ここは『無限の黄昏 幽玄の月』を書くに至って、物語に深く関係する用語を解説する為に纏めたページになります。
一応あいうえお順に並んでいますが、物語が進んで行くにあたって用語や解説も少しずつ増やしていく予定です。
ていうかですね…。
ここ…他の方の為というよりは、むしろ自分の為のページなんですよね…w
用語を纏めとかないと分からなくなるのは、間違い無く二礼本人です。はい(´∀`;
興味のある方だけ御覧になって下さい~!
【あ~お】
【か~こ】
海馬家
三大分家の内の一つ。
黒龍町(旧黒龍村)の東を守り、『光』の力を有する。
始祖は城之内静香が黒龍心の力を借りて産んだ三番目の子供。
海馬瀬人
海馬家出身の神官で、第百代目の贄の巫女。
弟に海馬モクバがいる。
見届けの巫女によれば、千年前に亡くなった筈の城之内克也の恋人「せと」に外面も内面も良く似ているらしい。
千年前の悲劇の話を聞くと、たまに過去の映像や音声が脳裏で甦る事がある。
海馬モクバ
海馬瀬人の実弟。
今は贄の巫女になってしまった兄の代わりに、幼いながらも海馬家の当主を努めている。
黒炎刀
城之内家の選ばれた神官のみが使える神刀。
今までこの刀を使えたのは、城之内家の初代当主と、悲劇時に活躍した城之内克也の二人だけだった。
見た目はただの日本刀だが、選ばれた者が使うと刀身に黒炎を纏い、その炎によって異形の者を浄化すると言われている。
柄に二対の鈴が付いていたが、その内の一つは行方不明になってしまった。
黒龍神
黒龍神社に祀られている龍神。
炎を司る神であるが、龍神らしく神聖なる雨を降らす事も出来る。
千年前、二人の人間の子供を心から愛してこの世に生まれさせたが、(ある意味)どちらにも裏切られてしまった。
神としての自分の声をはっきり聞く事が出来るのは、見届けの巫女である静香一人だけである。
千年前の悲劇を良しとはせず、首謀者である城之内克也と、その妹の静香に罪を課せた。
特に城之内の身柄に限っては、未だに自らが作った贖罪の神域に幽閉したままである。
黒龍神社
黒龍町(旧黒龍村)の中心から少し南に行った場所にある神社。龍神である黒龍神を祀っている。
元々は、本家と呼ばれる城之内家だけがこの神社での神事を預かっていた。
現在は三大分家と、城之内家に縁が深い者達で神社を守っている。
黒龍町(旧黒龍村)に住む人間にとっては、まさに生活の中心となっている神社で、未だにこの神社を中心として町(村)は動いている。
黒龍町
旧黒龍村。現在は総人口200人ちょっとの小さな山間の町。
町の中心地から少し南に行った場所に黒龍神社を抱え、その神社を中心として町は動いている。
千年前の悲劇の舞台となった場所。
現在は一部の人間を除いた殆どの町民は、例の千年前の悲劇はただのお伽噺だと信じている。
黒龍村
現在の黒龍町。千年前の悲劇が起こった場所。
当時の総人口は100人を少し超える程度。それが悲劇によって20人弱まで一気に人口が減ってしまった。
悲劇の後は生き残った者が子孫を増やしたり、外部からの移民を受け入れたりして村を復興させていったらしい。
また黒龍神直々に繁栄を約束された三大分家も、村の人口回復に尽力したと思われる。
村の中心地から少し南に行った場所に黒龍神社を抱え、その神社を中心として村は動いていた。
悲劇前は三大分家は存在せず、本家である城之内家が神事を司る一族として黒龍神社を守っていた。
【さ~そ】
三大分家
黒龍神社を守る本家・城之内家を支える一族。
武藤・漠良・海馬の三つの家により成り、それぞれ守る方角や有する力が違う。
(武藤が北と闇。漠良が西と冥。海馬が東と光)
始祖は黒龍神に力を授けられた見届けの巫女により生まれた三人の子供。
十年に一度、贖罪の神域へと送られる贄の巫女が生まれるのも、この三大分家である。
城之内家
黒龍神社を守る本家と呼ばれる一族。
元はこの城之内家だけで、黒龍神社の神事一切を取り仕切っていた。
千年前の悲劇が起きてから暫くは、この城之内家の人間から贄の巫女が選出されていたが、100年後からはその役目は三大分家へと移っていった。
その頃から本家では子供が生まれなくなり、やがて全ての人間が寿命によって息絶えた。
今現在の生き残りは城之内克也と城之内静香の二人だけである。
