日記ネタが無いときは子連れネタに限ると考えている二礼です、こんばんは。
いやぁ~、最近すっかり平和でしてね。
面白いネタが何一つ無いんですよw
という訳なので、久しぶりの子連れ城海イッキマース!
興味のある方だけ反転して下さいませ~。
(久しぶりだから設定も一応載せておきます)
海馬克人17歳(父:海馬瀬人(41歳)。母は離婚後会っていない)←今回出番無し
城之内瀬衣名17歳(父:城之内克也(41歳)。母は幼い頃に死亡)
※海馬と城之内は高校時代付き合っていましたが、一度別れてその後別々の女性と結婚しています。
子供を通じて中年になってから再会し、再び付き合い出しています。
ちなみに子供同士も付き合っています。(そして父親達が付き合っているのを知っています)
海「城之内、そろそろ瀬衣名ちゃんが戻って来る時間じゃないか?」
城「あぁ、その筈。夕飯までには帰るって言ってたからな。今日お前飯は? 一緒に食ってくか? カレーだけど」
海「そうだな。たまには三人で食べるのもいいだろう」
城「克人君は部活の合宿中だっけか。瀬衣名が寂しいって愚痴ってたぞ」
海「たまには彼氏ばかりじゃなく友人と遊ぶのも大事だと言っておけ」
城「うん。まぁそれで今日は友達と映画を見に行ったらしいけどな」
ガチャガチャバターン
城「あ、帰って来た」
海「………」
城「………」
海「…? 遅くないか? この家の廊下はそんなに長くないだろ」
城「余計なお世話だよ。マンションなんだから設計主に言ってくれ」
海「ツッコミ処はそこじゃないだろう?」
城「そういや遅いな…。何やってるんだ?」
ペタペタペタ…バタン!!
瀬「あー、暑かったぁー!! ただいま~パパ。あ、海馬のおじさま、いらっしゃいませ」
城「おかえり~って、おいぃっ!! 何でお前ブラとパンツだけなんだよ!!」
瀬「暑くて汗ビッショリだったから洗面所で脱いできたの。そのままシャワーを浴びようと思ったんだけど、着替えが無くて取りに来たのよ」
城「だからって若い娘が下着姿でうろつくな!! しかもお前、海馬がいるのに…っ!」
瀬「未来のお義父様なんだから別に構わないじゃない。あんまり細かい事気にし過ぎると禿げるわよ? パパ」
城「お前は気にし無さ過ぎだー!!」
瀬「はいはい。じゃ私はお風呂に入ってくるから。海馬のおじさま、どうぞごゆっくりv」
バタムッ!!
海「………」
城「………」
海「城之内…」
城「何?」
海「娘の育て方…間違ったな」
城「うん…。オレも今そう思った…」
海「あとな」
城「うん」
海「オレは何も見てないからな」
城「嘘吐け。バッチリ見てた癖に」
海「いや、本当にオレは見てないぞ。ただ少し…意外と巨乳だな…と思ったくらいで」
城「しっかり見てんじゃねーか」
瀬衣名は父親(城之内)の前だろうと、海馬の前だろうと、平気でブラとパンツで歩き回れるような剛胆な娘だと良いと思います(´―`)
あとプロポーションはバッチリ最高だと思います。
ちなみに瀬衣名が友達と見てきた映画は多分『M/W』だと思われます。
腐女子…なのか…?
長編『Rising sun』のAct.3(Ver.海馬)をUPしました。
実は計画的だった海馬君。
計画的レイプと書くと海馬が犯人側っぽいですが、彼はあくまでも被害者ですw
まぁ…本気でここまで酷い事されるとは考えてなかったっぽいですが。
今回『Rising sun』の城海が、いつものウチの城海とは雰囲気が全く違うというコメントをいくつか貰って、ニヤニヤが止まりません…w
違う雰囲気の城海に挑戦してみたくてこの話を書いたので、そういうコメントを頂ける事は最上級の褒め言葉だと思っております(´∀`)
壊れた城之内もウチでは初お目見えですが、この海馬も今まで書いて来なかったタイプですね。
もしかしたら今までの小説の中で、『Rising sun』の海馬が一番自立しているのかもしれませんw
あ、そうそう。
実は『Rising sun』にはイメージソングがあります。
歌詞の内容は暗過ぎるし本編とは少し内容が違うので、主にメロディーのみでイメージしていますが…w
美しく強く寂しいメロディーが、個人的に『Rising sun』にピッタリハマってしまったんです。
…エロゲの曲なんですけどね…w
『ガ/ラ/ス/の/く/つ』という曲です。
ニ/コ/ニ/コ/動/画とか検索すれば一発で出てくると思いますので、興味のある方はどうぞ聴いてみて下さいませ~!
以下は拍手のお返事になります~(´∀`)
>榊弛亞様
お久しぶりです(*'-')
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!
『Rising sun』を気に入って下さって、ありがとうございますw
今回この話を書こうとした時にレイプはどうしても外せなかったので、流石に引かれるかな…と心配していたのですが、受け入れて貰えたみたいで安心しました…(*´∀`*)
ちなみにこの城之内は、実はドSでは無いんですよ。
ドSに見えますが…w
彼はただストレスによって破壊衝動を抑えきれないだけなんですね。
海馬もその事には既に気付いています。
乙女ですけど…w
これからこの二人の関係を少しずつ正しい方向へと導いていこうと思っています。
そんなに長い連載にはならないと思いますので、まったりと読んで下されば幸いです(´∀`)
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>海鈴様
お久しぶりです~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました(*'-')
『Rising sun』にいつものウチの城海とは違う雰囲気を感じ取って下さったようで…嬉しいです(´∀`)
そういう感想を頂けると「してやったり(ニヤリ)」と思っちゃうんですよね~w
日記でも書きましたが、既にこの話のラストは決まっていますし、途中の行程も完璧に整地済みです。
プロローグだけでは想像出来ないとは思いますが、ちゃんとハッピーエンドに持っていきますのでご安心を(*'-')
それから『鎮魂歌』の感想もどうもでした~!
死についての表現や解釈が独特なのは、私が色々と経験済みなんだからだと思います。
普通の人だったらもっと歳取ってから経験するような事を、十代早々で体験しちゃったりしてるんでね…w
新婚時代に危うく相棒と死別しそうになったりとかもありましたし…(´∀`;
(彼は無事生還しましたw)
まぁ…人生において起こる出来事は、全て自分に取って必要なものばかりであり、不要なものなんて一つも無いんですよね。
色んな体験をして一杯して、人生を深く楽しめればそれでいいと思っています(*'-')
…という事を、海鈴様のコメントを見て気付かされました。
こちらこそありがとうございます(*´д`*)
ちなみにお別れはいやんですw
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、いつもありがとうございます~!!(*´д`*)
『Rising sun』の感想をありがとうございます。
確かにウチでの陵辱系は珍しいですよね。
基本甘々なハッピーエンド好きってのもありますが、少し実験的というか…清水の舞台から飛び降りるつもりで書いておりますw
でもRosebank様もコメントで仰っていますが、ドロドロの愛憎劇にはしたくないんですよ。
切っ掛けはレイプという痛々しい出来事ですが、そこから海馬がいかにして城之内を救っていくか、そして城之内が如何にして立ち直っていくか、そういう部分に力を入れて書いていこうと思っています。
そういう訳でレイプを前面に押し出してはいますが、本題はそこじゃ無いんです(´∀`)
聡いRosebank様ならもう気付かれたのでは無いでしょうか…?
あとRosebank様は『レイプ後の海馬をそのまま十字架に架けたら~』というコメントを書いてらっしゃいましたが、実はイメージの一つにピエタがあります。
(キリスト教の聖母子像のうち、 死んだキリストを抱く母マリアの絵や彫刻の事です。ググれば一発で出て来ますよ~)
ピエタと言っても別に城之内を殺すつもりは無く(笑)、イメージを貰ったのはマリアの方のみですが…w
まぁ…あんな感じで海馬を究極の慈愛系に育てあげようと。
そう言う訳でございますw
ちなみにレイプ中の海馬の様子に関しては、Rosebank様のご想像にお任せ致します(*´∀`*)
先程も言いましたが、レイプはあくまで物語の切っ掛けに過ぎないので、余り深く掘り下げようとは思っていないのです。
そこら辺も今までとはちょっと違う感じになるんじゃないでしょうか。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
2009年7月アーカイブ
朧気な意識の中、城之内が何かを言っているのが耳に入ってきていた。
「残念だったな…海馬。お前はもうオレから逃げられない。これからずっとオレと一緒に夜を過ごしていくんだ。朝は来ない…。オレとお前の関係に夜明けが来る事は絶対にない。悪いけど、ここまで来たらもう引き返せ無いんだよ。だから精々頑張ってオレに付合ってくれ。オレの為に…犠牲になってくれ」
身体中痛くて辛くて指一本すら動かせず、瞼を開ける事さえ出来ない。
呼吸をするのもやっとの状況で、城之内の悲しそうな台詞だけははっきりと耳に届いていた。
また…泣いている…。
何故かそう思った。
誰の気配も無くなったのを確認してそっと目を開ける。
用具室は先程より薄暗くなっていた。
明かり取りの窓から見える空は、既に夕焼けで赤くなりつつある。
「つぅ…っ!!」
マットに手をついてそっと身体を起こしかけて、突如下半身から感じた激痛に動きが止まる。
ズキズキと感じる熱と痛みに、確かめなくても自分の身体がどうなっているのか嫌でも分かった。
ゆっくりと深く息を吐き出して、そろそろと身を起こす。
これがいくら自分の作り出した状況とはいえ、想像以上の辛さに冷や汗が滲んだ。
壁に手をついて立ち上がり一歩足を踏み出すと、身体の奥からドロリと何かが伝い落ちる感覚がして思わず身体の動きを止めてしまう。
それが何かなんて…考えなくても分かった。
伝い落ちる城之内の精液に小さく舌打ちをして、オレは用具室の隣のシャワールームに向かう。
この体育館の構造は既に下調べが済んでいた。
鍵の掛けられる用具室がある事も、その直ぐ隣に運動部員達が使うシャワールームがある事も。
ついでに言えばこの日は体育館を使う運動部が一切無いことも知っていた。
城之内の様子がおかしいのに気付いたのは、今から半月程前の事だった。
これがただのクラスメイトだったのなら、もしくは城之内と今までのような険悪な仲を貫き通していたら、些細な変化に全く気付かずにいたと思う。
だけどオレは気付いてしまった。
大分前から城之内への恋心を抱いていたオレにとっては、その変化は実に大きなものだったのだ。
城之内が…笑わなくなった。
いや、表情の上では笑っている。いつもの友人達と楽しそうに喋ったり遊んだりして、今までと同じように笑っていた。
だが心が笑っていない。
そしていつも何かに疲れたかのように表情に陰りが見え始め、気付いたら目に光が無くなっていた。
ふいに泣いている…と思ってしまった。
別に彼の涙を見た訳ではない。だがオレには城之内が泣いているようにしか見えなかった。
オレは…城之内の笑顔が好きだった。
あの太陽のような明るい笑顔にオレは救われていたのだ。
別にこの気持ちを城之内に知って貰わなくてもいい…。ただ遠くからその笑顔を見ているだけで良かったのに。
それが完全に失われてしまった事にオレは動揺してしまった。
心配の余り即座に部下に城之内の身辺を調べさせたオレは、提出された報告書に愕然とする事になる。
二ヶ月ほど前に父親が倒れて入院していた。
その入院費用を稼ぐ為だろう。城之内は朝早くの新聞配達から夜遅くのバイトまで、とにかく一日中働き詰めになっていたのだ。更に運が悪い事に、最近離れて暮らす母親までが入院したとの報せもあった。家の電話や携帯の通話記録を見ると、随分遅くまで誰かと電話しているのも分かった。相手は多分城之内の妹だろう。
兄妹間で親の具合を話し合うのは当然だろうとは思えたが、その通話記録が異常だった。ほぼ毎日通話している上に、一回の通話時間が最低でも一時間。酷い時だと三時間を超えている。
夜遅くまでそんなに電話していて、それでいて新聞配達のバイトにはきちんと行っているのだ。
これではいつ眠っているのか分からない。
城之内が壊れてしまった理由が分かったような気がした。
ここまで知ったからには、オレはもう黙って見ている事は出来なかった。
城之内の為に何かしてやりたかったが、だが何をすればいいと言うのだろう。
元々が険悪な仲だっただけに、オレはともかく城之内は未だにオレに対して苦手意識を持っている筈だ。そんな人間にいきなり好意や親切心を向けられても、すぐに信じられる訳がない。
そこまで考えて、オレは唐突に思い付いた。
好意を信じて貰える事が出来ないのなら、だったら怒りを向けさせればいいと…。
胸の内に溜め込んだ怒りをオレに向けてそれを爆発させて、少しでも城之内の心が軽くなればいいと…そう考えた。
そして男にとって、怒りを爆発させ衝動を解放させられる一番簡単で手っ取り早い手段が…レイプだった。
ここ最近、オレはずっと城之内にレイプされる夢ばかり見ていた。
シチュエーションは実に様々だった。
城之内に学校の屋上に呼び出されてその場で犯されたりとか。
夜道を一人で歩いていたらいつの間にか城之内に付けられていて、草むらに押し倒されて犯されたりとか。
城之内の家に誘われて遊びに行ったら、そのまま閉じ込められて犯されたりとか。
時や場所はその都度変わるものの、オレが城之内に無理矢理犯されるという状況だけは変わらなかった。
ただ城之内がどんなに酷くオレの事を犯してきても、彼を恨む気持ちは少しも湧いては来なかった。
夢の中の城之内は…オレを犯す度に泣いていたのだ。
オレの身体を無理矢理暴きながら、「ゴメン…ゴメン…」と泣きながら謝っていた。
それが酷く悲しくて、オレは最後はいつも奴の頬に手を伸ばしその流れてくる涙を拭いながら「泣くな…」と囁いてやっていた。
現実の城之内は泣いてはいなかった。
恐ろしい顔をして、微かに笑みさえ浮かべてオレを犯していた。
勿論涙なんて流してはいない。
だけどやっぱりオレは、彼が泣いているように見えてしまった。
乾いた頬に夢と同じように手を伸ばし、「泣くな…」と囁く。
ふいに一瞬。
ほんの一瞬だけその顔が歪んで、表情が本物の泣き顔になった。
次の瞬間には元の恐ろしげな笑みを浮かべている表情に戻ってしまったが、オレは薄れゆく意識の中で確信していた。
城之内は…やはり泣いていたのだ…と。
体育館のシャワールームでぬるい湯を浴びながら、オレは自分の下半身に手を伸ばした。
腫れて熱を持っているそこに指が触れると、引き攣ったような痛みが走る。
思わず「ひっ…!」と悲鳴を上げてしまうが、それでもオレはゆっくりとそこに指を埋め、中に溜まっていたものを絡み取って指を引き抜いた。指先には城之内の精液と自分の血液がたっぷりと絡みついていた。それをシャワーの湯で流してしまうと、もう一度同じように自分の体内に指を埋める。
何度も何度も繰り返して、漸く指先に何も付かなくなったのを確認してシャワーを止めた。
既に用意してあったタオルで身体を拭き、同じように用意済みだった着替えに袖を通す。
城之内を焚きつければ、こんな行動に出る事は何となく分かっていた。
だから呼び出す場所を、敢えて他に誰もいない所にしたのだ。
他にも色々候補はあったが、やはり行為後の処理が出来るシャワールームがあるという点で体育館が一番だった。
もし何も起こらなければ、それならそれで良かった。そこからだったらもっと容易に話が進められただろう。
だが城之内の状態は思った以上に悪化していたらしい。
こちらの話を聞いて貰う暇もなく、レイプを実行されてしまった。
本当だったら何の抵抗もせず、全てを任せるつもりだった。だけどやはり恐怖心に打ち勝つ事は出来ず、無理矢理暴かれる身体の痛みに耐えきれなくて、痛い、苦しい、やめてくれと涙ながらに訴え、責め苦から逃げようと必死で抵抗してしまった。
勿論そんな事で城之内が止まってくれる事は無かったが…。
「城之内…」
小さく名前を呟くと、途端に視界が歪んで来る。
流れ落ちる涙を何度も拭いながら、シャツのボタンを嵌めていった。
長い時間を掛けて着替えを終えて、大分暗くなってしまった用具室に戻ってきた。
電気を付けると思った以上に酷い惨状が目に入ってきて、額に手を当てて溜息をつく。それでもその場所をそのままにはしておけないので、破れたシャツでその辺に飛び散った精液や血液を綺麗に拭いておいた。マットの汚れも元々汚かった為かそんなに目立つ事は無く大丈夫そうで安心する。
他の衣服や鞄などを掻き集めていると、ふと足元に自分の携帯が落ちているのを発見した。
取り上げてみるとメール着信を知らせるランプが付いている。
二つ折りの携帯を広げてメールを確認して、目に入ってきた画像に目眩がした。
それは事後のオレを写したものだった。
先程は身体の処理をするので精一杯で自分がどうなっているのか大して確認もしなかったのだが、改めて画像で見せられると随分と酷い状態だったのがよく分かる。
メールの発送者は勿論城之内。
題名は無題。
ただ画像の下には『これでお前は逃げられないんだからな。覚悟しろよ』と短い文章が添えられていた。
それを見て、止まった涙がまた零れ落ちてくる。
怒りや悔しさは全く感じなかった。
感じるのは…ただ悲しさのみ。
城之内…。
オレはどうしたらお前を救える?
どうしたらお前の心を元に戻す事が出来る?
もうあんな泣き顔を見るのは嫌なんだ。
涙も流さず笑みさえ浮かべて、壊れたまま泣き続けるお前を見るのは辛過ぎる。
お前を救いたい。
お前が今陥っている状況から助け出したい。
そしてお前の心そのものを救いたい。
もう一度、あの明るい本物の笑顔が見たいんだ。
その為には、オレはどんな犠牲になろうとも耐えてみせよう。
お前の為ならば何でも出来る。
お前を救う為ならば、何でも我慢出来る。
だからオレにお前を救わせてくれ…。
頼む…城之内…。
携帯を閉じてそれを握りしめた。
先程、帰る間際の城之内の声が脳裏に甦ってくる。
彼は夜明けは来ないと言っていた。
だがオレは知っている。
夜明けは必ず来る。朝が来ない夜なんて無いという事を。
その事を…城之内に知って欲しかった。
「必ずお前に朝日を拝ませてやるぞ…、城之内…っ!!」
オレはそう心の中で強く誓った。
それが城之内の救いになると信じて。
小説のブラック具合が楽しくなってきた二礼です、こんばんは。
ヤバイw 陵辱系超楽しいwwwwww
今までのスランプ(実は少々スランプ気味でした)がまるで嘘のようにもりもり筆もといキーボードタッチが進みます。
基本ハッピーエンド好きなので『陵辱』とか『レイプ』とか(同じか)を敢えて避けてきていたんですが、やってみると楽しいですなぁ…(´∀`)
でもただ痛くて暗い展開を楽しんでいる訳じゃ無くて、ちゃんとゴールを設定してあるからこそ安心して途中経過を楽しめるんですよね~。
やっぱり私はプロットが無いとダメっぽいですw
うん。この調子なら最後まで一気に書けそうDA!!
という訳で長編『Rising sun』のAct.2(Ver.城之内)をUPしました。
昨日の日記には書きませんでしたが、これは崩壊系城之内×慈愛系海馬のお話でございます。
ていうか見直してみたら…城之内の壊れっぷりが凄いな…コレw
ゴメンね~城之内…(´∀`;
まぁ…でも、悪いようにはしないから、ちょっと我慢しておくれw
以下は拍手のお返事になります~!!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(*'-')
『Rising sun』の感想をありがとうございます。
おぉ…、やっぱりRosebank様は凄いな…っ!!
早速この小説での城海の役割分担を見抜いていますね…w
まだ物語が序盤にも関わらず、ちゃんと『Rising sun』での城海の位置付けを把握されたのは流石だと思いました。
この小説での城之内と海馬の解釈は、それで100%合っていますよ~。
そうそう、静香ちゃんの事ですが…。
実は二礼は静香ちゃんに対して、二通りのイメージを持っています。
一つはRosebank様と同じ、同じ年頃の他の子よりずっと芯がしっかりしていて、他の人に全く迷惑をかけない&周りを支えるイメージ。
そしてもう一つは、いつもはしっかりしているのに、離れて暮らす兄に対してだけは極端に甘えが抜けないイメージです。
大概に置いては前者のイメージで通しているのですが、今回は敢えて後者のイメージを使って道化になって貰いました。
必要以上に他人に頼られて、また城之内がそれを断れない状況を考えた時に、この後者の静香を使うのが一番適任だと思ったんです。
結果、いつもは良い子の静香が少々悪者になってしまいましたが、まぁ…こういうのも有りという事でお許し下さいませ…(´∀`;
ちなみに、城之内は父親の事を静香に対しては言って無いんじゃないかな…と思われます。
多分言おうと思っても先に静香が「お母さんが…」とか言い出しちゃったら、それを引っ込めちゃうんでしょうね。
その兄らしい優しさがより城之内を追い詰めているとは、両者とも気付いて無いんじゃないでしょうか。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
体育館に着くと、用具室の扉に寄りかかるようにして海馬が待っていた。
海馬以外は誰もいない。
そう言えば今日は偶然にも、体育館での部活等が一切無い日だと気付いた。
シンとした空間に響くオレの足音に海馬が気付いたらしく、扉から身体を離して黙ってオレを見詰めてくる。
自分から話があるって呼び出したんだろう? 何で黙ってるんだよ。
そんな些細な事にも苛つきながら、オレは海馬の前まで歩み寄った。
「このメモ、寄越したのお前だよな?」
「あぁ、そうだ」
「で、話って何? 何でもいいけど早くしてくれないかな。オレあんま時間無いんだ」
「それだ」
「は? 何?」
「オレの話というのはそれだ。城之内…、オレを頼る気は無いか?」
海馬の言葉の意味が分からなくて、一瞬目を丸くして固まってしまった。
頼る? 頼るって何を? つか何で?
オレが二の句を告げないでいると、海馬がオレの目を見詰めたまま再び口を開いた。
「近頃貴様の様子がおかしかったのでな…、少し調べさせて貰ったのだ」
「おかしいって…何が…。つーか、調べたって何をだよ!!」
「気が付いてなかったのか? 貴様、この頃全く笑ってなかったのだぞ。お友達共に向ける笑いもどこか引き攣っていたし、何より泣いていたではないか」
「なっ…、泣いたって…っ! 泣いてねーよ! 何言ってんだお前!!」
「厳密には泣いてはいなかったかもな。涙を流してはいなかったし。だが確かに泣いていたぞ。オレにはそう見えた」
「………っ」
「だからオレはそれが気になって、部下にお前の状況を調べさせたのだ。そうしたら随分大変な事になっているようだな」
「海馬…。お前…っ」
「一人で頑張っていても埒があかないだろう。だからオレを頼れと言ったのだ」
目の前の海馬は、至極当然な事を言っているように自信満々な顔でオレを見ていた。
ていうかさ、何勝手に人の家の事情を調べてるんだよ。
そういうのって凄く失礼じゃないか?
頼るとか頼らないとか、そんな事知らねぇよ!!
いいから放っておいてくれよ。オレを早く帰らせてくれよ。
何の罪悪感も無さそうな海馬の顔に、苛々が最高潮に達する。
怒りで震える声を何とか抑えて、言葉を紡ぎ出した。
「何で…急に…そんな事言い出すんだよ?」
「理由が必要か?」
「当たり前だろ!」
「そうか。理由がいるならきちんと話すべきだな。オレがお前を好きだからだ」
「………は?」
「好きだから…力になりたい。そう思うのは変か?」
一瞬海馬の言った言葉が理解出来なかった。
好きだからって…、コイツ何言ってんの?
これまで散々オレを馬鹿にしてきたヤツが急にそんな事言ってきても信じられる訳ないし、ましてやこの状況下ではただの笑い話にしかならない。
だけどオレを見詰める海馬の顔は至極真剣だった。
「オレはお前が好きだ。だからお前にもうそんな顔はして欲しく無い。大変な状況に追い込まれている事も知っている。だから何か手助けがしたいのだ。何でもいい。オレに出来る事はないか? やれる事を言ってくれ」
一言一言を区切るようにはっきりとオレにそう告げ、手を差し出してくる。
オレはこの告白を、もっと余裕がある時に聞きたかった。
だってそうだろ?
ずっと憧れてやまなかったヤツからこんな告白をされたら、嬉しくて嬉しくて天にも昇る気持ちになるだろう。
それはどんなにか幸せな事だろうか。
だけど…残念な事に今のオレにはそんな気持ちの余裕は一片も無かった。
爆発寸前に逆立った気持ちを抱えたオレの前に突如降りてきた生け贄。
海馬の事はそんな風にしか思えなかったんだ。
突如脳裏にあの夢の映像が甦ってくる。
放課後の誰もいない体育館の片隅で海馬と二人きりで存在しているなんて、何だかあの夢と状況が酷似しているような気がしていた。
自分でも知らない内に手が伸びていた。
差し出された手首をギュッと握る。
細い手首だった。力を入れれば簡単に折れてしまいそうな。
カッと頭に血が昇る。
心臓がドクドク鳴り響いて煩い位だった。
掴んだ海馬の手首の細さ。
襟元から覗く細い首元の真っ白い肌の色。
近場に居る為に漂ってくる上品なシャンプーの匂い。
「………? 城之内…?」
オレの様子がオカシイのに海馬が漸く気付く。
だけど、時既に遅し。
オレの頭はあの夢に支配されてしまっていて、自分で自分の行動を止める事はもう出来なかった。
掴んだままの手首をグイッと引っ張って、そのまま海馬の身体を用具室の中に引き吊り込んだ。
「なっ…! 何だ凡骨…っ!!」
「いいから…っ!」
「っ………!!」
何が「いいから」なんだか自分でも分からない。
畳んであるマットの上に細い身体を突き飛ばして、オレは用具室の重い扉を閉めてしっかりと鍵を掛け、そして振り返った。
ここまでされても、海馬は自分がまだ何をされるのか分かっていないらしい。
だけどオレの様子がいつもと違うことには気付いているのだろう。
怯えた瞳でオレを見上げて震えていた。
夢の中と酷似したその状況は、オレから正常な判断力を奪っていく。
もうここが現実なのか、それともいつもの夢の中なのか、その境界すら曖昧になっていた。
「海馬…」
震える声で話しかける。
知らず口元に笑みが浮かんだ。
「海馬…。お前、オレの事が好きなんだろう? 何でも協力してくれるんだろう? だったら…オレのストレス解消に付合ってくれよ…。なぁ…いいだろ? なぁ!」
叫ぶように言い放って、余りの恐怖の為に震えて身動きが出来ない海馬に近付いて行く。
夢の中の海馬にぶつけるべき衝動を、よりによって現実の海馬にぶつける為に…。
気が付いたら…全て終わっていた。
狭い用具室の中は、海馬が暴れたせいで巻き上げられた埃と、オレと海馬の汗と精液と、そして白い足の間から流れる血の匂いで溢れかえっている。
畳まれたマットの上で、海馬は気を失っていた。
上半身は破かれたシャツを申し訳程度に羽織り、下半身には何も身に付けていない。
白い肌のあちこちに赤いひっかき傷や擦り傷が出来て、白いシャツにも血が滲んでいた。
腹の上には海馬が自分で出した精液がこびりつき、白い内股にはオレが吐き出した精液と、無理矢理引き裂かれた為に裂けて流れ出した真っ赤な血液が、酷くその場所を汚していた。
顔は涙でグシャグシャになっていて、苦しげに僅かに唇を開いたまま死んだように眠っている。
その悲壮感漂う姿を見て、オレは何故か笑いたくなってきた。
オレが犯した。
この海馬瀬人を、オレが犯した。
夢でも何でも無い、現実で海馬を犯した。
泣きながら抵抗する海馬を押さえつけて、猛るペニスを無理矢理押し込んだ。
痛い、苦しい、やめてくれと懇願するのを、「うるせぇ!!」と叫んで頬を引っぱたく事で黙らせた。
それだけ酷い事をされている筈なのに、海馬の目には恨みの色が全く浮かんではいなかった。
むしろ最後の方なんかオレの頬に震える手を伸ばしてきて、そっと撫でて「泣くな…」と小さく囁いていた。
泣いてんのはお前だろとか思ったけど、言い返すのも面倒臭くてそのまま無理に腰を進めていたら、海馬はいつの間にか気を失っていたという訳だ。
「ふっ…。はは…。あははは…っ」
涙で濡れ、血の気を失った顔を見詰めていたら、勝手に笑い声が出て来た。
悲しいのか楽しいのか泣きたいのかおかしいのか、自分の気持ちが分からない。
ただただ笑いたくなった。
笑いながらズボンのポケットから携帯を取り出して、マットの上で死体のように横たわる海馬の姿を接写する。
涙で濡れそぼる顔のアップと、血と精液で汚れた内股のアップ、それに海馬自身の精液のこびりついた腹部のアップ。
最後に海馬の姿の全体を撮っておいた。
先程海馬の服を無理矢理剥ぎ取った際に転がり出て来た携帯が足元に転がっているのを見て、それを拾い上げる。
そして双方の携帯を弄って赤外線通信をし、海馬の携帯にオレの名前をしっかりと登録しておいた。
「これで逃げられない…」
パチリと音を立てて携帯を閉じ、もう用済みとばかりに海馬の足元に転がしておいた。
「残念だったな…海馬。お前はもうオレから逃げられない。これからずっとオレと一緒に夜を過ごしていくんだ。朝は来ない…。オレとお前の関係に夜明けが来る事は絶対にない。悪いけど、ここまで来たらもう引き返せ無いんだよ。だから精々頑張ってオレに付合ってくれ。オレの為に…犠牲になってくれ」
ピクリとも動かない海馬にそう言い捨てて、オレは体育館を後にする。
家に帰り着くまで、何故かずっと笑いが止まらなかった。
ちっとも楽しくなんかなかったのに…。
とりあえずネタを纏めてみた二礼です、こんばんは。
先日、ネタが多すぎて~みたいな事を日記で書きましたが、とりあえず頭の中を整理する為に書きたいものだけを書き出してみました。
結果、書くと決めたのは以下の通り。
以前からプロットを纏めていた暗い&痛い話と、逆転系城海と、『STEP』の続きの合計3つです。
『STEP』は既に連載を始めているのでいいとして、問題は前の2つなんですよねー。
同時進行も考えましたが、私にはそんな器用な事は出来そうもないので、結局どちらか一方に絞る事に。
他の方のコメント等を見る限りどうやら逆転系城海の方が需要が高そうでしたが、やっぱり後から思い付いたネタだけに、今からプロットを纏めると物凄く時間がかかりそうだったんですよ。
それに途中の展開までは考えられても、どうしてもEDが思い付かなかったんですよねー(´∀`;
締めが決定しないまま連載とかするとグダグダになりかねないし、途中で方向性が変わったりして矛盾が発生しちゃったりするんです。
何より二礼はゴールが見えていないと、途中で飽きて放り出しちゃったりする人なんで、これはダメだな…と。
なので、結局ある程度形が作られていた暗い&痛い系の話を先にUPする事にしました。
でもコレ、思ったよりコンパクトに纏められそうなので、そんなにダラダラと長くは続かないと思います。
こういう話はちゃっちゃとやっちゃいましょうw
(その間に逆転系城海も纏めておきます…(´_ゝ`;)
という事で長編『Rising sun』のAct.0とAct.1(Ver.城之内)をUPしました。
ねー…、暗い&痛いでしょ~…(´∀`;;;
しょっぱなから城之内を壊しちゃったからねー…w
さて、既に痛くてめげそうですが、最後まで頑張りますよ~!!
