としてくれた。
「何でそんな泣きそうな顔してんの?」
「っ…! だ…だって…っ」
「こんなに可愛いのに。大丈夫、泣く事なんて何もない。これから一杯気持ち良くなろうな?」
そう言って城之内は、顔をずらしてオレの首筋に吸い付いた。皮膚の薄い敏感な場所に感じる唇と舌の感触に、熱い吐息が漏れてしまう。城之内の唇が少しずつ下に降りるにしたがって、オレは浴室の壁にズルリと寄りかかって力を無くしていった。今までの刺激ですっかり固く勃ち上がった乳首に吸い付かれ、ビクリと身体を揺らしてしまう。
「んぁ…っ!! はっ…ぁ…」
「うん、美味い。ずっとこうやってしゃぶりたかったのに、当の海馬がオレを避けてるんだもんなぁ…。オレ、本当に寂しかったんだぜ?」
「あっ…あっ!」
「酷いよなぁ…ホントに。オレをここまで育て上げたのはお前だっていうのにさ。だから今日は手加減してやんねーからな。覚悟しとけよ」
手加減なんてこの頃は全くしてないじゃないか…。そう思いつつも、城之内の愛撫に喘いでしまうのを止められない。三週間ぶりに直に施されている愛撫は、オレから余裕を完全に奪い去っていた。
広い浴室の床に這いつくばるように姿勢を下げた城之内は、そのままオレのペニスを掴んで愛おしそうに撫でてくる。その顔は本当に嬉しそうで、城之内が飢えていた事を心底感じさせられた。
完全に勃ち上がったペニスの根本を指先でくるくると刺激しつつ、城之内は熱い吐息を吐き出した。
「可愛いなぁ…。根本まで丸見えだし。美味そうだから食べちゃおう」
「やっ…! 城之内!」
慌てて城之内の髪を掴もうとしたのだが完全に力を無くして壁に寄りかかっていた為に、その手が届く前に城之内にペニスを銜えられてしまった。ぬるりとした唾液の感触と熱い口内の熱がオレ自身を包み込んで、背筋が震えるほどの快感が駆け抜ける。
丁寧に根本から舌で嬲られて、先端から滲み出る先走りの液を舌先で拭い取るように舐められた。その度にビリビリとまるで感電したかのような快感が脳天まで突き抜けて、オレはあられもない声を出しながら何度も大きく身震いしてしまう。
「ふぁ…っ。あぅ…んっ。あっ…あぅあっ!」
城之内の愛撫に全てを任せて喘いでいると、突然後孔に指が一本入れられて、耐え切れずに悲鳴を上げてしまった。城之内の指はオレの体内で至極器用に動き回り、ピンポイントで弱点を突いてくる。三週間ぶりの刺激に身体はあっという間に火が付いて、いつの間にか二本に増やされた指に、オレは悲鳴を上げつつ身悶えるしか出来なかった。
「くぁ…っ! あぁっ!」
「可愛いな…海馬。よく見えるよ…。ホント…すっげーエロい」
「んくっ! はっ…くぅ…っ! あぁ…ぅ…っ!」
「マジですげー…。大事なとこ全部、ビショビショのグッショグショ。オレこんなエロいもの見た事無い。な? そろそろイキたくなってきたんじゃないの?」
「ふぁぅ…っ! もう…っ…やぁ…っ!」
「うん、だよな。じゃ、このままイッちゃおうか?」
「え…? ひぁっ!!」
オレが驚く暇もなく城之内は更に指を三本に増やし、奥まで指を伸ばして前立腺を直接弄り始めた。途端に身体全体に走る強い快感。背を仰け反らせて身体を痙攣させるが、城之内は決して手を緩めるような事は無かった。そのままオレの前立腺を無遠慮に嬲り続ける。
「あぁっ! いやぁ…っ。あ…あっ…。ぅ…あ…っ!?」
城之内の指に翻弄されて喘ぎ続ける内に、ふと…今までとは違う何かが身体の奥深くに生まれたのを感じる。その感覚をオレは知っていた。最後に感じたのは三週間前。そしてアレだけ何とかして自分で得ようとしたのに、決して得られなかった…あの…。
「い…いや…だ…っ」
オレはフルフルと首を横に振った。自分の身体の異変を何とか城之内に知らせて、この愛撫を止めて貰おうと思ったのだ。涙目で城之内を見詰めると、だが奴はオレの顔を見てニヤリと笑うだけだった。
オレの身体の異変なんて…城之内はとっくに分かっていたのだ。その上でそのまま愛撫を続けている。
城之内の魂胆が読めてオレは慌てて抵抗を始めたが、だが快感に慣らされた身体には上手く力が入らず、そのまま簡単に押さえ込まれてしまう。
「いや…っ! 嫌だ…っ! 城之内!」
「こら、暴れんなって。大丈夫だから…」
「い…や……嫌だ…っ! アレが来る…っ! アレが…っ! アレは嫌だ…っ!!」
「もう、海馬! 頼むから大人しくしててくれ。悪いようにはしないから」
「嫌だ、嘘吐き! アレは…ツライから…も…う…嫌だぁ…! い…やぁ…っ! っ…! ひぐぅっ!」
「ほら、もうちょっとじゃん。そのまま受け入れて…」
「やっ…、いやぁ…っ! 来る…来る…もう…っ! あっ…! ダ…メェ…ッ!! ダ…くっ…あっ…!」
「ダメじゃないから、もうイッちゃいな?」
「やっ…あぁっ! っ…ふぃっ…!! っは…!! あっ…いっ…やぁ…っ!! もっ…き…きちゃ…っ!」
「海馬…。ほら、イケよ」
「ふぁっ…あっ…あぁぁ――――――――――っ!!」
襲い来る快感に何とか耐えようとしたが、結局は無駄な努力だった。あっというまに快感に飲み込まれたオレは、そのままドライオーガズムに達してしまう。
頭の中心にスパークが走り、真っ白に塗り替えられてしまって何も考えられない。感じるのは胸の熱さ、四肢の痺れ、呼吸の出来無い苦しさ、そして決して抗えない強烈な快感。
自分の身体が激しく痙攣しているのが分かったが、もうどうしようも無かった。自分で自分のコントロールが効かないのだ。もはや自分が快感に喘いでいるのか、それとも苦痛に叫んでいるのかさえ分からない。ただ目の淵から涙がボロボロと零れ落ちていくのだけは、感じる事が出来た。
「じょ…の…う…ちぃ…っ!!」
何とかして欲しくて。この苦しみから解き放って欲しくて。目の前の愛しい男に震える手を伸ばす。
すると城之内は突如オレの中から指を引き抜くと、そのまま熱いペニスを後孔に宛がい、そして一気に突き入れてきた。
「ひぎゃぁっ…!!」
快感の波が続いているその場所への急激な挿入で、オレは二度目の絶頂へと追いやられる。呼吸が出来なくて苦しくて、何とか酸素を取り込もうと口を大きく開いても、そこからは悲鳴が出るだけで息を吸う事が出来ない。頭の血管がドクドクと強く脈打ち、オレはこのまま死んでしまうのかもしれない…と、どこか冷静にそんな事を思ってしまった。
だが城之内はそんなオレを嬉しそうに見詰めるだけで、行為を止めようとはしない。ただオレが強烈に快感を感じるその場所へ、何度も何度も腰を叩き付けていた。
「最高だ…海馬…っ! 超気持ちいい…っ! ていうか何か凄い声出たなーお前。大丈夫か?」
「ひぎぃっ…! ひぁっ…! あっあっあぁっ!! うあぁぁーっ!!」
「あ、ダメそう」
「も…っ! あぁっ!! た…たすけ…っ!! お…ねが…っ!! お…かし…く…なる…っ!!」
「えー…もう? もうちょっと楽しみなよ。おかしくなってもいいからさ」
「やっ…! いやだぁ…っ!! も…ダメ…っ!! 死ぬ…っ! 死ん…じゃ…う…っ!!」
目の前の身体に必死に縋り付いて、背中や二の腕に爪を立てて助けを求めた。今オレに出来るのはそれくらいで、それどころか城之内に助けて貰わなければこの責め苦が永遠に続くように感じられてならなかった。
城之内の身体を力一杯抱き締めて、耳元で「助けて…助けて…」と何度も繰り返す。
その言葉が届いたのか、漸く城之内の熱を持った掌がオレのペニスを包み込んだ。
「くあぁっ!! あっ…あぁっ…! じょ…のう…ちぃ…!! ぐっ…うあぁぁ――――――――――っ!!」
二、三度擦られただけで、オレはあっという間に高みに昇ってしまう。再び白く塗り替えられる意識の中で、オレは快感を全て受け入れて城之内の掌に大量の熱を放出した。同時に体内に入っていた熱の塊も強く締め付けて、次の瞬間、身体の奥に熱い液体が放たれるのを感じる。
「ぃあ…っ。うっ…あぁ…。あ…ぁ…っ。はぁ…っ」
達した余韻で不規則にビクビクと痙攣しながら、それに合わせて体内のモノを締め付ける。掠れた喘ぎが喉から漏れて、風呂場に反響したその声が自分の声なのに妙に艶めかしいと思ってしまった。
ドライオーガズムを感じていた最中は自分が城之内にしがみ付くので必死で全く気付かなかったが、どうやらいつの間にか城之内もオレの身体を強く抱き込んでいたらしい。背に回った腕がギュウと強く抱き寄せてきて、重なった胸からは互いの心音が激しく鳴り響いているのが確認出来る。はぁっ…と耳元で熱い吐息が吹き込まれた。
「海馬…。お前…すげーな…。最高だった」
「うる…さ…い。嫌だって…言った…の…に…」
「まぁまぁ、そんな事言わないで。コレに慣れたら、きっとコレ無しじゃいられなくなると思うぜ」
肩を揺らしてクツクツ笑いながら城之内が面白そうに言った。薄れゆく意識の中でそんな事を聞きながら、オレは心の中で小さく舌打ちをする。
そんな事はもうとっくに分かっている…。何故ならばもう既にコレ無しではいられなくなっているではないか…。
本当は目の前の城之内にそう言い捨ててやりたかったが、オレの意識はもう限界に来ている。
責任取ってちゃんとベッドまで連れて行け…っ!!
そう心で念じながら、オレは意識を手放していった。
ドライオーガズムは…まだ怖いと思う。
城之内とセックスをすればアレを感じなければならないと考えると、やはりどうしても恐怖を感じるのだ。
だけど既にソレから離れられなくなっているのもまた事実である。
目覚めたら一番に「こんな身体に作り替えた責任を取れ!」と城之内に詰め寄ってやると固く心に決め、オレは完全に意識を閉ざした。
おまけ
そんなこんなで、それから三日後…。
「なぁ…海馬…」
「何だ?」
「えーと…その…」
「だから何だ。たまには普通のセックスをしたいと言う貴様の願いを叶えてやっているんだぞ。さっさと続けろ」
「だから…あのな?」
「一体何だというのだ!」
「何か…チクチクするんですけど…」
「………」
「毛が生えてきてるところが…その…、チクチクして痛いというか何というか…」
「ふん…馬鹿め。自業自得だな」
「うっ…!」
「我慢してさっさと続けんか!!」
「ご、ごめんなさい…」
剃毛プレイは程々が宜しいようです。
久しぶりに本腰入れて大掃除をしていた二礼です、こんばんは。
土曜日に来客予定があるので、本当に久しぶりに大掃除というものをやりました…w
実はですね、ワタクシものすご~くお掃除が苦手でございます(´∀`;
苦手っつーか嫌いっつーか、もうどうしようも無い;
旦那と一緒に暮らしていれば何か言ってくれるだろうとは思いましょうが、実は相棒も私と全く同じ性格の為に何ともなりませんw
二人とも一応頭の中では『常に掃除をして家を綺麗にしておかなければいけない』っつーのは良く理解しているのですが、汚くなっても全く気にならない為に(アホや…;)掃除をしようという気力が沸かないのです…orz
掃除したての頃はあるべき場所にあるべき物がキチンと治まっているのですが、ふと気付くと全て手の届く位置にあるのはどういう事なんでしょうかね?
という訳で、掃除っつーか誤魔化す為に今日は頑張っていましたwww
押し入れは秘密の扉です。
例えココを見ていても、開けちゃダメですよ~(*'-')ナダレルヨ!
素質シリーズの『素質Ⅵ』(前編)をUPしました。
エロ神様完全降臨とはいきませんでしたが、何とかモチベーションを取り戻したので書いてみました。
といっても本番は次回になりますが…w
何かもう、完全に立場が逆転しちゃってますね~この二人。
ドSで意地悪で海馬に対して優位に立っている城之内を書くのは凄く久しぶりだったので、書いてて滅茶苦茶楽しかったですw
さて…と。
風呂場ではあんな事やこんな事してやろう…w フヒヒw
以下は拍手のお返事になりますです(゜∇゜)
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(´∀`)
『恋愛回避不可能症候群』と日記の感想をありがとうございます!
この話(と、前回の話)では、海馬の乙女度をなるべく低くしようと頑張ってみたんですよ~。
泣きそうになっても実際に泣いていなかったり、相手を守り慈しむだけでなく突き放してみたり、「好きだ」と告白しているのに相手に無理に縋ったりしなかったのは、そのせいなんです。
後から読み返したら、タダのツンデレになっていましたが…w
まぁ…珍しく城之内に甘いだけの海馬では無くなったので、これはこれで良かったのだと思います。
そういえばこの話と『Rising sun』の相似性についてですが、確かにチョット条件が違うかもしれませんね。
『Rising sun』の城之内はこの話の城之内と同じようにアル中の父親に殴られて育っていますが、今現在の負担は間違い無く『Rising sun』の城之内の方が重いです。
入院している父親や、母親の事を心配するあまり兄に甘えてしまう妹に追い詰められて、海馬に助けを求めるだけの余力すら残されていませんでしたからねぇ…;
でももしあの時、素直に海馬の手を取る事が出来たなら…。
きっとこんな感じになっていたんだと思いますよ(*'-')
ただこの流れだと平和過ぎて長編になりませんからね~w
現にたった二回でくっついちゃいましたしw
まぁ…昨日の日記でも言いましたが結局行き着く場所は一緒なので、こっちはこっち、あっちはあっちで、それぞれ良かったのでは無いでしょうか?