ちなみに神刀である黒炎刀が使えるのは、この城之内家の初代と、城之内克也の二人だけであった。
城之内克也
千年前の悲劇によって食人鬼に堕ちた神官。
黒龍神に愛されて生まれて、城之内家の初代以外誰も扱う事が出来なかった黒炎刀を使う事が出来た。
元々はその黒炎刀を使って黒龍村とその村に住む人々を異形の者達から守っていたが、今まで守って来た村人の裏切りと、恋人である「せと」が食人鬼に犯されている姿を目撃して、その精神的ショックに耐えきれず理性を手放してしまった。
その結果、黒炎刀を使っての村人の虐殺という行為に走ってしまう。
更に暴走したまま実の妹を殺そうとしたところ、その妹を庇った「せと」を自ら首を跳ねて殺してしまった。
皮肉にも恋人である「せと」が100人目の犠牲者となり、本人はそのまま食人鬼へと身を堕とす事になる。
黒龍神が降らせた神聖なる雨に打たれて何とか理性を取り戻したが、そのまま黒龍神が造った贖罪の神域へと幽閉されてしまった。
悲劇から千年経った現在も、罪を償う為に幽閉されたままである。
城之内静香
千年前に黒龍神に愛されて生まれて来た巫女。
黒龍神の言葉を直に聞く事が出来る、ただ一人の人間。
千年前に罪を犯した兄・城之内克也の罪を共に償う為、黒龍神の力を借りて男性を知らないまま三人の子供を産んだ。
その子供が現在の三大分家の始祖となる。
その際に黒龍神の力により不老不死となり、事の成り行きを最後まで見届ける身届けの巫女となった。
贖罪の神域
黒龍神が食人鬼に堕ちた城之内克也を幽閉する為に作り出した神域。
基本的に外部からの接触は一切出来ないが、十年に一度の冬至の日だけ、日の出と日の入りの二回門が開く。
昼間はずっと、まるで日が沈んだ直後の夕闇のような薄闇に包まれているが、夜だけははっきりと空が見えるという。
食人鬼
文字通り、人を食べる鬼の事。
一晩で100人の人間を自らの手で殺して、その返り血を浴びた者が堕ちる鬼。
例え人間としての理性を保っていても、新月の晩だけは飢餓を抑える事が出来ない。
鬼の様相は様々だが、まるで獣のような細い瞳孔と鋭い犬歯が特徴。
城之内克也の場合は、髪の色も金色に変わってしまった。
新月
聖なる月の光が一切無い夜の事。
普段は理性によって食欲を抑えている食人鬼も、この日に限っては飢餓を抑える事が出来ない。
贄の巫女はこの新月の晩に鬼に食される事を目的として、現世より送られている。
鈴
黒炎刀の柄に付いていた鈴。
元々は二つの鈴が対になっていた。
赤い組紐が付いた方はそのまま黒炎刀の柄に結ばれたままで、青い組紐が付いた方は、城之内が恋人であるせとに想いの証として渡していた。
今は第百代目の贄の巫女である海馬瀬人が持っている。
鈴の音
第百代目の贄の巫女に選ばれた海馬瀬人が、千年前の悲劇を耳にすると時に脳裏に響く音。
この音を聴くと当時の映像や音声が、妙にはっきりと見えたり聞こえたりする。
原因は不明。
せと
千年前に城之内克也の恋人だった人物。
黒龍村でも比較的裕福な家の跡取りだった。
食人鬼の甘言に騙された村人によって誘拐され、食人鬼に引き渡されてしまう。
更に城之内を闇に堕とす為に利用され、自分を助けに来た城之内の目の前で食人鬼に犯されてしまった。
食人鬼の本当の目的が自分を犯す事では無く、城之内を自分と同じ食人鬼に堕とす事だと気付いたせとは、傷付いた自らの身体を返り見ず必死になって黒龍神社まで赴いた。
そこで城之内の妹である静香に逃げるように進言するが間に合わず、狂気に暴走した城之内と鉢合わせしてしまう。
妹の事が分からず他の村人と同じように殺そうとする城之内に、彼に妹殺しをさせる訳にはいかないと、せとは静香を庇う為に二人の間に割って入った。
結果、城之内が持っていた黒炎刀の刃によって首を跳ねられ、皮肉な事に彼が100人目の犠牲者となってしまったのである。
跳ねられた首は城之内によって贖罪の神域に持ち去られてしまった。
せとが千年前に見たり聞いたりした出来事は、現代の第百代目の贄の巫女である海馬瀬人の脳裏に鮮やかに甦る事がある。
千年前の悲劇
千年前に黒龍村で実際にあった悲しい事件。遠く西の地から食人鬼が黒龍村にやって来た事が全ての発端。
異形の者を成敗する為に神官であった城之内克也が三日三晩闘い抜いたが、途中で瀕死の重傷を負った食人鬼が降参。