どうせ二礼の事だから、最終的な展開は分かってるんだw
以下は拍手レスになります~(´∀`)
>7月26日21時台にコメントを下さった方へ
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
お疲れ様の御言葉、本当に嬉しく思いました(*´∀`*)
逆転系城海を楽しみにしていて下さったみたいですが…。
ゴメンナサイ!!
こっちを先にやらせて下さい!!(>_<)
二礼は小説を書く時、きちんとプロットを纏めておかないと書けない人なんですよ~。
短編でも簡単なメモ程度のプロットは作りますし、長編に至ってはちょっとした短編くらいの要領があるファイルを作ってから本編を書き出します。
逆転系城海は途中までの展開は既に頭の中にありましたが、どうしても最後が決まらなかった為にこのまま書き出すのは納得しかねました。
だから、もう少し熟考してから書きたいと思います。
せっかく楽しみにして頂いたのに…申し訳ないです。
でも『STEP』に関しては近い内に続きをあげる予定ですし、今回始めた連載もそう長くはやらない予定なので、逆転系城海に関しましてはもう少々お待ち下さいませ(´∀`;
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(*´д`*)
『二つの恋の物語』と日記の感想をありがとうございます。
克也は本当に…女性(瀬人は半分ですが)に対しては弱いですよね…w
瀬人やマナに対してもそうですが、本編第四話で乳母にも頭が上がらない旨を書いていた事を思い出しましたw
小さい頃は多分養母(前皇后)にも弱かったんじゃないでしょうか…(´∀`;
でもこの『女性に頭が上がらない』というのは半分は本当でも、残りの半分は多分そう見せかけているだけなんだと思います。
実際いざという時には誰も口答え出来ないような気迫を出しているので。
(本編第七話の瀬人に対する叱咤がそうですね)
でも普段はそんな本性を敢えて隠しているところがミソなんですよ~。
それだけ克也が女性に対して優しいという事なのですが(*'-')
あと瀬人の立ち会い出産に関してですが…。
多分…しないんじゃないかなぁ?
一応かなり古い時代の設定なので、旦那は黙って表で待ってろ的な雰囲気だと思いますよ。
Rosebank様のコメント通りアイシスには「出て行け」と言われて部屋の外に追い出され、赤ん坊が生まれるまでその場でウロウロとしているだけだと思いますw
で、子供が無事に生まれた後は瀬人と赤ん坊の無事を確認し、それが分かった途端本気で号泣するんじゃないでしょうかwww
ベッドに横になっている瀬人に「こっちは疲れているんだ。泣くな鬱陶しい」と半分呆れられて、半分微笑みながら言われれば幸せでいいなと思いました(´∀`)
まぁ…その後の展開は、あとは皆さんの想像にお任せする事にしますねー。
私の役目はここまでです。
それとせっかくアドバイスを頂いたのですが、やっぱり暗い&痛い話を先にUPする事にしました~。
理由は上記で話した通りですが、これをやりながら逆転系城海のプロットを纏めようと考えています。
『STEP』の試練はよく考えたら、確かにRosebank様の仰る通り大した事無かったです…w
とりあえず暫くは『STEP』の続きと『Rising sun』と、あと短編をちょろ出ししながらやっていこうと思っています。
『STEP』はホント…唯一の良心になりそうだなぁ…w
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
ここのところずっと、海馬をレイプする夢を見ていた。
シチュエーションは実に様々だった。
学校の屋上に海馬を呼び出してその場で犯したりとか。
夜道を一人で歩いているアイツの後ろから気付かれないように近付いて行って、草むらに押し倒して犯っちまったりとか。
誰もいないオレの家に誘って、甘い言葉にまんまと騙されてやって来たところを犯すとか。
それはもう、自分で自分の頭の中身を疑いたくなる程豊富なシチュエーションで、オレは海馬をレイプしまくっていた。
ただどんなに力尽くで犯しても、夢の中の海馬は絶対にオレに屈したりはしないのだ。
無理矢理身体を暴かれて痛くて苦しいだろうに、青い瞳をキッと吊上げオレを睨み続け、どんなに酷く貫いても激しく揺さぶっても、悲鳴一つ漏らさない。
下唇をギュッと強く噛んで、真っ青な瞳にオレに対する怒りと蔑みを滲ませて、涙の一つも見せずにただただ鋭い視線でオレを睨み付けていた。
レイプする場所が違っても、そこに至るまでのシチュエーションが違っても、犯されている海馬が見せるその態度だけは毎回変わらない。
だからオレは、今自分が押さえつけている海馬が見せる表情が信じられなかった。
オレが無理に腰を進める度にその口からはひっきりなしに悲鳴が漏れ、青い瞳は涙で濡れそぼっている。
必死で藻掻く両腕を一纏めにして頭上に押さえつけてやると、海馬は「ひっ…!」という引き攣った悲鳴と共に怯えた瞳でオレを見上げた。
その青い目に浮かぶのは恐怖と悲しみ。
まるで得体の知れない化け物か何かを見るような表情で、怯えてブルブルと震えている。
なぁ…、何でそんな目でオレを見るんだよ。
いつものように怒りと蔑みを含んだあの鋭い目で、オレを睨み付ければいいだろう。
なのに何で悲鳴を上げるんだよ。
何で震えてんだよ。
何で…泣くんだよ…。
そこまで至って漸く、オレは今自分がいるこの場所が『現実』なんだという事に気付いた。
切っ掛けは、二ヶ月前に親父が体調を悪くしてブッ倒れた事から始まった。
酒の飲み過ぎで元々肝臓が弱っていたから仕方無いんだけど、当たり前のようにそのまま入院と相成った。
そんな不健康な親父の事だから勿論保険なんて頼れる筈も無くて、入院費用はそのまま家計を圧迫する。
それでもオレは頑張った。
こんなどうしようも無い親父だけど、コイツは間違い無くオレのたった一人しかいない父親なんだ。
バイトの時間を増やして入院費や治療費を捻出して、学校帰りには病院に寄って着替えや日用品を届けたりと、オレなりに甲斐甲斐しく世話していたつもりだった。
親父も最初は大人しく入院していてくれたんだけど、やがて酒が切れて暴力的になり、病室で叫んだり暴れたりするのにそう時間はかからなかった。
病室で親父が暴れる度にオレの携帯には連絡が入って、その度に病院にすっ飛んでいって担当医や看護師さん達に頭を下げる日々が続いていく。
それだけだったらまだいい方だ。
しまいには病室だろうが何だろうがお構いなしにオレをぶん殴って来たりして、それを止めようとした看護師さん達に余計に迷惑をかけて、その事に対してまた頭を下げるというループに捕われていた。
そんな状態でかなり精神的に参っていたオレに、まるで追い打ちを掛けるように悪いニュースが飛び込んでくる。
ある日妹から届いたメールに、母親が入院したと書かれていたんだ。
元来身体の弱かった母親が入院したというのは別に驚く事じゃなかったんだけど、それにしたってタイミングが悪過ぎる。
勿論オレは親父の事があるからそちらには行けなくて、母親の事は妹に任せる事にしたんだけど、その妹がまたオレに負担をかけていた。
母親が入院してショックを受けたんだろう。
不安に苛まれた妹はオレに毎日のように相談事のメールを送ってきた。
その気持ちは良く分かるから、オレは兄らしくそれに対して宥めたり元気付けたりと返信を続けた。
最近ではメールだけで満足出来なくなったらしく夜中に突然電話が掛かってきたりして、不安そうに相談してくる妹を「大丈夫だから」とか「お前がしっかりしないと」とか、とにかく励まし続けた。
やっと安心した妹が電話を切る頃には、時間はとっくに真夜中になっていた。
疲れた身体を引き摺って布団に倒れ込み、新聞配達の時間まで僅かな睡眠を取る。
別にこの生活に不満がある訳じゃないけど、それが一ヶ月も続くと流石のオレの神経も少しずつ磨り減っていったらしい。
朝起きてから夜眠るまでずっと苛々した気持ちが消えず、何をやっても上手く行かない日々が続いた。
だからと言って妹に当るのもお門違いだと思ったし、ましてやオレは兄なんだから自分の事は後回しにしなければならないと、全ての事柄を我慢しつつ過ごしていた。
だけどオレの精神はそろそろ限界だったんだろうな。
海馬をレイプする夢を見始めたのはその頃からだった。
目覚めると途轍も無いやるせなさが襲って来たが、その代わりあんなにささくれ立っていた心が妙に落ち着いているのにも気付いていた。
どうやらオレは現実で爆発させる事が出来ない感情を夢の中の海馬にぶつける事によって、何とか精神の均衡を保っていたらしい。
それはとてもあやふやな均衡だった。
そうまるで、ちょっと突けば直ぐに倒れてしまうヤジロベエのような。
そんな苛ついた日々を過ごしていた、ある日の放課後の事だった。
さっさと帰って病院に行こうと下駄箱に入っていたスニーカーを取り出すと、そこに一枚のメモ用紙が挟んであったのに気がついた。
二つ折りにされたそれを開いて中を見てみたら、予想だにしない名前が目に入ってくる。
『話がある。体育館の用具室で待っている。海馬瀬人』
簡潔で分かりやすいそのメッセージは、今のオレには苛つきを増長させるだけでしか無い。
一秒でも早く家に帰って着替えを用意して、親父の待つ病院に向かいたかった。
大体オレは疲れているんだ。
学校と病院とバイト先を行ったり来たりして、帰ったら帰ったで妹の電話に付き合って、その後短い睡眠を取らなければならない。
それを悠長にメモまで寄越して、何の話があるんだか。
それでも何となくそのメッセージを無視する事が出来ずに、オレは体育館へと向かった。
窓の外に一瞬白い閃光が走り、次いで空を引き裂くような雷鳴が鳴った。
大粒の雨は激しく窓を打ち、今の轟音で窓ガラスがビリビリと震える。
真っ暗な部屋の中にまた閃光が走り、壁に掛かった時計の針が夜中の十二時を指しているのが見えた。
光は収まり部屋は再び暗くなり、そしてまたあの轟音が鳴り響く。
外は真夏の激しい雷雨で非常に煩かったが、部屋の中は異常なほど静かだった。
聞こえるのは二人の人間がたてる衣擦れの音と、吐き出される熱い息遣いだけ。
この静かな空間で、オレは間違い無く彼を抱いていた。
彼の体温を、彼の息遣いを、彼の鼓動を、全てをこの身に受け止めて、そして彼自身を愛した。
あぁ、そんなに怯えないでくれ、震えないでくれ。
オレはどこにも行きはしないから。
ずっとお前の側にいるから。
お前を永遠に愛すると、今ここで誓うから。
だからもう泣いてもいいんだ。
涙を流さず笑みさえ浮かべて心の中だけで泣く夜は、今日で最後にしよう…。
恐怖に震える身体を力強く抱き締めて、顔中にキスの雨を降らす。
どうかもう怖がらないで…。
お前はもう…安心していいんだ。
オレは優しく微笑んで、彼の耳元に愛を囁いた。
これが自分の本当の気持ちなんだと…そう知って貰う為に。
崩壊系城之内×慈愛系海馬。
はっきり言って暗い上に痛いです。
城之内と海馬の視線が不規則に入れ替わりますのでご注意を。
レイプ、脅迫等の表現が苦手な方は回れ右をして下さいませ…(´∀`;
それでも大丈夫な方は、下のSunriseからどうぞ~!!
ネタがありすぎて何から書いたらいいか分からない二礼です、こんばんは。
随分前から暗い&痛い話のプロットを纏めていたのですが、どうやらそっちよりも別のネタの方が先に形作れそうです。
ちなみに別のネタっていうのは以前日記で書いていた、城之内が海馬を金で買ってペットにしちゃう逆転系城海なんですがね(*'-')
両方同時進行もいいと思うけど、どっちも暗い&痛い系だからな~。
お腹いっぱいになってしまうかもしれません…w
そういう時の為に『STEP』があるんですけど、こっちもそろそろ違う展開が書きたくて仕方無いんですよね。
違う展開に持って行くにはやっぱり、ちょっとしたこう…辛い試練は外せない訳でして…w
さて、どうすんべ(´∀`;
話は変わりますが、先日相棒が自転車で悠々と走っていた時の事。
小さな公園の脇を通りかかった時に、3~4人の小学生の男の子達が大声で会話しているのが見えたそうです。
その時に聞こえて来た謎の叫び声。
「遊戯王に例えるならオシリス!」
………。
何が?wwwww
私自身は相棒からの又聞きでしか無いんですが、ものすごーく気になる一言ですw
例えるならと言っているからには、元ネタがある筈なのですが…。
オシリスに例えられるものって何よwww
しかも何か同じ事を3回位叫んでいたらしいです。
その場にいたら最後まで会話聞いてやったのに…と思ってしまいましたw
長編『奇跡の証明』の番外編『二つの恋の物語』のその10をUPしました。
漸く終わったぞーい!! ヤッホーイ!!
本編に比べるとずっと短いお話でしたが、私自身がバクラに慣れていない為に書くのが大変でした…w
何はともあれ無事に終わって良かったです。
途中ちょみっとギャグっぽくなったのは、それだけ今の彼等が幸せ一杯だと表現したかったからなのですが…。
伝わりにくいわ!!w
まぁ…いっか(*'-')
という事で、これで『奇跡の証明』は完結って事になります。
4月中旬に第一話をUPしてから早三ヶ月ちょい…。
随分長くやってしまいましたね。
これだけ長くやってると私も愛着が湧いてきて、登場人物達にお礼を言いたい気分になっています(*´∀`*)
ここまでお付合い下さってありがとうございました!
拍手コメントでのアドバイスや励ましの数々に心から感謝致します。
本当にありがとうございました~!!
以下は拍手のお返事でございます~(*'-')
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
『二つの恋の物語』と日記の感想をありがとうございます。
Rosebank様のコメントによりゴミ箱から救い出したこの話も、今回で漸く完結する事が出来ました。
このお話を書く切っ掛けを与えて下さった事を感謝致します。
バクラ視点での話は凄く難しかったのですが、それでも彼をこれだけ良い子に書く事が出来て大満足です(´∀`)
Rosebank様のコメントが無ければバクラのこの良い子っぷりも、一生日の目を見ずにデータの海に埋もれていくだけだったんですよねぇ…。
そう考えると感慨深いです。
何はともあれ無事に終了して良かったと思います(*'-')
本当にどうもありがとうございました~!!
それから修学旅行ではっちゃける海馬の話ですが…。
確かに小説に出来そうですね~!
妙にはっきりした夢だったので、今でも完璧に覚えているんですよw
ていうか途中から城之内と同化しちゃって、社長に一杯悪戯したのはいい思い出です…(*´д`*)ハァハァ
色々と…柔らかかったです…。(何が?w)
うん、よし。
短編にでも起こすかなw
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
あの辛かった戦争が終わってから、五年という歳月が経っていた。
克也が黒龍国に戻ってきてからは、皇帝と皇后は実に仲睦まじく毎日を過ごしている。
その幸せそうな姿は、見ているだけでバクラの心を満たしていった。
将来は克也の親戚筋から養子を貰う事も決定していて、跡取りについても特に問題は無いようだ。
そう考えて安心していた矢先、奇跡は唐突起こった。
本来子供を宿す事は出来ない奇跡の子である瀬人が、何と克也の子を懐妊したのだ。
バクラはその奇跡が、真紅眼の黒龍があの時の自分の願いを叶えたとは決して思っていない。
あの時に黒龍がほんの一瞬答えた返事は、願いを聞き届けたというよりは、むしろ奇跡は確実に起こるから安心していろと伝えていたのではないかと思っている。
ただ、結局バクラはあの日以来、真紅眼の黒龍の姿を見る事はなかった。
克也が懐妊した瀬人とその胎内に宿っている自分の子の為に願いの儀を始めても、黒龍は一向に現れようとしない。
例え願いの儀をしたからと言っても黒龍が現れる事自体希有な事なので、むしろそれは自然な事なのだが…。
どうしてもバクラは黒龍が瀬人の方を贔屓している様な感を受けて苦笑してしまう。
黒龍自身は特にそんな意志を持ってはいないのだろうが、そう考えると真紅眼の黒龍が途端に人間臭く感じられて面白くなってしまうのだ。
ニヤニヤしながら黒水晶に名前を書いている克也を見守っていると、横にいた瀬人が訝しげにバクラの顔を覗き込んできた。
「何をそんなに笑っているのだ…」
「いえ、別に何も」
「意味も無く笑うな。気色悪い奴だな」
「酷いですねぇ。ただちょっと…」
「ちょっと?」
「皇后サマのところには現れたのに、陛下のところには一向に黒龍が現れないな…と思いまして」
ちらりと視線を横に向けると、そこには驚いた表情の瀬人がいた。
この調子だとやっぱりオレにも黒龍の姿が見えていた事を知らなかったんだな…とバクラは思う。
「知って…いたのか」
「はい。見えていました」
「驚いたな。マナが何も言わなかったから、他の人間には見えていないのかと思っていた」
「確かにマナには見えていなかったようです。でもオレは守り人だから。これでも一応真紅眼の黒龍に祝福された一族なんでね。その関係で見えたんだと思います」
「そうだったのか…」
「ついでに申しますと、貴女の中に眠る白龍の姿も見た事がありますよ。結婚の儀の時に、ほんの一瞬でしたけれど…」
「何だと…っ!?」
本気で驚いている瀬人を見て、バクラはおかしそうにクスクスと笑い出す。
いつも気高く取り澄ましている印象の強い瀬人だけに、その反応は余りに意外で面白かった。
ただ想像していた反応とは少し違った事だけが気になった。
どうやらこの皇后は、既に自分が青眼の白龍の魂の継承者だという事は知っているらしい。
「それにしても意外ですね。皇后サマは御自分が青眼の白龍の魂を継ぐ者だという事を、既にご存じらしい」
「まぁ…それは…。ちょっと…な」
途端に口籠もった瀬人を、バクラは慈しむように見詰める。
きっと自分には理解出来ない何かしらの現象が、彼女の身の上に起こったに違いなかった。
その事を深く掘り下げて聞こうとは思わない。
自分はただ、克也と瀬人と、そして生まれて来る子供を生涯守り続けるだけでいい。それだけでいいのだ。
そう心に決意して泉へ視線を向けた時だった。
ふいに向こうの景色が陽炎のように揺らいでいる事に気付く。
「あっ…!」
隣で同じように克也の方を見ていた瀬人も小さく声を上げた。
次の瞬間、自分達の前に現れたのは紛れも無く真紅眼の黒龍の巨大な姿だった。
「真紅眼の黒龍…。現れやがった…」
「あ、あぁ…」
驚きを隠せず二人で小島を凝視する。
その黒龍と直接相対している当の克也は、驚いて腰を抜かしていた。
柔らかい芝に尻餅をついて、目の前に存在する真紅眼の黒龍をポカーンと見上げている。
いくら黒龍国皇帝とは言え、初めて間近に見た黒龍に驚くのは仕方が無い事だとは思うが…。
それにしても…。
「情けない!!」
その様子を見ていた瀬人が腰に手を当ててきっぱりと言い放つ。
瀬人の言葉を聞いてそれまで何とか我慢していたバクラはついに耐えきれなくなり、ブーッと盛大に吹き出すとその場で腹を抱えてしゃがみ込み、次の瞬間には爆笑してしまっていた。
「黒龍国の皇帝として情けなさ過ぎる! あれでよく三年間もの長い間戦場で戦って来られたものだ!!」
「まぁまぁ…。抑えて下さい皇后サマ。敵兵に対する勇気と守護龍に対する度胸とでは全然違うものですから」
「そう言いながら貴様も笑っているようだが…?」
「いやいや、オレは我慢してましたよ? でも皇后サマが…プッ! あんな言い方されたらオレだって我慢出来ないというか何というか…ククッ!」
突然現れた真紅眼の黒龍に驚き腰を抜かしている克也と、そんな夫の不甲斐なさに憤っている瀬人を見てバクラが笑っていると、突然後ろから誰かが走ってくる気配が感じられた。
振り返ると心から焦った顔をしたマナが急いだ様子で駆け寄ってくる。
「瀬人様…っ!! こんなところにいらっしゃったのですかっ!!」
マナの叫びに瀬人がピクリと肩を揺らして反応し、恐る恐る振り返る。
その顔がまるで悪戯が見付かった子供の様に見えて、バクラの笑いに拍車をかけた。
「何をしてらっしゃるんですか!! 瀬人様は今臨月なのですからね!! いつ何が起こるか分からないのにこんな場所まで来られて…っ!! 部屋にいらっしゃらなければダメでしょう!!」
「ぶはっ!! クッ…クハハハ!!」
「い…いや…。身体の調子もいいし…たまには良いかと思って…」
「たまにはじゃありません!! もういつ産まれてもおかしくないんですからね!! 今すぐ部屋にお戻り下さいませ!!」
「ヒーヒー…ッ! ククク…っ!!」
「だ、だが…っ。しかし…っ!」
「だがもしかしもございません!!」
「ギャハハハ!! もうダメだ…っ!! 死ぬ…笑い死ぬ…っ!! ギャハハハハハハッ!!」
「喧しいぞ貴様!! いい加減に笑い止め!!」
顔を真っ赤にして叫ぶ瀬人に、バクラはひーひー言いながらヒラヒラと手を振った。
「無理です…っ! 無理ですってば…っ!! 陛下のあの驚きっぷりだけでもおかしかったのに、皇后サマのあんな顔を見てしまったら…もう…っ!!」
「オ…オレの何がおかしかったと言うんだ!!」
「だって…あの顔…っ! ぶはは!! 何でそんなに気不味そうな顔をしているんだか…っ! 立場逆転してるし。ダメだ、ツボ入った…。もう無理です…っ! くひひっ! いやもう、ホントお似合いの夫婦ですよ、貴方達は…っ! くくっ!」
蹲って腹を抱えて笑い続けるバクラを、瀬人は苛ついた目で、マナは何がそんなにおかしいのか理解出来ない目で見詰めていた。
笑い過ぎて滲んできた涙を指先で拭いながら誓いの泉を見上げると、そこにはもう真紅眼の黒龍の姿は無く、代わりに必死な形相でこちらに戻って来ている克也の姿が見える。
その顔色は焦りの色が強く浮き出ていたが、隠しきれない喜びも併せ持っていた。
あぁ、そうか。そういう事か。
バクラは一人で納得する。
多分克也の願いの儀も、今日で終わりだろう。
「皇后サマ」
笑いを完全に引っ込めて、バクラはゆっくりと立ち上がりながら背後の瀬人に話しかけた。
「陛下がこちらに戻ってきたら、一緒に早々にお戻り下さいませ。多分そんなに時間は無いと思われます」
「………? どういう事だ?」
「多分嫌でもすぐに分かりますよ。今夜遅くか…もしくは明日の朝早くといったところでしょうかね。辛いでしょうが頑張って下さいませ。マナも皇后サマの事を宜しく頼むな」
「何を…言って…」
「バクラ! 服を…っ!!」
バクラの言っている意味がよく分からず、瀬人が再び問いかけようとした時だった。
泉から上がって来た克也が急いでこちらに歩いてきて、バクラに向かって強く叫んだ。
差し出された服を慌てて着替えて、克也は瀬人の白い手を強く掴む。
「急いで戻るぞ、瀬人!!」
「な、何を突然…っ!」
「何をじゃない!! 真紅眼の黒龍が教えてくれたんだ…っ! もうすぐお前が産気付くから急いで戻れとな!」
「は…っ?」
「マナ! 先に戻って他の女官達に出産の準備をさせておいてくれ…! それから今すぐにアイシスに報せを…っ!!」
「か、畏まりました!!」
駆け出すマナを追うように手を引っ張る克也に、瀬人は慌てた。
それを見てバクラがやんわりと助け船を出す。
「陛下。焦る気持ちは分かりますが少し落ち着いて下さい。今の皇后サマは走れませんよ」
バクラの言葉を聞いて克也は「そ、そうか。そうだったな…」と呟き漸く動きを止めた。
そして次の瞬間、瀬人の身体を抱き上げて地上に繋がる階段へと歩き出す。
「怖いから降ろせ!」とか「自分で歩ける!」とか言っている瀬人を無視して抱き上げたまま、克也は悠々と地上へと戻っていった。
その後ろ姿を最後まで見送り、バクラは誓いの泉へと戻っていく。そして向こうに見える黒水晶に向かって深々と頭を垂れた。
「真紅眼の黒龍よ…。貴方が現れたという事は、皇后サマのお産は何の問題も無く無事に済むと…。だから安心していいという事ですよね」
バクラの問いかけに黒水晶は沈黙を携えて、ただそこに聳えるだけだった。
だがバクラは確信していた。
きっと瀬人は安産だろう。
そして生まれてくる子はこの黒龍国の未来の皇帝になるに違いないと。
「聞いてくれ、真紅眼の黒龍よ。オレは今ここに誓う。皇帝と皇后と、そして二人の間に生まれて来る子供の為に一生を尽くす事を。それがオレが恋したあの人達への…愛の形だ。オレだけが感じる事が出来る…これこそがオレの二つの恋の完成形なんだ」
恋は成就された。
例え他の人間の恋愛と形は全然違っても。
克也と、瀬人と、そして今生まれてこようとしている子供を生涯愛し守り続ける。
自分にとってそれ以上の幸せは無い。
心からそう思って、バクラは黒水晶に向かって深く感謝した。
これがオレの…二つの恋の物語。
他人に何を言われようとも、オレだけがこの幸せの意味を知っていればいい…。
そう思いながら。
実は超能力者なんじゃね? みたいな二礼です、こんばんは。
二礼の働いている職場に、同じ年頃で仲良くさせて貰っている人がいます。
実はその人、もう二人も子供を産んでいるママさんなんですよね。
上の子は小学校高学年。下の子も今年小学校に入学したばかりで、まだまだ子育てが大変だと日々ぼやいておりました。
ところが今年のGW前に、二礼は不思議な夢を見たんですよ。
そのママさんに三人目の子供が生まれる夢でした。
それを次の日話したら、「やめてよ~w」と笑って否定されました。
そのママさんの友人(下のお子さんと同級生のママ友)のところに今年の春に赤ちゃんが生まれて、その子を抱かせて貰って「やっぱり赤ちゃんっていいわ~」と思ったらしいんですけど、やっぱり既に二人も子供がいる状態では経済的に厳しいそうで…。
「私は欲しいと思ってるけど、旦那がね~www」と、会話はそれで終了。
私もたかが夢だと思って深く考えていなかったのですが…。
昨日、そのママさんから衝撃の告白を聞いちゃいました。
曰く
「出来ちゃった…(´∀`;」
だそうですw
私の夢の話も何か既に職場に広まっていたらしく、いつの間にか「二礼さんは予知能力者!」みたいな噂が立っていました…w
やwめwてwくwれ!
ただの偶然だと思いますけれど、その話を聞いた時は私も「自分凄ぇーーー!!」とか思っちゃいましたw
普段ろくな夢見ないんで、こういう話を聞くと夢見るのもいいかも~とか思っちゃいますよね。
ちなみに今日見た夢は覚えていないんですが、この前見たのは社長が修学旅行ではっちゃけてる夢でした。
たかが観光ホテルなのに金にもの言わせて個人で部屋を借り、そこに携帯で城之内を呼び出してイチャイチャしてました。
遊戯とか本田とか漠良とかと一緒に仲良く騒いでいたのが気に入らなかったらしく、城之内が部屋に入って来た瞬間に抱きついて熱烈なちゅう。
既に浴衣半脱ぎだったし、ローションまで準備している始末w
ちょっと…いやかなりいい夢でした(*´д`*)
コレも正夢になればいいのにぃ~!!(無理!!)
長編『奇跡の証明』の番外編『二つの恋の物語』のその9をUPしました。
本編での第十六話~第十七話辺りの話になります。
何かだんだんバクラが可愛くなってきました…。
公式のウサ耳は大邪神だったけど、あのどことなくツンデレツンな雰囲気が好きだったんですよ~!!
あの雰囲気を出そうと頑張っていたのですが、ツンデレツンじゃなくてツンデレデレになってしまった感が拭えません…w
ま、いっか。
凄く良い子に書けたので満足しています(*'-')
次回のその10で完結出来そうなので、頑張って仕上げます!!
以下は拍手のお返事になりますです~!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(*´д`*)
『二つの恋の物語』と日記の感想をありがとうございます。
確かに瀬人とマナの関係は、こちらでいうところの海馬と磯野の関係に似ていますね。
どっちも心から海馬(瀬人)の事を想って尽くしているのが良いんだと思います(*'-')
それからバクラやマナの結婚についてですが…どうでしょうねぇ?
バクラに限って言えば、彼は多分結婚はしないと思います。
克也と瀬人と、二人の間に生まれた子供を愛するので、バクラの心はもう許容量一杯になっちゃっている筈ですので…。
他の女性を愛する余地は無いんじゃないでしょうか。
マナは…どうだろう。
要領の良い子ですからねぇ…w
瀬人に尽くしながらも影でいい男を見付けて、ある日突然結婚しちゃったりするんじゃないでしょうかw
でも多分、大人しく家庭に治まるタイプではないでしょう。
結婚して自分でも子供を産み育てながら、皇宮で瀬人に仕える仕事を続けていくんだと思います。
瀬人はもう、彼女には頭が上がらなくなるでしょうねw
あと『5D's』のアバンタイトルですが、結局主人公のローテーションなんですね…(´・ω・`)
ちょっとガッカリです…。
でもまぁ…仕方無いかな?