でもこれは他の話にも共通する事ですが、もしあの時違う選択をしていたら…と考えると結構面白いですね~!
結末は一緒だという制限を付けても、道が全く違って来ちゃいますからね。
同じ題材でも全く違う話になりそうで、それはそれで興味があります(・∀・)
かと言って、今まで書いた他の話のアナザーヴァージョンを書く…という事はしませんが…w
それはほら、読んで下さった方達が考えるものであって、私が書くものじゃないと思うんですよね。
そんな風に今まで私が書いて来たもので色々な想像をして貰えると、それだけで光栄だと思います(*´д`*)
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
素質シリーズの第六弾です。
海馬の一人称。
お風呂でのちょっと変態チックなプレイがありますので、苦手な方はご注意をw
目の前に置いてある携帯が震えて同時にメロディーが流れ始めた。オレは憂鬱な気持ちで携帯を取り上げると、通話ボタンを押して耳に当てる。
誰からの電話かなんて…かかってきた瞬間に分かっていた。
『もしもし、海馬? オレだけど』
電話口の向こうから、少し苛ついた城之内の声が響いてくる。
「あぁ。何の用だ」
『今日のバイト、もう終わったんだ。今からそっち行ってもいい?』
「ダメだ」
『どうして? 明日休みだろ? 休日出勤か何かか?』
「いや…、そういう訳ではないが…」
『じゃあ、何でだよ』
「オレにも色々とやる事があるのだ」
『色々って何? もう三週間もずっと『色々』な事をしてたみたいだけど、恋人と会えないくらいそんなに『色々』な事が大事?』
城之内の苛つきが深まっていく。彼が密かに怒っているのが感じられる。
あぁ…当然だ。オレは彼を怒らせるだけの事をしてしまっているのだから。
「とにかく…っ、今は会えないんだ! 暫くは電話もして来ないでくれ!!」
『お、おい! 海馬…っ!!』
耳から離した携帯電話からはまだ城之内の叫ぶ声が聞こえていたが、オレは通話ボタンを切ってしまう。そしてそのまま携帯の電源も落としてしまった。この携帯電話はプライベート用で、仕事用の携帯は他にあるから別に困る事はない。
すっかり何の反応もしなくなった携帯電話をベッドに放り投げて、オレもそのまま俯せに寝転がった。
何故…こんな事になってしまったのだろう…。あの日あの時までは、あんなに城之内に会うのが…そして彼に抱かれるのが楽しみだったのに。
あの時のあの衝撃が、オレを変えてしまった。
あろう事か…この海馬瀬人ともあろう者が…、まさかセックスが怖くなるなんて…っ!!
考え付きもしなかった事だった。
地方大会から帰ってきた城之内がオレに猫プレイを強要したあの夜、オレはドライオーガズムというものを初めて経験する事になった。
今でもはっきりと覚えている。余りに快感が強過ぎて、それを快感とは受け止められなかったのだ。
頭の中が真っ白になり、胸の中心が燃えるように熱くなった。四肢が痺れて痙攣が止まらず、上手く呼吸が出来なくて苦しくて仕方が無かった。
それなのにその快感は治まる事は無く、城之内がオレの身体に触れる度に、その場所が焼けた鉄棒を押し付けられたように熱く痺れてまた新たな快感を呼び起こす。自分の身体が自分の思い通りにならない。快感が暴走して、それに流されていくだけだった。
正直に言えば本当に辛かったのだ。もう二度と、あんな辛い思いはしたくないと思うほど。
だけど城之内は次の日も同じようにオレを抱き、そしてまたあの辛い快感を味あわされた。嫌だと何度も訴えても決して止めてはくれず、むしろ笑顔を浮かべてオレの身体を弄くり回し、そしてドライオーガズムへと導かれる。
泣いて叫んで縋って、またあの感覚に翻弄されて、耐え切れずに失神して気がついたのは大分時間が経ってからの事だった。
もうあんなセックスはこりごりだと思う反面、身体は正直にあの感覚を追い求める。これからもあんなセックスをしなければならないのだったら、せめて自分で慣れておきたいとバイブを使って自慰をしてみるが、自分自身では決してあの高みに昇る事は出来なかったのだ。
ベッドサイドの引き出しを開けて、一番最初に城之内がくれたバイブを取り出す。ローションをたっぷり付けて後孔に宛がい、深く息を吸い込んでゆっくりと吐き出す。そしてそれに合わせてバイブを自分の体内に埋め込んでいった。
「ふっ…! ぅ…っ」
この作業ももう慣れてしまったが、どうしても最初に埋め込む時の圧迫感だけはどうにもならない。軽く呻きつつも、腸壁が広がる痛みが治まるまで暫くベッドに横になったまま大人しくしていた。ある程度慣れてきたと思ったら、今度はバイブのスイッチを入れる。鈍い機械音が自分の足の間から聞こえて来て、体内に直接感じる振動に身悶えた。
「あっ…! はぁ…っ!」
それでも震える手でバイブを支え、自分の『イイ』場所へと押し付けた。城之内の男らしい節くれ立った長い指先が、そして彼の熱いペニスが触れる場所へグイグイと押し付ける。それに伴いじんわりと広がる快感の波。決してそれに逆らわず、もう片方の手で自分のペニスの根本を押さえ付けながら、あの感覚が襲ってくるのを待っていた。
「うっ…! んっ…。あぅ…っ」
身体はすっかり熱くなり、紛れも無く快感を感じてはいるけれど、それは決してあの感覚ではない。良く似ているけれど全く違う。これではいつもの自慰と何も変わりはしない。
「あっ…あぁっ! あっ…あっ…はぁ…っ!」
目の奥がチカチカして限界が見えてきた。オレが求めているのはこんな感覚じゃないとは分かっていたが、達してしまいたいという身体の欲求に逆らえずに、ペニスを握っていた手を緩めて上下に擦ってしまう。
「ふぁ…! あっ…あぁっ! じょ…のう…ちぃ…っ!!」
目をギュッと閉じ身体を震わせながら、オレは自分の手の中に精液を解き放った。
バイブのスイッチを切りながら、片方の掌にドロリと纏わり付いている精液を見て溜息を吐く。
気持ち良かった。だけれど、気持ち良く無かった。
達する一瞬は確かに気持ちいいと感じている。なのにその直後には、もう虚しさを感じているのだ。城之内に抱かれた後のような充足感はそこには無い。真の快感を得る為には、やはり城之内の存在は必要不可欠だった。
でも…まだ怖かった。
城之内と会って、城之内に抱かれて、またあの地獄のような快感に翻弄されるは怖くて仕方が無かった。
城之内が好きで好きで堪らないのに、今はどうしてもあの恐怖感が勝ってしまう。それが一番苛立たしかった。
体内から抜き取ったバイブをおざなりに拭いて、サイドテーブルの上に放り投げる。ゴトンと重い音がして、それが偽物なんだという事を嫌でも感じさせられた。内股をトロリと伝うローションに軽く舌打ちをして、オレは風呂に入る為にゆっくりと立ち上がる。そしてローブを羽織りつつ私室に続くドアを開けた時だった。
「よぉ」
軽い呼び声が響いて、驚いて足を止めてしまった。
目の前に置いてある白い革張りのソファーの背から、荒れた金髪とオレに向かって挨拶するように挙げられた右手が見える。そしてその頭がゆっくりと振り返って…オレを見た。
「城之…内? どうして…?」
「どうして? このお屋敷の人達はみんなオレと顔見知りだからな。海馬に会いに来たって言ったら簡単に通してくれたぜ」
ニヤニヤ笑っている城之内の顔を見ながら、オレは失敗したと胸の内で舌打ちをしていた。使用人達にもちゃんと言っておくべきだった…とは思ったが、同時に何て言えば良かったのか分からなくなって、ますます苛立ちが募って行く。
だがそんなオレ以上に苛立っているらしい城之内は、ニヤニヤとした笑いを収めずにいる。だがオレは気付いていた。
目が…笑っていない。
城之内はその顔のままオレを見て口を開いた。
「それにしても…随分お盛んだったじゃないの。なぁ…海馬君?」
「え………?」
「オレ少し前からココにいたんだけどさ、お前全然気付かないんだもんなぁ。そんなに夢中だったの?」
「そ、それは…っ!」
「お前の言ってた『色々』ってこういう事? オレに抱かれるよりバイブの方が良くなっちゃった?」
「違う…っ!!」
「じゃぁ、どうして会ってくれないの? オレは恋人じゃないのかよ」
「お…お前は…恋人…だが…」
「だが?」
「………っ」
言える訳が無かった。今まで散々挑発しておいて、嫌がるのを無視して敢えて酷いセックスをさせて。それで今更セックスが怖くなりました…だなんて、言える筈が無かった。
城之内がオレの言葉を聞き取ろうと真剣にこちらを見ているのは分かったが、オレは結局理由を言い出せないまま視線を外してしまう。あの真っ直ぐな視線を受け止めるのは…今は出来なかった。
そして城之内は、こんなオレの態度に余計に腹を立ててしまったのだろう。見なくても分かる。城之内を包む空気が、ザワリと音を立てて変わっていくのを感じた。
「何? もうオレに飽きちゃったって事?」
低く放たれたその声に思わず顔を上げると、そこにはすっかり真顔になった城之内がいた。
ゾワリ…ッと背筋に寒気が走る。城之内をこんなに恐ろしいと思うなんて…初めての事だった。
「随分勝手じゃんか。ここまでオレを調教しておいてさ」
「ち…違う! そうではない!!」
「じゃぁ、何で? ちゃんと理由を教えてくれよ。恋人をここまで放っておいた理由を、馬鹿なオレでもちゃんと納得出来るようにさ」
「そ、それは…その…」
「何? ちゃんと言って」
城之内の声に促されて顔を上げると、酷く真剣に自分の事を見詰めている琥珀色の瞳と目が合った。
城之内は…真剣だった。真剣にオレの本音を聞き出そうとしていた。
その視線に耐えきれなくなって、オレは遂に根負けしてしまう。諦めたように深く溜息を吐きつつ、恐る恐る口を開いた。
「怖い…のだ…」
「怖い? オレが?」
「いや、お前がじゃなくて…。その…セ…セックス…が…」
「は? え?」
「………」
「いや、え? ちょっと待って。セックスが怖い? お前が? つか、今更? 何でまたどうして!?」
「正しくはセックスでは無くて…。ア…アレが…っ」
「アレ?」
「アレは…ほら…アレだ…っ。あの時の…っ」
ドライオーガズムの事を上手く伝えられなくて口籠もりながら何とか説明しようとすると、それは上手く城之内に伝わったらしい。漸く合点がいったように、いつの間にか城之内の顔に明るさが戻っていた。
「あぁ! ドライでイッた事か!」
城之内の口から飛び出したその言葉に、オレはただ黙って首を縦に振った。
こんな下らない理由で恋人を避けていたなんて今度こそ本気で怒られそうだ…なんて思いながら緊張しつつ城之内を見詰めたら、目に入ってきた至極暢気な表情に逆に拍子抜けしてしまう。
怒るどころか、少し嬉しそうな表情をしている。どうやらこの事は彼が怒る理由にはならなかったらしい。
「何だー。そんな事だったのか」と今までの怒りが嘘のようにそんな風に明るく言われ、オレは少しムッとしながらも「そんな事とは何だ。こっちにとっては死活問題なんだぞ」と反論した。城之内はそれにニッカリと笑うと、安心したように深くソファーに座り直して嬉しそうに言葉を放つ。
「いやいや、オレにとっては『そんな事』なんだよ。てっきり嫌われたのかと思ってた」
「そんな筈ないだろう?」
「そんな筈あるかもしれないじゃん。だって三週間も放っておかれたんだぜ。これでまだ変わらず好かれてるって思う方がどうかしてる」
「そういうものなのか?」
「うん。そういうもんなの。まぁ…でも海馬の気持ちも分かるけどな。慣れない内はドライは死ぬほど辛いっていうし、それで怖くなっちゃうのも仕方無いと思う」
「だったら…」
「でも、このままでいたらずっと慣れないまんまだぜ。回数こなして慣れていかないと」
「だ…だが…っ!」
「海馬。オレと気持ちいい事…したいだろ?」
「っ………!!」
強請るように言われたその一言で、オレの身体の中心に忘れていた火が一瞬で燃え上がってしまう。それは紛れも無く情欲の炎。城之内と共に快感を貪りたいという、オレの欲望だった。
琥珀色の瞳でじっと見つめられ、オレは身体中が熱を持ったかのように熱くなって行くのを感じていた。目が潤んできて視界がぼやけ、それとは逆に口の中がカラカラに乾いて喉の乾きを覚える。ゴクリと生唾を飲み込むと、その音が聞こえたのか、城之内が嬉しそうに微笑んだ。
「そうだな。とりあえず風呂場に行こうか。どうせ風呂入るところだったんだろ?」
「あ…あぁ…」
「でも、タダでは済まさないよ? オレまだ少し怒ってるんだからな。三週間も無視されて、オレがどんだけ寂しかったと思ってるんだよ」
「それは…済まなかった…」
「謝ってもダメ。ちゃんとお仕置きするからな? 分かったか、海馬?」
いつの間にかソファーから立ち上がって側まできた城之内に抱き寄せられ、耳元に唇を寄せられて低い声でそんな事を言われてしまう。途端に腰がズンと重くなり、立っていられなくなってカクリと膝を折ると、「おっとと…」と言いながら城之内がオレの身体を支えてくれた。
「倒れるのはまだ早いぜ、海馬。ちゃーんと気持ちのいい事一杯してやるから、覚悟しとけよ。いいな?」
乾いた唇を舌で潤しながらそんな事を言う城之内に、オレはもう頷く事しか出来なかった。
これから訪れるであろう地獄のような快感に、恐怖と…それから期待を胸に抱きながら。
梅が好きな二礼です、こんばんは。
小説書いてたり他の作業をしてたりすると、ふと口寂しくなってしまう事があります。
そんな訳で私と相棒の机の間には駄菓子BOXが設置されているのですが、最近のそこは私の好みで梅味ばっかりになってしまっています…;
ここんところ自分の中でずっとブームになっているPureグミの梅味とか、種抜き干し梅とか、リカルデントの梅ミントとか、男梅キャンディーとか、そんなんばっかですw
考えているだけで口の中に唾液が溜まりますが、梅好きが高じて、昔は梅干しや梅酒も自分で漬けていました。
梅干しは面倒臭くなって最近はやっていませんが、梅酒は相変わらずやっています。
個人的にはホワイトリカーで漬けたものよりブランデーで漬けたものの方が、味が深くて美味しかったなー。
梅酒ファンにはブランデー漬けはかなりオススメですよ!(*'-')b
あ、そうそう。
別に梅が好きと言っても不倫はしていませんよ?