城之内に対して許しを請う。
その許しを聞いて城之内は食人鬼を村から追い出すが、鬼は村に密かに戻って来て村人を甘言によって騙し始めた。
自らの命の危機感から村人はそれまで自分達を守ってくれた城之内を裏切り、食人鬼の命令通り彼の恋人である「せと」を誘拐。鬼に引き渡してしまう。
怪我のせいで意識を失っていた城之内は事態に気付くのが遅れ、事件から丸二日後、恋人を救い出す為に食人鬼の元へと駆けつけた。
そしてそこで食人鬼によって村人の裏切りを知り、更にその鬼に犯されている恋人の姿を見て、ついに理性を手放してしまう。
城之内によって瀕死の重傷を追っていた食人鬼は、復讐の為にせめて城之内を自分と同じ闇に堕とそうとしていたのだが、その呪いは不運にも成就してしまった。
狂気に暴走した城之内はまずその場で鬼の首を跳ね、更に自らを裏切った村人を黒炎刀を使って次々と虐殺していったのである。
そして最後に自らの恋人までもその手で首を跳ねて殺してしまい、食人鬼の呪い通り、闇へと身を堕とす事になってしまったのだった。
この事件により村の総人口は100人ちょっとから20人弱まで一気に減り、更に黒炎刀の炎によって村の殆どの家が焼失。
村として立ち直るまで長い時間がかかった。
更に罪を犯した城之内の為に三大分家が発足し、贄の巫女が贖罪の神域へと送られる事になり、それが現在まで続いている。
【た~と】
冬至
一年で最も日中の時間が短い日。
十年に一度、この日だけ贖罪の神域への門が開く。
日の出に一回、日の入りに一回の合計二回開き、門が開いている時間は一分に満たない。
日の出の門が開く時にそれまで贄の巫女を現世に還し、代わりに日の入りの門が開く時に新しい贄の巫女を受け入れる。
余談だが、日本ではこの日に湯船に柚子を浮かべた風呂…つまり柚子湯に入るという習慣がある。
とても良い香りがしてリラックス出来るのが特徴。
【な~の】
贄の巫女
千年前の悲劇により食人鬼へと変わってしまった城之内克也の飢えを満たす為に、十年に一度、生け贄として贖罪の神域へと送られる巫女。
三大分家のそれぞれの家の候補から、見届けの巫女を通じて黒龍神からのお告げにより選ばれる。
巫女とは本来女性に使われる言葉だが、相手をする者が男性の為、男でも女でも一様にこの名で呼ばれる。
食人鬼にその身を食されても、神域の力により一晩で怪我は全て直り、傷が残る事も無い。
ただしその回復は自らの生命力を最大限に高めて行なわれているものである為、どんなに丈夫な者でも十年も経つ頃には生命力を全て使い切ってしまって、やがて死に至る事になる。
基本的に肉や魚、五穀を食べない。
贄の巫女に選ばれた者は一年前から肉や魚を食事から抜き、更に半年前の夏至の頃から五穀も食べなくなる。
更に隠れた能力として、獣や鳥などに異常に懐かれるというものがある。
本人が意識していなくても、向こうの方から勝手に懐いてしまうのだ。
その代わり、他の人間(家族や、同じ贄の巫女候補は除外される)には余り好かれない傾向にある。
特に問題がある訳ではないが、何故か近寄ってはならないと感じるらしい。
【は~ほ】
漠良家
三大分家の内の一つ。
黒龍町(旧黒龍村)の西を守り、『冥』の力を有する。
始祖は城之内静香が黒龍心の力を借りて産んだ二番目の子供。
本家
城之内家の事。
元々黒龍神社での神事一切を取り仕切る、巫女・神官の一族であった。
【ま~も】
満月
聖なる月の光が最大限に満ちる夜の事。
この日に限っては、贖罪の神域に幽閉されている食人鬼・城之内克也と、現世にいる見届けの巫女・城之内静香との心が通じ合い、ほんの少しだけ精神内で会話をする事が可能になる。
この会話によって、この兄妹はお互いの世界の情報を交換していると思われる。
見届けの巫女
城之内静香の呼称。
千年前の悲劇の時、罪を犯した兄と共に贖罪する事を黒龍神に誓い、三大分家の為に龍神の力を借りて三つ子を産んだ。
その時に身に受けた黒龍神の力により不老不死となり、以後、全てを見届ける為に千年以上の時を生き続けている。
武藤家
三大分家の内の一つ。
黒龍町(旧黒龍村)の北を守り、『闇』の力を有する。
始祖は城之内静香が黒龍心の力を借りて産んだ一番目の子供。
【や~よ】
【ら~ろ】
【わ~ん】