王様が見られただけでも良しとしましょう~!
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
誓いの泉の中央にある小島では、瀬人と真紅眼の黒龍が何かを話しているのが見える。
その光景は遠目に確認出来るだけで、流石に何を話しているかまでは分からない。
ただバクラは一つだけ確信している事があった。
それはあの真紅眼の黒龍が何の意味もなく姿を現わす事は絶対に無いという事だ。
黒龍が現れた事には何かはっきりとした意味がある筈。
そして今のこの状況やタイミングを思えば、答えは自ずと導かれる。
「おい、マナ」
バクラ振り返り、いつもと同じように瀬人を見守っているマナに声をかけた。
「戦争は無事終わったようだぞ」
「え…? 何故突然そのような事を…?」
マナはバクラの言葉が信じられないように、目を丸くしてキョトンとしていた。
それはそうだろう。
何の状況証拠も無しに三年もの長い間続いてきた戦争が突然終わったなどと急に告げられても、一体誰が信じられようか。
だがバクラの言葉を裏付けるように、地上へ続く洞窟から一人の女官が降りてきてマナの側に駆け寄った。
「マナ様…っ。急ぎ耳にお入れしたい事が…」
興奮した様子の女官をちらりと見遣って、バクラは再び誓いの泉へと視線を向ける。
そこでは未だ瀬人と黒龍が何かを話し込んでいる。
だがその姿がゆっくりと消え始め、黒龍が再び巨大な黒水晶に変わった頃、報せを持って来た女官と話し終わったマナが小走りで誓いの泉へと近付いていった。
そして両手を広げブンブンと大きく振りながら、瀬人に向かって大声で叫ぶ。
「瀬人様ぁ―――――っ!!」
マナの叫び声に、黒水晶に抱きつくように座り込んでいた瀬人がこちらを向いたのが分かった。
「瀬人様ぁーっ!! たった今…知らせが参りました…っ!! 戦争が…、戦争が終わりましたっ!! 我が軍の勝利で戦争が終わったそうです…っ!! 勿論陛下はご無事だそうです!! あぁ…これで陛下が…、皇帝陛下が…戻っていらっしゃいます…っ!!」
小島に向かって大声で叫ばれたその報せに、瀬人も漸く事態が把握出来たらしかった。
そのままずるずるとその場に崩れ落ちれ、小さく肩を震わせている。
それは三年もの長い間、一言の弱音も一筋の涙を見せる事も無くただただ真摯に毎日祈り続けてきた瀬人が初めて見せた涙だった。
その二ヶ月後、真紅眼の黒龍に守られてきた克也は無事に戦場から黒龍国へと帰って来た。
戦果報告の儀をする為に久しぶりに誓いの泉に現れた克也に、バクラは思わず眼を細める。
すっかり立派な大人の男に成長していた克也は、まさに眩しい程に光り輝いていた。
その姿に心から感嘆し、バクラは深く頭を下げる。
「お久しぶりです、皇帝陛下。ご無事でお戻り何よりでした」
「あぁ、お前も留守中ご苦労だったな」
「戦果報告の儀…ですか?」
「その通りだ。いつものように服を預かっていてくれ」
聞こえて来た声も三年前より少し低くなったようだ。
儀式をする為に服を脱ぎだした克也の身体を見て、バクラは思わず溜息を吐いてしまった。
三年前に、まだ少年の域を抜けきっていなかった頃に見た身体に比べ、その裸体は明らかに一人前の男として逞しく成長している。
薄く付いていただけだった筋肉も今は一目でそれと分かるし、何よりも随分と背が伸びていた。
「随分と逞しくなられましたねぇ…。背も伸びたようですし、三年前とは筋肉の付き方が全然違います」
思わずそう呟くと、振り向いた克也が苦笑する。
「そりゃそうだろうよ。戦地でずっと身体動かして来た訳だし、気付いたら二十歳になって肉体的にも大人になっていたしな」
「まぁ、そうですよね。でもその割りには傷が少ないんじゃないですか? 細かい傷は結構あるようですけど、それにしたって大きな傷が一つも無い。前戦で戦ってた割りには幸運だったのでは?」
「そうなんだよなぁ…。オレも不思議に思っていたんだが、まるで何かに守られているように致命傷を負うことは無かった」
「真紅眼の黒龍ですよ」
「え?」
突然出てきた『真紅眼の黒龍』の単語に、克也は一瞬訳が分からないような顔して目を丸くした。
その顔に思わずクスッと笑ってしまう。
身体付きは随分と逞しくなったというのに、その表情だけは幼い頃から何一つ変わっていなかったからだ。
「真紅眼の黒龍が貴方を守っていたんですよ。間違いなくね」
吹き出しそうになるのを耐えつつそう言うと、克也は一旦首を傾げたものの、何となくそれに納得したようだった。
「ま…まぁ…。こう見えてもオレは黒龍国の皇帝だからな…。自国の皇帝を黒龍が守ってくれるのは当然だろう?」
「そうですかね。真紅眼の黒龍はこの国の大地となった時、その力の殆どを失っている筈ですが…。それなのにその黒龍が貴方を守る程の力を得たのは何か理由があったのではないでしょうか?」
「何が言いたいんだ、バクラ?」
「さぁてね。オレが言えるのはここまでですよ。あとはご自身でお確かめ下さい」
知っている答えを教えるのは簡単だ。
だが貴方はそれを自分自身で確かめなくてはならない。
それが三年もの長い間、貴方の無事を祈って毎日祈り続けた皇后サマに対する誠意というものだ。
そして貴方がその答えを知った時、それこそが皇后サマに対する最大最高の褒美となるだろう。
それ以外では…きっとだめなのだ。
バクラは意味深な笑みを浮かべながらも、それ以上何も言うつもりはなかった。
ただ黙って克也に頭を垂れ、儀式を見守る事にする。
儀式が無事終了し、泉から上がって来た克也が再び問いかけてきても、バクラは決して口を割ろうとはしなかった。
克也はその事に至極不満そうな顔をしていたが、仕事が残っている為に名残惜しそうに地上へと戻っていく。
誰もいなくなった空間で、バクラは振り返ってじっと黒水晶を見詰めた。
皇族では無い自分は誓いの泉の水に触れる事は出来ず、当然の如くあの水晶に願いをかける事は出来ない。
だがもし、自分達が本当に真紅眼の黒龍に祝福された一族ならば…、願いはきっと届くに違いない。
バクラはギリギリまで泉の側まで寄ると、口に手を当てて大声で叫んだ。
「真紅眼の黒龍よ!! 聞こえるか!! こんな遠くからでは願いの効力は無いかもしれないが、どうかオレの願いを聞いて欲しい!! あの二人に…、皇帝陛下と皇后陛下にどうか奇跡を与えてやってくれ!! それがどんな奇跡でも構わない!! でもオレはどうしても、あの御方達に幸せになって貰いたいんだ!! あの御方達が悔いのない一生を…そして幸せだったと笑って言えるような、そんな人生を過ごして欲しいんだ!! だから頼む!! どうか…どうかあの御方達を幸せにしてやってくれ!!」
願いが届いたかどうかは分からない。
たかが守り人である自分の前に、真紅眼の黒龍が現れる事はないだろう。
ただ一瞬…。
ほんの一瞬だけ黒水晶の周りの景色が陽炎のように歪んだのが見えた。
バクラにはそれが真紅眼の黒龍からの返事のように思えた。
天体ショーにwktkした二礼です、こんばんは。
今日は日食でしたね~!!
関東は曇りでしたので残念ながら太陽は見られず…。
仕方が無いのでニ/コ/ニ/コ/動/画で生中継見てました。
う~ん、凄い!!
月の軌道が太陽の位置に重なるだけの現象なんですけど、見てるとやっぱり神秘的ですよね。
感動しました!(・∀・)
長編『奇跡の証明』の番外編『二つの恋の物語』のその8をUPしました。
本編で言うところの第十六話辺りの話になります。
マナが好きなので本編では大活躍させていたんですけど、番外編では全然出せていなかったので、こんなところで活躍させてみましたw
自分で書いておいて何ですけど、マナ…凄ぇな…(´∀`;
味方にいると心強いけど敵に回すと途端に怖くなるタイプだね、こりゃw
何はともあれ、ここまで来れば番外編ももうすぐ終了です。
あともう一息なので頑張って書くぞー!!
以下は拍手のお返事になりますです~!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
『ハニー&シュガータイム』と日記の感想をありがとうございます。
最後は結局いつものウチの城海になってしまいましたが、少しでもラブラブした感じを受け取って貰えて良かったです(´∀`)
Rosebank様もコメントで仰っていますが、今回はセックス自体がメインではなく愛撫しながらのイチャイチャが目的でした。
今回は普段とはちょっと違うエロだった為に、書く方もかなり苦労させられました。
イチャイチャさせるには城之内をなるべくセーブさせなきゃならなかったもので…w
彼は若いので時々書き手を無視して勝手に突っ走る事があるんですよ。
エロ系を書くときはそれが非常に役立っているのですが、今回は押さえるのが大変で…(´∀`;
結局最後は暴走しましたけどねーw
やっぱりウチの城之内はエロエロ魔人なんだなぁ…と改めて深く考えさせられました。
そう言えば私もずっと気になっていたのですが、海馬邸の防音システムってどの程度なんでしょうね?
個人的には各部屋…特に執務室や書斎、更に言えば瀬人やモクバの個人の部屋なんかは完璧な防音になってると思っているのですが…。
まぁ例え完全防音でも、海馬邸のメイドさん達は皆さんとっくに気付いているとは思いますけどね~w
主人の私生活には一切口を挟まないというのがプロのメイドさんです。
多分城之内が邸に来ている時はむやみやたらに私室には近付かないだろうし、Rosebank様の予想通りにベッドメイキングも完璧にこなすんじゃないでしょうか(*'-')
そう考えると、ますます凄いな…海馬邸…w
あと噂の5D'sのアバンタイトルですが、私もちょっと楽しみになってきました…w
加/々/美さんの社長…見たいなぁ…(*´д`*)
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
克也が冥龍国と戦う為に戦地に赴いたその日から、瀬人は毎日しっかりと願いの儀の為に誓いの泉へとやって来ていた。
雨の日も風の日も、そして体調が優れない時も祈りは絶えず続けられる。
真紅眼の黒龍の姿は初日のあの時以来見る事は無かったが、それでも克也が戦地で負傷したという知らせが一切入って来ないところを見ると、祈りの力による黒龍の守りは万全であるらしかった。
瀬人が願いの儀を初めて半年後のある日の事。
いつものように地下に降りてきた瀬人の様子がおかしいのにバクラは気付いた。
普段だったら早々に服を脱ぎ誓いの泉へと向かっていくのに、今日に限って彼女はいつまでも服を脱ごうとはしなかったのだ。
「皇后サマ…?」
あまりに様子がおかしいので、バクラは心配になって思わず声をかけた。
「どうなさったのですか? 今日は…様子がおかしいですね」
「バクラ…。その…」
「何でしょう」
「一つ…聞いてもよいか?」
「あぁ、はい。オレに分かる事ならば何なりと」
「あ…その…何だ…。月経の血は…不浄なものなのか…?」
いつもだったら相手を真っ直ぐ見据えて言葉を交わす瀬人が、今は僅かに視線を逸らして顔を俯けている。
そのらしくない態度と瀬人の言葉に、バクラはある一つの仮説が頭に浮かんだ。
それを確かめようと瀬人の後ろに控えていたマナに目を向けると、マナは薄く微笑んでコクリと一つ頷いた。
目の前の瀬人に視線を戻すと、彼女は赤くなって俯き黙りこくっている。
そうか…とバクラは胸を撫で下ろした。
漸くこの御方も…女性として目覚められたのか…。
その想いがどうやら顔に出てしまっていたらしい。
チラリとこちらを見遣った瀬人が「何をそんなにニヤニヤしているのだ」と、少し怒ったように言った。
「申し訳ありません。別に他意はありませんよ」
「………」
「先程のご質問についてですが、誓いの泉にとって月経の血は不浄なものではございません。安心して儀式をなさって下さいませ」
深く頭を下げつつそう言うと瀬人は安心したようにふぅ…と息を漏らし、「そうか。良かった」と呟いた。
その溜息を聞いて、バクラは少なからず驚いた。
どうやらこの皇后の心配事は、月経が来ている自らの身体を見られる事ではなく、むしろ月経によって願いの儀が途切れはしないかという事だったらしい。
瀬人は願いの儀に何の問題も無い事を知ると、いつものように大胆に服を脱ぎ捨てて誓いの泉へと歩いて行く。
その白い内股に一筋の赤い滴が流れ落ちていっても、全く気にする素振りはなかった。
泉を渡っていく瀬人を見守りながら、バクラは心から感心する。
一体この皇后はどこまで真摯に克也の事を愛しているのかと…。
女性にとって(瀬人は奇跡の子であるため半分だが)自分の月経の血を男に見られるというのは、考えられないくらいに恥ずかしい事の筈だ。
いくら瀬人が半分男であるといっても、恥ずかしくない筈は無いのだ。
だが瀬人は自分の恥辱よりも、克也への愛を優先させている。
克也の命を守る為に、瀬人は今全神経を祈りへと向けているのだ。
その事実にバクラは心から瀬人を尊敬した。
「本当に…強い方ですね…。皇后サマ…」
こんなにも強い意志を持った瀬人に出会えた事を、バクラは心から感謝した。
そしてそんな彼女を愛した自分に誇りを感じる。
この想いは間違っていない。
必ず…必ず瀬人とこの儀式を最後まで見守ると、強く強く心に決めたのだった。
克也が戦争に行き、そして瀬人が願いの儀を発動させてから三年後。
戦争は未だ終わる気配を見せないが、黒龍国と東の隣国の白龍国の情勢は混乱することも無く落ち着きを保っている。
これも全て瀬人の手腕のお陰であった。
バクラ自身は政治的な能力はほぼ皆無な為、瀬人がどれだけ凄い事をやっているのかというのは実は詳しくは分からない。
だがたまに外の情報を持ってくる兵士や神官が絶えず瀬人の事を褒め称えているのを聞くと、それがどれだけ素晴らしい能力かという事だけは知る事が出来た。
更に非常に不思議な事に戦争が始まってからというものの、黒龍国も白龍国も数ある幸運に恵まれている。
黒龍国では常に気候が安定し作物に恵まれ、白龍国では次々に新しい鉱脈が発見されていた。
黒龍国で取れた豊富な食物を白龍国に輸出し、代わりに白龍国からは新しい鉱脈で取れた鉄を輸入して武器や防具を精製し戦地へ送る。その武器や防具を使った黒龍国軍は、物資が乏しくなりつつある冥龍国軍に比べて戦いを有利に展開する事が出来た。
更に白龍国軍も常に西の大河沿岸を守り続け、黒龍国に入って来ようとしている間者を捉え、こちら側に有益な情報を吐き出させる等の活躍を見せていた。
この白龍国軍の働きも、ひとえに瀬人が白龍国法皇…つまり彼女の弟に働きかけた結果だという。
バクラはその数々の瀬人の功績に、心から感心していた。
今の黒龍国は、瀬人の手によって支えられていると言っても過言ではない。
「皇后サマ。貴女は本当に素晴らしい方です…」
誓いの泉を渡り、いつものように黒水晶に近付いて行く瀬人に向かってバクラは小さく呟く。
その声を聞き止めたのか、側に控えていたマナが近付いて来た。
「今更瀬人様の素晴らしさに気付かれたのですか?」
「いや、もっと前から気付いてた」
「本当ですか~?」
「何だよ。ウザイな」
「あらあら。皇家を裏で支える『守り人様』がそんな口の利き方をしても良いのでしょうか」
「あのなぁ…。お前はオレの正体なんてとっくに知ってるだろ、マナ」
「知っていますよ。何だかんだいって私達も長い付き合いですからね。陛下や瀬人様に対して人知れず仄かな想いを抱いてらっしゃる事も…知っています」
マナの言葉にバクラはチラリと視線を横に走らせた。
小さい頃に一緒に遊んだりした経験は無いものの、克也の乳兄弟という事で昔から何度か顔は合せていた。
特にマナが皇后付きの専属女官となってからは、実に長い付き合いをしている。
何せ三年間、毎日顔を合せているのだ。
願いの儀をしに来る瀬人に付いてくる為、当たり前と言えば当り前の事なのだが。
そういう長い付き合いの中で、バクラはこの一見どこか抜けて見えるような女官が、実は非常に切れ者だという事に気付いていた。
だからこそ、自分が抱いている想いがマナにバレていても別に驚きはしなかったのだが。
「言うなよ」
「言いませんよ」
口止めするつもりで鋭く睨みつつそう言うと、マナは実にあっけらかんと答えを返した。
「だって貴方が陛下や瀬人様に抱いている感情は、普通の恋愛感情とは違うじゃありませんか。どちらかと言えば、私が陛下や瀬人様に抱いている感情と似ています。何が何でもあの方達を守ってみせるという強い意志が感じられますので」
これには流石のバクラも驚きを隠せなかった。
まさかそんな細かいところまで見透かされているとは思わなかったのだ。
目を丸くしてマジマジとマナを見詰め、感心したように口を開く。
「驚いたな。まさかそこまで読まれているとは思わなかった」
「バレバレですよ。まぁ…瀬人様は全く気付かれていらっしゃらないようですが」
「皇后サマは陛下以外目に入っていないからな」
「ふふっ…。確かにそうですね」
「でもまぁ…厳密に言えばお前の想いとオレの想いは違うぜ」
「分かっています。他の人の恋愛とは違っていても、貴方の想いは確かに恋愛感情のようですしね」
「何度も言うけど、言うなよ」
「何度も答えますけど、言いませんよ」
そんな事を話しながら、二人は誓いの泉の向こうを見詰める。
視線の先では、小島に上がった瀬人がいつもと同じように黒水晶に名前を書き込もうとしていた。
その途端、バクラはふと違和感を感じた。
どこかいつもと違う。だけどその違和感は初めて感じる物では無い。
いつか…今より少し前…。そう、三年前にも同じような感じを受けはしなかっただろうか。
一歩前に踏み出して、身を乗り出すようにして瀬人のいる場所を見詰めた。
案の定その周りの景色がまるで陽炎のように歪んで見える。
「真紅眼の黒龍…っ!!」
そこには、三年前の願いの儀初日以来ずっと姿を見せなかった黒龍が再び姿を現わしていた。
今日は涼しかったので少し体力を回復した二礼です、こんばんは。
昨日の夜辺りから妙に調子が良くて、何故かと思ったらやっぱり気温が下がったせいでした。
何て言うか…正直な身体だなぁ…w
お陰でここのところ全く食べられなかった御飯を少し食べる事が出来ました。
お腹が空くっていい事だね!!\(^o^)/
まだまだやる事は沢山あるので、こんなところで倒れてはいられないのです。
頑張るよ~!!
短編『ハニー&シュガータイム』をUPしました。
以前半分壊れかけながら日記で書いたネタを元にしてエロってみました。
とにかくいちゃいちゃにゃんにゃんさせたかったのですがね…。
いちゃいちゃ具合が上手く表現出来ず、最終的には結局いつものウチの城海になってしまいました…w
くっそ~!!
もっと百合っぽくにゃんにゃんさせたかったのになぁ…(´_ゝ`;
城之内がエロイのがいけない!!(責任転嫁)
以下は拍手のお返事になりますです~!
>赤峰様
お久しぶりです~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
『鎮静歌』と『To you…』の感想をありがとうございます。
『鎮魂歌』の元カノは、多分本気で城之内君を誘っていた訳じゃないんですよね。
彼女は自分の死期を悟っていましたから、半分ジョークを織り交ぜつつ自分が長年抱えてきた想いをあんな形で告白したんだと思われます。
中学時代に自分から城之内君をフッていますから、今更「実はずっと好きでした」とはとてもじゃないけど言えなかったんでしょうね。
そして城之内君のはっきりとした態度に、逆に救われた筈です。
『To you…』はちょっと不思議な話を書いてみたくてやってみた話です。
あの海馬に対する異世界の城之内をどの城之内にするか迷ったのですが、結局一番説得力がありそうなあの城之内君に出て貰う事にしましたw
結果として、自分なりに上手く纏まったと思います(*'-')
あと日記の逆転系城海ですが…。
コレ、何か結構人気があるんですw
ネタとして書いただけなのにwww
とりあえず今抱えている連載が終わったら、ちょっと真面目に考えてみる事にしますね~(´∀`)
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(*´∀`*)
『二つの恋の物語』と日記の感想をありがとうございました~!
瀬人の有能具合を褒めて頂けて嬉しいです~!!
彼女はまさしく人民の上に立つ存在として生まれました。
ただしそれはあくまで№2としてです。
多分カリスマ性や民を導く能力に関しては、克也の方が若干上なんだと思います。
瀬人はその克也が支える国を横からフォローし纏める役目に適しているんでしょうね。
法国家の白龍国ではそんな瀬人の能力は遺憾なく発揮されていましたが、彼女は真に選ばれた人物ではありませんでした。
真に選ばれたのはモクバであって、瀬人にも法具が反応したのは彼女が内包していた青眼の白龍のせいです。
そしてその後瀬人は黒龍国にやってきて、新しくその能力を使う場所を得た訳です。
黒龍国では瀬人はあくまで№2でしかありませんでしたが、共に国を支える大臣や黒龍国で生きる民達は彼女の力を十分に感じていたのでしょうね。
だからこそ彼女の死後も『伝説の皇后』として長らく語り継がれていきました(´∀`)
自分で書いておいてなんですが、私は『奇跡の証明』の瀬人に対しては敬意を持って付合っています。
本当によく頑張ったと思いますよ。
自画自賛のような気がしなくもないですが…w
(頑張らせたのは私自身なのに…w)
あと例のイベントについてですが、私も直後に友人からメールを貰ったりスレを読んだりして詳細は知っていました。
本当に酷い事件でしたね…(´∀`;
でも悪い事ばかりではなく、何だかサークル(サイト)間の結束力が固まったとかいい事もあったようです。
こういうのを雨降って地固まるって言うんですかねーw
これからも頑張って欲しいと思っています。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内×海馬。
城之内の一人称です。
とにかくイチャイチャ&にゃんにゃんさせたくて頑張ったのですが、結局いつもの彼等に落ち着きました…w
自分達以外は誰もいない学校の教室。
窓から外を眺めれば、真っ青な空の向こうに真っ白な入道雲が見える。
世間はとっくに夏休みに突入していて、いつもなら沢山の生徒達の声でざわついている学校も今はただシンと静まりかえっていた。
聞こえて来るのは外から入ってくる蝉の大合唱と、プリントにペンを走らせる音だけ。
そんな異様とも言える空間内で、オレと海馬は必死に補習プリントを片付けていた。
夏休み中の学校で一体何をやっているのかというと、まぁ…曰く補習というヤツだ。
オレは期末テストで赤点を取った為、海馬は出席日数が足りなかった為。
理由は違うけれどやってる事は一緒だ。
一緒の筈なのに…頭の出来が違う為、当然片付けるスピードに差が出てくる。
この補習期間は全五日の行程だった。
さっさとプリントを終えてオレ一人を置いて帰ろうとする海馬に何とか頼み込んで、後半部分を手伝って貰ったのが初日の出来事。
今日は最終日なんだけど、海馬は今までと同じようにオレと顔を付合わせてプリントの空欄を埋めている。
何だかんだ言って結局五日間全て手伝って貰ってしまった。
先生にはとっくにバレているけれど、夏休み中に真面目に学校に出てくるだけでも補習の価値はあるという事で、そこら辺は眼を瞑って貰っている。
海馬と一緒になってせっせとプリントに答えを書き込んで、漸く全て埋めた時にオレはペンを投げ出して叫んだ。
「うぁー!! やっと終わったぁー!!」
椅子の上で反り返ってガッツポーズをしているオレを、海馬が幾分冷めた目で見詰めている。
「何がやっとだ。貴様のプリントの半分は、このオレがしてやったんだぞ」
「分かってるよ。超感謝してる!!」
「どうだか…。貴様はいつも調子だけはいい」
「嘘じゃないって。本当だってば。こんなに愛してるのに信じてくれないの?」
机を乗り越えて目の前に座っていた海馬に抱きつくと、「暑い。鬱陶しい」と全力で抵抗された。
確かに今日は酷い暑さだった。
冷房も無い教室は窓を開けて外からの風を入れているだけで、教室には蒸し暑い空気が充満している。
貧乏で普段から冷房無しの生活を送っているオレは平気だけど、邸でも会社でも空調管理が完璧な空間に慣れている海馬にとっては辛いだろうな。
現に抱き締めた海馬の首筋には汗が浮かび、その内の一筋がつつーっと胸元に落ちていく。
普段汗なんか掻いている姿を見る事が無いだけに、オレの目にはその情景が酷く魅惑的に映った。
思わずべろりと首筋を舐めたら腕の中の身体がビクリと反応して、今度こそ本気で突き飛ばされてしまった。
突き飛ばされた拍子に尻餅をついて、慌てて上を見上げたら首筋を手で押さえて真っ赤な顔をしてる海馬と目が合う。
うん、可愛いな。これだから海馬に対する悪戯は止められない。
口の中に残る海馬の汗の塩味に、何だか妙に興奮した。
「いった…。何すんだよー」
「何するでは無いわ、馬鹿が! こんな場所で盛るな!!」
「いやだって、何か美味しそうに見えたからさ。それにほら、もう随分してないし…」
オレの発言に海馬の顔が更に赤くなった。
今までの赤は『羞恥』と『怒り』。今はそれに『照れ』が加わったらしい。
「そ…それは…っ。期末テスト期間と仕事が忙しい時期が重なって、時間が取れなかったからであって…っ」
「うん。分かってる。別にお前を責めてる訳じゃ無いよ。だからそろそろしたいなーって言ってるだけ」
床に座り込んだまま黙って見詰め続けていたら、同じように言葉を発しないままオレを見ていた海馬がふと視線を外す。
そしてはぁ~っとわざとらしく大きな溜息を吐くと、もう一度オレを見て口を開いた。
「分かった。明日は土曜だし今日も特に忙しくはないから、貴様の相手をしてやろう。丁度モクバも林間学校で今はいないしな」
「マジで!? やりぃ!!」
「ところでお前のバイトはどうなのだ」
「丁度いい事に今日は無いんだ。明日のバイトも夕方からだし」
「そうか。ではこれから一緒に邸に帰ろう」
「サンキュー! 海馬!!」
余りの嬉しさに立ち上がって海馬を抱き締めると、さっきと同じように「だから暑いと言っているだろう!?」と言われて身体を押し返された。
オレと海馬がこんな関係になってもう数ヶ月が経っている。
あんなにも険悪な仲だったオレ達が『友人関係』をすっ飛ばして突然『恋人同士』になった事に、当然周りの皆は信じられないと心底驚いていた。
むしろ信じられなかったのは本人達だったんだけどな。
だってまさか海馬とこんな事になるなんて思わないだろう? 性格から考え方から、何から何まで真逆なのに。
でもさ、恋ってそういうもんじゃないんだよな。
いつの間にか海馬の事を『そういう目』で追ってるオレがいて、それに気付いて同じ眼で見返す海馬がいて。
どっちが先に手を伸ばしたか何て、もう覚えていない。
気付いたらオレと海馬は切っても切り離せない関係になっていた。
まるでオレが海馬の側に、そして海馬がオレの側にいる事が既に決められていたかのように、その存在はそこにいて当たり前のものとなっていた。
キスもセックスも、オレ達は一度も戸惑わなかった。
男同士なのに、まるでそうなるのが当たり前かのように自然に出来た。
だからこうやって一緒にシャワーを浴びるなんて事も、別に大した事じゃないんだ。
プリントを職員室にいた先生に提出したあと、海馬が呼び出してくれた車に乗ってオレ達は邸へと帰ってきた。
車内のクーラーで一旦汗はひいたものの、それでもまだ水分を含んでいるシャツが気持ち悪くて仕方が無い。
早々に海馬に私室に向かったオレ達は、そのまま二人でシャワーを浴びる事にした。
温度設定をかなりぬるめにして、頭から浴びる。
身体に纏わり付いた汗が一気に流れていって、凄く気持ちが良かった。
ふと隣を見ると、小さく息を吐きながら気持ち良さそうにシャワーを浴びている海馬の姿が目に入ってきた。
その白い身体に沿って流れる水流が先程の汗を思い出させて、オレは一気に欲情してしまう。
こんな風呂場で…とは思ったけど、結局我慢出来ずに海馬の身体に手を伸ばした。
「なんだ…? っ…んっ…」
海馬の疑問には答えずに、細い身体を浴室の壁に押し付けてキスをする。
紅い唇をしつこいくらいに何度も吸って、開いた唇の隙間から舌を差し入れた。
逃げる舌を追い詰めて無理矢理絡ませて強く吸い上げる。
頭上からはぬるめのシャワーが強く降り注ぎ、その水音の中で海馬の鼻に掛かった声がいやらしく浴室に響き渡った。
あーもう…この声はヤバイな…。本気で我慢が出来なさそうだ。
すっかり張り詰めたものを内股に擦り付けると、慌てて瞳を開けた海馬がオレの身体を押し返した。
「海馬…、頼むから…っ」
「分かっている…。だが…ここでは…いやだ…」
「どこならいいの…?」
「寝室で…。先に上がっててくれ。身体を洗ってから…行く…」
切羽詰まったような声色に諦めて海馬から離れると、そこでオレは初めて気がついた。
海馬の瞳は既に情欲の色で染まっていた。
そのまま下半身に視線を走らせると、オレ程では無いにしろそこはもうすっかり形を変えていて…。
決して嫌がられている訳じゃ無いんだと分かって、オレは安心した。
「分かった。じゃぁ待ってるからな」
オレの言葉に海馬がしっかり頷いたのを見て、オレは先に部屋に戻る事にした。
ベッドのシーツにくるまってボンヤリと窓の外を見る。
学校を出たのは昼の三時過ぎだったから、外はまだ明るかった。
真っ青な空に白い入道雲が映えて、微かに聞こえる蝉の声が暑そうだ。
こんな昼間から何をしようとしてるんだと少し自嘲気味に笑って、それでも気持ちは抑えられそうに無いので早々に気持ちを切り替える。
ずっと見ていた窓から視線を外し反対側に寝転がった時に、バスローブを着た海馬が浴室から出て来たのが見えた。
眉根を寄せて微妙な顔で近付いて来るから、シーツを捲り上げてマットを掌でポンポンと叩いてやる。
「海馬、ほらココ。ココおいで」
「貴様…。何で何も着てないんだ?」
「どうせやる事やるんだから、着るだけ無駄だろ?」
細い手首を掴んで強く引き込むと、海馬は簡単にベッドの上に転がった。
その上に乗り上げてバスローブの合わせから滑らかな肌に掌を這わせる。
汗でべとついてた身体も今はサラサラで、それがとても触り心地が良くてうっとりする。
腰紐を外しながら露わになっている首筋や胸元に唇で掠めるだけのキスをしていると、頭上からクスクスという場違いな笑い声が響いてきた。
慌てて見上げると、海馬がおかしそうに笑っている。
普段セックスの最中に海馬がこんな態度を取ることは無いので、凄く珍しくてじっと見詰めていたら海馬が薄めを開けてこちらを見返した。
「くすぐったいぞ、城之内」
「は? 何が?」
「さっきのキスだ。それからその触り方も。今日は何だかいつもと違うな…」
そこまで言われて漸く気付く。
確かに海馬の身体を抱きたいとは思っているけれど、オレ自身もいつものようなせっぱ詰まった感が無いのだ。
夜の闇に急かされるように焦って激しく抱くセックスとは違って、何だか妙に余裕がある。
明るい陽の光と爽やかな夏空が、時間はまだたっぷりあるんだと感じさせて、それが余裕に繋がっているんだと思った。
どうやらそれが愛撫にも繋がっていたらしい。
いつものように無理矢理快楽を引き出すような濃い愛撫ではなく、どちらかと言えばまるで遊んでいるかのような軽いタッチになっていたのだ。
海馬にとってはそれがとてもくすぐったかったらしかった。
面白そうに笑っている海馬にオレも微笑み返して言ってやる。
「たまにはこういうのもいいんじゃないか? 悪く無いだろ?」
シーツの上に投げ出されている手に自分の掌を重ね、その中心を爪先で軽く引っ掻いてやった。
途端にピクリと反応して、悪戯しているオレの指先をギュッと掴む。
「やめろ。くすぐったいだろ…」
言葉は素っ気ないがその顔は本当に楽しそうで、肩を震わせて可笑しそうに笑っていた。
それにつられてオレも何だか楽しくなってきて、直接快感を感じられる場所をわざと避けて、まるでくすぐるかのような愛撫を施していく。
脇腹から腰骨の辺りをゆるく撫でて、鎖骨やあばらの骨を唇で辿り時折チロリと舐めた。
海馬はその度にピクピクと反応して、耐えきれないようにシーツの上で身を捩る。
「やめろ」とか「いい加減にしろ」とか色々文句は飛び出していたけど、それでもその顔が楽しそうに笑っていたのでそのまま続ける事にした。
その状況は、今まで感じた事が無いような甘い甘い時間だった。
まるで蜂蜜のような濃厚な香りと風味、砂糖菓子のような爽やかで軽やかな甘みを両方持ち合わせたかのような、不思議で魅惑的な時間が流れている。
それが溜まらなくて、オレはクスクスと笑い続ける海馬の首筋や胸元にわざとちゅっちゅっと音を立ててキスをする。
その度にオレ達を包む甘い空間が美味しく感じられて、オレはキスに夢中になった。
軽いキスを続けながら白い胸に一際紅く己を主張している乳首を触ろうと手を伸ばす。
乳首は弱点の一つだから、触れば一気に海馬がその気になるのは分かっていた。
だからあえて直接は触らずに、薄い乳輪の縁を指先でくるくるとなぞる。
白い肌と紅く変色している乳輪の境目をくすぐるように撫でていると、いつの間にか笑い止んだ海馬が涙目でこちらを見ていた。
何も言わないが「直接触ってくれ」という声が聞こえるような気がする。
だけど今日は悪戯を一杯するってもう決めたから、オレはそれに気付かないふりをした。
指で弄っているのとは逆の乳首に唇を寄せて、肝心な場所を避けて際どい場所をちゅっと吸う。
それにビクリと身体を揺らした海馬が、ついに我慢出来なくなって口を開いた。
「城之内…」
「ん? 何?」
「そ…それはもう…嫌だ…っ」
「何で? 乳首好きでしょ?」
「だ…だから…っ。もう…っ」
どうやら上手くおねだりが出来ないらしい。
海馬が本気で乳首を触って欲しいのは、見ていてもう分かっていた。
だって触ってもいないのに海馬の乳首はもうすっかり固くなって立ってるんだもんな。
乳輪も赤味を増してぷっくり膨らんで、早く早くとオレを誘っていた。
滅茶苦茶美味しそうなそれをオレだって早くしゃぶりたいけど、ここまで来たらやっぱりおねだりして欲しいと思う。
海馬を素直にさせる為に、オレはほんのチョットだけ刺激してやる事にする。
舌先を固く伸ばして、ピンと立ってる乳首を下から上にクニッと押し倒してやった。
「やっ…! あんっ!!」
その途端聞こえて来た最上級の甘い声に、オレは全身に痺れが走ったのを感じる。
ちょっ…! 何だよ今の声は!!