そんな古い話題、もう誰も覚えていないと思いますがw
(話が分からない方は『梅 不倫』で検索するといいと思うヨ!!)
久しぶりにジャンプ話なんぞをつらつらと…。
今週号のジャンプがかなり面白くて個人的に大満足でした。
一時期は打ち切りを心配していた『黒/子/の/バ/ス/ケ』も本誌中程にまで移動しましたし、これで暫く安心出来そうです(*´д`*)
それにしても緑/間君は本当に格好いいなぁ…。
先週号の「うるさい だまれ」という台詞といい、今週号の腕組みポーズといい、マジで社長と被るんですが…どうしましょうw
もしアニメ化するような事態になったら、是非T田さんにやって貰いたいです!!
ちなみに黄/瀬君はT橋さんで是非是非v
(ていうか「あの席 パネェ!」で吹き出しました…w)
他にはヅラは猫化して危うく萌え死にそうになったし、相変わらずめだかちゃんは可愛いしで、読み応えがあって満足です(´∀`)
あとス/ケ/ッ/ト/団のあの双子はイイネ!! 大好きだ~v
そういや先日の日記の事なんですけど…。
夜が明けて冷静になって読み返してみたら、ものっそい暗くて大反省しました…;
何であんなん書いたんだろうなぁ…?
確かにこの時期は毎年デリケート(プゲラッ)になる時期なんですが、あれはちょっと酷過ぎましたね。
不快になった方にはお詫び致します。
申し訳ございませんでした。
しっかし三つ子の魂百までと申しますけど、なかなか完璧には立ち直れないものなんですね。
海馬や城之内にはお互いに支え合って貰って、立派に立ち直って貰いたいと思っています。
短編『恋愛回避不可能症候群』をUPしました。
題名から分かる通り、前回の『相互依存症』の続きになります。
何か時期がものっそいズレていますが、そこら辺は軽く無視しておいて下さいw
半年後には丁度読み頃になっているかと…w
ところでこの話といい『眠りの淵の』といい『STEP』といい『Rising sun』といい、最近ウチの海馬は非常に積極的で困ります。
自分から好きだ好きだと言い過ぎです(´∀`;
男らしいっちゃー男らしいんですが、男らしい誘い受けってどうなのよ?
………。
うーん…、有りか? 有りなのか?
ていうか城之内がヘタレ過ぎなだけなのか?
そろそろ男らしい格好良い城之内君も復活させたいところではありますねーw
以下は拍手のお返事になりまーす!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(*'-')
『相互依存症』と日記の感想をありがとうございます!
重い話=暗い話という訳ではありませんからね~。
テーマは『父親からの虐待』でしたけど、主目的はあくまで『城海』なので、敢えて二人だけにスポットを当ててなるべく暗くならないようにしました。
両極端に似てて異なる城海は、本当に魅力的なCPだと思いますよv
で…まぁ救済措置じゃないんですけど、今回続きを書いてみました。
全部書いてみて思ったのですが、これって『Rising sun』のアナザーストーリーみたいになってますね…(´∀`;
つまり城之内が自分一人で抱え込まないで素直に海馬に助けを求めた結果が、こんな感じなのだと思われます。
どう考えてもこちらの方が平和的でいいと思いますが、まぁ…あちらにはあちらの想いがありますからねー。
総合するとするべき苦労の量は一緒ですし、行き着くべきゴールにはちゃんと辿り着いたので良しとしましょうw
(現にこの話の城海はくっつくまで一年半もかかっていますが、あちらは僅か一ヶ月ですw)
それから前回の日記ですが、妙に暗くて重い話を載っけてしまって申し訳ありませんでした。
父親との事は、確かに嫌な思い出ばかりでは無いんですよ。
無くなる2~3年くらい前には、それなりに関係性も良好になっていましたしね。
ただ良かった思い出を一つ思い出そうとすると、一緒になって嫌な思い出も5~6個思い出しちゃったりする訳なんですよ。
関係性が良かった時期と悪かった時期の差が歴然としているもので…w
細かく言えば、もっと色んな事が沢山あった訳です。
死んだ人間に罪は無いと理解してはいるんですが、心情ではなかなか上手くいかないのが辛い現状ですねぇ…(´―`)
まぁ普段はすっぱり忘れてしまっているので、余り問題は無いかとw
ただ命日だけはどうしても思い出してしまって、一人でウンウン唸ってたりする訳ですw
困った事だwww
あ、あと漢字間違いの指摘、ありがとうございました~!
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内+海馬→城之内×海馬。
『相互依存症』の続きになります。
一週間ぶりに鳴った携帯電話の着信メロディーに海馬は簡単に応対すると、もはや何も言わずに棚の上から救急箱を取り出して治療の準備を始めていた。
城之内と海馬が相互依存症になってしまってから早一年半。長い冬も終わりに近付き春はもうそこまで来ているというのに、まだまだ寒い日が続いているような、そんな時期の事。
城之内も海馬も高校卒業を間近に控え、それぞれの進路の対応に追われていた。
海馬は近場への大学への進学を早々に決め、城之内は童実野町内にある中小企業への内定が決まっている。高校を卒業したら実家を出て一人暮らしをし、真面目に働いて借金をさっさと返して、そして今度は自分の為に金を貯めるんだと城之内は事ある毎に海馬に話して聞かせるのだ。そんな風に自分の夢を語って聞かせる城之内の顔は希望に満ちていて、それを黙って聞いている海馬も至極いい気分だった。城之内が夢を語り、明るい未来に夢を馳せれば馳せる程、海馬も心から安心する事が出来たのだ。
だがその城之内の選択が、あのアルコール中毒の父親の逆鱗に触れている事も確かな事実であった。現に就職先の内定を貰ってからというものの、城之内が海馬の家に避難しにくる事も格段に増えている。以前は一、二ヶ月に一回だった城之内の避難も、現在は一、二週間に一回の割合になってしまっていた。
今日も目の前に現れた城之内の惨状を見るやいなや、海馬は不機嫌そうに眉根を寄せて黙って治療の準備を始めた。
「今回はまた…早かったな」
温水で濡らしたタオルで顔や手足を拭いてやりながらそう言うと、城之内は困ったように微笑んで「うん…」と力無く頷いてみせる。
「オレが家を出て、生活費を入れなくなるのが嫌みたいなんだよな。借金は全部こっちで返してやるって言ってるのにさ…」
「自分が働く分だけでは家賃や光熱費が払えないのか?」
「そんな事は無いぜ。あの団地の家賃はすっげー安いし、光熱費だって大した額にはならない。だって今まで高校生のオレが稼いできた金だけで何とかやってたくらいなんだからな。親父が働く分だけでも十分賄えるし、上手く節約すれば釣りが出るくらいだ」
「ならば何故…」
「ようは自分が酒を飲んだり遊んだりする為の金が少なくなるのが嫌なんだろう。今までは家賃も光熱費も全部オレが賄って来たから、親父は自分の為の金だけを稼いでくれば良かった。逆に言えば、親父が稼いで来た金は親父だけが自由に使えていた訳だ。だけどオレが出ていっちまったら、そうはいかなくなるだろう?」
「まぁな」
「だから、ここんところ物凄く荒れちまってる。事ある毎に絶対に出て行かせないだの、出て行くんなら仕送りをしろだの煩くてさー。オレがそれを断わると、お約束通り拳やら足やらが飛んでくるって訳だ。いやいや、参ったねこりゃ」
話をしながらも海馬は丁寧に城之内の傷の手当てを続けて、そして「フン」と鼻で笑ってみせた。
「それは完全に息子に甘えきってしまっているな。そんな奴は早々に見捨てるに限る」
「うん、分かってる。だからオレも家を出て行く事にしたし、余計な金は一切送らない事に決めたんだ。親父を甘やかすのは…もう止めだ」
腕の内出血痕に湿布を貼って貰いながら、城之内はそう言って少し寂しそうに笑う。そんな表情を見て、海馬はまた苛々とした気分が募って行くのを感じていた。
家を出て行くと言っているのに、もう甘やかさないと言っているのに、それなのにあの父親を見捨てる気なんてこれっぽっちも感じられないのだ。
出ていってすぐは厳しい対応が出来るだろう。だが時が経てば、城之内は結局父親に情けを掛けてしまうのだ。それが城之内の優しさだと言う事はよく分かっている。だが常に自分勝手に金を要求し、気に入らない事があれば酒を飲んで息子を本気で殴りつけるあの父親に、城之内がそこまで気に掛ける理由が分からなかった。
そこには確かに親子という絆があるのだろう。抗えぬ血の繋がりもあるのだろう。自分とてモクバとの血の繋がりを大事にし、兄弟としての絆を信じている。だが自分達の絆と、城之内達の絆は、何かどこかが違う気がした。
このままでは…ダメな気がしてならなかった。
「そんなに…。そんなに自分の父親が大切か?」
「え………?」
突如低く呻くように吐き出された声に、城之内が驚いたように顔を上げた。
海馬は城之内の右手の甲に出来た傷の上に丁寧に包帯を巻きながら、酷く不機嫌そうに口を開く。
「家族が大事だという気持ちはオレにも理解出来る。オレにだってモクバがいるからな。だが、貴様の父親はその気持ちに値しない事をし続けている。それなのに何故貴様はそんなにもあの父親の事を気に掛け続けているんだ」
「海馬…」
「こんなに酷い目にあっていながら、それでもまだあの父親が大切なのか? 自分の身がボロボロに傷付けられるよりも大切なものなのか…? 自分の将来を父親の欲望の為だけに潰されても…それでもまだ大切なのか? 城之内…っ!!」
「いっ………!」
綺麗に包帯を巻かれた手をギュッと強く握られて、城之内は思わず呻き声を出してしまう。だけど文句は出なかった。目の前の海馬が酷く真剣に…そして哀しそうな顔をしているのを見てしまったから。
すっかり俯いて何も言わなくなってしまった海馬の手から自分の手を引き抜く。そして薬品臭い手で栗色の頭をそっと撫でた。サラリと柔らかな髪が指の間を通り抜けていく。それがとても気持ちが良かった。
「どうした、海馬? 今日はまたえらく不機嫌だな」
そう言って敢えて明るく笑いかけると、海馬は不機嫌な様相を隠しもせずに睨み付けてくる。
「今日は…では無い。いつも不機嫌なのだ。オレは本当はもう嫌だったんだ。実の父親にボロボロに傷付けられて命からがら逃げてくるお前の面倒なんか、もう二度と看たくないと思っていた」
「え? マジで? それは気付かなかったなぁ…」
「この鈍感が! だから貴様は凡骨なのだ」
「ちょ…っ! 凡骨って言うなよ!」
「煩い! 黙れ凡骨!! それでも我慢して治療してやっていれば…この様は一体何だ!? 何で避難してくる回数が驚異的に増えているのだ!!」
「何でって…。だからそれはさっきも言った理由があってだな…」
「喧しい!! もう下らない言い訳なんぞ聞きたくないわ!! オレはずっと抵抗しろと言っているだろう!? 何で貴様はいつもやられっぱなしなのだ…っ!!」
最初の頃は、これでいいと思っていた。過去に虐待を受けていてトラウマを持っている自分が、現在進行形の城之内に手を差し伸べる事によって、傷付いていた心が少しずつ癒されていくのを感じていたから。
だけど最近はそうでは無くなってしまっていた。
城之内の傷を見る度に…凄く辛いと感じてしまうのだ。それは決して城之内の傷の手当てをする事が嫌だという訳ではない。むしろ城之内の身体に傷が付くのが嫌だと感じていたのだ。
海馬は自分では気付いていなかったが、傷付いた城之内を介抱する事によって、彼のトラウマはもうすっかり浄化されていたのである。だからこそ海馬の心は次のステップに進んでいた。
つまり、好意を持った人間が傷付いていくのを『辛い』と感じるようになっていたのである。しかもその傷は他人によって無理矢理付けられたものだった。それだけでもより辛いと感じてしまうのに、当の本人はその理不尽な暴力を抵抗もせずに敢えて受け止めてしまっている。これで苛つくなという方が無理な話だった。
そうだ…。オレはいつの間にか…この男の事が好きになっていたんだ…。
自らが手当を施したその手で優しく頭を撫でられながら、海馬はずっとそんな事を考えていた。
「おい、凡骨…」
俯いたままそう小さく呼びかけると、頭を撫でていた手の動きが止まる。それを確認して海馬は顔を上げ、目の前にいた城之内の顔をじっと見詰めた。
「これからオレが言う事を良く聞いておけ」
「う、うん…」
「オレは貴様が好きだ」
「あ…うん」
「Likeでは無い。Loveで好きだ」
「うん…。って、ええぇっ!?」
「貴様がオレの告白をどう受け取ろうと構わないが、これだけは聞いて貰う。オレは貴様の事が好きだから、もう貴様の手当をする事が嫌なのだ。ただの怪我ならまだしも、オレの意に沿わぬ暴力を甘んじて受けた結果の怪我なんぞ、金輪際面倒看たくは無い」
