ある日の千年パズルの中で、二つの魂によって大会議が開かれていた…。
「相棒…。俺はもう限界なんだぜ…」
はぁ~っと大きな溜息をついて肩を落とすのは、三千年前の大エジプト王朝のファラオであったアテム。
「僕もそろそろ…いい加減にして欲しいと思ってるよ…」
その向かいで呆れた表情を浮かべるのは、現代にてそのファラオの魂に身体を貸している遊戯。
彼等が何をそんなに悩んでいるのかというと、何て事は無い、親友達による恋愛相談であった。
「俺が海馬に城之内君への恋愛相談を受け始めてから早三ヶ月…。ネガティブになる度に、所構わず呼び出して愚痴るのは止めて貰いたいんだぜ…」
「僕もだよ、もう一人の僕。城之内君から海馬君への恋愛相談が始まって三ヶ月…。一人で勝手に盛り上がったり盛り下がったりして、僕もどう対処したらいいかわかんなくなるからいい加減にして欲しいんだよね…」
二人揃ってはぁ~っと大きく息を吐く。
「僕もうそろそろ、あの二人に『君らは両思いなんだ!! さっさとくっついてくれ!!』って思いっきり叫んでやりたいんだけど、やっぱダメかな?」
「流石にそれは不味いんじゃないか、相棒? 城之内君はともかく海馬の反応が怖いぜ」
アテムの答えに遊戯はう~ん…と唸る。
「じゃやっぱり、あの作戦しか無いかな~?」
「そうだな。そろそろだしな」
「準備はバッチリだから、後は僕らが上手く動ければ完璧だね」
「あぁ! 海馬は俺が何とかするから、相棒は城之内君を上手く誘導してくれ!」
「任せてよ、もう一人の僕!!」
二人はお互いに頷き合うと、ビッと親指を立て作戦の成功を誓った。