海馬とは今までそれなりにセックスしてきたけど、ここまで甘い声は今まで聞いた事が無かった。
どうやら悪戯に身体を触っていたせいで、海馬の身体はすっかり敏感になってしまったらしい。
今の海馬はもはや全身性感帯で、いつもの数倍感じやすくなっている。
現にほんのちょっと乳首を刺激しただけで、海馬は顔を真っ赤にしてボロボロ泣いてしまっている。
震える手をオレに伸ばして、泣き声で小さく囁いた。
「は…はやく…っ。じょ…う…ち…。乳首…触って…。もっと舐め…て…っ」
もっと悪戯したかったけど流石のオレももう我慢の限界で、そんな風におねだりされたら理性の糸も切れるってもんだ。
指で弄っていた方の乳首をキュッと摘んで、それと同時に反対側の乳首にしゃぶりついたら、頭上から悲鳴のような声が発せられた。
「ひぁ…っ! あっあっ…あぁっ! んぁ…あぁぁっ!!」
ビクンビクンと大きく跳ねる身体を押さえつけて乳首を攻めていたら、突然腹部に生暖かい液体がビシャリとかかる。
え…? と思って身体を起こして自分の腹を見たら、そこには見事に白い液体がこびりついていた。
自分の腹部を確認して、次いで海馬の下半身を確認して、最後に視線を上げて海馬の顔を見たら、まるで茹で蛸みたいに真っ赤になって自分でも信じられないような表情をしてオレを見ていた。
「海馬…お前…」
「う…煩い!! みなまで言うな!!」
真っ赤になったまま叫ぶようにオレの言葉を遮って、両腕で顔を隠してしまう。
海馬とは何回もセックスしてきたけど、乳首だけでイカせてしまったのは流石に初めてだった。
一度イッたというのにまだ余韻続いているらしく、海馬は身体全体をピンク色に染めて小さく震えている。
その身体に手を伸ばしてそっと胸から腹部にかけて撫でると、海馬はそれだけでビクビクと震え甘い声を漏らした。
悪いけど…。本当に悪いとは思うけど…。
「海馬、お前…最高だ」
そう言わずにはいられなかった。
震える身体をひっくり返してシーツの上で俯せにさせる。
襟足の髪を掻き上げてうなじに軽く噛みつくと、「ひゃうっ!」と声を上げてビクリと背を反らした。
そのまま背筋に沿って舌先で舐めながら、ゆっくりと下半身に降りていった。
尻の割れ目まで辿り着いた時にそのまま下へは下がらず、両手で臀部を揉みながら浮き出た尾てい骨に舌を這わせる。
「あっー! やっ…! そ…れ…やだぁ…っ!!」
案の定激しく反応してきて、オレは一人でニヤリと笑ってしまった。
この場所も海馬の弱点の一つ。
以前ここを同じように舐めた時、余りに酷く暴れたので一体どんな風に感じているのか聞いたことがあった。
海馬によると剥き出しの神経を直接触れられているみたいに感じて、ビリビリとした刺激が耐えられないんだそうだ。
普通のセックスでも耐えられないような場所を今の状態で刺激したらどうなるか気になってやってみたんだけど、予想以上の反応にこっちがビックリする。
シーツを力一杯握りしめて、激しく身体を痙攣させながら泣いていた。
漏れる声ももはや喘ぎ声じゃなくて悲鳴になっている。
「やっ…やぁっ…。いや…だ…いや…っ! あぅっ…!!」
あんまり過剰に反応するからちょっと可哀想に思ったけど、今日のオレはやめてやる気なんて全く無かった。
尾てい骨の直ぐ下でひくついている後孔に目を留めて、そこに先程掛けられた精液をたっぷり掬った指を押し付ける。
ぬめる液体を入り口で暫くなじませるように塗り付けた後、ぐっと押し込むとそこは簡単にオレの指を飲み込んだ。
体内はもう発熱したかのように熱くてまるで誘うようにグニグニと動き、オレは耐えきれずに直ぐさま二本目の指も突っ込んだ。
ちょっと苦しそうな呻き声が聞こえたけど、同時に尾てい骨の上をキュッと吸い上げたら、それは途端に甘い悲鳴に変わる。
オレの指を銜え込んだままひっきりなしに声を上げ続ける海馬に、オレはついに我慢の限界を感じた。
中を慣らしていた指を引き抜き、震えてもう殆ど力を無くしている海馬の腰を高く上げさせた。
真っ赤に熟してひくつく後孔がオレを誘っている。
すっかり固くなって先走りの液をポタポタ垂らしている自分のペニスをそこに宛がって、オレは一度大きく息を吸い込み深く吐き出した。
「挿れるよ…?」
一応そう声を掛けると、いつの間にか枕を抱き込んでそこに顔を埋めている海馬がコクリと一つ頷いた。
それを見て取って、オレは自らの腰を奥へと進める。
もうそこは未知の領域だった。
今まで感じた事が無い位の熱さと狭さで、まるで奥へ奥へと誘い込むように腸壁がグネグネ動いてオレのペニスを締め付けてきた。
思わず「うわっ…」と声を上げる。
「何だコレ…。海馬…お前凄ぇぞ…」
「ひぅっ…! んっ…んぁ…っ。あぅ…んっ!」
「ちょ…ちょっと待って…っ! そんなに引き込むなって!!」
「し…知るか…っ! あぁん…っ! そん…な…事は…してな…いっ! やぁっ!」
「無意識の行動程質が悪いよな…。くっ…!! だからそんなに絞るなってば…っ!!」
「知ら…ない…っ! あぁーっ! あっ…はぁんっ! うっ…あっ…っ! あぁぁ―――――っ!!」
その後はとにかく本気モードに入った海馬にオレも翻弄され続け、体位も変えつつ夢中でセックスし続けた。
気がついたら外はすっかり日が落ちて暗くなり、二人してベッドの上で死んでいたら廊下からメイドさんがドアを叩く音が聞こえた。
どうやらもう夕食の時間らしい。
それに何とか「後でいい」と応えた海馬は、再びベッドに突っ伏した。
せっかくシャワーを浴びたのにまた汗を吸ってしっとりと重くなった栗色の髪を撫でながら、オレは笑みを浮かべる。
「ゴメンな。ちょっと無理させた」
「分かってるならやるな…。死ぬかと思ったぞ…」
「ゴメンゴメン。でもあんなに感じてくれたの初めてだったからさ。何か嬉しくなっちゃって」
「………っ」
「な、気持ち良かった?」
「………」
「なーってば」
「き…聞くなそんな事…っ。もう分かっているんだろう!?」
「うん。分かってる。でもやっぱりお前の口から直接聞きたいじゃん」
起き上がるのはしんどいからズリズリとベッドの上を這って移動して、背中を向けている海馬にピッタリくっついたら、頬を紅くした海馬がゆっくりとこちら側に振り返った。
眉根を寄せて一瞬不機嫌そうに見えるその表情が、怒っているのでは無く照れているだけなんだとオレはもう知っている。
オレの首に腕を絡ませて顔を寄せた海馬は、ボソリとオレの耳に何かを吹き込んだ。
それを聞いた途端、オレは嬉しさの余り目の前の身体を強く抱き締めた。
「苦しい」とか「やめろ」とか文句が聞こえたけど、止めてやる気はこれっぽっちも無い。
普段の海馬からは絶対に聞く事の出来ないご要望に、下がった筈の体温が再び上昇するのを感じる。
でもまぁ、腹が減っては戦は出来ぬと言うからな。
とりあえず続きは夕飯食べてからでいっか。
コイツん家で出される飯は最高に美味い事はよく知っている。
でも今日はデザートは食べない。
だってこの後も甘い甘い蜂蜜と砂糖の時間が待っている事を考えたら、そんなもんはいらないもんな。
「よし。そうと決まれば夕飯食べに行こうか! な、海馬!」
とりあえず今夜一杯持続する体力を保持する為に、オレ達は夕食を取る為に起き上がった。
デザートタイムは…その後だ。
体調の悪さはもう仕方無いと諦めた二礼です、こんばんは。
ここまで来たら後はなるようになれって感じなので、もうどうでもいいですw
食事が殆ど出来ないので(ジャガビー一箱が食べきれません…w 三日掛かって漸く全部食べました)見事に体重が落ちましたが、「どうせ秋になったらすぐ戻るよ(^Д^)プギャー」と相棒に言われ「ですよねー(´∀`;」と応える事しか出来ませんでした…w
体調不良で落ちた体重ってのは、どうしてこう直ぐ戻るんでしょうか…;
戻って来なくていいのに\(^o^)/
ちなみに現時点での主食は飴ちゃんとカゴメの野菜ジュース(甘くないヤツ)です。
チュッパーチャップスうめぇ!
あと全然関係無い話ですが、最近ジャンプで『黒/子/の/バ/ス/ケ』がすっかり巻末移動になってしまって、打ち切り秒読みにガクブルですw
ヤバイ…。せっかく緑/間に惚れたのに…;
アンケ葉書出さないとダメなのか…w
しかしこの年になってアンケ葉書って…、ちょっと恥ずかしいんだけどなぁ…w
長編『奇跡の証明』の番外編『二つの恋の物語』のその7をUPしました。
ふぅ…。漸くバクラが恋愛モードに入ってくれた…(´∀`;
今回の話は『奇跡の証明』本編の第十四話~十五話のバクラ視点によるものです。
あの時バクラはこんな風に考えていたんですねぇ…w
小説を書いていて面白いと思うのは、同じ事柄を別視点で見ると全く違う物語になるという事です。
あまりそういう事をやっては来なかったのですが、今回この番外編を書く事によってそれを体験する事が出来ました。
バクラ視点での物語はとても難しくなかなか書き進める事が出来ませんが、それでもとても良い体験が出来たと思っています。
さて、ここまで来たらもうちょっとだ。
最後まで頑張って書ききります!
以下は拍手レスになりま~す!
>榊弛亞様
こんばんは、お久しぶりです(´∀`)
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!
『二つの恋の物語』と日記ネタの感想をありがとでした~!
瀬人皇后様大暴走はあながち間違っていないと思いますw
実際、何かプッツン来ちゃって暴走しちゃってますしねー(´―`)
(自棄になっていたという考え方も出来ますが…w)
その暴走した結果がどうなったのかは、本編の方で結論が出ていますけどねw
あと日記のにゃんにゃん城海に反応してくれて、ありがとうございます(*´∀`*)
普段の海馬のイメージが、とにかく真面目で怒りやすくてイチャイチャなんてとんでも無い! というものなので、ここであえてラブラブイチャイチャにゃんにゃんさせると凄く可愛いと思うんですよ~!
でも後から良く考えてみたら、そういう海馬を今『STEP』で書いていましたね…w
とにかく、城之内の事を好きな自分に対して何の戸惑いも憂いも無く恋愛する海馬が書きたくて堪らないんだと思います。
そういう海馬って結構可愛いと思うんですけど…如何でしょうか?(*'-')
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
『二つの恋の物語』と日記の感想をありがとうございます。
Rosebank様の仰る通り、この時点での克也はまだ自分の事を『若輩者』だと思っています。
本編では結構皇帝らしく格好良く振る舞っていましたが、親友の前だとつい本音が出ちゃったようですね…。
克也は瀬人を始めマナやアイシス等、周りに信頼している人間が沢山います。
だけど(この時点では)弱音を吐けるのは、同性の親友であるバクラだけでした。
ちなみに現時点(本編終了前後)では、瀬人に対しても弱音や愚痴を言ったりしています。
それだけ夫婦の絆が強まったという事なんですけどねー(´∀`)
日記の方でも身体の事を気遣って頂いて、スミマセンでした。
ただ精神的には大分持ち直したようですw
ダークな妄想しか出来なかった一週間前に比べれば、気持ち的には大分楽になっています(´―`)
この気力が続いている内に、ネタやプロット等を色々と纏めたいなと思っています。
相変わらず頭の中はお花畑状態なので、Rosebank様の言われるように城海を糧にしてこの夏を乗り切ろうと思いますw
むしろ城海さえあれば飯はいらん! …なんてね(´_ゝ`)
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
次の日の朝、克也は戦場へと旅立って行った。
直接式典を見に行く事は出来ないが、報告に来た神官によりその時の状況は伝えられていた。
黒馬に跨り剣を片手に兵士を鼓舞する姿は、きっと勇猛果敢であったに違いない。
少しでもいいから見たかった…とバクラは寂しげに微笑んだ。
こんな時ばかりは地下でしか生きられない自分の身を疎ましく思う。
発光水晶の光を反射して煌めく誓いの泉を見ながらただ静かにボンヤリと立ち竦んでいると、突然背後から人の気配を感じた。
慌てて振り返り、そして己の目が捉えたその姿に呆気に取られる。
「バクラ、久しぶりだな」
「え…? 皇后サマ…?」
考えもしなかった人物の来訪に本気で驚いて、バクラは一瞬頭の中が真っ白になった。
何故今ここに瀬人がいるのか全く理解出来ない。
「皇后サマ…? 一体何しにここへ来たんですか? 戦勝祈願の儀ならば昨日皇帝陛下が行なって、皇后サマの出られる幕はありませんが…」
余りの事に多少混乱しながらもそう言うと瀬人はただ「ふん」と鼻で笑って、次の瞬間には自らの服に手を掛け始めた。
金や銀の糸で刺繍の入った帯をシュルリと解き傍らに跪いていたマナに手渡し、今度は服の合わせ目の紐を解いて豪華な衣装を脱ぎ始める。
ここまで来ると流石のバクラも、瀬人が何をやろうとしているか大体の検討が着いてきた。
まさかとは思うがこの皇后は、今から願いの儀をしようとしているのではないだろうか。
そう考えた瞬間、バクラの脳裏に昨日の克也の台詞が甦ってきた。
『瀬人を…守ってやってくれ。頼むよ…バクラ』
その声にバクラは慌てて瀬人を止めようとした。
「え…、ちょっと…。何やってるんですか皇后サマ!! っ…! うぷ…っ!」
だが瀬人に脱ぎ終わった衣装を頭の上から被せられて、次の言葉を紡ぐ事が出来なかった。
上等な絹の衣装はとても柔らかく、バクラの身体に纏わり付いてなかなか剥がれない。
水の中で溺れた子供が水面に顔を出すように何とか衣装をどけて瀬人を見ると、彼女はもうすっかり全裸になって真っ直ぐに泉を見詰めていた。
その姿に背筋がゾワリとざわめいた。
「皇后サマ…。もしや貴女は…」
戸惑いつつも声をかけると、その声に瀬人が振り返る。
その青い眼に宿るのは強い意志と決意。
その瞳の光は、昨日戦勝祈願の儀をしに来た時の克也の瞳とまるで一緒だった。
「もしや貴女は、『願いの儀』をするつもりじゃないでしょうね…?」
「流石守り人。察しがいいな。その通りだが?」
「その通りじゃないですよ!」
「何を怒っているのだ? 皇后として戦争に赴いた皇帝の身の安全を黒水晶に祈ることは、そんなにおかしい事なのか」
「別におかしくは無いですけどね…」
バクラは深く溜息を吐きつつも、それでも必死に瀬人を止めようと試みる。
昨日の克也との約束をふいにする訳にはいかなかった。
守り人である自分にはこの願いの儀がどれだけ大変な儀式であるのか、嫌と言う程分かっていた。
だからこそ、何が何でも止めなければならないと思ったのだ。
瀬人にこんな大変な事をさせるのは、克也にとっても本意では無いだろう。
ただ皇宮で大人しく夫の帰りを待っていればいいだけなのに、どうしてわざわざこんな事をしに来るんだ…とバクラは正直焦っていた。
だがそんなバクラの気持ちを知ってか知らずか、瀬人は全く自分の意志を変えようとはしない。
「皇后サマ、貴女は知らないんだ。願いの儀は本気で大変な儀式なんだ。一日だって休むことは出来ない。たった一日祈りを途切れさせただけで、その願いは永久に叶わなくなる」
「そんな事は覚悟の上だ。オレは戦争が終わり克也が無事に帰ってくるまで、毎日祈りに来る自信がある」
「だから…っ。今度の戦争はそんな生易しいものじゃないんだって! 相手は冥龍国…この黒龍国以上の軍国だ。とてもじゃないが二~三ヶ月で終わるような戦争じゃない。下手すりゃ一年…いや、それ以上かかる可能性だってある。ただでさえ三百年前の七年戦争並になると言われているんだ! そんな長い時間を、貴女は毎日祈り続けられるってのか!?」
息を荒げてそう訴えても、瀬人は黙って立っているだけであった。
そしてバクラから視線を外して、一歩泉に向かって歩き出す。
思わずその身体を止めようと腕を伸ばすが、バクラは寸でのところで腕を止めた。
守り人である自分は皇族の身体には指一本触れる事は出来ない。
止めたいのに止められないもどかしさに唇を噛むと、勝ち誇ったように振り返った瀬人がニヤリと笑った。
「どうした、バクラ。オレを止めるのではないのか」
「出来るわけないだろ…。オレは守り人だ。皇族の身体に触れる事は許されていない」
悔しげに呟くと、瀬人が「そうだろうな」と答えを返す。
「お前達守り人が皇族の身体に触れられないのは、今回のように皇族の願いの儀を邪魔される事の無いようにする為だ。例え儀式が成功しようと失敗しようと、皇族が自らやると決めたその願いを、たかが臣下が邪魔する事は許される事では無い。その為のしきたりだ。違うか?」
突然発せられたその言葉に、バクラは驚いた。
黒龍国で生まれ育った皇族でさえも知り得ない守り人のしきたりの本質を、白龍国から嫁いで来て僅か半年の瀬人が見事に言い当てたのだ。
「その通りです…」
驚きと悔しさが入り交じった声色で呆然と呟き、そして側に控えていたマナに瀬人を止めるように詰め寄った。
だがマナは静かに首を横に振り、瀬人を信じると言ったきり黙り込んでしまった。
そこまで来て、漸く瀬人を止める事は不可能なんだとバクラは悟った。
願いの儀を止める事は不可能。
だが瀬人を守ると克也に約束したからには、その約束を破棄する事は出来ない。
ここまで来たら自分に出来るのは、守り人として儀式を見守り、そして儀式を続ける瀬人を守る事…それだけ。
「はぁ…。分かりましたよ、皇后サマ…。もう好きにして下さい。ただしここから先の責任はオレは持てませんよ? それだけはご理解下さい」
「分かっている。お前が心配するような事は何も無い」
諦めたようにそう伝えると、瀬人が自信ありげに答え、そして誓いの泉へと向かっていった。
その後ろ姿を見守りながら、バクラは複雑な気分になっていた。
願いの儀がどれだけ大変な儀式か分かっているだけに、瀬人がそれをやり遂げられるとは到底思えなかった。
だがそれと同時に、何故か瀬人なら最後までやり遂げる事が出来るのでは無いだろうか…と妙な自信が湧いてくる。
何はともあれ守り人である自分には、儀式を黙って見届ける事しか出来ないのだ。
泉を渡っていった瀬人がやがて小島に辿り着いたのが見える。
そしてそのまま黒水晶に近付いてその手を触れさせ、そして驚いたように一度手を離した。そしてもう一度黒水晶に手を当てた時、突如異変が起こった。
まるで陽炎のように黒水晶周辺の景色が歪んで、次の瞬間に目に入って来たのは巨大な黒龍の姿だった。
「………っ!?」
慌てて身を乗り出して見つめ直すが黒龍の姿は消えず、翼を広げて瀬人と対峙している。
「真紅眼の…黒龍…っ? まさか…そんな…」
慌てて後ろを振り返って同じように瀬人を見守っているマナを見るが、彼女の様子に異変は無い。
今までと同様に心配そうに見守っているその姿から、マナには黒龍の姿が見えていない事が分かった。
瀬人と黒龍は暫く何かを話していたようだったが、やがて黒龍の姿は消えて元の黒水晶に戻っていく。
その黒水晶に名前を書くと深く礼をして、瀬人はこちらに戻って来た。
濡れた身体でバクラの前に立ち、フワリと笑ってみせる。
「何て顔で見てるんだ、バクラ」
「あ…い…いえ…」
未だ驚愕したままのバクラに、瀬人は「儀式は必ずやり通す。安心しろ」と微笑んで伝えた。
その姿が本当に美しいと感じた。
克也を守りたいという強い意志を秘め、神聖な空気を纏い、自分のする事に絶対の自信を持っている。
そして全身から溢れるような克也に対する愛が、バクラには痛い程に感じられたのだ。
外見の美しさも素晴らしかったが、それ以上に感じられる内面の強さと優しさと真摯な愛が、バクラの心を一気に打ちのめした。
その白い身体と青い瞳と、強い意志を崩そうともしない横顔を見る度に、心臓が高鳴り顔が紅潮する。
それはまさしく恋だった。
克也に対する想いとは全く違う、だが確かに同じ慕情だった。
最初から叶う筈も無いその想いに気付き、それでもバクラは後悔はしなかった。
例えその白い身体に触れる事は叶わなくても、自らの想いを告げる事さえ出来なくても、自分には自分の恋愛があると信じている。
それが普通の人の恋愛とは違っていても、想いの深さは変わらないのだ。
克也に命を助けられたあの幼き日に誓った愛を、今ここでもこの方に誓おう。
必ず…一生守ってみせると。
貴女と…貴女の愛したあの方と、そしてそれを取り巻く人々の幸せを。
自分は必ず最後まで守り通してみせると、バクラは心の中で強く誓った。
「皇后サマ…」
マナと共に着替えをしている瀬人に近づき、バクラはその場に跪く。
「こうなったらオレも覚悟を決めます。必ずや願いの儀を…そして貴女自身をお守致します。ですから安心して儀式をお続け下さいませ」
そのまま深く頭を下げると、頭上から「ありがとう…。これからも頼む」と優しい声が降って来た。
その声が余りに昨日の克也の言葉と同じ雰囲気で、バクラは俯いたまま思わず一筋の涙を零したのだった。
本日も何とか生き存えている二礼です、こんばんは。
身体はどんどん弱っていきますが、その代わり妄想力はメキメキと上がっている今日この頃ですw
もうね、今更ですけど。
ほんっっっっっと城海が好きなんですよ!!
上手く文字にして表現出来ないのが口惜しいくらいですw
格好いい城海も好きだし、可愛い城海も好きです。
ウチの社長は最初から乙女ですけど、何かこう…二人して百合っぽくにゃんにゃんしてるのとかもいいですよね~(*´∀`*)
ベッドの上でゴロゴロ転がりながら抱き合って、戯れに首筋とか胸元とかにちゅっちゅしながらクスクス笑い合ってるのとか、考えただけでも最高!!
指とか絡め合っちゃって「悪戯しちゃうぞー」「やめないか、コラ」みたいな事を、仲睦まじく囁き合ってるのを考えたら萌えが止まりませんw
………と、ここまで書いて放置しつつ買い物に出掛け、帰って来てから見直したんですけどね…。
何だコレw 壊れてんじゃねーかwww
妄想力が上がるのはいいけど、理性まで失ったらいかんwww
長編『奇跡の証明』の番外編『二つの恋の物語』のその6をUPしました。
当初の予定ではこの6話でバクラが二つ目の恋を自覚する筈だったのですが、予定が狂って次回に持ち越しになりました…w
でも今回の話のような、本編で出てこなかった裏話を書けるのはとても楽しいです。
楽しいけど…あんまりダラダラ書くのもなぁ…w
この話はあくまで番外編なので、余り長引かせず短く纏めたいところなんですよねー。
最初にプロット作った時は結構いい感じで纏まってたのに…、バクラが…バクラが…w
ちょっと集中して纏め直してきます\(^o^)/
以下は拍手のお返事でございます~!!
>Rosebank様
拍手とコメント、いつもありがとうございます~!!(´∀`)
『STEP』と日記の感想をありがとうでした~!