「かい…ば…」
「だからこれ以上『抵抗』をせずにいるのならば、二度とオレの邸に来るな。来たとしてももう入れてはやらないし、怪我の手当だって絶対にしない。それで貴様が野垂れ死のうがどうなろうが、オレの知った事ではないからな」
「海馬…。お前、オレの事が好きだって言った途端にそれかよ」
「好きだからだ。好きだと思った男が他人に好き勝手に傷付けられて、その怪我の手当をする方の身にもなってみろ。抵抗しているのならまだしも、当の本人は暴力を受けてもヘラヘラと笑っているだけなのだぞ。これで怒るなという方が無理な話だ。そうだろう?」
「うん…まぁ…そうだよなぁ」
「分かったのならさっさとシャツを脱いで後ろを向け。今日の分の手当くらいはしてやるから。ただしこれが最後だ。次回からは知らんから、そのつもりでいろ」
相変わらず不機嫌な表情を崩してはいないが、その頬に微かに朱が差しているのを見て、城之内は慌ててシャツを脱いで後ろを向いた。
心臓がドキドキして止まらない。慌てて振り向いたのは、自分の顔が急激に熱くなっていって、それを海馬に見られたくないが為だった。
背中の痣に湿布を貼る海馬の指先に、この鼓動が伝わっていなければいい…と思った。だが次の瞬間、逆にその鼓動が伝わっていればいい…なんて事も思ってしまう。ドキドキしながらも背後の海馬が気になって、そっと肩越しに振り返った時だった。
突然背中に重みを感じて動きを止めてしまう。
海馬が…自分の背中に両手と頭を押し付けていた。
「うぇっ…!? ちょ…か、海馬!!」
「黙れ。動くな」
「う、動くなって…。お前…っ」
「どうせ貴様はこれからも『抵抗』をしないつもりなのだろう?」
「え…?」
「だったらこれが最後だ。オレは先程も言った通り、もう二度と貴様の手当はしない。好きなだけ殴られてくるがいい」
「好きなだけって…。オレも別に好きで殴られてる訳じゃ無いんだけど」
「煩い。『抵抗』もしない癖に」
海馬の声は震えていた。そしていつも手当をしてくれる優しい手も…震えている。
完全に背中にピッタリくっつかれている為に、その表情を伺う事は出来ない。それなのに城之内は何故か確信してしまった。
海馬は今…泣きそうになってしまっているんだという事を。
「海馬…オレ…ちょっと反論してもいいかなぁ? 言い訳がましく聞こえるかもしれないけど」
敢えて声を低く出し真面目な話をしたいんだと言外に伝えると、背後の海馬がピクリと震え、だが異論が出る事は無かった。
それに安心して城之内は話を続ける事にする。
「親父が大切かって言われれば…そりゃ大切なんだと思うよ。たった一人の父親だしな。オレはほら、馬鹿だからさー。どんなに殴られても蹴られても、ずーっと親父の事を信じていたんだよ。それが親子の絆だと思ってた。その絆を信じていた。お前の目にはただの甘やかしに映っていただろうけど、それが親父の為になるんだって、ずっと信じて疑わなかった」
「………」
「だけど…。お前のところに来るようになって、それって何か違うんじゃないかなーって思うようになったんだ。だっていつまで経っても絆も何も感じられない。オレがどれだけ頑張ったって、親父はちっとも変わる事が無かったんだ。それどころかどんどん酷くなる」
「………」
「その代わり、別の絆を感じられるようになってきてたんだ。それは凄く心地良い絆で、会えば会うほどどんどん絆が深まって、それがとても気持ちが良かった」
「………」
「お前の事だよ、海馬。分かってるか?」
「………っ!?」
「お前のところに逃げ込む度に、優しく丁寧に傷の手当てをして貰う度に、オレはずっと嬉しいって思ってた。お前の側にいるのが心地良かった。心から安心出来た。誰かの側にいてこんな気持ちになった事なんて、初めてだった」
「城之…内…」
「だけどオレのそんな甘えが、お前をここまで苛つかせていたなんて知らなかった…。本当に知らなかったんだ。苦しませて…ゴメンな?」
ゆっくりと身体を離して城之内は振り返った。そして目の前で泣きそうな顔をしたままの海馬に手を伸ばし、今度は自分の胸の内に抱き寄せる。海馬は一瞬驚いたようだったが、結局抵抗もせずに黙って抱き締められていた。自分が施した手当による強い薬品臭がツンと鼻を刺す。その臭いが不快で、まるで消し去ってしまいたいかのように海馬は城之内の胸に顔を擦りつけた。
「自分勝手で悪いけど、これが最後だなんて嫌だ。オレはもっとお前の側にいたい。側にいられるなら何でもする。オレは…どうしたらいい?」
擦り寄る海馬の頭を優しく撫でつけながら、城之内は自信無さげにそう呟いた。それに軽く溜息を吐くと、海馬は城之内の背に手を回した。今度は城之内が痛がらないように加減しつつ抱き締める。
「『抵抗』しろ。絶対に譲歩はするな。それがあの父親の『為』になるし、貴様にとっての最大限の『親孝行』にもなる」
「うん、分かった」
「ただし勘違いはするなよ? オレは貴様の父親と同じようにすればいいと言っている訳では無い」
「ちゃんと分かってるよ。言われなくても、今度はさっさと『逃げて』くるから。もう黙って暴力受けたりはしないから」
「あぁ。分かっているならいい」
「そしたらまた受け入れてくれる?」
「勿論だ」
「良かった。じゃぁ…ついでにもう一つ聞いてもいい?」
「何だ?」
「それは友達として? それとも…恋人として受け入れてくれるって事?」
「っ………。そ…それは…っ。好きに…しろ…」
「そっかー。好きにしていいのか。じゃぁ後者がいいな。うん。やっぱ恋人がいい」
そう言うと城之内は抱き締めていた海馬の身体をそのままゆっくりとソファーに押し倒した。眼下に見える青い瞳が、じっと自分を見詰めている。それが嬉しかった。この美しい青い瞳が自分だけを見詰めてくれているのが、本当に心から嬉しかったのだ。
キスをしようとそっと顔を近付けると、突然口元を掌で押さえつけられてしまう。海馬の手から漂ってくる薬品臭に顔を顰めつつ、城之内は至極不満そうに鼻を鳴らした。
「ちょっと…、何してんだよ。手が邪魔なんですけど?」
「まだ返事を聞いていない」
「返事?」
「オレの気持ちに対する貴様の気持ちだ。その場の雰囲気に流されてそういう関係になるのだけは絶対に嫌だ」
「細かいなぁ…お前。ここまで行動に移しているんだから、もう分かっているようなもんじゃん」
「分からないから聞いているのだ、この馬鹿者が」
「好きな男に馬鹿者って言うなよ…」
「で、返事は?」
「…き…だよ…」
「ん?」
「好きだよ、マジで。オレもお前と同じ気持ちです。これでいい?」
「ふん…。まぁいいだろう。一言多いがな」
偉そうにそんな事を言う海馬を城之内が軽く睨み付け、そして耐えきれないように二人でクスリと笑い合い、やがて今度こそ本当にキスをする為にお互いの顔を近付けていった。
ロマンの欠片もない非常に薬品臭い初めてのキスは、二人の脳裏にいつまでも残っていく事になる。
それからの城之内は、あまり酷い怪我をして来なくなった。
逃げる際にどこかにぶつけたり転んだり、または避けようとしても避けきれなかったりした傷はあるものの、今までのような酷い傷痕は一つも無い。
「今日はこれだけで済んだぜ」と至極嬉しそうに報告する城之内に溜息を吐きつつも、海馬はその度にしっかりと手当をしてやるのだ。
城之内に対する愛しい気持ちを込めて、丁寧に…優しく、少しだけ力を込めて。
今日はちょっと複雑な気分の二礼です、こんばんは。
本日の日記はちょっと重い話題なので、早々に反転させます。
興味のある方だけどうぞ。
9月6日。今日は実父の命日です。
幼少期に彼とは余り友好とは言えない関係性を結んでいたので、この日は父親の死を悼むのと同時に、当時の辛かった思い出まで甦ってしまって少々複雑な気分になってしまうのですよ。
簡単に分かり易く説明するならば、実父は城之内の父親によく似ていましたw
酒を飲んでは理性を忘れて拳が飛んでくるような、そんな感じ。(仕事は真面目にこなす人でしたが)
しかも私(女)オンリー。自分と同じ男である弟には一切手は出しません。
彼が幼い頃養母から受けた精神的虐待が元になっているとは理解していますが、やっぱり幼心にも理不尽に思っていました。
そんな彼も私が十六歳の時に肺癌で亡くなりましたが、未だに命日は色々と考えてしまうの訳なのですよ。
何せ父親を慕う気持ちと憎む気持ちが半々なもので…。
もうすっかり忘れていましたが、何年か前に実家に帰って押し入れの掃除をした時に、私が小学校低学年の時に書いた作文が出て来た事がありました。
題名は『わたしのゆめ』。
周りの同級生達は多分将来は何になりたいかとか書いていたんだと思いますが、私の作文にはどうにも変な事が書いてありました。
曰く『わたしのゆめは、おとうさんにあたまをなでてもらうことです』と書いてあったんです。
確かに考えてみると、グーで殴られていた事は容易に思い出しても、頭を撫でて貰った思い出がありません。
そんな訳で大人になっても暫くの間はリアルの男性が苦手で、例え友人や恋人でも自分の頭より高く手を挙げられるのが大嫌いでした。
そのトラウマは後に出会った相棒がしょっちゅう私の頭を撫でてくれる事で治りましたが、今思うと小学校低学年の癖に随分シビアな作文を書いていたなぁ~と思いますw
つーことで短編『相互依存症』をUPしました。
上記の理由で複雑だった自分の気持ちを城之内に代弁して貰ったのですが、まぁ…彼や海馬に比べれば別に大した事ではありませんね。
(ちなみに実母は海馬とタメはれるような凄まじい人生を送っています)
重い題材に挑戦したというのもありますが、珍しく二人を恋人未満のままで終わらせてみました。
恋人未満どころか、恋愛未満ですけどねーw
私が城海の魅力の一つと考えているのが、二人とも同じように父親に恵まれず、虐待された過去を持つという点にあります。
(父親に恵まれていないという時点では、御伽もそうなんですけどねw)
しかも面白いのが、実父と義父という対比、そして、現在進行形と過去形という二つの対比がある事です。
全く同じであり全く逆であるというのが、城海で萌える上での重要な要素なのでは無いでしょうか?(*´∀`*)
やっぱ城海は最高です!!
以下は拍手のお返事でございます(*'-')
>bis様
初めまして、こんばんは~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました(´∀`)
純愛を褒めて頂けて嬉しいです~!
片思いとか純愛でキュンキュンくるのは、やっぱりこういう歯がゆい感じが一番ですよね~w
見ている(読んでいる)方はかなり苛々してくるのですが、本人達はとにかく一生懸命な辺りもいいと思います。
余りこの苛々感が得意ではないので、ついつい簡単にくっつけてしまったり、もしくはくっつき済みの話を書いたりしてしまっているのですが、たまにはこういうのもいいですねぇ~(*´д`*)
思わずニヤニヤしながら書いていましたw
気持ち悪いわぁ~www
それからこっそり応援していてくれていたというコメントを見て、本当に光栄だと思いました~!
これからもお暇な時にでも遊びに来て頂ければ幸いです。
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(゜∇゜)
『眠りの淵の』と日記の感想をありがとうございます!
実はこの話、最後まで海馬の片思いで終わる筈でした…。
ですが私は大の甘々好きですからねー。
結局最後はハッピーエンドで終わらせてしまいました…w
あとタイトルが凝っているというコメントがありましたが、私がタイトルを付ける時はほぼ直感ですw
まず直感で浮かんだ言葉でタイトルを付けて、気に入ればそのまま。語呂が悪かったらそこから練り直します。
もう常に直感勝負なので、タイトル付けに苦労した事は余りありません(´∀`;
話の内容には常に苦労していますが…w
あ、そうそう。
眠ったふりをしている城之内が、実はドキドキしていたんじゃないか…という話ですが、『眠りの淵の』城之内に限っては、ドキドキというか多分机に突っ伏したままニヤニヤしていたと思いますw
勝ち負けで言うと今回は確かに城之内の勝ちのようですが、勇気を出して行動に移したという点では、完全に海馬の勝ちですね~。
それと海馬の好物と嫌いなものに関しての考え方ですが、コメントを読んでいて「なるほど!」と思ってしまいました。
おでん=お友達ごっことは気付きませんでした…w
流石Rosebank様!! 凄いです!!
でも確かに色々な具材が仲良くお鍋の中に鎮座している様子は、お友達ごっこに見なくもありませんw
ていうかどうしてくれるんですか!!
この先お店のおでんがお友達ごっこにしか見えなくなってしまうじゃありませんか!!wwwwww
あと海馬の元の家も裕福な家庭だったという事ですが、私も確かにそうだと思います。
でもお父さんが名家の血筋でも、嫁に来たお母さんはもしかしたら庶民の出かも…と妄想してしまうんですよw
いつもは豪華な食事を食べていても、たまに手作りおでんを作ってくれて庶民の食事を楽しんでいた…とかだったらいいな~と思います(*'-')
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内+海馬。
恋人未満(つーか、恋愛未満)の二人の話です。
色々と複雑な感情で、重いテーマに挑戦してみました。
夜中の一時を過ぎて、海馬がそろそろ眠りにつこうと寝室に入った時だった。近場に置いてあった携帯が鳴って電話の着信を伝えて来る。設定してあるメロディーからそれが城之内からの電話である事を理解した海馬は、早速携帯を手にとって通話ボタンを押し耳に当てた。
「どうした?」
開口一番にそう聞くと、電話の向こうで一瞬息を飲む気配を感じ、そして大きく深呼吸を繰り返しているのが分かる。城之内はこちらに気付かれないようにしているらしかったが、城之内の気配に聡い海馬に取っては、例え目に見えなくても些細な動作まで手に取るように分かってしまうのだ。
とりあえず城之内が何か言うまで黙って待っていると、ややあって電話口の向こうから『ゴメンゴメン』という明るい声が聞こえてきた。その声が無理に作られた声である事さえ簡単に分かってしまって、海馬は小さく溜息を吐いた。
『こんな遅くにゴメンな。ちょっと今日…お世話になりたいんだけど…。いい?』
「いいも悪いも関係無くどうせ貴様は来るのだろう? こんな時間に電話が来た時点でもう分かっている。どうでもいいから早く来い」
『ちょ…っ。どうでもいいとか言うなよなー。こちとら結構シビアな事になってんだぜ』
「それもとっくの昔に了承済みだから、早く来いと言っているんだ。今どこにいる?」
『えーと…。お前ん家の前』
「だったら早く入って来い!」
少々乱暴に通話ボタンを切り、窓辺に近寄って外を見ると、確かに城之内は門の前に突っ立っていた。
それを確認すると同時に足早に寝室を出ると、すぐに内線を掛けて出て来た使用人に門を開けるように伝え、そして自分は棚の上に置いてある救急箱に手を伸ばす。それを持ってソファーまで戻って来ると、テーブルの上に置いた救急箱を開けてその中身を確認した。消毒液、傷薬、湿布、ガーゼ、絆創膏…とこれから使うであろうものを一つ一つ取り出してテーブルの上に並べて、次に部屋付きの浴室に向かい温かいお湯で濡らしたタオルを持ってくる。
ある程度の準備を終わらせて「こんなものか」と海馬が呟いた時だった。私室のドアがノックされ、少し開いたそこから明るい金髪がヒョイッと覗き込んできた。
それにつられてドアの方に視線を向けると、相変わらず酷い様相の城之内が黙ってそこに立っていた。最初は少し哀しげな表情をしていた城之内だったが、海馬と目が合うと途端にニッコリと嬉しそうに笑って近寄って来る。
「あ、パジャマ姿だ。もう寝るとこだったんだな。マジでゴメン」
「別にいい…。お前の突然の来訪にはもう慣れた」
「でもさー。明日も会社あるしな。悪いからもう寝ちゃっていいよ。後はオレ一人でも出来…」
「グダグダ言ってないで早くそこに座らんか。明日も会社だって分かっているなら、あまりオレに手間をかけさせるな」
相変わらず突っ立ったままの城之内の腕をひっ掴むと、海馬はそれをグイッと引っ張って無理矢理自分の脇に腰掛けさせた。そして薄汚れた頬に両手を当て、若干俯きがちのその顔を自分の方に向けさせる。
「とりあえず顔の汚れを拭くからな。大人しくしていろ」
タオルを取り上げながらそう言うと、城之内は「うん」と素直に返事をして大人しく目を閉じた。
男らしい彫りの深い顔を汚している血や埃などを、温かいタオルで丁寧に拭っていく。そうする事で傷の規模や位置が正確に把握出来たので、今度はガーゼと消毒液を取り出した。
額と眉の上に結構深い傷が出来ていて、そこをなるべく優しく消毒液を浸したガーゼで拭っていく。唇の脇にも同じような傷があるのを見て取って、そこにも軽くガーゼを押し当てると途端に「っ…!」と城之内が呻いて身体をビクリと跳ね上げさせた。
「いてーよ、海馬。もうちょっと優しくしてくんない?」
「黙れ凡骨。オレはこれでも最大限に優しくしてやっている。男なら少し我慢しろ」
「酷いなぁ…。男でも痛いものは痛いんですー」
口ではそう不平不満を言うものの、城之内はそれ以上の抵抗をしようとはしなかった。そこからはただ黙って海馬の治療を大人しく受け入れている。
傷口に薬を塗り、大きい傷にはガーゼを当ててテープで固定し、軽い傷には絆創膏を貼っておいた。そして次に湿布に手を伸ばすと、それに気付いた城之内が黙って目の前でTシャツを脱ぎ捨てた。そしてそのままクルリと後ろに振り返る。
二の腕や肩や肩胛骨の辺り、そして背中から腰にかけての酷い内出血の痕に眉を顰めつつも、海馬は何も言わずに痣の上に湿布を貼っていった。そして最後の湿布を貼りながら、「今回はまた随分と酷いな」と口に出す。
その言葉に城之内が肩越しに振り返り、少し困ったように笑いながら応えた。
「あぁ…まぁ…うん。随分ストレス溜まってたみたいだしなー。流石のオレも今回はちょっとキツかった」
「オレの記憶に間違いが無ければ、貴様の親父は今頃地方への出稼ぎに行っている筈だが?」
「そうなんだけどさー。何か向こうの上司と一悶着あったらしくて、そのまま帰ってきちゃったんだって。それで帰ってくるなり早々に酒を飲み始めちゃったらしくてな。オレは丁度バイトに行ってたから詳しくは分かんないんだけど、多分夕方くらいからずっと飲んでたんだと思うよ。帰ってきたらもうベロベロでさー。何してるんだって叫んだら、それがまた気にくわなかったらしくて、もういきなり拳が飛んできてな」
城之内はまるで面白いドラマか映画を観てきたかのように、その場の状況を海馬に説明しだした。苦笑しつつ「いやもう、参ったよ」なんて言い、一見全く困ってなさそうに見えるのだが、それがまた痛々しいと海馬は思う。
アルコール中毒の父親に殴られたり蹴られたり酷い言葉を投げ付けられたりと、そういう理不尽な暴力を受けている事は、こんなに面白オカシク話す内容ではないのだ。
だけどそれと同時に、面白い話として処理しなければとてもじゃないがやってられないという城之内の心境も理解出来る。相手が実父と養父という違いはあるものの、海馬もまた似たような経験をしているのだ。
だから海馬はこんな時はいつも同じ対応しか取らない。
ただ黙って城之内の話を聞いてやる。それだけなのだ。
「でさー、流石にあの状態の親父がいる家には帰れない訳だ。いくらオレでもコレばっかりは無理! だから悪いけど今回も泊めてくれる?」
「構わん。好きにするがいい」
「やった!」
まるで子供の様に喜ぶその姿を見て、海馬はまた一つ溜息を吐いた。
城之内が父親の暴力から逃げる為に海馬のところに転がり込むのは、これが初めてでは無かった。
切っ掛けは一年程前の事。たまたま夜遅くに帰宅した時の事。信号待ちで停車中だったリムジンの中から何となく外を見ていた海馬は、真夜中の歩道を見知った男が足を引きずりながら歩いているのに気付いた。その男はそのまま脇の公園の中へと入っていく。
どうしてあの男がこんな時間のこんな場所にいるのか興味が出て来た海馬は、そのままリムジンを道路脇に止めさせると、車から出て公園へと向かった。
すっかり闇に包まれた公園の中には誰もいない。ただ水飲み場の方からバシャバシャと音がするので近寄っていくと、案の定城之内がそこで顔や手足を洗っていた。「城之内」と声を掛けると、すっかりびしょ濡れになった城之内が凄い勢いで振り返り、そして心底驚いたような顔を海馬に見せる。
「うわ…っ! びっくりした!! 何だ…海馬かよ!! 何でお前こんなところにいんの!」
「今日は仕事が忙しかったのでな。今まで残業していて漸く帰ろうとしていた途中だったのだ。それより貴様こそどうしてこんな時間にこんな場所にいる」
「えーと…オレは…。べ、別にオレはどうだっていいじゃないか」
「貴様が五体満足ならオレもそう思ったんだろうがな。あちこち傷だらけで、しかも足まで引きずっていたではないか。こんな状態の人間を見てどうでもいいと思える程、オレも人間が出来ていない訳では無い」
そう言いつつポケットからハンカチを取り出して唇の脇にこびり付いていた血を拭ってやると、城之内は観念したのか随分と大人しくなった。
「何があった…とかは聞かないんだな」
「貴様が聞いて欲しいなら聞いてやる」
「何だよソレ。随分偉そうだな。まぁ…お前は実際に偉いからそんな事が言えるんだろうけど」
「こういう場面で偉いとかそうでないとかは、余り関係が無いだろう。で、どうなのだ? 聞いて欲しいのか?」
「………」
海馬の問いに対して返って来たのは、最初は無言だった。だがあちこちの傷から滲み出てくる血を拭いつつ黙って待っていると、やがて城之内の口からポツポツと自分がボロボロになった経緯が零れ落ちてきた。
定職に就かず、酒を飲んでは暴れる父親との二人暮らし。何かの拍子に切れてしまうと、こうして実の息子に対して酷い暴力をはたらくのだと言う。
「今日はこれから帰るのか?」と聞くと、城之内はフルフルと首を横に振った。
「まさか。あんな状態の親父のところに帰ったら、今度こそ殺されちまうぜ。だから今日はこの公園で寝泊まりしようかなーと思って、ココまで来たって訳」
「抵抗は…しないのか?」
「抵抗? 何の? 自分の身を守る事くらいはしてるぜ」
「そうではなくて。反対に相手の身体を押さえつける…とか」
「………っ。あぁ! その手があったか! オレ全然気が付かなかった」
そう言って城之内は「ばっかだなー、オレ」と自虐気味に呟いて、そしてケタケタとおかしそうに笑っていた。
結局その日は城之内を連れ帰って邸に泊める事になったのだが、それからというものの、城之内は父親から逃げる必要がある日はこうして海馬邸に泊まりに来る事になったのだ。
あの夜の公園で出会った日、海馬は確かに城之内に「抵抗しろ」と伝えた筈だった。それを聞いた城之内も「その手があったか」と言っていた事から、それは既に了承済みだと思われたのだが…。毎回やってくる城之内の傷の具合を見る限り、どうやらその『抵抗』は一度も行なわれていないらしい。
それを見る度に、海馬は自分の中に苛立ちが湧き上がって来るのを感じていた。
どうして半分狂っている相手に好き勝手にさせているのだろうとか、自分の身を本当に守りたいと思っているなら抵抗するしか無いではないかとか、そういう事をつい口に出して言ってしまいたくなる。
だけれども。『息子』は『父親』に対しては本気でそんな事は出来ないのだ…という事もよく知っていた為、海馬は結局黙っている事しか出来なかったのだ。
床に殴り倒された際に出来たであろう腕の擦り傷に傷薬を塗りガーゼを当て、丁寧に包帯を巻いていく。最後に留め金で包帯を固定すると、「サンキュ」と言って城之内がニッコリと微笑んだ。
「いつも思うけど、お前って傷の手当て上手いよな」
「そうか。それは良かったな」
「投げやりだなー。せっかくオレが褒めてやってるっていうのに、もっと喜べよ」
「別に貴様に褒められても嬉しくは無い」
「そう言うなって。海馬、お前…。オレの傷の手当てすると、いっつも不機嫌なるよな」
「そうか? そんなつもりは無いが?」
「ほら、やっぱり不機嫌じゃん。何? オレがそんなにやられっぱなしになってるのが、そんなに気になるの?」
城之内の言葉に驚いて顔を上げると、ソレに気付いた城之内が至極嬉しそうに「ビンゴ!」と言った。
そして妙に優しい顔をして海馬を見詰め、少し迷ったように口を開いた。
「海馬、お前がどう思ってるか知らないけど、オレは別に好きでやられっぱなしになってる訳じゃ無いんだぜ? マゾじゃねーしな」
「………」
「ただ、どうしても『抵抗』が出来ないんだ。あんなクソ親父、どうなろうが知ったこっちゃないんだけどなー」
「………」
「一度だけ本気で殺してやろうかと思って、酒飲んでグースカ寝ている親父の首に手を掛けた事あったんだけどさ。どうしても締め付ける事が出来なかったんだ」
「………」
「それでオレは思った訳。何だかんだ言ったって、結局オレは親父の事を必要としてるんだなーってさ。認めたくは無いけどな」
「お前はそれでいいのか?」
「うん、まぁ…。本当は良くは無いんだろうけど。でも今のオレにはいい逃げ場も出来たしな。とりあえずコレでいいんだって思ってる」
城之内の言う『いい逃げ場』が自分の事を指しているんだと気付いて、海馬はわざとらしく大きな溜息を吐く事で相手に応えた。
呆れた風にしてみせても、海馬には城之内の言葉に反論は出来ないのだ。何故ならばそれは、自分が亡くなった義父に対して抱いていた想い、そのものだったから。
城之内の心情が理解出来る。だからこそ海馬は黙って城之内を受け入れる事が出来ているのだ。
海馬にとって、城之内を救う事は自分を救う事と同意義だった。未だにあの頃のトラウマを抱えたままの自分にとっては、同じ状況で悩み苦しんでいる城之内に手を差し伸べる事で、同時に自分自身の心さえも癒す事に繋がっていたのだ。
海馬はそれに気付いている為、城之内のSOSを無視する事無くいつでも受け入れてやっている。
そして城之内もそんな海馬の状態に気付いていた為、どんな真夜中であろうと必ず海馬を頼るのだ。
城之内と海馬が自分の…そして相手の心を救う為に相互依存症になってしまってから早一年。この関係はもう暫く続くだろう。だけどその関係も、少しずつ綻びが生じてきている。二人ともまだその事には気付いてはいないが、確実にその綻びは大きくなってきているのだ。
相互依存症だった城之内と海馬。
その二人の間に生じた綻びによって、ただの相互依存症が恋愛関係に発展するのは…もう暫く後になってからの事である。
久々にゲームに大ハマリな二礼です、こんばんは。
最近ニ/コ/ニ/コ/動/画でラクガキ王国の実況動画を見ているのですが、それが凄く面白そうで、ついに我慢出来なくなって友人に頼み込んで貸して貰いました~。
発売された当初は「難しそうだな~」と思って見送っていたのですが、意外と簡単に出来るし、やってみたら本気で面白くて止まらなくなりましたw
自分が描いたものが動くって面白いし、何よりこのシステムの凄さに感動しました!