『STEP』の海馬は本当にお馬鹿さんで、最初は自分でも失笑していたのですが…。
何だか最近、凄く可愛くなってきましたw
馬鹿な子ほど可愛いと言いますが、まさしくそんな感じになってきています…(´∀`;
この子の恋愛が最後までちゃんと成就出来るように頑張りますので、生温く見守っていて下さいませ~。
あと日記のネタについてですが、確かにフラストレーションが溜まってるんだと思われますw
まぁ…今のところは「こういうネタもいいかな~」とネタ帳に書いているだけなんですが、いつかはちゃんと形にしたいと思っています。
それよりも何よりも今は抱えているものが多くて、なかなか新しいネタに着手出来ないんですよね~。
とりあえずは『二つの恋の物語』をキチッと終わらせたいと頑張っているところです。
今までの小説の中でこの話が一番難産…というか、一番手間かかってる状態なのでw
バクラ視点はやっぱり難しいという事ですね(´―`)
番外編が終わったら新しい話に手を付けていこうかな~と思っています。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>7月17日15時台にコメントを下さった方へ
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(・∀・)
日記のネタに反応して下さってありがとうございます~w
今は他の連載があったりして着手出来ない状態ですが、いつかはちゃんと形にして行きたいと思っています。
まぁ…どうせ私が書くものなので最後までは暗くならず、最後は結局ハッピーエンドになると思いますが…w
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
克也が瀬人と結婚して半年が経っていた。
その半年の間、地下で暮らす自分には特に何も変化は無かったが、地上では殊の外重大な変化が起きているという情報を耳にして、バクラはそっと溜息をつく。
西の隣国である冥龍国が、この黒龍国に対して戦争の準備をしているというのだ。
直接外に行く事が出来ない身ゆえ冥龍国がどんな国かは想像するしか無いが、話を聞くにかなりの武力国家だという事だ。
外の情報を持って来てくれる兵士や神官、そしてたまに相談に来る克也自身の話から、猶予は確実に無くなりつつあると嫌でも感じさせられる。
国の内外からピリピリとした緊張感が漂ってきて、それを敏感に感じ取っているバクラも苛々する日々が続いていた。
黒龍国の決まりとして、もし外国と戦争が起こるような事があれば、真っ先に皇帝が戦陣を切って戦場に赴く事は知っている。
今現在、この黒龍国の皇帝は克也だ。
だからこのまま冥龍国と戦争が勃発したとしたら、克也が戦場に行ってしまうのは明白だった。
彼の身の事を思うと、苛々とした緊張感が消える事は無い。
そしてもう一つ、それ以上にバクラを苛つかせている事実があった。
それは半年前に黒龍国に嫁いで来た瀬人の事だった。
たまに皇帝と皇后の近況を告げに来る女官の話によると、あの二人は未だ結ばれていないらしい。
瀬人の女性のとして身体が未熟なせいであるらしいが、バクラはそれに対してチッと舌打ちをした。
瀬人が奇跡の子であるからには、子供を宿せないのは仕方が無い。
それはもう諦めてしまった。
だが夜伽となると話は違う。
未熟だろうが何だろうが、男を受け入れる為の身体は持っているのだ。
子供を作る事が出来ないのなら、せめて皇帝の夜の相手くらいはしっかりしろよと思ってしまう。
数週間程前に、いつものように地下にやって来た克也にもバクラはそう提言したが、克也は黙って首を横に振って拒否を示した。
「無理矢理抱けば抱けない事は無いと思う。だが…オレ自身がそれを嫌だと思っているんだ。瀬人には無理をさせたく無いし、どうせ結ばれるならお互いに幸せを感じられる形がいいと思っている。瀬人が女性としてオレを受け入れられるようになるまで、オレはいつまでもアイツを待つ自信があるんだよ」
そう言って笑う克也の顔に嘘は見当たらなかった。
瀬人を心から愛し微笑む克也を見る度に、バクラは結婚の儀の時に見た瀬人の姿を思い出す。
儀式をする為に全裸になった瀬人の身体は、とても美しく、そしてどことなく奇妙で、それでいて不思議な魅力を持っていた。
細いだけの身体はどこか頼りなく、確かにあの身体では克也を受け入れる事は出来ないだろうと思う。
だが克也に恋をしている自分は、どうしても瀬人より克也の事を優先的に考えてしまう。
もしこのまま冥龍国との戦争が起きれば、克也は瀬人の身体を知らないまま戦場に行く事になってしまう。
克也の武人としての実力は知ってはいるが、武力国家である冥龍国との戦争で無事でいられるとはとてもじゃないが考えられなかった。
下手をすれば戦場で命を落としてもおかしくないだろう。
そうなれば、克也は心から愛した人間を真に知る事無く一生を終えなければならないのだ。
「何とか…ならねぇのかよ…」
誓いの泉の中心に聳える黒水晶を見詰めながら、バクラは一人小さく呟いた。
そしてその夜。事態は突然動き出した。
誓いの泉の脇にひっそりと目立たぬように立てられている居住小屋の中で、バクラが休んでいた時だった。
突然地上に繋がる洞窟から一人の兵士が走って降りてきて、小屋の扉を拳で激しく叩き付けて来た。
「守り人様!! 守り人様!! 起きていらっしゃいますか!?」
いくら眠っていてもそんなに激しく扉を叩かれれば嫌でも起きると、バクラは少々立腹しながら寝台から起き上がり扉に近付いた。
鍵を開け扉を開くと、向こうには必死の形相をした兵士が一人立っていた。
「こんな夜中に何事だ?」
「お休みのところを申し訳ございません…。ですが…っ!」
「何だよ? いいから早く言えって」
「戦争です…っ! ついに冥龍国と戦争になりました…っ!!」
「な…んだと…?」
「陛下は今軍関係者と軍務会議を行なっておりますが、戦争になる事はもうほぼ決定事項です。決定が下り次第、陛下は戦勝祈願の儀をする為にこちらにいらっしゃるでしょう。守り人様もどうかそのおつもりで準備をなさってて下さいませ」
用件だけを伝えると兵士は一礼し、再び地上へと戻っていった。
後に残されたバクラは呆然とその場に立ち尽くした。
ついに…戦争が始まった…。
克也は自国を守る為に戦場へ行き、戦わなければならない…。
バクラは自分の不甲斐なさに苛立って、扉を拳で思いっきり殴りつけた。
黒龍国が、そして皇帝である克也がどんなに大変な状況に置かれても、自分はただこの場にいて誓いの泉を守る事しか出来ないのだ。
やがてやって来るであろう克也を迎える為に守り人としての正式な衣装に着替えながら、勝手に溢れてくる悔し涙を何度も掌で拭った。
何が守り人だ。
何が祝福された一族だ
何が皇帝を裏で支える大事な役目だ。
肝心なところで何一つ役に立たないではないか。
大事な人の命を守るどころか、その命の行く末を見守る事さえ出来やしない。
全ての準備をし終える頃には、既に朝になっていた。
地下では太陽を見る事は出来ぬが、日が昇るとそれに呼応するように発光水晶の煌めきが増すのでそれを知る事が出来る。
どんなに悲しんでも悔しがっても、時間は流れ朝は来るのだ。
その無情さに一旦止まった涙が再び流れ出して、バクラは慌てて袖で涙を拭う。
拭っても拭っても流れる涙を無理矢理袖で擦って誓いの泉まで行くと、そこには既に克也が一人立ってこちらを見ていた。
寂しげな…だが一つの大きな意志と決意を込めた瞳をして、笑ってバクラを見詰めている。
「陛下…」
「バクラ、ゴメンな。戦争…止められなかった」
「そんな…。それは陛下のせいではありません」
「いや、オレの責任だよ。オレがまだ若いからさ…。潰すんなら今だって思ったんじゃないかな」
そんな事を言いながらどうしてそんな明るい顔をして笑えるのか。
微笑む克也の顔には、一点の曇りも無かった。
戦勝祈願の儀を終え、服を着ている克也の側にバクラはただ黙って跪いていた。
多分明日には戦場へと出発するのだろう。
ローブを羽織り帯を締めているその身に縋り付いて、何とかして彼を止めたいとバクラは思った。
だがそれは守り人である自分には許されぬ事だし、何よりそれをするのは自分の役目では無い。
それをする事が許されているのは…皇后である瀬人だけだ。
ただ…彼女が止めてもどうせ克也は戦場へ向かうのだろうが…。
克也が衣服を全て身に纏ったのを見て、バクラは彼を見送る為に立ち上がる。
ところが克也は直ぐには地上に戻ろうとせず、立ち上がったバクラの顔を真正面から真摯に見詰めていた。
そして何かを考え込んでいたと思ったら、すぐに意を決して静かな声を発する。
「バクラ…。お前に一つ頼みがある」
「何でしょうか、陛下」
「瀬人の事を…頼みたい」
「皇后サマの…?」
「瀬人は地上の皇宮、お前は地下にいるから接触が無いかもしれない。だがもし瀬人がお前を頼るような事があったならば…、どうかアイツの力になってやってくれ。瀬人を…守ってやってくれ。頼むよ…バクラ」
克也の言葉を聞きながら、バクラは心の中で「何だ、そんな事か」と呟く。
克也をずっと守る事を誓ったあの幼き日から、バクラには克也の為に生きる覚悟が出来ていた。
それは守り人として皇帝を守る事だけではない。
克也が幸せな人生を謳歌出来るように、彼と彼を含めた彼の愛する存在全てを守る事にも繋がっているのだ。
そんな事だったら、もうとっくに心に決めているんだぜ…陛下。
バクラは顔を上げ自信に満ちた笑顔を浮かべながら、はっきりとした声で目の前の克也に言い放った。
「勿論です、陛下。お任せ下さい。皇后サマにもし何かあるようならば、オレが必ず全力でお守致します…っ!! ですからご安心下さいませ」
バクラの台詞に克也は一瞬驚いたような顔をし、だが次に瞬間には破顔した。
そして「ありがとう…。頼むよ」と言って、バクラに向かって頭を下げた。
この時のバクラはまだ何も知らなかった。
バクラは戦場に行く克也を安心させたい為に彼にそう誓ったが、まさか本当に瀬人が自分を頼って来るなど思いもしなかったのである。
瀬人は結婚の儀以来、一度もこの地下に降りてきてはいなかった。
むしろそれが普通なのだ。
大概の儀式は皇帝一人で出来るし、基本的に皇后が参加しなければならない儀式は、結婚する時にする結婚の儀だけである。
普通の皇后ならば、夫が戦場から戻るまで皇宮で大人しく待っていれば良いだけの話なのだ。
だがバクラは忘れていた。
瀬人が…普通の皇后では無い事を。
只今気分的にダークサイドに堕ちている二礼です、こんばんは。
最近、今までとは色の違う小説を書いてみたくて堪りません。
前回書いた『鎮魂歌』もそういう試みの中で生まれた作品でした。
とにかく余り上下幅のない静かな作品を書いてみたかったんです。
ちなみに今ネタ帳にはあと3つ程候補が挙げられているのですが、その内一つはノロノロとプロットを作成中です。
で、このプロット作成中の話は結構暗くて痛い話なのですが、こういうのって体調も関係あるんでしょうかねぇ?
気分がダークサイドに堕ちている今、他の二つのネタも微妙に痛い話になっちゃってるんですよ…。
一つは立場逆転型城海。
海馬を金で買ってペットにしちゃう城之内君の話ですw
何かこの間ふと『間○楔』とか思い出しちゃって、その結果出てきたネタがコレでしたw
あと本気のドS城之内君を書いてみたいっていうのもあったかもしれません。
『素質』の城之内君は一応ドSですけど、海馬に甘いですからねー。
もう一つは看病系城海。
事故で怪我をして、どこかしら身体が不自由になった海馬の世話をする城之内の話です。
これは永久性でもいいし、怪我が治るまでの一過性でもいいなぁ。
何かね、弱った海馬が見たいらしいです。
ていうか海馬を泣かせたい!! 凄く泣かせたい!!
泣かせて泣かせて一杯泣かせて、最後の最後にどんでん返しで幸せにしたい!!
って、何だいつものパターンじゃないか…(´_ゝ`;
結局甘々が好きなので、最後まで鬼畜になりきれないですよねぇ…w
長編『STEP』のすてっぷすりーをUPしました。
最近ずっと上記のような痛い話ばかり考えていたので、これだけが唯一の良心みたいになってきましたw
こちらの海馬は相変わらずお馬鹿さんですけどねー(´―`;
でも今回は明らかに1ステップ進んだのでは無いでしょうか?
ベロチューまで全三話使いましたが、これは思ったより早い(?)ペースで進んでいるかもしれません…っ!!
いける…っ!! いけるぞ…っ!!
これならきっと最終段階まで持っていける筈!!www
以下は拍手のお返事になりますお~(´ω`)
>kin師匠
拍手とコメント、どうもありがとうっす!!
あと日記ネタを提供してくれてありがとn…ゲホンゴホン!
ていうか、私から言えるのは『生きろ!!』の一言だけですわーw
問題のオンリー開催日まで@5日切りましたが、今後の展開をwktkしながら待っています(´∀`)←他人事だと思って…w
あと調べたら、結構青竜刀系同人オンリーってあるんですねぇ…;
昔じゃとても考えられない世界です。
続報出たら是非教えて下さいませw
では~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(・∀・)
『鎮魂歌』と日記の感想をありがとうでした~!
Rosebank様はウチの城海のセックスシーンには背徳的なところが無いと仰ってくれますが、私自身そういうのを余り気にしたことはありません。
ただ、確かに私は『セックス』というものを、二人の人間が愛を語る上での最高最上の行為として捉えている部分があります。
まぁ…その代わり問題も多いので、万能では無いとは思いますけどw
あくまで数ある行為の中で、最上位に与しているものという捉え方です。
だからそういう部分が城海小説にも出ちゃっているのではないでしょうか?
大好きな城之内と海馬に『イケナイ事』はさせたくありませんものね(´∀`)
どうせ同じ事させるなら『イケナイ事』より『最高最上にイイ事』をさせたいですから。
そういう考え方だから、長編とかで結ばれるシーンが最後の方に来ちゃうんですよーw
最初っから最後までセックスしまくって幸せな話とかも書きたいですね。
『素質』は…まぁ…うん、別としてw
それからRosebank様のコメントにあったKAITOのレクイエムを聴かせて頂きました。
うっわー! これ凄いですね…;
兄さんの曲は結構聴いてきたつもりだったんですけど、この手のカヴァーは初めて聴きました。
がくぽと一緒のヴァージョンも凄く綺麗で荘厳で、まさに圧巻されました!
あ、そうそう。
私が昨日の日記で言っていたオンリーは、それで合っていますよw
他人事ながら楽しm…じゃなくて心配しております(^o^)
顔文字が楽しそうなのは気のせいですよー。
うん、気のせいですwww
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
本当は今日は学校に行くつもりなど無かった。
午前中から重要な会議があったし、午後は得意先の重役と会う約束があったからだ。
だが昼頃になって先方から、会談予定だった相手が急に体調を崩したと連絡があり、午後の時間が突如空いてしまったのだ。
今の時期は特に業務に追われているという訳でも無かったので、オレは午後から学校に行くことに決めた。
リムジンに乗り込み学校までの道を走らせる。
城之内には今日は学校を休むとはっきり伝えてあったので、オレの顔を見たらどれだけ驚いてくれるのだろうと少しわくわくしながら車を降りると、ウチのクラスが丁度校庭で体育の授業をやっているのが目に入った。
今日の男子の体育はサッカーらしい。
校庭で人一倍元気よく走り回る金髪を発見して、知らず顔に笑みが浮かんだ。
今は外野で試合を見学しているらしい遊戯が「城之内君、頑張ってー!」と大声で叫んでいる。
何人もの生徒が入り交じって試合している中、城之内の姿は良く目立った。
試合自体がもう後半戦なのだろう。
既にバテ始めている生徒が多い中、持久力のある城之内だけが一人元気に動き回っている。
うむ。やはり城之内は他の人間とは一味違うのだ。
それにあの中ではダントツに格好良い!!
太陽の下で汗を流してスポーツをしている城之内の姿に見惚れていたら、向こうもこちらに気付いたらしい。
突然校庭のど真ん中で立ち止まり、オレに向かって手を振り始めた。
いや…。そんな大衆の面前で堂々と手を振られると…少々照れるのだが…。
というか貴様、試合中ではないのか?
ボールに集中しなくてよいのか!?
そんな心配をしていると、案の定どこかの誰かが蹴飛ばしたボールが城之内に向かって一直線に飛んできて…。
オレを含めた全員が「あっ!」という顔をしたその瞬間、ボールは見事に城之内の顔に命中した。
遠く離れたこの位置にまでバンッ! という音が聞こえて来たのだが…大丈夫だろうか?
そわそわしながら動向を見守ると、ボールはゆっくりと城之内の顔から地面に向かって落ちていく。
そして…それと同時に城之内も仰向けの状態で校庭に倒れていった。
そういう訳でオレは今保健室にいる。
倒れた城之内の側に他の生徒や教師と共に駆けつけると、そこには完全に目を回して意識を失っている城之内の姿があった。
担架で保健室に運んでいく最中に教師がオレの存在に気付き「海馬、来てたのか。どうせ途中から体育の授業なんて出ないんだろ? 丁度良いから城之内に着いててやってくれ」と言われたので、こうして堂々と城之内の側に控えているという訳なのだ。
養護教諭は所用があるらしく、城之内に簡単な手当をすると「海馬君が着いててくれるなら安心ね」と笑って言って、その後どこかへ行ってしまった。
怪我した生徒を放ったらかしにして平気で保健室を空けるとは…。
相変わらずこの学校の教師は暢気な者ばかりだ。
まぁ…そこが気に入った…というか、オレにとって都合が良いからこの学校に決めたようなもんだけどな。
開け放たれた窓からは、初夏の気持ちの良い風が入り込んでいた。
靡くカーテンを横目に見ながら、簡易ベッドの上で眠っている城之内の顔を覗き込む。
額に冷却シートを貼って、今は静かに寝息をたてている。
養護教諭は軽い脳震盪だと言っていたが、確かに顔色も悪くないし特に問題は無いだろう。
ふと、城之内が何やら理解出来ない事をムニャムニャと呟いて、それまで閉じていた唇が少し半開きになった。
それを間近で見ていたオレは、唐突にその唇が気になり始めた。
頭の中にあの唇でされたキスの数々を思い出してしまったのだ。
屋上で倒れてしまったあの日から、城之内とオレは何度かキスをしてきた。
流石にもう二度と倒れる事は無かったが、それでも恥ずかしいと思う気持ちは変わらない。
キスをされる度に心臓が早鐘のように鳴り響き、身体の奥がカーッと熱くなって顔が真っ赤になってしまうのだ。
だけどそんなオレを見る度に城之内は笑って「少しでも慣れていこうな」と優しく言ってくれるのだ。
今こうしてその事を思い返すだけでも、顔が熱くて仕方が無い。
だがしかし、オレだって城之内と同じ男なのだ。
いつまでも受け身のままではいられないし、自分からキスをしたいと思う事だって勿論あるのだ。
ただ…あまりに恥ずかしくてそれを実行出来ないだけであって…。
静かな寝息を立てて眠っている城之内の顔を、もう一度見詰めてみた。
試しに肩を掴んで軽く揺すってみるが、城之内が起きる気配は無い。
完全に熟睡している…。
今なら…、今なら自分からキス出来る!!
そう思ったオレは、思い切って自分の顔を城之内の顔に近付けた。
少しずつ少しずつ近付くにつれ、城之内が吐き出す温かな寝息がオレの顔にかかる。
カーッと頭に血が昇るのを感じながら、それでもオレは城之内の唇に触れるだけのキスをした。
柔らかな唇の感触に、頭に血が昇ってくらくらと目眩がしてくる。
恥ずかしいと思いながらも、オレはキスを止める事が出来なかった。
何度かキスを繰り返している内に、ふと…半開きになっている口の中が気になった。
あの口の中って…やはり温かいのだろうか…?
舌とかは…柔らかいのだろうか?
直接自分の舌で城之内の舌に触れられたら、どれだけ気持ちいいのだろうか…?
そこまで考えて、慌てて身体をガバッと起こした。
待て…! 待て! いいから待てオレ!!
今…一体何を考えていた!?
キスだけでも精一杯なのに、オレは今…とんでも無い事を考えてはいなかっただろうか!!
今考えていたのは…、曰くディープキスというヤツだ。
ディープキスといったらアレだ。
自分の舌と相手の舌を絡ませて、直接口の中でこう…○※△■☆●(想像力の限界)するアレだ!!
分かりやすく日本語で言うならば…何だ?
そうだ! ベロチューだ!!
ベ…ベベベベベベロチューッ!?
ベロ…ベロって…お前…っ!
いやお前じゃない、オレか!!
オレは一体何を考えているんだーーーーっ!!
よりにもよってベロチューなど…ベロチューなどぉーーーー!!
「うぉぉーーーっ!! ベロチューーーッ!!」
「ベロチューがなんだって?」
思わず頭を抱えて仰け反って叫んでいたら、オレの叫びに予想外の返答が返ってきて、オレは途端に固まってしまった。
恐る恐るベッドの上に視線を移すと、そこにはすっかり目を覚ました城之内がオレを見詰めていた。
「うわぁっ! 城之内!!」
「何だ海馬? 一人で百面相して面白いな、お前は」
「いや…その…。だ…だだだ大丈夫か?」
「何が?」
「何がって…。お前はその…、校庭でサッカーボールを顔面に受けて脳震盪を起こしてだな…」
「あぁ、思い出した! だからオレ保健室で寝てたのかー。うん、もう平気そうだぜ」
「そ…そうか。良かったな…」
先程のベロチュー発言を何とか誤魔化そうとして、城之内の意識を反らそうとする。
だが城之内はそんなオレに誤魔化されるような男では無く、額の冷却シートを剥がしながら一拍置いて「で、ベロチューッて?」と早々に話題を元に戻してしまった。
「い…いや…、別に何でも…無い…」
「ベロチューしたいの?」
「な、何故それを!!」
「相変わらず分かりやすいなー、海馬」
ベッドの上で半身を起こしつつクックッと可笑しそうに笑って、城之内はオレに手招きをする。
「海馬、おいで」
「な…何だ…?」
「いいからこっちにおいで。ベロチューしよう」
「なっ…!!」
「オレも時期的にそろそろいいかなーなんて思ってたしな。丁度いいだろ。ほら、はやく」
「で…も…」
「大丈夫。何も怖い事はしないから」
ニコニコ笑っている城之内の側に恐る恐る近付くと、腕を掴まれてベッドに押し倒されてしまった。
白い天井を背景に城之内の明るい笑顔が見えて、恥ずかしくなって目をギュッと瞑ってしまう。
城之内の熱い手がオレの額の前髪を掻き上げて、そこにまずチュッと軽くキスをされた。
それだけで心臓がドクンッと跳ね上がる。
次いでこめかみや頬にもキスをされ、やがて唇に柔らかい感触が降って来る。
先程自分からキスした時と同じ感触。だけど全く違う感触。
自分からするのと相手からされるのでは、同じキスでも全然違うのだと思い知らされた。
ふと、自分の唇に温かい濡れた感触を感じて、オレは身体を硬くしてしまう。
城之内に唇を舐められているんだと知って、もうガチガチに緊張してしまいベロチューどころの騒ぎでは無かった。
オレの異変に城之内も気付いたのだろう。
少し身体を離すと、プッと吹き出して笑ってしまっていた。
強く瞑っていた目を開いて城之内の顔を見上げると、彼は少し困ったような笑顔でオレを見ていた。
「海馬…。お前そんなに唇ぎゅうぎゅうに力入れてたら、舌入れられねーよ。少しは力を抜けって」
「む…無理だ…っ!」
「何でよ。ホンット面白いなお前。大丈夫だって言ってるだろ?」
「だって…。は…恥ずかしくて…っ」
「そんな事言ってたら一生何も出来ないで終わっちまうぜ? オレを信じろって。な?」
「う…っ」
「ほら、少し口開けてみな? 大丈夫だから…。ビックリしても噛むなよ?」
言われたとおりに少し口を開けたら、また城之内の顔が近付いて来た。
唇と唇が合わさって、開いた口の隙間からぬるりと熱い舌が滑り込んできた。
それがオレの舌先に触れた瞬間、ビリッとまるで電気が流れるような刺激が背筋に走って、思わず目の前の身体を押し返してしまう。
手を口元に当てて目を丸くしていると、無理矢理引き剥がされた城之内が少し不満そうな顔で頬を膨らませていた。
「ちょっ…! 海馬ぁー頼むよー…」
「な…な…何だ…今のは…?」
「何だって…。ベロチュー?」
「違う…っ! な…何か…今…ビリッとしたぞ」
「あぁ、それかー。オレもしたー」
「今のは…一体…」
「快感でしょ? 気持ち良かったって事だよ」
城之内が起き上がりかけていたオレの身体をもう一度ベッドに縫い付けて、再び顔を近付けてくる。
「じ…城之内…」
急に不安になって小さく呟くと、城之内が安心させるような顔で優しく微笑んだ。
「大丈夫だってば。怖くないよ。気持ち良かったでしょ?」
「だ…だが…」
「もう一度、ちゃんとしようよベロチュー。オレはしたいなぁー」
「うぅ…」
「海馬もしたいだろ? な?」
軽く首を傾げてそんな事を尋ねて来る城之内に、オレが反論など出来る筈も無く。
ゆっくり頷くと満足そうな笑みを浮かべ、城之内が再びオレに口付けてきた。
少し開いた口の隙間から入り込んできた熱い舌に、オレはビクリと身体を震わせてしまう。
だけど城之内はキスを止めようという素振りを見せず、それどころかオレの抵抗を封じる為に両腕をシーツの上に押さえ込んでいた。
オレの口の中で城之内の舌が暴れている。
歯列をなぞり口蓋を舐められて、奥に逃げていた舌を引き摺り出されヌルリと絡め取られてしまう。
「んっ…。んんっ…! んふっ…ぅ…っ」
ビリビリとした電気は背筋を中心に脳天から爪先までを行ったり来たりして、その度にオレの身体はシーツの上で小さく跳ねていた。
気持ち良くて、でも上手く呼吸が出来なくて苦しくて。
酸素が足りないのか、はたまた手首を強く城之内に握られているせいか、手の指先がだんだんと痺れてきていた。
溢れる唾液を飲み込む事が出来なくて、自分のか城之内のか分からないソレが口の端からトロリと零れ落ちる。
視界が唐突に歪んできて、泣きたくも無いのに涙がポロポロと流れて止まらなかった。
やがてどれくらい時間が経ったのだろう。
城之内が漸くオレの身体から離れて行った。
感覚では一時間以上そうしていた様な気もするし、ほんの十数秒程度の出来事だったような気もする。
オレの口から零れた唾液を親指で拭いながら、城之内は少し心配そうにしながら「大丈夫?」と聞いてきた。
それにコクリと頷く事で答えを返すと、心底嬉しそうに微笑まれた。
「良かった。で、どう? 気持ち良かった?」
「気持ち…良かった…。でも…苦しかった…」
「あはは! そりゃーお前、ちゃんと鼻で息しないからだよ。キスしてる最中でも、鼻で息していいんだからな?」
未だ痺れている手をベッドについて何とか上半身を起こす。
滲んでいる涙を手で拭っていると、城之内にそっと優しく抱き締められた。
「ごめんなー。泣かしちゃったなぁ」
「いや…。別に嫌では無かったからいい。これは勝手に出てきた」
「ホントに? 大丈夫?」
「あぁ」
はっきりと強く頷くと、城之内が漸く安心したように溜息をついた。
「それじゃ、これからもこういうキスしてもいい?」
「あぁ、勿論だ」
こういう事は曖昧な返事をしてはいけない。
オレ自身もまたして欲しいと思ったので、ここはきっぱりと返答した。
それに…凄く気持ちが良かったしな。
死にそうな程恥ずかしかったけれど。
その後すっかり回復した城之内と本日最後の授業に出て、放課後は一緒に帰った。
今日は夜にバイトがあるんだと言って邸近くの交差点で別れた城之内を見送ってから、オレは「しまった!」と心の中で小さく呟く。
先程の保健室で『これからもこういうキスしてもいい?』と尋ねてきた城之内に、「してもいいがお手柔らかに頼む」と言うのを忘れていたのだ…。
次にあのキスをされる時も、あんな全力で来られたらオレはきっと耐えられない…。
今日は何とか耐えられたが、一回経験したものを二度目にするとなると異様に緊張してしまうのは、この間屋上で倒れた時に学習済みだ。
「参ったな…」
初夏の夕暮れの交差点で一人棒立ちになりながら、オレはすっかり先行き不安になってしまっていた。
まぁ…幸せだから…いいけどな。
別ジャンルのオンリーが心配な二礼です、こんばんは。
私は別に行きませんが、リアル腐友が参加予定のオンリーが凄く酷い事になってるので、関係無いのに心配しちゃっていますw
最初に私がその話を聞いたのは4月の頭の事。
そのジャンル自体は大きな市場になっているものの、友人がハマっているCPの需要は極めて低いらしいのです。
登場人物が多いのでそのキャラ(脇役)自体のファンも少ないし、ましてやCPともなるとほぼ絶望的だったらしいんですよね。
ところが今年の春先に、何とそのCPのオンリーが開かれる事が決まったそうです。
友人は驚喜しながら早々に申し込みを済ませました。
ところが問題はその後です。
そのオンリーのサイトには申し込みした場合には参加者にメールが届くとあったのですが、いつまで経ってもそのメールが届かなかったそうです。
申し込みが受理されたのか拒否されたのか分からないまま一ヶ月が過ぎ、参加費もしっかり払ってしまっていた友人はついに我慢出来なくなり、主催者に問い合わせのメールを送ってみる事にしました。
ところがその返事さえも全く来ない。
送信事故か? と思ってもう一度送ってみるも梨の礫。
そこまで来ると外野も騒ぎだし始めました。
某大型掲示板でそのジャンル関係のスレがあるらしいのですが、そこで「おい、大丈夫か?」と皆が心配しだしたそうなんです。
つまりこの打っても何も響かない状態は友人だけじゃ無かったらしいんですよね。
そのまま何の情報も無いまま数ヶ月が過ぎ、先月の終わりに少しだけ事が動き始めます。
オンリーのサイトの方で関係者各位に『ご心配をおかけして申し訳ありません。忙しかったので対応が遅れました事をお詫び申しあげます。オンリーは問題無く開かせて貰いますのでご安心下さい』的なコメントが載ったそうです。
スレの方には「良かった良かった。これで安心だ」みたいなコメントが続き、友人も漸く安心したそうですが…。
結局メールの返事は来ないまま。
そして今日、ミクシィに友人の怒りの日記が載りました。
曰く
『開催日一週間前を切ってもサークル参加証とか送ってこねーぜ!フゥハハハーハァーwww!』
という事らしいです…;
これは酷いwwwww
最後の『フゥハハハーハァーwww!』が、若干壊れかけてる彼女の心情をよく現わしています。
二礼が同人を辞めてもう8年になるのですが、何度も参加したオンリーでこんな対応をされた事は一度もありません。
最近はこうなのか…と一瞬思いましたが、そんな訳無いですよねー(´―`)
でも、最近はこういうのが凄く多いらしいです…;
更にその後、個別に友人からメールが来ましたw
内容によると、
・7月20日開催のオンリーなのに一ヶ月以上公式サイトの更新が無い
・3月に申し込んでいるのに受理メールが6月の終わりに来た
・他のサークルさんには、受理メールさえ到着してない人達もいる
等々酷い話ばかり。
中止なら中止でいいけど、それさえも分からない状況らしいです。
スレには主催者トンズラの話も出ているとか…;
とりあえず当日会場には行くらしいですけど、チケットが来ていないのでサークル入場時間もサッパリらしいです。
友人は東京に住んでるからまだいいけど、地方から来るサークルさんが可哀想だと思います。
友人と仲の良いある地方のサークルさんは「飛行機のチケット用意しちゃってるのに、どうしよう…」と本気で落ち込んでるみたいですしね…(´・ω・`)
そして友人が一番心配しているのが、他の同人オンリー関係者に迷惑がかかってしまうという事だそうです。
何せ主催者の反応がゼロなので、中止になった場合のキャンセル料とかも支払われるのかどうか微妙なところだそうで…;
使われる会場が同人オンリーの会場としては老舗中の老舗なので、もしこれでオンリー関係に二度と使わせて貰えなくなったらどうするんだと。
聞いている私も胃が痛くなる内容ですw
(ちなみに9月に行なわれる遊戯王オンリーとは別会場ですのでご安心を。私もそれが一番心配だったw)
とりあえず開催日まであと一週間あるので様子見するそうですが…、こういうのって有りなんでしょうか?