何でこんな面白いゲームをスルーしてたんだろうなぁ…;
当時の私は馬鹿だったなぁ…w
話は変わりますが、何かスランプに入っちゃったらしいです。
多分『Rising sun』が無事に終わって安心しちゃったんでしょうねぇ…。
頭の中が空っぽになってしまいました…(´∀`;
今日は本当は久しぶりに素質シリーズを書きたかったのですが、いつまで経ってもエロ神様が降りてやしねぇ!!
んで暫くPCの前でボ~ッとしてたら、「エロが書けないなら純愛を書けばいいじゃない」的などこのアント○ネット? みたいな声が聞こえたような気がしたので(あくまで気のせいw)、出来たのが以下の話です。
つーことで短編『眠りの淵の』をUPしました。
純愛と言いましたが、イマイチ自信がございませんw
コレ…純愛…なのかなぁ?
「片思い社長なんて、ウチじゃ珍しくない~?」とか思って色々と見返してみたんですけど、逆にウチじゃ珍しくありませんねw
本当にウチの社長は城之内の事が好き過ぎです。
もうちょっとクールで格好いい社長も書いてみたいのになぁ…(´・∀・`)
(クールな社長を書こうとすると、彼は絶対に途中で「でもオレは実は城之内の事が好きなんだ」的な事を言い出します。これではダメですw)
うん…まぁ…自分の傾向は良く分かっているんですよ。
だから『乙女海馬注意!』ってなっているですけどねーw
以下は拍手のお返事になります~!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(´∀`)
『ブラックホール』と日記の感想をありがとうございます!
はい、私も基本海馬は小食だと思っていますし、実際に大食いだったら嫌ですw
まぁアレは一種のギャグなので、笑って流して下さいませw
ていうか、何であんなものを書いたかといいますとね。
ふと寝入りっぱなに「社長に何か意外な特技とかがあったら面白いのになぁ~」と考えてしまって、何を間違えたのか、一晩経過したら『特技=大食い』に変化してしまっていたのです。
更に「ギ/ャ/ル/曽/根なりに食べてたら超面白いかもしれないwww 遊戯とか絶対引くよな~www」とか自分の中だけで盛り上がっちゃいまして、結果…出来たのがアレでした…(´∀`;
今思うと、何故あんなのを書いたのか自分でも上手く説明できないのですが、どうせ馬鹿話だしいっかな~と思っていますw
でも小食でも大食いでも、社長が目の前で一生懸命モグモグと御飯食べてたらいいなぁ~とか思いませんか?
絶対可愛いと思うんですけど、どうでしょうw
そうそう。海馬のプロフィールでのおでん嫌いですが、それってよく考えると色々と深いと思うんですよ~。
シンプルに考えれば煮込み料理系やだしの臭いがダメという考え方も出来ますが、もうすこし捻って考えてみると、『施設で嫌って程食べたので、おでんを食べると当時を思い出すから嫌い』とか『亡くなった実母の得意料理で、おでんを食べると母親を思い出すから嫌い』とか、美味しい妄想が色々と出来る訳です(´¬`)
一種のトラウマ系…とでも申しましょうか?
まぁ多分海馬のおでん嫌いは純粋に『マズイ』とか『苦手』とかの類なのでしょうが、もしこういう理由が裏に隠れていたとしたら、それだけで御飯三杯は軽くいけちゃいそうな気がしますw
うん、楽しいなw
やっぱり社長は最高です!!\(´∀`)/
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内←海馬。
片思い海馬の一人称です。
夕闇迫る校舎をオレは一人で歩いていた。
九月に入り二学期が始まったばかりの学校には、居残っている生徒も殆どいなかった。あと一ヶ月もすれば体育祭やら文化祭やらで生徒達にとっても忙しい時期が来るのだろうが、今はまだ夏の名残の楽しみたいのだろう。授業が終われば大半の生徒は帰宅してしまっている。
仕事の関係上、案の定始業式に来る事が出来なかったオレは、九月も半ばに入ったこの時期に漸く登校する事が出来た。夏休み中の課題を抱えつつ、提出が遅れたペナルティのプリント等々を放課後に済ませてしまったオレは、職員室にそれらを無事提出し今教室に戻っている最中だった。
教室に近づくにつれて、歩くスピードを緩めていく。
彼はまだいるだろうか…? 既にいなかったら少し寂しい…とそんな事を考えながら。
放課後の教室でオレが出席日数補佐の為の補習プリント等を片付けるのは、今に始まった事では無い。そしてオレが残っている教室で、同じように補習プリントを片付けている城之内が同席するのも珍しい事では無かった。(彼の場合は出席日数の関係では無く、純粋にテストで赤点と取った事によるのだが)
最初はただお互いに補習プリントをこなす為だけに一緒にいた放課後の教室。それが、城之内が何の意味もなく教室に居残るようになったのはいつからだったのだろう。
城之内が補習を受けるのは、大抵がテスト明けだった。赤点を取った為のペナルティなのだから当然と言えば当然なのだが。
対してオレは出席日数が足りない為の補習だった為、補習を受ける時期については特に決められていた訳では無い。たまに学校に登校した日に、今まで休んでいた分の補習を受けるという流れになっていたのだ。だからテストが関わっていない時期に限っては、城之内は別に補習を受ける必要も無く、バイトの為にさっさと帰宅していたのだが…。
気付いたのはいつからだったか。オレが補習を受ける時に、いつでも城之内が教室に居残るようになったのは。
一緒に教室に残っていても、城之内は特に何をする訳でも無く、ただ机に突っ伏して眠っているだけなのだ。斜め前の机に突っ伏している城之内の肩が規則正しく上下するのを見ながら、オレはプリントにペンを走らせる。誰もいない教室に響くのは、オレがプリントに文字を書いている音と、城之内の寝息だけ。ただそれだけなのだ。
城之内はオレがいる間はずっとそうやって眠ったままで、大抵において職員室から戻ってきても同じ体勢で寝入ったままだった。
最初の頃はそのまま放置して帰宅していたものの、その内何となくそのまま帰るのは勿体無いような気がしてきた。
そんな事するつもりは全く無かったというのに、ある日オレは眠っている彼の側にそっと近寄って、荒れた金髪に手を伸ばした。
無理に脱色したせいでボサボサになっている金色の髪。でもその色は好きだった。いつでもどんな時でも明るく生きている彼には、この色はよく似合っていると思っていたから。
震える手でずっと憧れていた太陽色の髪に触れる。城之内を起こさないようにそっと…毛先だけ。
それが…オレが自分から城之内に触れた初めての経験だった。
自分が抱いている気持ちに関しては、もうとっくの昔に理解していた。
幼少期に似たような状況下に置かれていながら、全く違う道を選んだオレと城之内。自分に無いものを沢山持っている城之内に対して最初に抱いたのは、蔑みや苛立ちだった。だがそれはあっという間に消え去っていってしまう。
本当は分かっていたんだ。城之内に対する苛立ちは、彼に抱く憧れの裏返しだと。
それをはっきり理解してしまってからはもうそれを無視する事は出来ず、いつの間にか憧れは恋心へと変化していた。
まったく厄介な事になってしまったと、気持ちを自覚したばかりの頃は落ち込んだりもしたが、今ではそんな事はもう思わない。別にこの気持ちを城之内に知って貰わなくてもいいのだ。恋を成就させる為に彼を好きになったのでは無い。そんなものは疾うに諦めてしまっている。
ただ…この気持ちは大事にしたいと思った。
誰も知らない、誰にも穢す事は出来ない、オレのオレだけの大切な気持ちだったから。
そっと教室の扉を開けると、案の定城之内は今日もまだ机に突っ伏して眠ったままだった。
この姿を見るのは実に二ヶ月ぶりだった。前回は夏休みに入る前の七月初頭で、その後はオレは仕事が忙しくなって学校に来られなくなってしまったし、七月後半には学校は学校で夏休みに突入してしまった。
二ヶ月前のあの時と全く同じ時間帯。けれど窓から見える景色は随分と変わってしまっている。
あの頃は…外はもっと明るかった。放課後だというのに夏の太陽はまだ天高く昇っており、眩しい日差しが窓から強く差し込んでいた。真っ青な夏空に真っ白な入道雲がビルの向こうに見えて、窓からはぬるい風が緩やかにカーテンを揺らし、教室内も酷く暑かったのを覚えている。
今はその暑さは感じない。窓は全部閉められている筈なのに教室はうっすらと冷え込み、窓の外は濃い茜色だ。西の空に沈み掛かっている秋の太陽が、校庭に樹木や電信柱などの影を長く伸ばしていた。
何となくその風景をもっと見てみたくて、オレは教室の電気を全て消してみた。途端に暗くなる教室内。窓一面に映える茜色が、どこかもの哀しく感じられた。
そうだ…。本当はずっと哀しかった。
別に気持ちは知って貰わなくてもいい、ただ自分がこの気持ちを大事にしてればいいなんて、まるで悟りきったようにしてきたけれど、本心は全然納得していなかった。
これでいい筈が無い。オレの本当の気持ちを城之内に知って欲しかった。どれだけ自分が心から彼を愛しているか、ほんの片鱗だけでも知っていて欲しかった。
だけど…今更どう伝えたらいいというのだろう?
はっきり言えば城之内との関係は最悪の部類に入っていて、自分はともかく周りの人間達は未だにそのイメージを持っている。遊戯やモクバでさえ城之内の話題が出ると、そっと気付かれないようにオレの顔色を伺うくらいなのだ。周りがそんななのだ。当の城之内は言わずもがな…だろう。
哀しい気持ちを抱えたまま窓の外の風景を見続ける。
秋の太陽は沈むのが非常に早い。先程まではっきり見えていた太陽は既に遠くのビル群の中に姿を隠してしまって、西の空も茜色から群青色へと移り変わっていた。太陽を失った世界は途端に色を無くし、校庭に長く伸びていた影さえも今は全く見る事が出来ない。
この光景が怖くて、オレは城之内に自分の気持ちを打ち明ける事が出来ずにいた。
同じ男に、ましてやオレなんかに告白されれば、間違い無く城之内はそれを拒否するだろう。その途端、オレはこの太陽を失うのだ。
色を無くしたこの世界は、未来のオレの心象風景だ。それが分かっているからこそ、『気持ちは知って貰わなくてもいい』とずっと自分に言い聞かせてきたのだ。なのに…何故、それがもう限界だなんて感じてしまうのだろう…。
日が落ちて完全に闇に沈んでしまった教室内で、オレは振り返って机に突っ伏している城之内を見詰めた。こんなに暗くなってしまったというのに、城之内はまだ眠り続けている。足音を立てないようにそっと近づいて、荒れた金髪に手を伸ばした。いつものように毛先だけを指先で触れる。
城之内は完全に眠りこけていた。今だったら…何を言っても気付かれないかもしれない。何を言っても…無かった事に出来るかもしれない。
「………き…だ…」
口の中で、誰にも気付かれないように、小さく小さく囁く。
「好き…だ…。城之内…」
誰に聞いて貰わなくても構わない。ただもうその気持ちは大きくなり過ぎて、もう自分の心の内だけに収めて置く事が出来なくなってしまっていた。
だから今だけ。ほんの少しだけ素直になって自分の気持ちを言葉にした。そうする事で一瞬だけ楽になりたいが為に。ただそれだけだったのに…、なのに…。
指先で弄んでいた金色の髪がふわりと動いて、そして次の瞬間、長い前髪の間から明るい琥珀色の瞳が見えた。
教室内は既に真っ暗だというのに、その色は妙にはっきりと確認出来る。それはその瞳が生気に満ち溢れ、常に輝いているからだ。その事は良く知っている。その瞳の輝きもオレが彼を好きになった要因の一つだったから。
不思議なのは…何故今それが見えるのかという事だったのだが…。
「やっと…言ったな」
起き上がった城之内から紡がれたその言葉に、オレは瞬時に反応出来なかった。
これは一体どういう事なんだ? 何故先程まで熟睡していた城之内が起きているのだ? そして今彼が放った言葉はどういう意味が含まれているのだ?