いや、無しですよね…。
つか、有り得ないですwwwww
短編『鎮魂歌』の後編をUPしました。
あえて淡々と最後まで書いてみましたが、どんなもんだろかコレ。
とりあえず対比を書いてみたかったんですよー。
城之内を中心として、現恋人と元恋人、進行と中断、生者と死者みたいな逆方向へのベクトルですね。
途中で全く関係無くなった気がしないでもないですがw
派手な描写も好きですけど、たまにはこんな静かな話も如何ですか?
ちなみに葬式スタイルは関東版です。
葬式に関しては、地域によって全然違いますからね~。
少なくとも自分が生まれ育った関東と、母の田舎の東北(太平洋側)と、相棒の実家がある函館では全く違います。
こういうのも地域性が出るので面白いと思います。
以下は拍手のお返事になりますです~!
>発芽米子様
拍手とコメントありがとうございました~!
優しい御言葉、とても嬉しかったです(´∀`)
身体を気遣って下さって、本当にありがとうございました。
まだもうちょっと頑張れそうなので、やれるところまでやってみようと思いますw
それから『鎮魂歌』の感想もありがとうございます。
派手な話ばかり書いてきたのでたまには静かな話を…と書いてみたのですが、米子様に気に入って頂けたようで良かったです~!
米子様の御言葉に甘えさせて貰って、今回は短めの返信で失礼致します。
本当にどうもありがとうございました~!!
では今日はこれで失礼させて頂きますね~。
ではまた~(・∀・)ノシ
>榊弛亞様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
身体の方を気遣って貰って、本当に嬉しかったです。
どうもありがとうございました~!
まだ何とかなりそうなので、もうちょっと頑張ってみますね~(´―`)
とりあえず栄養のあるものを食べて体力を付けるところから始めようと思いますw
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
体調の方を気遣って頂けて嬉しかったです。
ご心配おかけして申し訳ありませんでした~。
Rosebank様は『元カノの見舞いに行く城之内を許す海馬は心が広い』と仰っていますが、多分この海馬は許すとか許さないとかそういう問題じゃ無いんだろうと思います。
もう何か多分城之内が側にいる事が『当たり前』になっているんじゃないでしょうか?
だから城之内が「元カノの見舞いに~」とか言い出しても「ふーん」で済んじゃうんだと思います。
それは指輪の事も同じで、さも当たり前のようにさりげなく指輪を嵌めているので、周りの人間も何も言えなくなっているんだと思われますw
多分この話の城之内は高校時代からKCに入り浸っていたでしょうし、もう周知の事実ってヤツなんじゃないでしょうかね?
時折深く突っ込まれそうになっても、あの眼力で黙らせているんじゃないかと思いますw
それからモクバについても特に問題無いかと。
兄よりずっとしっかりした性格ですからねー。
早々に彼女を作って結婚して、あの邸で新たな自分だけの家庭を育んでいくんじゃないでしょうか。
それとですね、何の問題も無く平坦な恋人関係を歩んでいくっていうが一番難しかったりするんですよー。
その点ではこの話の城海は、他の話の城海に比べ一番人間が出来ているというか、最高の成功例だと思っています。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
酷い雨だった。
通夜の半ばから降り出した豪雨は今年の梅雨の最後の大雨で、参列者の中からは「涙雨だ」という声もちらほらと上がっていた。
仮に涙雨だとしても、これはちょっと降り過ぎなんじゃなかろうか?
まぁ若干二十四歳で亡くなった女性を、天が悼むのは分かるような気がするけど。
持っていた折り畳み傘で何とかマンションまで帰ってきたけど、なるべく急いで帰って来た為、喪服は結構濡れてしまっていた。
明日の葬儀にも着て行かなくちゃならないのにどうするんだと、溜息を吐きながらドアの前で軽く手で水滴を祓う。
ついでに鞄の中から鍵を取り出そうとしていると、ドアの向こうからパタパタと廊下を歩いてくる足音が聞こえて来た。
次いで鍵を開ける音と共にドアが開かれる。
中から出てきたのはパジャマ姿の海馬だった。
片手に塩が盛られた小皿を持っている辺り抜かりが無いと、オレは思わず感心してしまう。
「おかえり。酷い雨だな」
「ただいま。スーツが濡れちゃってさ-。参ったよ」
「ほら、塩」
差し出された小皿を「サンキュ」と言って受け取ると、オレはそこから塩を摘んで肩や胸や足元にパラパラと掛けた。
あらかた前面に塩を掛けると、今度はドアを押さえて待っていてくれてた海馬にもう一度小皿を渡す。
「海馬、背中。背中にも掛けてくれ」
くるりと振り返ると、小皿を受け取った海馬は黙ってオレの背中に塩を掛けてくれる。
「ほら、これでいいぞ。早く中に入れ」
「ありがと。助かった」
「風呂の用意はもう出来ているからな」
「あぁ、うん。でもその前にスーツを何とかしないと…」
「それくらいオレがやっといてやるから、お前は早く風呂に入って来い」
海馬に背中を押されるように風呂場へ直行させられる。
洗面所に既に着替えが用意されている辺りは流石だった。
本当に良く出来た『奥さん』だよなぁ…と思う。
こんな事を言ったら怒られるから、海馬には絶対言わないけど。
冷えた身体を湯船でしっかりと温めてから風呂から出る。
リビングには既に綺麗に水気を拭い取ったスーツがハンガーに掛けられていた。
「海馬、ありがと。これで明日の葬儀にも出られるよ」
「そうか。ところで夕食は取ったのか? 夜食程度だったら直ぐにでも出来るが」
「いや、向こうで寿司やら揚げ物やら食べてきたからもういいよ」
冷蔵庫から麦茶を出して、コップに注いで一気に飲んだ。
冷たい麦茶が胃に流れ込むのを確認して、ふーっと大きく息を吐き出す。
ずっと張り詰めていた糸が漸く緩んだように感じた。
何だか異様に疲れていたのでそのまま寝室に向かって行って、奥に置いてあるクィーンサイズのベッドに倒れ込んだ。
その様子を見て海馬もあちこちの電気を消して寝室に入り、オレの隣に滑り込んでくる。
暗闇の中で温かな細い身体を手探りで探し当て、引き寄せてギュッと強く抱き締めた。
「オレに連絡くれた昔の友達がさ-。彼女の事好きだったんだって」
唐突に話し始めたのにも関わらず、海馬は何も言わずに黙って話を聞く体勢に入っていた。
「半年程前に盲腸で入院した時にな、彼女と再会したんだって。手術の傷が塞がってきたから売店に暇潰し用の雑誌を買いに行ったら、まだ自力で歩けていた彼女がいたんだってさ」
「ほう」
「昔と全然変わって無くって一発で分かったんだとさ。で、中学時代のマドンナに憧れてたヤツは、退院してからも彼女のお見舞いに行くようになったんだって」
「なるほどな。で、告白して付合うようになったと?」
「いや。告白はしたんだけど、見事にフラレたって言ってた」
「何故だ?」
「ん? 何が?」
「告白を断わるには何か理由があったんだろう? その理由とは何だ?」
「あぁ、そういう事か。理由は二つ。一つは自分が末期癌患者だった事。そしてもう一つは…、昔の彼氏が忘れられなかったからなんだと」
「それはお前の事か?」
「まぁ…そうらしい。あれから十年も経ってるのにさ。高校でも大学でも彼氏を作らなかったんだって」
「お前をフッたのは彼女の方だったんだろう?」
「うん…。でも仕方無かったと思うよ。あの頃のオレは本当に荒れてたから。女の子には怖かったんじゃないかな」
「そうか」
「でもさ。十年もずっと覚えてて貰えるなんて、やっぱり光栄だよな」
「そうだな。良かったな」
「うん…。良かった…かな」
そこまで話してたら急に帰る直前に見た映像が思い出されて、オレは温かな身体を抱く腕に力を込めた。
何事かと見上げる海馬の肩口に顔を埋め、深く息を吸う。
嗅ぎ慣れた海馬の匂いがして妙に安心した。
「帰る直前にさ、死に顔見せて貰ったんだ。家族の人にせっかくだから会ってやってくれと言われてな」
「………」
「綺麗だったよ。花に囲まれて白い顔して眠ってるみたいだった。一ヶ月前より更に痩せちゃってたみたいだけど…。頬とかに綿とか入れるんだっけ? 痩せた顔は上手く誤魔化せてるみたいだったな」
「………。そうか」
「でも、オレ…怖かったんだ」
「怖い?」
「うん、怖かった…。別に彼女が怖いとかそういうんじゃない。彼女が亡くなって、周りの皆も彼女の死に悲しんでいるっていうのに…。オレ、お前の事が頭に浮かんだ。ていうか、お前の事しか考えられなかった」
「………? どういう事だ?」
「こんな風にお前が死んじゃったら、オレどうなっちゃうんだろうって思って。白い顔して花に囲まれて棺の中に収まってるお前なんか、オレは見たくないって思った」
「お前な…」
「オレ…酷いよな。昔の彼女が死んだっていうのに。それもまだ二十四歳の若さであの世に逝っちまったっていうのに。頭に浮かぶのはお前の事ばかりなんだ」
「オレを勝手に殺すな」
「はは…。ゴメンな。でも本当にそう思っちまってさ。そうしたら凄く不安になって、一刻も早くお前に会わなきゃって思って、急いで帰ってきたんだ」
「城之内…」
「オレ…お前が大事だよ。滅茶苦茶好きですっごく大事だ。あんな風になくしたくない。死んで欲しく無い」
いつの間にか流れ落ちていた涙が、海馬のパジャマに吸い込まれていった。
これは一体誰の事を思って流す涙なのだろう。
亡くなった彼女に対してのものだろうか。それとも心から愛している海馬の事を思っての涙なのだろうか。
震えながら涙を流すオレの背中に、温かな手が回り優しく撫でてくるのを感じた。
そしてそのリズムに合わせて、耳元で優しいメロディーが流れ出す。
海馬が歌を口ずさむ事自体珍しい事だが、そのメロディーは今まで聞いた事の無い曲だった。
「何…その歌?」
「これか? 鎮魂歌≪レクイエム≫だ」
「鎮魂歌?」
「昔オレとモクバが世話になってた施設の園長先生が歌っていたものだ」
「へぇー」
「ある日皆で大事に飼っていたウサギが死んだ事があってな。園庭の片隅に墓を作ってやったのだ」
「あぁ、小さい頃はそういう事するよな」
「次の日にモクバがウサギの墓に花を添えたいと言い出してな。そこら辺で摘んだ花を墓に持って行ったら、そこに園長先生がいてこの歌を歌っていた」
「ふーん」
「モクバが『何の歌ですか?』と聞いたら、園長先生は笑って『鎮魂歌よ』と教えてくれた。後から聞いたらクリスチャンだったそうだが」
「あぁ、それで…」
「妙に頭に残る歌だったが、何せ小さい頃の記憶だからな。もう殆ど忘れてしまった。歌詞は元より、メロディーさえもこの一節しか覚えていない」
「でも…綺麗なメロディーだな」
「あぁ、オレもそう思った。だからここだけ覚えているのかもしれないな」
そう言って海馬はもう一度口ずさみ始めた。
本当に綺麗なメロディーだと思った。
鎮魂歌だと言うのに、全然暗くもないし陰鬱な雰囲気も無い。むしろどこか安心するような、そんな不思議な響きを持ったメロディーだと思う。
ふと、この歌が彼女に届けばいいなと思った。
こんなに美しいメロディーを聴かされたなら、若くして他界してしまった彼女の魂も安らぐ事が出来るだろうと、根拠も無いのにそう思ってしまう。
いや、思ったんじゃない。願ったんだ。
彼女の魂が安らかでありますようにと、オレはここで初めて本気でそう願った。
歌い続ける海馬の身体に手を掛けて、オレは身体を反転させて海馬を仰向けにベッドに縫い付けた。
一瞬驚いたような顔でキョトンとオレを見上げる海馬に、優しく笑ってみせる。
「城之内…?」
「ゴメン、海馬。セックスさせて」
「それは構わないが…。いいのか? 明日も早いのだろう?」
「うん、いいの。ていうか、今しなきゃダメなんだ」
大人しく寝転がっている海馬のパジャマに手を掛けて、一つずつボタンを外していく。
現れた白い胸に掌を這わせた。
ピクリと反応する海馬に気を良くして、唇も寄せて白い肌に点々と赤い印をつけていく。
温かな体温。熱い吐息。弾む心音。そしてオレの愛撫に反応して漏れる甘い喘ぎ声。
それら全てが海馬が確かに生きている事をオレに教えてくれていた。
もうどうしようも無く愛しかった。
海馬の身体と、海馬の心と、海馬の命と。
血や肉や骨等の海馬を形作るそれら全てと、そして海馬の存在自体が愛しくて堪らなかった。
海馬が今生きていてくれる事に、心から感謝する。
命あるものはいつかは必ず死んでしまう。
それはオレや海馬だって、勿論例外では無い。
だけどもしその瞬間が訪れた時、オレは絶対に後悔しないだろうと思っている。
後悔ではなく感謝だ。
こんなに愛しく思える存在に出会えた事への、そして側にいられた事への。
先程まで不安で不安で仕方の無かった心が落ち着いていく。
「ありがとな…」
荒い息に載せて小さく囁いたら、それはしっかりと海馬の耳に届いていたらしい。
潤んだ瞳を開けてフワリと微笑み、オレの顔を引き寄せてキスをしてくれた。
翌日は昨日の雨が嘘のような雲一つ無い晴天だった。
葬儀が終わり親族と共に火葬場へと向かう霊柩車を見送って、オレは抜けるような夏空を仰ぐ。
頭の中で、昨夜海馬が歌ってくれたメロディーが流れていた。
一節だけしか流れない、だけど優しい優しい鎮魂歌。
「どうか安らかに」
空を見上げて微笑みながらそう呟いたら、『ありがとう』と言って微笑む彼女の姿が見えるような気がした。
久々に日曜のアキバに出掛けてヘトヘトな二礼です、こんばんは。
昔は一日中歩き回っていても疲れなんて感じなかったんですけどねぇ…;
もう何かちょっと人混みに紛れて買い物しただけで、随分と疲れを感じるようになりました。
歳かなぁ…やっぱ(´_ゝ`;
あと最近ちょっと身体の調子が悪いです。
身体の中に熱が籠もりやすいらしく、暑さに慣れていないこの時期は毎年のようにダウンしてしまうんですよ。
分かっていたんですが、やはり今年もダメでした…orz
そんな訳で小説書くのもちょっと辛かったり…;
今日UPする分も本当は最後まで書ききって出すつもりでした。
全く持って不甲斐無いです…。
申し訳ありません。
もしかしたら近い内、何回か休んじゃう事も出てくるかもしれません…。
頑張れる内は頑張りますが、もし休んじゃったりしたらゴメンナサイです。
虚弱体質が妬ましい…;(見た目が健康そうなのがまた一層妬ましい…;)
短編『鎮魂歌』の前編をUPしました。
ちょっとオリキャラとかが出しゃばっちゃったりするんでずっとネタ倉庫の中に保存してあったのですが、やっぱり形にしてみる事にしました。
極普通に恋愛して極普通に結ばれて、今現在も極普通に共に生活している城之内と海馬が、大人になったある日、ふと遭遇してしまった小さな非日常の物語です。
たまにはこんな上下幅のあまり無い城海も書いてみたくなるのです(´―`)(上下幅→波瀾万丈度)
普通に恋人している城海っていいですよね~。
たまに喧嘩もするけど、当たり前のようにお互いの事を想い合う城海って素敵だと思います。
ちなみにこのお話、平/沢/進の『L/o/t/u/s 三/部/作(sm/4/9/1/7/1/4/5)』を聞いている時に突然思い浮かんだ話でした。
『L/o/t/u/s』自体が三作とも鎮魂歌なのですが(平/沢/師匠と親交の深かったタイのサオプラペーッソン〔分かりやすく言うとオカマさん〕達の為に作られた鎮魂歌)、陰鬱とした死の印象を感じさせない美しい歌に本当に感動したんです。
で、こんな爽やかな死にネタを書きたいと頑張った結果がこれなんですが…。
見事に大失敗ですがなw
以下は拍手レスになりま~す!!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!(´∀`)
『二つの恋の物語』の感想をありがとうございました~。
うわわわ; ゴメンナサイ!!
私のミスタッチで妙な誤解をさせてしまいましたね…;
時系列的にはRosebank様が最初に思っていたので間違いありません。
つまり…。
克也(16歳)。皇帝即位の儀の時に、バクラに将来の正妃候補が奇跡の子だとバラす。
↓(一年後)
克也(17歳)。成人の儀をして、その一ヶ月後瀬人と結婚。バクラ嫉妬する。
↓(半年後)
冥龍国との戦争勃発。克也は戦争へ、瀬人は願いの儀を始める。バクラの瀬人に対する心情が変化?
で、当っていたのです…!
Rosebank様からのコメントを見て「もしや…」と思って『その5』を見たら、『一年半後』の文字が…;
いや…本当に申し訳ありませんでした…(⊃д⊂)
急いで『一年後』に直しておきました!
もうなんか暑くて、頭の中がモヤッとしていました。
スイマセンでした…。
ちなみに『あの日』に関しては、まだ書いていませんよ~。
多分『その6』辺りで出てくると思います。
ていうか、上の時系列で答え書いちゃってますがw
あとバクラが最初に「美人だ」と認めたのはあくまで外側だけの話であって、彼が瀬人の本来の美しさを認めるのはもうちょっと先になります。
まぁ…答えは(ry
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
体調の事を心配して頂けて嬉しかったです~(*´д`*)
何とか頑張っていこうと思っていますw
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内×海馬。
城之内の一人称。
普通に恋愛して普通に二人で暮らしている城之内と海馬の元に舞い込んできた、ちょっとした非日常の物語。
人間ってさ、長く生きると何が起こるか分からないよな。
長くって言ってもまだ二十四歳だけど。
それでもオレの二十四年の人生は、結構波瀾万丈だっと思う。
今から考えれば両親の離婚とか、酒乱の親父に殴られ続けた日々とか、今のこの状況を考えれば結構普通の事だったんじゃないだろうか…なんて思ったりもするんだ。
だってさー、金髪巨乳好きの根っからの女好きのこのオレがだぜ?
今現在男と結婚して一緒に住んでいるなんて、誰が考えるんだよ。
結婚って言っても籍を入れている訳じゃ無い。
日本じゃ同性同士の結婚は認められてないしな。
でもオレ達は本気で恋愛していた。
オレが必死の努力の末に一浪して入った大学を卒業して、立派な社会人になったその歳に、二人で同棲することを決めたんだ。
2LDKのマンションを折半で借りて、半年後には金出し合って揃いの指輪を買ったりしてさ。
それを尤もらしくお互いの左手薬指に嵌めてみたりして、オレ達は凄く幸せだった。
アイツは立派な実家があるというのに、それを捨ててオレと一緒に暮らすことを選んでくれた。
ただし向こうにはまだ学生の弟がいるから、週に一~二回くらいは実家に帰っているけどな。
だけどそれもあと一年くらいでいいらしい。
弟が成人したら、それからは完全にこちらで生活するんだとさ。
オレは別に今のままでもいいんだけどね。
で、人生って不思議なもんでさー。
そういう本人でさえビックリするような出会いもあれば、別れも勿論あるんだよ。
ある日真面目に会社で働いていたら、中学時代に一緒に悪さしてた友達からメールが来たんだよ。
何でもオレの昔の彼女が病気で長く入院しているっていう事と、その彼女がいよいよ危険な状態になってきたって知らせだった。
オレはすぐさま中学時代に半年間だけ付合った彼女の事を思い出した。
身長が百五十㎝も無い小柄な可愛い女の子で、中学一年生のバレンタインの時にチョコレートと一緒に告白されたんだ。
同じ学年内じゃ結構可愛い事で有名で、性格も明るくてまさにオレ好みだった。
一も二もなくOK出して付き合い出したんだけど、その頃のオレを取り巻く状況はどんどん悪くなっていって…。
親父の酒乱は止まらないどころかどんどん加速していって、オレが中学二年になる頃には生傷が絶えない日常になっていった。
そんな日常にグレるなっていう方が無理な話で、その頃からオレは普通の道から足を踏み外して行ったんだと思う。
毎日のように痣や傷を増やしていくオレに彼女は怯えていたようだった。
そしてある日オレに向かってこう言ったんだ。
「城之内君…最近凄く怖いよ…。私…もう付き合えない」
丁度このくらいの季節だった。
梅雨が明けたばかりの初夏の太陽が眩しい屋上で、彼女は風にスカートをはためかしながら俯いて震えていた。
怖がっていたのかもしれないし怒っていたのかもしれない。もしかしたら泣いていたのかもしれない。
だけど、彼女はそれ以上何も言わなかった。
オレもその頃には自分が抑えきれなくなってるのに気付いていたから「そうか。分かったよ」とだけ言って、それっきり彼女との関係は無くなった。
淡い恋の破局はオレの非行に拍車をかけて、やがてオレの名前を聞いたら震え上がらないヤツはいないくらいに有名になっていた。
高校に入ってもそのまんま非行街道まっしぐらでいこうと思ったらさ、意外な出会いがあってオレは元の自分を取り戻した。
遊戯や杏子や漠良といったかけがいの無い友人に恵まれて(本田は元から友達だったからな)、心から楽しいと思える高校生活を送る事が出来たんだ。
そして海馬…。
お互いに性格が真逆で、当たり前のように犬猿の仲をやっていたオレ達が、まさか恋人同士になるだなんて誰が思っただろうか。
オレだって思わなかったし、海馬だって思わなかっただろう。
だけどさっきも言ったけど人生って不思議なもんなんだぜ。
気がついたらお互いにお互いを本気で好きになっていて、そのままの勢いで告白したら簡単に受け入れて貰えて、で…今がある訳だ。
オレは携帯を取り出して海馬に対してメールを打った。
『元カノが病気で入院してるって、昔の友人から連絡が来た。会社終わったら見舞いに行ってくるから』
それに対しての返事は無い。
自分に何か不都合があれば逆に直ぐにでも返事が返ってくるから、オレはそれを了承だと受け止めた。
そんなに忙しい時期でも無かったからさっさと退社して、オレは友人に教えて貰った病院へと急いでいた。
途中の花屋さんでお見舞い用の花を買って、ついでに近くのケーキ屋でプリンとゼリーを購入してそれも持っていく事にする。
病院に着いて教えて貰った病室の前まで行くと、そこには四つのネームプレートが掲げられていた。
その内三人は知らない名前だったけど、一番下のネームプレートには間違い無くオレの知っている名前が刻まれている。
部屋の中を覗き込むと、窓際の奥のベッドに見知った顔がいるのが見えた。
オレにメールをくれた昔の友人だった。
「よぉ!」とお互いに手を挙げて奥のベッドに近付くと、引かれていたカーテンの向こうが少しずつ見えてくる。
白いベッドの上に寝ていたのは、まさしく彼女だった。
顔立ちは大分大人になっていたけど、一目で彼女だって分かった。
病院に来る前に電話していた友人の話によると、もう随分と長い間闘病生活を続けているらしい。
すっかり痩せてしまっていて、小さな身体がより小さく見えて可哀想だった。
彼女はカーテンの影から現れた男が、一瞬誰だか分からなかったのだろう。
首を捻って何度か瞬きを繰り返し、そして唐突に記憶が結びついたような顔をした。
「もしかして…城之内君?」
彼女の疑問詞にオレはニッコリ笑って頷く事で答える。
友人は「オレが連絡したんだ」と笑って言って、そして気を利かせて外へ出て行った。
残されたのは彼女とオレだけ。
とりあえず持って来た花籠とケーキ箱をサイドテーブルの上に置いて、側にあったパイプ椅子に腰掛けた。
「これ…。プリンとゼリーだから、後で食べて」
「ありがとう。お花も綺麗ね」
「久しぶり」
「本当に…久しぶりね、城之内君。ちょっと大人っぽくなったけど…全然変わってなくて安心したわ」
「悪い事はもうしてないんだけど?」
「そういう意味じゃないわ」
痩せこけた頬で彼女がクスクスと笑った。
その優しい笑みが中学生時代と全く変わってなくて、むしろオレの方が安心した。
「私の事…もう聞いた?」
「うん。アイツが話してくれた」
「スキルス性の胃がんなんですって。この若さで嫌になっちゃうわ」
寂しそうに微笑みながら彼女がオレの左手に手を伸ばした。
痩せた手をそっと重ねてきて、薬指に嵌めていた銀色の指輪をそっと撫でる。
ヒヤリと感じる程の冷たい体温が、彼女の命がそんなに長くない事を知らしめていた。
「指輪…してるのね」
「うん」
「奥さんいるんだ」
「まぁね」
「可愛い?」
「いや、美人系。怒るとすっげー怖い」
「意外だわ。城之内君の好みは可愛い系だと思ってた」
「やっぱり? オレもそう思ってた」
オレの言葉に心底おかしそうに笑って、銀色の指輪をちょっと引っ張ってきた。
「ねぇ、これ外してみせて?」
「なんで?」
「今だけ…。ね、ちょっとだけ浮気しない?」
覗き込んでくる彼女の寂しげな笑みに、それでもオレは首を横に振った。
中学生の時、彼女の事が大好きだった。
その気持ちに嘘は無い。
だけど今はそれ以上に、海馬の事を愛している。
例え死の間際の彼女の願いでも、海馬を裏切る行為だけは出来なかった。
彼女は諦めた様にスッと手を引っ込めて言った。
「やっぱりダメかー。その人を…愛してるのね?」
「うん。滅茶苦茶愛してる」
「少し…寂しいかな」
「………。ゴメン」
「いいのよ。貴方のそういう一途なところが好きだったの。変わって無くて嬉しかったわ。その人も幸せね…。大事にしてあげてね」
彼女はそう言って、心の底から嬉しそうにニッコリと笑っていた。
病気を患っている彼女の体調を考慮して、その日は三十分程で帰る事となった。
帰った時、オレを出迎えた海馬は特に何も言わなかった。
だけど余程酷い顔をしていたんだろうな。
少し落ち込んだオレを黙ってギュッと強く抱き締めてくれた。
その時の温かな体温と健康な海馬の身体が、どれだけオレの心を慰めてくれたかしれない。
それが一ヶ月前の出来事。
実はもう一回くらい見舞いに行こうと思っていた。
だけど仕事が忙しくなったり、彼女が浮かべたあの寂しげな微笑みが胸に引っかかってなかなか会いに行けなかったのだ。
そして今日、一ヶ月ぶりにあの友人から連絡が来た。
彼女の通夜・葬儀に関するメールだった。
ついに蒸し暑さにやられた二礼です、こんばんは。
今日は仕事が無い日だったので家でゆっくりしていたのですが、もう暑くて暑くて…;
でも何か使命に駆られて「もうちょっと…、もうちょっと本格的に暑くなるまでは…」と粘っていたら、ついにブッ倒れました。
何か朝から食欲も無いし、ついに気持ち悪くなっちゃったので横になっていたのですが…。
夜になって漸く身体を起こす気力が出てきて室内温度を確認したら、31度あったよ!!\(^o^)/
夜の時点で31度って事は、昼間は一体何度あったのかって事ですよねwww
これはアレかな?
熱中症になってたって事かな…w
という訳で今日からクーラー始動です。
涼しい…天国だ…(*´д`*)
長編『奇跡の証明』の外伝『二つの恋の物語』のその5をUPしました。
この時点ではまだバクラは瀬人に恋をしていません。
克也にしろ瀬人にしろ、どちらも一目惚れでは無かったという事ですね。
バクラにとってはどんなに魅力的な人物でも、その人間性を認めないと恋愛には結びつけられない訳です。
ちなみに克也の場合は完全に一目惚れですw
瀬人の場合は『ほぼ』一目惚れですが、前世は両者とも見事な一目惚れでしたね(´∀`)
別に私は最初からバクラをこんな慎重な性格にするつもりは無かったんです。
克也への恋愛は最初から決まっていたのでそうでもないですが、瀬人への恋愛は一目惚れでもいいと思っていました。
だけど気がついたら、バクラが勝手にそう動いちゃっていたんです。
こういうパターンは私にとってはちょっと珍しいパターンなんですよね~。
(大体においてプロットをきっちり練ってから小説を書くので、余りキャラクターが他の道に逸れる事はありません)
そういう訳で、現在途中経過を完全に書き直し中ですw
手間かけさせるんじゃないよ、この子は…(´_ゝ`;ッタクモー!
以下は拍手のお返事になります~(´∀`)
>海鈴様
お久しぶりです~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(・∀・)
わーい! 色んな感想をありがとうございます!
まずは『素質Ⅴ』ですね…。
海鈴様に「ごちそうさま」と言って頂けて良かったですw
お粗末様でした。
流石にドSデレという言葉は、私も初めて聞きましたよw
そうか…、新ジャンル…開拓しちゃったのか…(´∀`;;;
いや開拓したのは海馬の方か。
いやいや、今はむしろ城之内の方か?
って…何を言っているんだ、私は…orz
『STEP』の方は『素質』とは真逆の城海を書いているのですが、こちらはこちらで書いてて楽しくて仕方ありませんw
海鈴様も仰ってますが、まさに少女漫画的なノリで書いていますw
『STEP』の二人は『素質』とは違って本当に純情なんで、最終的な関係に持ち込むまで大分時間がかかりそうです。
なので不定期連載なのですが、結構楽しんで読んでくれる方もいらっしゃるみたいなので、これからもチョコチョコ更新していこうと思っています(´∀`)
ちなみにプレイボーイに見えますが、この城之内君は恋愛慣れしていないだけですw
慣れていないのでついつい無意識に乙女海馬を振り回しちゃっているんですねー。
恋愛初心者の城之内がそこからどうやって落ち着いて恋愛出来るようになるかっていうのも課題の一つなので、そこら辺も何とか頑張っていこうと思います。
あとはモク誕の『貴方とあの人を繋ぐ橋』の感想もどうもでした~!
海鈴様を始め他の方からも『料理上手城之内(早口言葉みたいだ…)』に対してのコメントをいくつか頂きましたので、もしかしたらこれって結構需要があるのかも? なんて思ってみたり(´―`)
個人的に食べ物がしっかり書かれている小説が好きなんですよー。
それが美味しい料理にしろマズイ料理にしろ、作ったり食べたりする描写がしっかり書かれていたりすると「おぉっ!」とか思ってしまいます。
ただの食いしん坊だからだと思いますが…w
なので自分でもちょろっと修行中です。
今度本格的に料理する城之内でも書こうかな~?
それから海鈴様はコメントで『自分がどれだけ駄目人間ロードを~』と仰っていましたが、いやいやいや…ちょっと待って下さい。
そんな事言ったら実際にそれを書いている私はどうなるんだとwwwww
大丈夫です!
海鈴様はセーフだと思います!!(何が?)
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!(*'-')
『二つの恋の物語』の感想をありがとうございました~。
そうですそうです。
私がコメントで言っていた「アチコチに手を回していた~」というのは、こういう事です。
克也はとりあえず親友のバクラに事情を説明して味方に付け、その後皇宮の色んな人達に対してもそれとなく協力を要請していました。
元々黒龍国は奇跡の子に対して偏見の少ない国ですからね。
思ったよりも簡単に皆協力してくれたようです。
それによって瀬人がどれだけ過ごしやすかったかっていうのは、本編を見れば一目瞭然ですが…ね(*'-')
ちなみに守り人の一族は一般人との接触を禁じられている訳ではありません。
絶対出来ないのは外界に出る事と、皇族の身体に直接触れる事の二点だけ。
あとは結構自由です。
誓いの泉も基本的には皇族御用達の場所ですが、一般の兵士や神官、女官や連絡係などが降りる分には何の問題もありません。
特に代々皇帝を支える役目にある守り人は、外界の情報にも詳しくあらねばなりませんでした。
自分達は地下にいるから関係無いとは一概に言えなかった訳です。
という訳でRosebank様の仰る通り、バクラ(先代の守り人達も同じ)の元には定期的に連絡係がやってきて、色々な情報を伝えてくれていました。
それは、今年の○○でのお祭りではこんな事件があったとかいう軽いものから、最近冥龍国が不穏な動きをしているので注意みたいな重要なものまで様々でした。
そういう情報を得て、冷静に皇帝の相談に乗ったり助言をしたりするのも守り人の役目だったりするんです。
それにしてもRosebank様は流石ですねぇ…。
こういう部分に着目なさる方はなかなかいませんからw
確かに少し説明不足だった感はありますね。
オリジナル設定が強く絡むパラレルが難しいのは、まさにこういうところです。
自分の頭の中では分かりきっている事実も、読んで下さっている方には一から説明しないと理解して貰えませんからねー。
これを反省にまた精進していこうと思っています(´―`)
それから瀬人が白龍国で『賢皇』と呼ばれていた事に関してですが、裏設定では彼は本当に立派な法皇だったんです。
その事をよく知っていたからこそ、戦争前夜の克也が瀬人に国を託しているんですけどね(*'-')
それは現世の瀬人だけじゃなくて、実は過去のセトもそうだったんです。
だけどセトは余りに強く民達の事を想って憂いてしまった為に、選択を間違えてしまったんですね…(´・ω・`)
間違った選択をしたセトがその後どうなってしまったのか、そして彼の罪のせいでセトの生まれ変わりの瀬人がどうなったのか。
それはまぁ…本編を読んで下さったRosebank様が一番良くご存じですよね(*'-')
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
願いの儀をする為に泉を渡っていく克也を見守りながら、バクラは瀬人と初めて出会った時の事を思い出していた。
奇跡の子についての知識は持っていたものの、実際のその身体を目の当たりにすると、その中途半端な身体の完璧な美しさに目を奪われた。
奇跡の子として生まれた者達は、総じて自分の身体を醜いと言うのだという。
だが、そんな醜さはどこにも感じられなかった。
むしろバクラには神に愛されたかのような神聖ささえ感じていたのだ。
「綺麗…だったよな…」
ふとそう呟くと、突然後ろで「何がだ?」という声が響いて慌てて振り返った。
そこにいたのは瀬人だった。
細身の身体は相変わらずだったが、膨らんだお腹を隠すように今はゆったりとした服を着ている。
そのせいか、今は雰囲気までもが随分と変わっていた。
今までも瀬人には意志の強さや他者に対する優しさ等の女性的な雰囲気を感じてはいたが、それが随分強くなっているような気がする。
それが子供を宿した事によって瀬人が新たに得た母性だと理解するのに、そんなに時間はかからなかった。
「久しぶりだな、バクラ」
にっこりと微笑まれて放たれた言葉に、バクラも笑みを浮かべ深く頭を下げる。
「お久しぶりです、皇后サマ。お身体の方は大丈夫ですか?」
「うむ。全く問題無い。アイシスによれば全て順調らしいし、近々出産する事になりそうだ」
嬉しそうに胸を張ってそう言う瀬人に、バクラは苦笑して軽く溜息を吐いた。
「と言う事はもう臨月なのでしょう? それなのにこんな場所に居ていいのですか? 早く皇宮に戻られて安静になさっていた方が宜しいのでは?」
「お前までそんな事を言うのか…。周りが皆そのように言うのでな。暫くは大人しくしていたのだが、それももう飽きたのだ。たまには散歩くらい構わないではないか」
「そんな事を悠長に言っていられる時期では無いと思いますが…。まぁ、とにかく陛下の願いの儀が終わったら、お二人で早々にお戻り下さいませ。貴女様がお腹に宿しているのは、この黒龍国の大事な跡継ぎになられる方かもしれないのですからね。母体同様お腹の子も、無理は禁物なんですよ。それともこんな地下で大事なお子様をご出産なさるおつもりですか?」
バクラの説教に瀬人は無言で頬を膨らませた。
普段は凛として強い美しさを纏っている癖に、こういう所はまるで子供の様で可愛いと思ってしまう。
出会う前は克也の愛を独占する憎たらしい存在だと思っていた。
奇跡の子でありながら、皇后という公に認められた地位に就ける瀬人の事を本気で妬ましいと感じていた。
だけど、いつの間にかそんな想いはどこかに行ってしまったのだ。
瀬人の美しさを認めてしまったあの日から…。
克也が黒龍国の皇帝に即位して一年後。
彼は無事に成人の儀を迎える事が出来た。
そしてそれと同時に、白龍国に正妃を要望する書が届けられる。
返事は直ぐには来なかったが、それでも期日ギリギリになってから正妃を差し出す事を了承する旨の書が白龍国から届けられた。
あの悲惨な七年戦争から三百年経っていても、白龍国は未だに黒龍国の属国という立場から逃れてはいない。
結局は黒龍国に従うしか道は無いのだ。
ただ相手が白龍国の現法皇である為、法皇の引き継ぎをする為に婚儀は約一ヶ月後に延期された。
それに対して克也は「仕方無いよな」と笑って呟く。
白龍国からの書が届いた時点で、皇帝が望んだ正妃がこちらに来るのは確実だった。
少しでも早く会いたいとバクラに零しながらも、その表情には焦りの色は一切無い。
そんな克也を見ながら、バクラは「大した自信だな…」と苦笑するしか無かったのだ。
そしてそれから一月後。
白龍国では新しい法皇が即位して、黒龍国に元法皇が正妃として嫁いで来た。
守り人として『結婚の儀』を見守るべく誓いの泉で皇帝と皇后の到着を待っていたバクラは、洞窟の入り口から現れたその姿に息を飲んだ。
今まで見たことも無いような清浄な風を纏った、男性とも女性とも言えぬ人物が目の前に佇んでいた。
そしてバクラの目には一瞬だが、その人物の背後に巨大な白龍がまるでその人を包み込んで護るかのように存在しているのが見えたのだ。
見間違いかと思って慌てて何度か瞬きをし、もう一度目を凝らして見ると、龍の姿は既に消えていた。
どうやらこの人物が白龍国の元法皇で、そして克也が選んだ皇后のようだ。
その人物…瀬人は初めて見た光景に見惚れているらしく、誓いの泉の方を向いたままこちらに気付く様子は無かった。
それに苦笑しつつゆっくりと近付くと、先に気付いた克也が声をかけてくる。
「バクラ」
克也に呼ばれてバクラは深々と頭を下げた。
「お待ちしておりました、皇帝陛下。そして皇后サマも」
再び視線を上げて見上げると、瀬人は不思議そうな顔をして自分を見詰めていた。
どうやらこの髪と瞳の色が珍しいらしい。
確かにこんな真っ白な髪と真っ赤な瞳を持った人間なんてそうそういるものじゃない。
むしろ自分達守り人の一族だけだしな…と、バクラは特に何の感情も持たずそう思う。
「彼の名はバクラ。オレの代に新しくこの誓いの泉の守り人となった人間だ」
「守り人…?」
克也が瀬人に自分の説明をしている間、バクラはじっと瀬人を見詰めていた。
確かにとんでもない美人だと思う。
男でも無い女でも無い実に中性的なその美しさは、奇跡の子が持つ不思議な魅力だった。
それに先程感じた龍の気配…。
バクラが見たのはこの国の守護龍である真紅眼の黒龍ではなく、白龍国の守護龍である筈の青眼の白龍だった。
長老や前守り人であった母親から教えられた伝説では、青眼の白龍は初代法皇にその全ての力を与えてこの世から消滅してしまったのだという。
ただし白龍国には時折その白龍の魂を継ぐ者が生まれ、白龍はその者を生涯護っていくと伝えられていた。
なるほど…とバクラは内心で感心する。
どうやらこの元法皇サマは、その白龍の魂を継ぐ者らしい。
克也はおろか本人もその事には気付いていないようだが、生まれてからずっと真紅眼の黒龍の傍らで暮らしてきた守り人にはその気配が感じとれるらしかった。
確かに黒龍国の皇后としては、もってこいの人物かもしれない。
だからと言ってバクラの個人的な感情が納まるかというと、それはまた別の話だった。
バクラは幼い頃克也に恋をした時から、彼との恋愛を諦めていた。
その代わり、克也が大人になって誰かと結婚した際には、彼の子供が見たいと思っていた。
克也の血を受け継いだ子供が成長してこの国の立派な跡取りとなるのをこの目で見届けたいと、そして克也とその子供を守り人として守り続けたいと…そう思っていたのだ。
だが今目の前にいる新たな皇后は、残念ながら奇跡の子だった。
奇跡の子は子供を宿す事が出来ない。
しかも克也は瀬人一人を愛すると心に決め、側室を取る事は無いという。
この時点で、バクラは克也の子供を諦めざるを得なかった。
瀬人が美しいのは認める。
白龍の魂を継ぎし者として神聖な空気を身に纏い、黒龍国の皇后として申し分無い事も認める。
そしてそんな瀬人を克也が心から愛するのも認める。
だけど…自分はどうしても克也の子供が見たかった…。
どうして貴女は奇跡の子なのだ…っ!
奇跡の子でさえ無ければ、自分は克也の子供を見る事が出来たのに…っ!!
子供も産めない癖に、皇后という地位に就き人目も憚らず克也と堂々と愛し合う事が出来るなんて…狡過ぎる…っ!!
瀬人を正妃として選んだのは克也だという事は分かっていた。
だから自分が瀬人に対してこんな感情をぶつけるのも間違いだという事もよく分かっていた。
だが長い間培ってきた克也への思いが、その感情を止める術を失っていた。
自分の考えに嫌気がさしながら意識を戻すと、いつの間にか無意識に瀬人を睨んでいたらしい。
克也の説明を受け改めてこちらを見た瀬人が、一瞬怯えたように顔色を変えた。
それを見てバクラは慌てて臣下の礼を取る。
そしてなるべく己の感情を押し隠すように、冷静に口を開いた。
「初めまして皇后サマ。オレはバクラといいます。まぁ…これから度々お会いする事になると思いますが、どうぞよろしく」
「あ…あぁ…よろしく」
バクラの言葉に瀬人が戸惑いつつも答えを返した。
だが自分でも上手く隠せると思っていた感情は、思ったより素直に口から出てしまっていたらしい。
思った以上に刺々しく耳に届いた自分の声に、バクラは苦笑するしかなかった。
蒸し暑さにウンザリな二礼です、こんばんは。
本格的に夏になってきましたねぇ…;
毎日の蒸し暑さに既にウンザリですよ。
夏本番はこれからだというのにねぇ…(´・∀・`)
バテるとやる気も無くなってしまうから困ってしまいます。
ただでさえ怠いのに、表は選挙カーが行ったり来たりして煩いし…;
何かもう色々と追い詰められてきたwwwww
ストレス発散したいお!!(^ω^;
そろそろクーラー…入れようかなぁ?
でもまだ室温は29度止まりなんだよね…。
30度…。せめて30度になるまで我慢しなければ…っ!!
(一旦入れたら絶対クーラー無しでは生活出来なくなるから、無駄に我慢してますw)
長編『奇跡の証明』の外伝『二つの恋の物語』のその4をUPしました。
本当は昨日UPする予定だったんですけど、モク誕だという事に気付いて急遽予定を変更しました。
こちらはいつ上げても構わないけど、モクバの誕生日は一年に一回だけだからねー(´∀`)
やっぱりこっちを優先しなければ!
ちょっと短めですけど、何か本格的にバテてきて体調不良なのでご容赦を…(´_ゝ`;
これも早く終わらせたいな…。
以下は拍手のお返事でございます~!
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!(*´д`*)
『貴方とあの人を繋ぐ橋』の感想をありがとうございます!
そう言えばウチはモクバの登場率が低いですね~。
モクバの事は大好きなんですけど、どうしてもウチは城之内と海馬の二人に思いっきり焦点を当ててしまっているので、登場する余地が無いようです。
あとウチのモクバは、海馬に対しては純粋な兄弟愛しか持っていない事も原因の一つなのかもしれません。
他のサイトで読んだり見たりする分にはモク瀬人は平気なのですが、自分に限ってはあくまで兄弟愛の枠を越えさせるつもりは無いんですよ。
なので主人公枠の片方は常に城之内の物になってしまって、モクバはどうしても活躍出来ず仕舞いなんですよね…(´∀`;
それはモクバだけじゃなくて、他のキャラにも言える事ですね。
表君とか王様とかバクラとか。
モク瀬人の他にも、表海・闇海・バク海(漠海)等々、他の方のところで見たり読んだりする分には私も大好きなんですけどね。
それよりも何よりも余りに城海を愛し過ぎちゃった為に、自分ではこの二人以外は書かないと心に決めているんです(*'-')
あと城之内の料理好きについてはですね。
彼は決して一流シェフの様な料理人ではありませんが、一般の家庭料理に限って言えば、同年代の女の子よりずっと上手なんだというイメージがあるんですよ~!
多分両親が離婚してから父親の面倒をずっと一人で見てきたっていう設定が、強く頭に残っているからだと思いますが。
ていうかむしろコレは、料理上手であって欲しいという願望ですかねw
城之内君みたいに昔荒れに荒れてド不良してた子が、実は凄く家庭料理が上手だったりしたら萌えませんか?w
普段成績も悪くて何でもいい加減で不器用な男の子が、完璧な卵焼きとか肉じゃがとか作ってくれたら、多分それだけでイチコロですwww
あと、自分が作った物を他人に食べさせるのって、凄く愛を感じさせるんですよね~。
何て言うんでしょうか?
包容力とか懐の大きさを感じさせるような、そんな気がするんです。
そういう訳でウチの城之内君は大抵料理上手なんです(*´∀`*)
食べ物が出てくる話を読むのが大好きなので、自分でももっとチャレンジしてみようと思っています。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
無事に『皇帝即位の儀』が終了した後、克也とバクラは向かい合って座っていた。
複雑な顔をして黙り込む克也を前にして、バクラは先程の克也の姿を思い出す。
脳裏には儀式の際に見てしまった克也の裸体が散らついていて、どうしてもそれを振り払う事が出来なかった。
若干十六歳でありながら既に一人前の男性としての身体を持っていた克也の姿は、バクラの心臓を高鳴らせるのに充分だった。
泉の向こうに渡っていく克也を見守りながら、バクラは「守り人ってのも因果な仕事だよな…」と小さく呟く。
だが、自分がどんなに克也の事を想っていても、バクラは克也に触れる事は出来ないのだ。
別にそういうしきたりを何としてでも守りたいと考えるような生真面目な性格では無かったが、それがどんな深い意味を持っているか母親に知らされた今、敢えてそれを破ろうとは考えられなかった。
儀式の成功により新しい皇帝が即位されたと知らせが届き、外では既に式典の準備が行なわれているようだった。
黒龍国の国民にとっては新皇帝即位という目出度い儀式であったが、当の本人達にとっては複雑な心境にならざるを得ない。
僅か十六歳で父親を亡くし、その悲しみも癒えぬままに皇帝として即位し、国を背負い導いてゆかねばならないのだ。
その重圧はいかほどのものであろうか…と、バクラは目の前の克也の顔を見詰める。
克也も眉根を寄せ、暫く難しい顔をして何かを考え込んでいたようだったが、やがて全てを吹っ切ったように顔を上げてバクラを見詰め返した。
「バクラ…。お前に話しておきたい事がある」
「何ですか? 改まって」
「オレが来年成人した時に迎える…正妃の事だ」
克也の台詞にバクラは一瞬身を固めてしまう。
見たことも会った事もない女性の話を聞くなんて冗談じゃないと思ったが、バクラはその考えを急いで打ち消した。
嫌でも一年後にはその女性と会わなければならない。
克也の御代を守る守り人として、克也とその女性の『結婚の儀』を見守らなければならないのだ。
だったら今の内にその女性の詳細を聞いておくのは悪い事じゃないと思い直した。
「あぁ、陛下が言っていたとびっきりの別嬪さん?」
バクラの言葉に克也が頷く。
「誰に何と言われようが、オレはアイツを守りきる意志がある。自信もある。だけどバクラ。お前にだけは今の内に全てを話しておきたいと思う。それでオレとアイツの事を認めて欲しい…。そしてアイツの事も含めて守って欲しい」
克也の真摯な目にバクラはただ黙って頷くしかなかった。
そして自分の中に今まで感じなかった意識が湧き上がって来るのを感じる。
克也がそこまで本気で守りたいと思う相手を、自分も守りたいと思ったのだ。
克也を愛しているからこそ、克也の愛している女性を本気で守りたいとバクラは思う。
克也と、克也の愛する女性と、そしてその間に生まれて来るであろう子供を、バクラは一生守り続けようと誓った。
強い意志を宿して克也を見上げると、そのバクラの意志を汲み取ったかのように克也が再び口を開いた。
「バクラ…。オレが正妃に迎えたいと考えているのは…実は『奇跡の子』なんだ」
「っ!? はぁ…っ!?」
思わず目の前にいる人物が黒龍国皇帝だと言うことを忘れて、素っ頓狂な声を上げてしまう。
たった今、バクラは自分自身に誓ったばかりだった。
克也と正妃とその子供を守り続けると。
だがその誓いがあっという間に覆される。
「奇跡の子って…。陛下、本気ですか!?」
「あぁ、勿論本気だ」
「そんな…。奇跡の子が結婚相手じゃ、子供は出来ないじゃないですか」
「うん…まぁ…出来ないな」
「あ…でも、側室は取るんですよね?」
「いや、取らない」
「な、何故ですか!!」
「アイツを本気で愛しているからだ…っ!! オレはアイツ以外いらない。他の女なんて愛したくない。アイツがいればそれでいいんだ」
自分の事をじっと見詰めてそう語る克也から、バクラは目を離せなくなっていた。
こんなに真剣な目をした克也を見た事なんて覚えがない。
それ程その相手に本気なんだと、嫌でも思い知らされる。
「子供は…どうなさるんですか?」
少し落ち着こうと深く息を吐き出して、バクラは克也に質問をする。
黒龍国は代々世襲制の為、どうしても跡取りという存在が必要になってくるからだ。
「養子を取る。お前も知ってると思うけど、オレ自身が養子だからその点は問題無いと思う」
「まぁ…。陛下がそうおっしゃるのならオレが反対する理由なんてありませんけどね。この黒龍国は奇跡の子に対して理解がありますし、多分問題無いでしょう」
「お前にそう言って貰えると、オレも嬉しいよ」
「で? 相手は一体どういった御身分の方なのですか?」
「ん? あぁ。白龍国の現法皇だ」
「はっ…!? な…何て…っ!?」
克也の爆弾発言に、バクラは再び言葉を無くしてしまった。
地下で暮らす自分の耳にも、外の情報はしっかりと入ってくる。
特に皇帝の御代を守る守り人には、そういう国家間の情勢や専門知識等を知っておくのは必要不可欠だった。
だからバクラも白龍国の現法皇がどんな人物か位は知っていた。
白龍国の民達からは類い希なる賢皇と呼ばれながらも、奇跡の子として生まれついてしまった為に『仮の法皇』と呼ばれ疎まれている事。
そして彼には弟が一人いて、白龍国の大臣や神官達からは弟こそが『真の法皇』だとされている事。
初めて彼の話を聞いたときは、バクラも思わず同情してしまった。
名前は確か…瀬人とか言った筈だ。
「陛下…。貴方は…法皇に恋をしてらっしゃったのですか…」
思わずポツリとそう呟くと、克也が不安そうな顔をしてこちらを見上げた。
だが次の瞬間には自信に満ちた笑みを浮かべて「悪いか?」と逆に問われてしまう。
それに首を横に振ることで答えたバクラはまだ気付いていなかった。
僅か一年半後、自分がこの法皇に対して克也と同じ想いを抱いてしまう事を。
珍しく晴れの七夕に微笑ましい気分の二礼です、こんばんは。
モクバ、お誕生日おめでとう!!
関東では今日は本当にいいお天気でした。
七夕に晴れるなんて珍しいですよね。
ていうかさ、新暦に以降した時に七夕も一ヶ月先に移行すればよかったのにね~。
もしくはお盆みたいに、新暦と旧暦で両方やるとかさ。
と思いつつ、久しぶりの快晴に溜まっていた洗濯物をゴッソリと洗い、ベランダに完璧に干して悦に浸っていた時に事件は起きました。
洗濯物干し終わって台所でお茶飲んでたんですけど、突然ベランダの方から
ガシャァーーーーーーン!!
という物凄い音が…。
慌てて見に行ったら強風に煽られて洗濯物同士が絡み合い、それで物干し竿がずれて床に落下しちゃってました…。
生乾きの洗濯物達は当然の如く床の埃やら泥やらを身に纏い、すっかり真っ黒けに…orz
ふ…ふ…ふ…。
巫山戯るなぁーーー!!
オレが誠心誠意込めて洗った洗濯物を、貴様(風&物干し竿)は床に貶めて泥だらけにしたっていうのか!!
(by.ドーマ編の社長)
と、心の中で盛大に叫びました。
まさに「おぃぃっ!? 俺の怒りが有頂天!!」状態ですよ。
(こんな日本語は勿論ございませんw 詳しくは『ブロントさん』を参照。ちなみに二礼はFF11をやっていますが、彼とは別鯖です)
えぇ…。結局全部洗い直しですよ…;
バスタオルとか衣類はまだいいけど、シーツが痛かった…orz
短編『貴方とあの人を繋ぐ橋』をUPしました。
モク誕に合せて急遽作成してみました~(´∀`)
初めてチャレンジしたモクバの一人称だったんですけど、思いの外楽だったのはどうしてなんだろうなぁ?
彼の性格が自分と同じっぽいから(共にO型)かもしれませんね。
うん、書いてて凄く楽しかったです!
誕生日だというのにモクバにはちょっぴり切ない思いをさせてしまいましたが、大人になれよ~って事でモク瀬人好きの方は許しておくんなまし(´∀`;
それにしてもこの話の城之内は本当に出来た漢(男というより漢)だよなぁ…。
自分で書いてて感心しちゃった。
以下は拍手レスになります。
『素質Ⅴ』に対する沢山の拍手やコメントの数々、本当にどうもありがとうございました!!
というか…とりあえずアレだ。
みんな、ちょっと落ち着いてくれwwwww
拍手数もUPしてからの拍手ラッシュも過去最高で、お姉さんちょっと驚いたよwwwww
(今回はちょっとコメント数が多かったので、お返事を簡潔にさせて頂いております。せっかくコメントして貰ったのに、本当にゴメンナサイ…。申し訳無いです)
>発芽米子様
お久しぶりです~(´∀`)
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!
『素質Ⅴ』のにゃんこ社長に萌えて頂けて光栄です(*´д`*)
というか、他の方が書(描)いているにゃんにゃんプレイとあまり変わらないと思うのですが…?w
何がそんなに米子様を萌えさせてしまったんでしょうか…?
でも、そんなに萌えて頂けると、書いた私も嬉しく感じます~!
『素質』の城海は、多分今回の事で立場が逆転(むしろ正規の関係になったとも言う)したので、これからもこんな感じで社長を困らせていこうと思います(´∀`)
今まで以上に生暖かい目で見守って下されば幸いに思いますw
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>榊弛亞様
拍手とコメント、どうもありがとうございます~!(>_<)
コメントは別に長くなかったですよ?
大丈夫ですのでご安心を(*'-')
ドS之内にニヤニヤして頂けたようで、書いた私も嬉しく思いますw
やっぱ城之内はSが格好良いですよね~!
城之内君にはこれからもどんどんSっぽくなって貰おうと思っています!!(`・ω・´)
黒猫海馬も一度書いてみたかったので、「可愛い」と言って頂けて良かったです(´∀`)
あと『STEP』の方も色々とネタがあるので、これからもちょくちょく更新していくと思います~。
(『STEP』の海馬は『素質』の海馬と真逆で、書く方も楽しくて仕方ありませんw)
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>橘ポチ様
お久しぶりです~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~&お粗末様でした(´∀`)
「GJ!!!」の御言葉、本当にどうもありがとうございました~!
もうエクスクラメーションマークが3つも付いちゃってますからねw
光栄でございますwww
私もそんな嬉しい事を言って下さるポチ様が大好きですよ~(*´∀`*)
ポチ様のご期待に添えるように、これからも『素質』シリーズを頑張って書いていこうと思います。
でもあんまり期待はなさらないで下さいませ…w
(プレッシャーが…wwwwww)
それではこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>散様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!(>_<)
これから原稿期間に入るとの事で、私も影ながら応援しております!
どうかお身体にだけは気をつけて頑張って下さいませ~!
無理は禁物なのです(*'-')
それから素敵なイラストも、本当にありがとうございました~(*´д`*)
もう見る度に社長が色っぽ過ぎて、ハァハァしてしまいますw
風呂上がり社長…たまらん…っ!!
それでは今日はこれで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!(・∀・)
『素質Ⅴ』と日記の感想をありがとうございます~。
Rosebank様にこんなにお褒め頂けるとは…、頑張って書いた甲斐がありました~(´∀`)
とりあえず『上等な大人のエロス』の一言に笑わせて頂きましたw
いやいやいや、そんな上等じゃないですからね、これw
好き勝手書いてるだけですし(*'-')
あ、ちなみにあの海馬の「ダメなのに」発言は、「もう限界なのに止まらない。辛い」という意味で言わせております(*´д`*)
分かりにくくてスミマセン。
でも、あの時点で彼はもうイッてらっしゃいましたので…wフヒヒ
あと、あの土偶ですね~(´∀`)
可愛かったじゃないですか、緑の土偶w
まぁ…アレが出てきて一瞬唖然としたのは勿論皆さんと一緒だと思いますが…w
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
モクバ、お誕生日おめでとう!
という事で、モク誕用のお話です。
城海を前提にしたモクバの一人称。
ちょっぴり切ない系…?