すっかりパニック状態に陥ったオレはガチガチに固まってしまって、黙って目の前の城之内を見詰める事しか出来ない。そんなオレに城之内はニッコリと笑いかけると、髪を弄っていた状態のまま空中で留め置かれていたオレの手をギュッと握ってきた。
冷えた秋の空気が充満しているこの教室の中で、まるで夏の日差しのような熱がオレの手を包み込んでいる。
「海馬、お前さー。今までオレが本当に眠り込んでるって思ってた?」
「な…何だと…?」
全ての状況が理解仕切れなくて何とか現状を整理しようと躍起になりつつ、オレは城之内の言葉に応えた。オレとしては普通の対応をしたつもりだったが、城之内にはどうやってもそうは見えないらしく、奴はずっと面白そうにクスクスと笑っている。その顔は表情がはっきりとしていて、城之内が寝起きでは無い事を物語っていた。
それが何となく…不愉快だった。
「どういう意味だ?」
「どういうって、そのまんまなんだけど? 直接触られなくても髪の毛弄られれば頭皮に感触が伝わるし、大体こんな近場に立たれれば嫌でも人の気配感じるしな」
「っ………」
「本当はオレの方から何か言ってやろうかと思ってたんだけど、でも先に行動に移したのはお前の方だったから、悪いけど待たせて貰った」
「待たせてって…。どういう意味だ?」
「言葉のまんまだよ。ずっとお前の側で寝たふりして、お前が何か行動を起こすのを待ってたんだよ」
「なっ…! そん…な…っ! 貴様…っ! ひ、卑怯だぞ…っ!」
「うん、ちょっと卑怯だったよな。ゴメン。でもオレも確信が持てなくてずっと悩んでたんだよ。お前の気持ちは何となく察していたけど、本当にそうなのか自信が持てなかったんだ」
「………っ!」
「だからちゃんと言葉が聞きたかった。オレ馬鹿だから、はっきりと言葉にして言って貰わないと分からないんだよ。その言葉を聞く為だけに、オレはずっと待ってたんだぜ。お前がいつ行動に移してもいいように、ずっと…お前の側で」
秋の日は完全に落ちて、真っ暗な教室の中では何も見えない。だけどオレを見詰めている城之内の視線が真剣な事だけは確かで。そこにオレが城之内を想う気持ちと全く同じものが存在しているのは紛れも無い事実であって。
だからオレは少し心に余裕を取り戻して、わざといつものように意地悪げに笑ってみせた。
「で、返事は?」
「は?」
「このオレがわざわざ告白してやったんだぞ。イエスかノーか、早く返事を返すがいい」
ニヤリと口角を上げてやると、それを見た城之内がプッ…と吹き出し、やがて真っ暗な教室内に盛大な笑い声が響き渡る。その笑い声は、オレの中に今まで悩んでいたのが馬鹿らしくなるような、そんな感想を抱かせた。
笑い過ぎて浮かんできた涙を指先で拭いながら城之内が徐ろに立ち上がって、脇に突っ立ったままだったオレをギュッと抱き締めてくる。肌寒く感じる秋の空気の中で、城之内の熱は至極心地良く感じられた。
「あー、やっぱいいわお前。そうでないと海馬じゃねーよな」
「それで…? 返事はどうだと聞いて居る」
未だに肩を震わせてクツクツと笑っている城之内の耳元でそう尋ねると、頬に触れていた金の髪がふわりと縦に動いたのを感じた。
「勿論オッケーです。オッケーさせて頂きます」
「………ふん…」
「機嫌悪そうだな、海馬」
「当たり前だ! ずっと寝たふりして騙していただなんて…。性質が悪過ぎる!!」
「そう怒るなよ。勇気や自信が無かったのはお前だけじゃねーんだぜ? オレだって怖かった」
「………」
「そう考えると黙って待っていたオレより、お前の方が少し勇気があったのかもな」
「当然だ」
「参ったな。コレじゃお前には一生頭が上がらなさそうだ」
一生…。
城之内の言った『一生』という一言で、彼の本当の想いが伝わってきた。
嬉しくて嬉しくて本当に嬉しくて。だけどそれを素直に伝えるのは何だか悔しくて「頭なんか金輪際一ミリだとて上がるものか。一生尻にひいてやるから覚悟しろ」と可愛くない事を言ってみる。
オレが一時素直になったお陰で貴様はオレを手に入れる事が出来たんだ。それに感謝して、今後は二度とオレを騙すなと釘を刺す。城之内はその言葉に嬉しそうに頷いて、ますますオレを抱く腕に力を込めた。
その腕に自分の身体を全て預けつつ、それでもオレは少しだけ思っていた。
こんな幸せな気分に浸れるのならば、たまには騙されてやってもいいし、オレも素直になってやってもいい…と。
猫と犬の人気の差に涙が止まらない二礼です、こんばんは。
賃貸マンションなんかに住んでいると、突然契約先が変わったりする事がよくあります。
そんなこんなで不況の煽りを受けたのか、二礼が現在住んでいるマンションでも、つい先日契約先の変更がありました。
ポストの中に新しい契約者からのお知らせみたいなのが入っていたので読んでみたのですが、別段特に共有ルールに変更もなく家賃もそのままなので、それはそれで良かったのですが…。
何と新しくペット可になったらしいです。
今まではペット不可だったので(それでも内緒で飼っている人とかいますけどね)寂しい思いをしていたのですが、これでウチも可愛い猫ちゃんを飼えるぞー! と喜んだのも束の間。
同じくお知らせを読んでいた相棒がボソリと言いました。
「コレ…。小型犬のみ可ってなってるぞ」
………。
えぇ~~~~~っ!!(´゜д゜`)
猫はぁ~? 猫はダメなのかよぉ~っ!!
確かに猫は犬とは違って立派な爪がございますから、壁やら柱やらを傷付けられる可能性があるので、毛嫌いする人も多いんですけどね…;
でもさ…。それだったら全面的にペット不可にして欲しかったよ…orz
ガックリです。
猫好きとしては本当にガックリです。
猫…飼いたかったなぁ…(´・ω・`)
そう言えば今日は漠良誕でしたね。
おめでとうございます~!!
何か書こうかな~とも思ったのですが、ちょっと時間が無くて無理ぽでした…。
ゴメンね、漠良。
ていうか私が漠良(バクラ)を書こうとすると、彼等は自分勝手に突っ走っていっちゃうんだよね~w
何でか分からないけど、完全に私の意図を超越して動くので凄く書きにくいんですw
まぁ…いいよね?
今年は『奇跡の証明』の番外編で主役やらせたし…(´―`;(アレはバクラの方だけどねー)
城海サイトで主役に立てた事がプレゼントみたいなもんだw(酷いw)
短編『ブラックホール』をUPしました。
久々にお馬鹿話を書いてみました。
しかも敢えて『海馬は小食だろjk』という世間の常識に逆らって、こんな阿呆な事をしでかしてみました…w
個人的に気に入っている『料理上手な城之内君』も久しぶりに出せたので、書いている方としては非常に楽しかったです(´∀`)
でもよく考えてみたら、こんな社長は嫌だなぁ…w
イメージ的には痩せの大食いなんですけど、そういう人って大概胃下垂だったりするしね。
胃下垂の社長とか…最低過ぎるw
あ、アレだよアレ!!
ギ/ャ/ル/曽/根と一緒で、きっと褐色脂肪細胞の働きが良いんだよ! きっと!!
それだとチョット納得出来るけど、社長はやっぱり小食が一番だと思いますw
以下は拍手のお返事でございます~(*´д`*)
>発芽米子様
こんばんは、お久しぶりです~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!
『Rising sun』を読んで下さってありがとうございます(´∀`)
そんなにこの社長は格好いいんでしょうか…?w
確かになるべく強く書こうと意識はしていましたが、ここまで言われてしまうと、逆に私が照れてしまいます…(*ノノ)テレテレ
風景の描写は私個人の晩夏のイメージなのですが、ラストシーンはなるべく状況を分かりやすく想像して貰えるように気を遣って書きました。
上手く伝わっているかどうか不安だったのですが、褒めて頂けて嬉しいですv
自分で小説を書いたり、または他の方の作品を読ませて頂いたりするにつれ、常々周りの風景や状況の描写って大事なんだな~と思わされてなりません。
わざと曖昧に書く事もありますが、やっぱり読んで下さる方が想像しやすいというのは大事な事だと思いますので(*'-')
そういう意味では米子様を始め、他の方々が書かれた小説を読むという事は、一つの大事な勉強になっていると思います。
これからも色々と模索しながら頑張って行こうと思っています。
こちらこそ『Rising sun』という話を読んで頂いて、本当にありがとうございました~!!
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!(*´∀`*)
『Rising sun』と日記の感想をありがとうございます!
えへへ~! Rosebank様に最終回を褒めて貰えて凄く嬉しいです~!!
長編の終わり方については、本当に毎回じっくりと考えて書かせて貰っています。
短編と違ってバッツリ切る事も出来ないし、自分にも、読んで下さっている方達にも、それから登場人物達にも納得のいく形で終わらせないといけませんからね。
それにやっぱり観光ガイドとしては、一番最後に案内する場所はやっぱり今までで一番感動して貰わなくちゃいけないので、そこら辺には力を入れていますw
という事で、私はラストが決まらない内は長編を書き出す事はしないんですよ~。
(『STEP』に関してはラストは決まっていますが、途中が余りにも曖昧だった為に、やむなくプロットの練り直しに専念する事にしましたが…w)
大体にして小説のラストっていうのは、一番大事かつその分一番難しい場所なので、それをあやふやにしたまま書き出したくは無いんですよね。
それに私ははっきりとしたゴールが見えないと、困った事に途中で飽きが来るタイプなんです(´∀`;
予め決められたゴールがあるからこそ長々とした連載系が書けるので、このスタイルを崩すつもりはありません。
そんな訳でもうお忘れかもしれませんが、例の逆転系城海に関しては未だにグズグズとプロットを練っている最中でございますw
難しいんだよね~…色々とw
それからあの小さな城之内の描写ですが…。
やっぱりどうしてもファンタジー要素を入れたくなっちゃうのは、ずっとファンタジー畑で過ごして来た癖ですね、コレw
ていうか腐女子としての根っこがもろにファンタジーなので、多分もう治らないと思います…(´―`;
でもまぁ…こういうタイプの城海があってもいいんじゃないかなぁ~…なんて思いつつやらせて貰っています。
真理に導く子供の自分という表現に関しては、高/橋/先/生も海馬でやっていらっしゃいましたしね~!
(あのシーン、凄く好きなんですよ~!!)
あと体位の話ですが、別に騎乗位も対面座位もあんまり変わらないので、別にいいと思いますよw
ていうかRosebank様のコメントを見て、「あ、騎乗位の方が社長の身体が良く見えるし、そっちの方が良かったか…;」と思ったくらいなのでw
明るい朝日の中で惜しげもなく裸体を晒しながら、自分で腰揺らしている社長を下から見上げるアングルは超絶にエロイですよね~www
想像したらすげー萌えてきました(*´д`*)ハァハァ
あ、そうそう。
台風は別に大丈夫でしたよ~!
思ったより大した事無かったですw
本番はやっぱり9月や10月ですよね。
用心しないと。
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内×海馬前提のちょっとお馬鹿なお話。
珍しく遊戯視点です。
世間の常識に敢えて逆らってみましたw
城之内の机の横に引っかけられている紙袋からカラン…という軽い音がしたのを聞いて、遊戯は思わず振り返った。あの紙袋の中には海馬から城之内へと貸し出された、立派な重箱が入っているのを遊戯は知っている。
城之内と海馬が付合うようになって数ヶ月。遊戯は彼等が恋人同士としてそれなりに仲良くやっている事を知っていたし、普段は言い争いばっかりしている二人がたまに仲睦まじい様相を見せたりするのを微笑ましく見守っていた。仕事に追われてなかなか学校に来る事が出来ない海馬が思い出したかのように登校して来るときは、二人で仲良く昼休みを屋上で過ごす事も知っている。
それがいつからだろうか。最初は二人揃って別々のお昼を用意していたのだが、その内城之内が二人分の弁当を作って来るようになったのは。
遊戯は城之内の料理の腕を知っていたし、海馬がそれに目を付けても不思議では無いという事も分かっている。学校に来る時は予め海馬から城之内へ連絡が成されて、それで城之内がお昼を用意してくる事も理解出来た。それに何だかんだ言っても城之内は、自分自身に対しては結構ズボラでも、好きな人間に対しては結構マメなところがあるのだ。遊戯もそれを理解しているからこそ、城之内が毎回海馬の為に弁当を作って来るのは、別段不思議な事とは捉えてはいなかったのだが…。
それにしたってこの量は多過ぎだろう…と、遊戯は紙袋の中を覗き込んだ。
紙袋の中に入っているのは、三段の重箱だ。流石海馬が用意しただけあって、漆塗りの立派な奴だ。
今は五時限が終わったばかりで、つまり昼休みが疾うに終わっている今、紙袋の中の重箱は当然空だった。
ただそこにどうしても疑問を覚えてしまう。
城之内が毎回この重箱にお昼を詰めて来るのを知ってから、興味を持った遊戯は一度紙袋ごと重箱を持たせて貰った事があった。「重いから気をつけろよ」という城之内の声に頷いて紙袋の取っ手を持たせて貰った遊戯は、次の瞬間、ズシリとした余りにも重いその感覚に驚いて危うく紙袋を手放しそうになってしまった事がある。
「えーっ!? 何コレ。すっごく重い」
思わずそんな事を口走ると、城之内はハハハと酷く楽しそうに笑って「そりゃそうだ。結構みっしり詰め込んであるからな」と軽く言い放った。
三段の重箱にみっしり詰まった昼御飯。それがたった二人の胃に治まるとは考えにくい。
城之内が結構大食いなのは元から知っていた。身体を使ったバイトをしているから、それだけエネルギーを欲しているのも仕方無いと思う。それに対して海馬は超小食。海馬との付き合いはそれなりに長くなるが、遊戯は未だに彼が何か物を食べているところを見た事が無い。
だからとても不思議なのだ。こんな大きな重箱にみっしり詰まったお昼を、僅か一時間の昼休み中にどうやって全て空にしているのか。
大体こんな重箱、運動会の時に家族皆で食べる為に母親が精を出して作ってくれる時か、もしくは正月のおせち料理の時しか見た事が無かった。
その疑問を解決する為に、遊戯は机に突っ伏して居眠りをしている城之内に思い切って聞いてみる事にした。本当は海馬にも聞いてみたかったのだが、彼は昼休み終了と共に会社に戻ってしまっている。
「ねぇ…。城之内君」
肩を掴んで揺さぶると、城之内はすぐに眠そうな目をしながらも顔を上げてくれた。
「んぁ…? 何だ遊戯」
「あのさ。最近海馬君が学校に来る時って、城之内君お弁当作ってきてあげてるよね? この重箱一杯に」
「あぁ、そうだけど?」
「それってやっぱり二人で食べてるの? それとも他の人にもあげてたりしてるの?」
「このオレがせっかく海馬の為に作ってきた弁当を、他の奴にあげてたりする訳ないだろう? いくら遊戯でもそれはダメだぜ。あ、もしかしてオレの弁当食いたいの?」
「あ…ううん。そうじゃなくて…。凄く不思議だなって思ってて…」
「不思議? 何が?」
「だって、この量でしょう? 二人でどうやって食べてるのかなーって思って…」
「どうやってって…」
「城之内君が結構食べるのは知ってるよ? でももう一人はあの海馬君でしょ? 海馬君、ただでさえ小食なのに…」
「海馬が小食…ねぇ…」
遊戯の言葉に城之内は意味ありげに笑い、チラリと遊戯を見上げる。それに対して首を傾げると、城之内は椅子の上で気持ち良さそうに大きく伸びをして笑ってみせた。
「よし分かった。今度の日曜日、海馬邸にお昼食べに来いよ」
「海馬君のとこに?」
「あぁ。今度の日曜日はオレが奴の昼飯を作ってやる事になっているんだ。お前一人増えたとこでどうって事無いから、たまには一緒に食おうぜ」
「で…でも、突然そんな事決めちゃったりして、海馬君怒らないかな?」
「んぁ? 大丈夫だろ? アイツもお前の事は認めてるし、別に何も言わないと思うぜ」
「そ、そう。ならいいんだけど」
せっかく恋人同士だけで過ごす日曜日に自分がお邪魔しちゃっていいのかなぁ…と遊戯は迷ったが、結局城之内の押しに負けて承諾する事になってしまった。
そう…。この時まで遊戯は完全に忘れてしまっていたのだ。今は落ち着いてすっかり大人しくなった海馬が、元は奇天烈な人外並の生物だという事を…。
次の日曜日、遊戯は約束した時間に海馬邸に辿り着いた。遊戯が来る事は既に邸の人間にも連絡が行き渡っていたようで、メイドに案内されて食堂まで連れて来られると、そこには既に海馬が上座に座っていて、入って来た遊戯を見て手招きをする。
「よく来たな遊戯。貴様の席はこっちだぞ」
その言葉におずおずと近寄って指名された席に座ると、海馬は何故か得意そうに胸を張って厨房を指差した。
「凡骨は今調理中だ。もう少しで出来るだろうから大人しく待っているがいい」
「あー…。本当に城之内君が料理してるんだね。それはそうと、急にゴメンね。迷惑じゃなかった?」
「別にオレは構わないぞ。凡骨がいいと言ったのならそれでいい」
海馬の穏やかな表情を見て、遊戯はホッと胸を撫で下ろした。
せっかくの恋人同士の時間を邪魔して海馬に不機嫌になられたら困るからだ。
料理が来るまでの間、デュエルの事や学校の事などを二人で話していると、厨房から城之内がワゴンを押してくるのが目に入ってくる。どうやら準備が整ったらしい。
「はい、おまたせ-。今日はイタリアンだからな。一杯食えよ?」
そう言って城之内が差し出した皿には、美味しそうなカルボナーラが盛られていた。
温かな湯気の中に甘いクリームと濃厚なチーズ、そして黒胡椒のスパイシーな香りが漂ってきて、空腹だった胃がグゥと鳴るのを感じる。
「わぁ、美味しそう! コレ本当に城之内君が作ったの?」
「おうよ!」
自信満々にそう言いつつ、城之内はまず一つ目の皿を遊戯の前に差し出した。それを見て遊戯は慌ててそれを止める。
「あ、僕は後でいいから…。先に海馬君に」
「何言ってんだ? 普通はお客様が先だろ? それに海馬のは別にあるからいいんだ」
「え…。で…でも…」
恐る恐る脇に座る海馬に目線を向けると、海馬は意に関せずと言った表情で黙って座っている。それを見て遊戯は諦めて、城之内が食事の準備してくれるのに任せていた。
目の前のテーブルには出来たてのカルボナーラとスープカップに入った野菜たっぷりのコンソメスープ、それに小皿にまるで絵のように飾られたカプレーゼとバケットのガーリックトーストまでが綺麗に並べられて、まるで高級レストランのランチのようだった。
遊戯がそれに感動していると、粗方遊戯への給仕を追えた城之内はワゴンを押して今度は海馬の側まで行く。そして彼の前に差し出されたカルボナーラを見て…遊戯は思わず目を剥いた。
皿の大きさが…格段に違ったのだ。遊戯の目の前にあるパスタ皿の倍はあるだろう。そしてそこに山盛りになったカルボナーラからは大量の湯気が出ていて、その奥に座っている海馬の顔が認識出来ない程だ。
「え………?」
信じられない物を目の当たりにして思わずそれを凝視していると、今度は巨大なスープ皿に入ったコンソメスープがテーブルに置かれる。ていうかそれ…もうスープカップじゃないよね? 丼だよね?
そう遊戯が心の中でツッコミを入れていると、今度は大皿にたっぷり載せられたカプレーゼが目に入ってきた。
え…? ちょっと待って? カプレーゼってそういう料理だったったっけ? スライスされたトマトとモッツァレラチーズは凄く綺麗に並べられているし、赤と白と緑の対比が綺麗だなーとは思うけどさ。普通は僕の前に置かれているような、小皿料理じゃなかったっけ? 何でそんな大皿にずらっと並べられてるの?
余りの事に目を白黒させる遊戯を他所に、城之内は更に海馬の目の前にほぼバケット一本分はあろうかというガーリックトーストまで並べ始めた。
もうここまで来ると唖然として声も出ない。
ポカーンと口を開けっ放しにしている遊戯に苦笑しつつ、城之内は最後に自分の分のランチを用意し、そして氷の入ったグラスに三人分の水を注いで配り終えて席に着いた。
「準備おっけー! それじゃぁ、頂きます!!」
「うむ。頂きます」
「……いただ…きま…す」
元気よく城之内が号令を発すると同時に、全員が食器を持って目の前のランチに取り掛かった。
城之内が作ったランチはどれも最高に美味しかった。カルボナーラは濃厚なチーズやクリームがパスタによく絡みついていて、それでいて黒胡椒のスパイシーな香りが全体的にくどくさせずに飽きずに食べることが出来た。コンソメスープも野菜が柔らかくなるまで煮込まれていて味がよく染みて美味しかったし、カプレーゼも甘酸っぱいトマトとあっさりとしたモッツァレラチーズの組み合わせが最高で、バジルのアクセントも良い味を出している。それにその合間に食べるガーリックトーストも、上品なガーリックの香りと芳ばしいバケットが本当に美味しかった。
………筈なのだが、遊戯は目の前の光景から目を離すことが出来ずに、その殆どの味をよく覚えられなかった。
流石に海馬だけあって、食べ方は非常に上品なのだ。フォークやスプーンを上手に使って、パスタやスープやカプレーゼを一口一口綺麗に食べている。ただ、その一口が問題なのだ。
その小さい口のどこにその大きさが入るの? というぐらいの巨大な塊をヒョイと口の中に放り込み、いつの間にか租借されて消えている。
一つ一つの動作が優雅な為つい騙されがちになるが、遊戯は海馬が物を食べるスピードが異様に速い事にも気がついた。あれだけ大量に並べられていた料理が、あっという間に消えていく。瞬きを一つする度に、そこにあった筈の料理がもう彼の胃の中に移動してしまっているのだ。それはもうマジックだった。いや、むしろ本物の魔法と言っても過言ではないだろう。
遊戯が自分のランチをまだ半分しか食べていないというのに、すっかり自分の分を平らげてしまった海馬は、次の瞬間恐ろしい事を口走った。
「凡骨、おかわりは?」
お、おかわりぃーっ!?
あんだけ食べてまだ食べるの!? ていうかそこにあった料理は一体どこに消えたの!? 海馬君のお腹、全然引っ込んだままなんですけど…。ブラックホールなの!? 海馬君の胃はブラックホールなの!?
海馬の発言で遊戯があわあわしていても、城之内は慣れているのか、別に驚くことも無く黙ってその場を立ち上がった。
「パスタはもう無いけど、スープとガーリックトーストだったらまだあるぜ」
「ふむ。ではそれだけで構わん」
「了解ー!」
海馬の言葉を受けて、城之内が厨房へと消えていく。
それだけでって…。あんだけ食べてまだ食べられるんだ…。
遊戯は海馬の食いっぷりにあてられて、すっかり食欲を無くしてしまった。とは言ってもせっかく城之内が作ってくれたランチを残す事も憚られ、その後は美味しい筈のランチを無理矢理胃に詰め込む作業に専念する事になったのである。
数十分後、結局おかわりした分のスープとガーリックトーストも綺麗に食べ終わった海馬の「凡骨、デザートを持ってこい」の一言でテーブルに並べられたケーキを、遊戯はウンザリした気持ちで見ていた。
いくら城之内とは言え流石にデザートまでには手が回らなかったらしく、今目の前に置かれているオレンジのカップケーキは海馬邸のパティシエが作ったものだという。
甘いオレンジのスライスが乗った小さくて可愛いカップケーキは、見ているとそれだけで幸せになりそうだった。遊戯がうんざりしているのは、自分用に用意されたその小さなカップケーキでは無い。海馬の目の前に置かれた、ワンホール分あるオレンジケーキだった…。
まさかそれを一人で食べるんじゃないよね…? と心の中で疑問を投げかけるが、どこかでそれを肯定する声も聞こえている。
案の定、海馬はデザート用のナイフを持ってケーキをざっくりと切り分けると、一番大きな塊にフォークを刺して…一口で食べてしまった。
あ り え な い …っ !!
すっかり顔面蒼白になってしまった遊戯は、自分の分のケーキに手を付けることを忘れて、目の前の光景に釘付けになる。
ケーキと一緒に出されたコーヒーを飲みながら、海馬はもの凄いスピードでケーキを胃の中に収めていく。数分後、遊戯が見詰めたケーキ皿の上には、何も残ってはいなかった…。
最後に残っていたコーヒーを全て飲み干し、ナプキンを口元に当てケプッと酷く可愛らしいゲップを一つすると、海馬はその場から立ち上がる。そして城之内に向かって言った。
「ふむ。今日も美味かったぞ凡骨」
「そりゃどーも」
「今度はデザートも作ってみてはどうだ? お前の腕なら美味しいデザートが作れると思うが」
「デザートかぁー。デザートって普通の料理とは違って、色々と計んなくちゃいけないから面倒なんだよなー…」
「慣れてしまえば大した事ないだろう。今度うちのパティシエに教えて貰うといい」
海馬はそう言うと、今度は遊戯の方に目を向けて口を開いた。
「遊戯。オレは少々しなければならない事があるから、先に失礼させて貰う。ゆっくりしていくがいい」
「あ…うん」
遊戯が頷くのを見届けると、海馬はさっさと食堂から出て行ってしまった。後に残されたのは遊戯の城之内の二人だけ。
未だ自分の目の前で起こった事が信じられなくてポカンとしている遊戯に、城之内が笑いながら話しかけてくる。
「どうだ? 凄いだろう」
「う…うん…。まさか海馬君があんなに大食いだなんて…全然知らなかったよ…」
「アイツ、普段物食べないんだよ。集中すると食欲が完全に無くなるらしくってさ、丸一日何も食べなくても全く気にならないらしい。その代わりリラックスした時に無くなった食欲が全部一気に戻って来て、こんな風に大食いに変わっちまうんだ」
「そ…そうなんだ…」
「オレも最初はすげー驚いたけど、慣れればどうって事無くなるぜ。アイツの為に大量の料理を作るのも楽しいしな」
「さすが城之内君だね…。僕にはとても出来そうにないよ…。ていうか未だに信じられないし、見てるだけでお腹一杯になっちゃう…」
はぁ~…と深く溜息を吐く遊戯に、城之内はただ面白そうに笑うだけだった。
こういうのが愛の力っていうのかな…。あんまり理解したくないけど。
すっかり膨れたお腹を擦りながら、遊戯はそんな事をゲンナリと考えていた。
それから数日後。
海馬が再び学校に来たその日の昼休みも、彼等は仲良く屋上へと連れだっていった。
城之内の手にはあの立派な重箱が入っている紙袋が握られており、その中身はもちろんみっしりと詰まった海馬の為の昼食だ。
海馬があの重箱の中身を全て平らげる様を想像して、遊戯はつい胸焼けを起こしてしまう。
まだ何も食べていないのに既に満腹感を訴える胃を何とか宥めつつ、遊戯は母親が作ってくれた普通に一人前の弁当に箸を付けるのだった。