七月七日。今日はオレの誕生日だ。
とは言っても今日はあくまで平日だから、海馬コーポレーション主催の派手な誕生日パーティーは日曜日に済ませてしまった。
だから今日の夜は、オレと兄サマと城之内の三人だけで小さな食事会を行なっていた。
一年くらい前からかな。
城之内が突然邸に遊びに来るようになった。
兄サマとは仲が悪かった筈だけどいつの間にか仲良くなってたみたいで、最初は休日とか週末の夜だけだったのに、ついには平日の夜とかにも出入りするようになっていた。
ソレについて兄サマは何も言わなかった。
だから多分兄サマの公認で遊びに来てるんだなって分かって、オレも城之内が遊びに来るのを待ち遠しく思うようになっていったんだ。
というのも、オレも城之内の事が結構好きだったから。
兄サマとは全然タイプが違うけど、それでも付合いやすかったし、兄サマ以上に遊び相手には丁度良かったしな。
そういう訳でオレ達はよく三人で遊んで過ごした。
デュエルもしたし、色々なボードゲームやTVゲームなんかも一杯した。
その内オレも城之内の事をもう一人の兄のように思えてきたんだ。
城之内もオレに懐かれている事をよく分かってたんだろうな。
明るい笑顔でよく抱き締めてきて、頭をグシャグシャに撫でられた。
ちょっと痛かったけど嫌じゃないのも事実だから、文句を言いつつも城之内の好きなようにさせていたんだ。
そしていつの間にか、城之内の居る風景こそがオレ達の日常になっていった。
それから城之内は料理も上手だった。
ある日、専属のシェフが急用で故郷に帰らなくてはならなくなった日があって、オレ達は途方に暮れていた。
朝食は作ってくれたけど昼食の用意が全然されていなくて、オレと兄サマは「今日は外食にするか」なんて相談をしていたんだけど。
そうしたら城之内が突然「じゃぁ、オレが作る」とか言い出して、勝手に厨房に入っていってしまったんだ。
数十分後、出てきたホカホカの炒飯に兄サマは「こんな庶民の食べ物を…」とブツクサ言ってたけど、最後までペロリと食べちゃったあたり、どうやら口に合ったらしい。
確かにその炒飯はすんごく美味しかったのをオレも覚えている。
卵と葱と叉焼だけのシンプルな炒飯は、オレが忘れてしまった昔懐かしい味を思い出させてくれた。
で、それに味を占めて次に城之内が来た時も「何か作ってよ」と強請ったら、今度はナポリタンを作ってくれた。
玉葱とピーマンとウィンナーを炒めてケチャップで味付けをし、茹でたパスタに和えただけのそれも物凄く美味しかった。
こうして城之内は度々オレ達の為に食事を作ってくれるようになっていったんだ。
実は今飲んでいる温かいミネストローネも、そんな城之内が作ってくれたものだった。
最初はお金を出してオレの為にプレゼントを買おうとしたらしいんだけどさ、借金持ちに高価なプレゼントを強請るほどオレも酷くは無いし。
だからオレの為にとびきり美味しい料理を作ってよって言ったんだ。
他の料理はシェフが用意してくれるから、出来ればスープがいいって。
そしたら出てきたのがこのミネストローネだった。
賽の目に切られた野菜やベーコンがほどよく煮込まれていて、柔らかなマカロニがスープを吸って絶妙に美味しかった。
あんまり美味しいからおかわりして二杯目も飲んでいたら、「実はそれ、セロリも入ってるんだぜ」と意地悪そうな顔で城之内に言われ、思わず吹き出しそうになった。
マジかよ…。
でもセロリ独特の苦みとか臭さとかも全然感じないしなぁ…。
結局二杯目のスープも綺麗に完食してしまった。
だって美味かったんだもん。
城之内が邸に遊びに来るようになって暫くして、オレはある事に気付き始めていた。
兄サマが時々…、本当に時々だけどオレの存在を疎ましく思ってる時があるみたいなんだ。
三人で楽しく遊んでいても、時々チラリとオレの方を向いては小さく嘆息する。
兄サマは気付かれてないって思っているみたいだったけど、その余りに分かりやす過ぎる行動でオレにはバレバレだった。
その頃には城之内は遊びに来るだけじゃなくてたまに邸に泊ったりもしてたんだけど、特にそういう日の夜に兄サマのその行動は出ていたようだった。
それまでは兄サマもオレと城之内が遊んでいる姿を微笑ましく見ているだけだったし、城之内の方もオレがその場にいる事に特に何も言わなかったから、オレは随分と気付くが遅れたんだ。
オレは兄サマと城之内は、あくまで友人同士だと思っていた。
だけどそれは違っていた。
二人は友人なんかじゃなくて…恋人同士だったんだ。
城之内が泊まりに来てる時、アイツが客室を使わずに兄サマと一緒に兄サマの私室に入って行くあたりで気付けば良かったんだと後悔する。
せめて城之内がオレの事を邪魔に思ったり、オレが兄サマと仲良くしている事にヤキモチを妬いてくれたりすれば良かったんだよ。
あんまり二人が仲良さそうだから、逆にオレの方がヤキモチ妬いちゃったりしてさ。
城之内が泊まりに来てるって知ってて、わざと「兄サマ、今日はオレ兄サマと一緒に眠りたい」なんて我が儘を言う事が何回もあった。
その時に二人とも何か言ってくれればいいのに、兄サマは「別に構わないぞ」とか言うし、城之内は城之内で「じゃ、オレは今日は客室で寝るわ」とか挙げ句の果てには「んじゃ、今日は帰るぜー」なんて言って本当に帰ってしまった事もあった。
後から気付いた事だけど、城之内は自分の欲求より兄サマの幸せを一番に考えていたんだ。
兄サマ自身と弟であるオレと恋人である城之内の三人が揃って初めて、兄サマの幸せが発生するんだって考えていたらしい。
だからオレが無理矢理介入しても城之内は何も言わなかった。
それどころか笑顔でそれを受け入れていた。
兄サマも最初はそれで良かったらしい。
だけど兄サマの気持ちは段々と成長していって、やがて次のステップに足を踏み入れた。
つまり、自分とオレと城之内の三人一緒の幸せより、城之内と二人きりで恋人同士でしか築けない幸せを求め出したんだ。
城之内は兄サマの幸せを最優先にするばかりに、その事に気付けないでいたらしいけどな。
だけど兄サマのそんな気持ちはどんどん膨らんで、そしてついにオレの存在が気になり始めたんだ。
兄サマがオレを疎ましく思うのは、城之内と早く二人きりになりたかったからだ。
オレはそれを敏感に感じ取っていて、そしてそれと同時に、もう兄サマに頼るだけの子供は卒業しなくちゃいけないな…と心から感じていた。
オレにとって兄サマは全てだった。
母親はオレが赤ん坊の時に死んでしまったし、父親もオレが五歳の時に死んで顔も覚えていない。
兄サマが、兄サマだけがオレの唯一の肉親であり、兄であり父だった。
兄弟の絆は絶対で、そこには誰も立ち入る事は出来ないと信じていた。
だけど…本当にそれでいいんだろうかと、オレは最近ふと考える。
オレが兄サマに依存している間、兄サマ自身は何も出来ない。
兄弟としての幸せを求める事は出来ても、自分だけの幸せを追う事が出来ない。
果たしてそれで兄サマが本当に幸せかどうか考えた時、オレはすぐに出てきた答えに溜息をついた。
幸せである筈…ないじゃんか。
現に今、せっかく城之内という恋人がいるというのに、城之内と自由に愛し合う事も出来ていないじゃないか…。
今日はオレの誕生日。また一つ歳を取って大人になった。
兄サマからはずっと前から欲しかったプレゼントを貰って、城之内からは美味しいスープを作って貰った。
幸せな幸せな誕生日。
今日は誕生日だから、兄サマや城之内には目一杯甘えるつもりだ。
だけどそんな子供っぽい事をするのも今日まで。
明日からは一歩引いて、兄サマと城之内の幸せを黙って見守ろうと心に決めていた。
ちょっと寂しいって思うけど、それでも兄サマにあんな顔をさせるよりずっとマシだと思った。
オレは貴方とあの人を繋ぐ天の川の橋になろう。
せっかくの七夕なんだから、彦星と織姫は幸せにならなくちゃいけない。
この場合織姫はやっぱり兄サマなのかなぁ…なんて野暮な事を考えつつ、「誕生日おめでとう」と言ってくれた二人に「ありがとう」と応えて、オレは心から微笑んだ。
あ、でも出来る事なら、来年の誕生日にはまた甘えさせて欲しいかな?
年に一回の七夕だけは、織姫の弟にも幸せを分けてくれよ。
な、城之内?
二礼しげみ18歳です、こんばんは。
嘘です。スイマセン。
でも肉体年齢はいくつになっても精神的にはずっと18歳のつもりでいましょうと、ある御方と固く誓い合ったので思わずこんな書き出しをしてしまいました…w
(本当の希望は社長と同じ17歳でしたが、それじゃ18禁書けないって事で18歳にw)
そんな事言ってるからいつまでも大人になりきれないんだよね~(´∀`;フヒヒサーセン
超反省。
『素質Ⅴ』で出したアノマロカリスの事を調べてくれた方がいらっしゃって、少しでもアノマロたんの魅力を広められたんだと嬉しかったですw
十数年前にNHKスペシャルのCGで初めてヤツの動く姿を見た時の衝撃と感動は忘れられません。
それ以来ずっと彼(?)のファンです!
ホント…可愛いよなぁ…(*´д`*)
二礼は小さい頃から珍妙な生き物が好きな子供だったようです。
現代に生息している動物の写真絵本を見るより、子供用の科学絵本で古生代に生息していた生き物達の復元図を見る方が好きでした。
しかもあのティラノサウルスとかブロントサウルスとかの有名な恐竜さん達じゃなくて、カンブリア紀から中世代にかけての微妙に進化途中の面白いデザインの生き物達の方が好みだったんですよねw
その好みは勿論今も続いていて、深海魚系とかもう興奮するくらい大好物です。
特にギンザメたんとカブトガニ…。可愛いなぁ…。
とにかく凄く変な子供だったらしいですよ?
例えば色んな動物を見せてあげようと動物園に連れて行ってあげるじゃないですか。
ライオンやトラやゾウやキリンなんかのメジャーな動物は直ぐに飽きちゃう癖に、小動物館のコウモリの前で突然じっと動かなくなり、1時間近く黙って見てたらしいですからねw
ちなみに今でもコウモリは大好きです。
可愛いよコウモリ可愛いよ。
とにかく古生代の生き物やその化石なんかが大好きなので、上野の科学博物館は二礼にとってはメッカそのものなのです。
無機物なら埴輪とか土偶が可愛い…。
ドーマ編のあの土偶は滅茶苦茶萌えでした…w
やっぱり好みが普通の人よりちょっと変なんだな…;
『素質Ⅴ』の後編をUPしました。
にゃんにゃんプレイ…どうでしたかね?
ドSに目覚めた城之内君を書くのは、ものすご~く楽しかったんですけどねw
でもやっぱりウチの城之内君は社長の事が大好きなので、最後まで酷い事は出来ず仕舞いです。
まぁ…愛有るSMプレイが『素質』のテーマなので、こんなんで如何でしょうか?
それにしてもやっぱコレ…、機会を見付けて纏めちゃった方がいいのかもしれないなぁ。
多分また書くと思うんですよ。
同名のタイトルが短編にズラッと並んでるのもアレなんで、ちょっと考えてみます。
以下は拍手のお返事でございます~!!
>榊弛亞様
拍手とコメント、どうもありがとうございました(´∀`)
『素質Ⅴ』に萌えて頂けて、真夜中のハイテンションで一気に書き綴った私も嬉しく思いますw
やっぱりHには黒猫ですよね!!
社長は基本的に白猫だと思いますが、白猫ちゃんはもっとほのぼのとしたお話に似合うと思います。
この場合はあくまでSMプレイの一環なので、やっぱり自分のイメージ通りに黒猫ちゃんに仕立て上げてみました。
ちなみに残念ながらこの世界への入り口は閉ざされております(´―`)
遠くから眺めるだけになってしまいますが、それでも宜しければこれからも覗いてやって下さいませw
見るだけならタダなんでwww
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、いつもありがとうございます~!!
『素質Ⅴ』と日記の感想をありがとでした~。
黒猫海馬を気に入って頂けて何よりですw
最初にこの話を思い付いた時に出てきたイメージが、全裸に黒猫耳と黒猫尻尾を付けた海馬だったので、結局そのイメージを通してしまいました。
私も社長が猫になったら基本的に白猫だろうと思っています。
でもコレってタダのSMプレイなので、黒猫の方が逆に白い肌が映えるのでいいだろうなんて思ってやってみました(´∀`)
それとRosebank様のコメントを見て、黒猫のままバックでやっても良かったか…と今更ながらに思ってみたりw
チッ…! 失敗したな…(´―`;
あ、そうそう。ちなみにローションの匂いはそんなに染みつかないと思いますよ?
ローション自体がそういう事に使用される事を前提に作られていますからね~。
匂い等が染みついちゃったら、それはローションとして失格だと思いますw
でもちょっといいかもって思いました。
イチゴの匂いのする海馬…、萌えます!(*´д`*)ハァハァ
アノマロたんの事もわざわざ調べて頂いたようで…。
どうもありがとうございましたw
彼(?)は本当に珍妙な生き物ですので、調べた方が嫌悪感を抱かないか心配だったのですが…。
大丈夫でしたか?
それにしてもRosebank様の解説には「なるほど」と思いましたよ!
そうか…。
陸上生物である人間が深海生物と直接出会うなんて事、通常ならありえませんもんねぇ。(古生代の生き物も)
意識の底辺にある『安心感』が彼等を可愛く見せているのかもしれませんね。
確かにあんなにでっかいダンゴムシがそこら辺を這いずり回っていたら、速攻で逃げ出すと思いますw
流石でした!! (゜∀゜)パチパチ
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
眉を顰めた余裕の無い表情で、身体をフルフルと震わせながら「にゃぁ…」と一声鳴いた海馬に、オレは満足して微笑んだ。
うん、良し。
正直海馬の身体が限界に来ているのは知っているんだ。
この状態でどうやってオレを求めて来るのか興味津々で、オレは海馬に入っているバイブのスイッチを強に入れる。
「うっ…! ひゃぁ…っ!」
「海馬」
「にゃ…ぁっ! に…にゃぁんっ!!」
海馬の身体の奥から聞こえて来る震動音が大きくなり、それに伴って白い身体がビクビクと激しく痙攣する。
本当だったらもうイッててもおかしくない。
だけどアイツのペニスの根元にはオレによってリボンが巻かれていて、それが邪魔をして射精が出来ない状況になっていた。
さぁ…どうする海馬?
何かちょっと楽しくなってきてその様子をじっくりと観察していたら、泣きそうな顔で海馬がこちらを振り返った。
あぁ…やっぱり、限界なんだ。
でもオレは何も言ってやらないし、何もしてはやらない。
そのまま黙って見ていたら、本当の猫みたいに四つん這いでオレの側まで躙り寄ってきた。
白い足の間から垂れ下がっている震える黒い尻尾が艶めかしい。
まだ服を着たままだったオレのTシャツに手を掛けて、それをグイッと上に持ち上げて頭から引き抜く。
なるほど。服を脱がせてその気にさせようっていうのか。
脱がせたTシャツをベッド下に放り投げると、そのまま上半身裸になったオレに白い腕を絡みつかせた。
温かい体温を直接感じて、オレの心臓が高鳴る。
確かに今日はまだこんな風に抱き締め合ったりしてないからな。ちょっと効果的かもしれない。
ベッドの上に胡座をかいたオレを跨ぐような形で膝立ちになり、顔を両手で掴まれてクイッと上に向けられた。
見上げると真っ赤に上気した顔と潤んだ青い瞳が目に入ってきて、それが少しずつ近付いてくる。
そして柔らかい唇でオレの唇を挟むようにキスをされた。
あ…、このキス…ちょっと気持ちいいかも。
「んっ…! ん…ん…っ」
余裕無さげに鼻にかかった声を漏らしながら、海馬は必死でキスを続けた。
少し口を開いてやると、そこから熱い舌がぬるりと入り込んでくる。
三週間振りの海馬の舌にオレも嬉しくなって、入り込んできたそれに自らの舌を絡めた。
軽く歯を当てて強く吸い上げてやると、目の前の身体がビクリと震える。
クチュクチュと濡れた音を立てながら、二人とも夢中でキスを続けていた。
飲み込めずオレの口の端から溢れた唾液を、海馬が顎下からベロリと舐め取ってくれる。
あぁ…うん。大分興奮してきた。
でも、まだダメだなぁ…。
チラリと瞳を開けて伺ってくる海馬にオレは視線でそう答えた。
海馬の方はそろそろ限界を超え出したらしい。
「にゃ…ぁ…っ。にゃぁ…っ」
可愛らしくにゃぁにゃぁ鳴きながらカリカリと爪先でオレの二の腕を引っ掻いて、必死な顔で先を促してくる。
てか、本当の猫みたくなってきたな。
でもまだダメです。
顔を傾けて「何?」と聞いてやれば、あからさまにガッカリした顔をされた。
そして今度は何を思ったか、ジーンズを履いたままだったオレの腰に手を伸ばして震える手でベルトを外し始める。
あぁ、なるほど。そこを直に刺激すればオレが興奮して我慢出来なくなると踏んだんですね?
でもなぁ…。それ、逆効果だと思うんだけど。
ベルトを引き抜いてボタンを外し、ファスナーを下ろしてトランクスから引き摺り出されたオレ自身は、もうすっかり硬く張り詰めていた。
それを両手でしっかりと握って、海馬は身体をずらして顔を寄せる。
そしてそのままオレのペニスを熱い口内に招き入れた。
恍惚とした表情が色っぽい。
うわ…。やっぱこれ、すっげー気持ちいいわ…。
ただでさえ海馬はフェラが上手いのに、三週間振りにこんな事されたら、オレちょっと持たないよ?
根本を握った手で裏筋をなぞりながら、口内に含んだ部分をきゅうきゅうと強く吸われた。
溢れる先走りの液も、舌先で丁寧に舐め取ってくれる。
あー…、もうヤバイって…っ。
いくら限界越えてるからってそんなに本気で挑まれちゃ、オレの方だって我慢出来ないんだってば。
しかも海馬は今猫耳を付けていて、それがまた何て言うのか…。背徳感を醸し出していた。
「くっ………!」
案の定海馬のテクに耐えきれなかったオレは、アイツの口内に盛大に射精してしまった。
突然放たれて驚いたのだろう。
大半を口から零してしまい、海馬の手や口元はオレの白い精液で汚れてしまっている。
如何にも「あ、しまった!」という唖然とした顔でそれを見詰めている海馬が可愛らしい。
それに苦笑しながらも、オレは海馬の口元についた精液を親指でグイッと拭ってやった。
「あーあ。本気でやるから出ちゃったじゃんか。こんなに一杯零しちゃって」
「にぅ…っ」
「でもま、これも猫プレイになるのかな? ほら、海馬は今猫なんだから。猫はミルク好きだろ? ちゃんと零したの舐め取れよ」
オレの言葉にしゅんとした表情になりつつも、海馬は丁寧に零れた精液を舐め取っていく。
口元に付いたヤツは指先で拭い、口に入れてチュッと吸い取った。
それから掌についたヤツやオレ自身に付いたヤツも、熱い舌でペロペロと舐めて飲み込んでいった。
「美味い?」
必死に舌を動かしている海馬にそう聞くと、「にゃぁ…」と小さい返事が返ってくる。
可愛いなぁ…、こうしてみると本当の猫みたいだなぁ…。
そんな事を悠長に考えていたら、いつの間にか海馬の状態が変化しているのに気がついた。
「っ…。ぃ…っく。ひっ…く」
しゃっくり上げているそれは紛れもない嗚咽だった。
言われた通りに零れた精液を舐め取っていきながら、海馬はボロボロと泣いていた。
顔を涙でグシャグシャにしながら、それでも懸命にオレに言われた事を守っている。
一瞬でやり過ぎたんだと理解した。
慌てて海馬の身体を持ち上げて抱き締める。
腕の中の身体はブルブルと小刻みに震えていた。
「ゴメン…ッ! ゴメン、海馬! ちょっとやり過ぎた…っ」
「にぃ…っ! にゃ…ぁ…。にゃぁ…っ」
「悪かった。もういいから…」
震える背を優しく撫でて、頭から猫耳を取り去る。
ついでに下半身に手を伸ばして、尻尾付きバイブもスイッチを切ってズルリと抜き去った。
ビクリと身体を揺らして反応した海馬の顔を引き寄せて、額や頬、こめかみや鼻先にキスの雨を降らす。
目元に舌を伸ばして次々と溢れてくる滴を舐め取り、宥めるように少し汗ばんだ栗色の髪を撫でつけると、海馬はオレにギュッとしがみついて来る。
その反応に、海馬のいつもの余裕は全く感じられなかった。
「ほら。これでもう猫じゃなくなったからな。普通に喋っていいぜ」
「っ…うっ…。はぁ…ぁっ!」
「海馬…。大丈夫か…?」
「っぅ…ふ…っ。せつ…な…い…」
「うん…?」
「奥…。奥…が…切ない…っ!」
「奥、切ない? オレが欲しいの?」
「欲しい…っ! 城之内が…欲しい…っ!!」
ガクガクと首を縦に振りながら叫ぶように放たれたその言葉に、オレは反省をする。
いくら何でもこれはやり過ぎだ。
例えお仕置きプレイでも、相手がこんなに混乱するまでやってはいけないのだ。
というか、海馬がここまで混乱してしまうとは思わなかった。
海馬はドMの変態だという初期から認識が、オレの限界を見定める目に狂いを生じさせていた。
抱き締めていた身体を優しくベッドに横たえて、オレは中途半端に身に纏っていたジーンズとトランクスを脱ぎ捨てた。
そして海馬の足を大きく開くと、濡れた後孔にペニスの先端を押し当てる。
そこはもう真っ赤に熟していて、ヒクヒクと蠢いてオレが入ってくるのを今か今かと待ち望んでいた。
「くぅ…! ん…ぁ…っ。 あぁぁ―――っっ!!」
ぐっと腰を前に進めると、海馬が背を弓形に反らしてビクビクと激しく痙攣した。
今の今までバイブで刺激され続けてきた海馬の内部はまるで発熱しているかのような熱さで、入り込んできたオレをまるで逃がさないとでもいうかのように内部の媚肉が絡みついてくる。
もう最高に…気持ちが良かった。
ガツガツと海馬の弱い部分に当るように集中して腰を動かしていると、内壁が細かく振動して、まるでオレのペニスを絞るかのように蠢いてくる。
何だか軽くイッちゃってるみたいだな…。
ん? ていうか…もしかしてコレ、本格的にイッてないか!?
慌てて海馬の顔を覗き込むと、目を一杯に開いて半分意識を飛ばしているみたいになっていた。
「ひぁっ…! あ…あっ! うあぁぁっ!!」
「海馬…?」
「あうぅ…っ!! あっあっ!! も…もう…っ!!」
「海馬…。お前…もしかして…」
「も…ダメッ! ダメ…なのにぃ…っ!!」
「もしかしてお前、ドライで…イッてね?」
よく考えたら、リボン…外してなかった。
射精出来ないままイッてしまった海馬は、必然的にドライオーガズムという状態に陥ってしまって、そのイキの状態が治まる事なくずっと続いているらしかった。
女と違って射精による一瞬のオーガズムが主な男性は、慣れてない内はこのような状態に陥ると死ぬほど辛く感じるという話を聞いた事がある。
現に今海馬は、今まで感じた事のない快感に対処出来ずに、酷く混乱しているようだった。
だったんだけど…、何かオレは嬉しかった。
だって自分の手で恋人がこんな究極のオーガズムに達してくれただなんて、これで光栄と思わない男はいないだろ?
「うあぁ…っ! くぁ…んっ!! も…やぁ…っ! お…おかし…く…なる…っ!!」
ギュウギュウと痛い程に強くしがみついてきて、涙をボロボロと零しながら訴える海馬に、オレは殊更優しく囁いてやる。
「いいぜ、おかしくなっても。オレがちゃんと受け止めてやるから」
「やぁ…っ! あっ! うっ…あぁんっ!!」
「いいから。それをそのまま感じて」
「い…やだぁ…っ! もう…怖い…っ! 怖…い…っ!!」
「大丈夫。怖くないから。オレが側に付いててやるから…な」
ガクガクと痙攣し続ける身体を力強く抱き締めて、オレも激しく腰を振り続けた。
海馬の喘ぎは既に叫び声になっていて、それはもはや言葉にすらなっていない。
熱くてぬめる内壁に痛い程しぼられ続けて、オレにもそろそろ限界が見えてくる。
海馬のペニスに巻き付いたリボンを外してやって、先走りの液でグッショリ濡れたソレをキュッと握ってやった。
自分の腰の動きに合せてペニスを扱いてやる。
「海馬…。一緒に…イこう…な?」
「あひぃっ! あっ…あぁっ!! ひあぁぁっ―――――――っ!!」
一度抜けきる直前まで腰を引き、そしてズンと一気に突き刺してやったら、あっという間に海馬はイッた。
ビュクビュクと大量の精液がオレの手に零れ落ちる。
すげぇなぁ…コレ。どんだけ溜まってたんだっつーの。止まんねーじゃねーか。
そんな事を頭の片隅で思いつつ、オレも海馬の最奥に自分の精液を吐き出した。
お互いにイッた後。
暫くは荒い息をつきながら言葉を発する事も出来なかったオレ達だったが、やがて熱が冷めて来ると海馬がオレにしがみついていた腕をパタリとシーツの上に落とした。
そして半ば呆然とした表情で「もう…死ぬ…」とボソリと呟いた。
「大丈夫。死なないから」
「巫山戯るな…馬鹿が…。貴様もアレを体験してみろ…。絶対死ぬに決まっている…」
「だから死なないって。現にお前、今生きてんじゃん」
「それでも死ぬ…。アレは…キツイ…」
息も絶え絶えにそんな事を言った海馬は、そのまま瞼を閉じて眠ってしまった。
というか、コレ眠ったんじゃないな。
一拍遅れて失神してしまったらしい。
どんなに頭を撫でても身体を揺さぶっても、ウンともスンとも言わなくなった海馬に苦笑する。
久しぶりだからといって、ちょっとやり過ぎたか。
でもまぁ…文句は言わせないぜ?
お前がオレをこんな風に変えちまったんだからな。
汗ばんだ前髪を掻き上げ現れた白い額に口付けながら、オレはニヤリと口元に笑みを浮かべる。
さて、海馬君。
明日は土曜日、明後日は日曜日だ。時間はたっぷりあるんだよね。
次はどんな風に苛めて欲しいのか、今度はちゃんと海馬君のリクエストを聞いてから実行しましょうか。
お前自身も新しい素質に目覚めたみたいだしな…。
目覚めた海馬が一体どんな要求をしてくるのか、オレは今から楽しみで仕方が無かった。
寝る時間を間違えた二礼です、こんばんは。
何か妙に疲れた溜まっていたらしく、昨夜は本当に眠たくて仕方が無くってですね…。
仕事から帰ってきてからずーっとウツラウツラとしていたんですよ。
こんなに眠いならさっさと寝てしまえって事で、早めに風呂とか食事とか済まして、9時半にはもう布団に入ってしまいました。
このまま朝までゆっくり眠れる…とか思っていたんですが、身体の方はちゃんと自分の睡眠時間を覚えているものなんですね…。
二礼の普段の睡眠時間が5~6時間くらいなのですが、夜中の2時45分にバッチリ目が覚めてしまいました…(´∀`;
朝まで寝直そうと暫く布団の中でゴロゴロしていたのですが、どうにも意識がはっきりしてきてしまい敢えなく断念。
ていうか寝返り打つ度に隣に寝ていた相棒を蹴っ飛ばしてしまって危うく起こしかけたので、結局3時半くらいには布団から這い出て別室に移動。
ポチッとPCの電源を入れていました…w
で、夜中に一人で起きているという事でハイテンション状態に入ってしまい、「せっかくだからエロ書くかー! ヒャッホーイ♪」とそのまま執筆活動に突入。
出来たのが…アレでした…(´_ゝ`;
日が昇ってきてから漸く頭が冷静になり、書いた物を読み返してorz状態になる事数十分。
また…やっちまった…;
何かもう色々と諦めて、このまま突っ走るのが一番良いような気がしてきました。
という訳で、短編『素質Ⅴ』の前編をUPしました。
城之内君がついにダークサイドに堕ちました…(´∀`;
まぁ…本人達が幸せそうなので、アレはアレで良いんでしょうがw
次からは立場が逆転しそうな気がムンムンします。
(というか、立場が正常な状態に戻るというか何ていうか)
『素質』も溜まってきちゃいましたねぇ…。
これ…長編として一括して纏めた方がいいような気がしてきたなぁ。
まぁいいや。
暫くは現状維持しときます。
あと小説内に出てきた『アノマロカリスサブレ』ですが、当然の事ながらそんなものは実在致しませんw
アレはあくまで二礼の遊び心です…w
『アノマロカリス』がどんな動物なのか知りたい方はググれば一発で出てくると思いますが、ヤツは物凄く珍妙な生き物ですので、ご覧になる場合はご注意なさった方が宜しいかもしれません。
昆虫系が超絶にダメって人にはオススメ出来ませんのであしからずw
でもヤツは凄く可愛いんだよ~(´・∀・`) もういないけどね。
二礼も昆虫系は基本的に苦手ですけど、海の中で生きている奴らは平気です。
陸上に上がると途端にダメになりますが…w
(陸上のちっこいダンゴムシはダメな癖に、深海の巨大なダンゴムシは全然平気。むしろ可愛ささえ感じます。違いは…何だろう?w)
以下は拍手レスになります~(*'-')
>イミフメイ様
お久しぶりです~!!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
「できればいのうえじゃないときに」発言には笑わせて頂きましたwww
私は『5D's』は見ていないんですけど、ニ/コ/ニ/コ/動/画とかである程度の情報は知っていますし、一期のOPをDMキャラクターに差し替えたMADも見たことがあります(´∀`)
まぁ…最初は自分の好み的にジャックがいいかな~と思っていたのですが、メイ様がブログで余りにも「きゅうりさん、きゅうりさん」と仰るもので、気付いたら彼の事が物凄く気になり始めました…w
このトキメキは何…?
一度もアニメ見てないのに!!www
ていうか『5D's』って正確にはDMの世界から何年後の世界なんでしょうか…?
ウィキで見たら『数十年後』ってなってますけど、でも牛尾さんが生きている時代ですからねぇ?
おっさんになった城海とか興味津々です(*´д`*)
見てみたいですよね~!
あ、そうそう。
私が住んでいるのは関東ですが、こちらも6月の後半とかは暑かったですよ…。
気温的にはそれ程酷く無かったようですが、こう…空気がジメジメしていましてね…;
梅雨時独特のあの湿気はホント嫌になっちゃいますよねー。
ちなみにここ最近は雨降りっぱなしで少し涼しいです。
むしろ少し寒いくらいなんですがwww
暑くなるのか寒くなるのか、はっきりしろと言いたい気分です…(´∀`;
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
『すてっぷつー』と日記の感想をありがとうございます!
『STEP』の海馬がねぇ…、書けば書く程どんどん阿呆になってきて自分でも止められません…w
どうしましょう…コレw
一応二人が結ばれるまで書くつもりですけど、本気で最後までいけるのかが心配になってきました。
こんなんで倒れられてたら、セックスの時なんかどうするんでしょうねぇ?
下手したら心臓麻痺とかで死ぬんじゃないでしょうか?w
ちなみに『STEP』の海馬は、既に成長期が終了している設定になってます…。
だってアレ以上大きくなったら…困るんで…w
まぁ早期成熟型というか、さっさとでっかくなってしまってピタリと止まっちゃったって感じでしょうね。
個人的には城之内君にもう少し成長して欲しいです。
海馬程じゃなくても、180㎝越えるくらいは…いって欲しいかな。
あと日記のハードボイルド(なのか?)城海にも感想ありがとうでした~!
アレを書いている内に自分でも物凄く萌えてきてしまったんですけど、アレを書ける気は…しません…w
ちなみにRosebank様の仰る通り、私は『禁断の愛』が凄く好きです! 凄く好きです!!(大事な事なので二回言いました)
正しくは、結ばれるはずの無い関係にありながら、お互いの愛と努力(プッ…w)によって困難を乗り越えて、最終的に結ばれてハッピーエンドというパターンが大好物です(*´∀`*)
途中での困難があればある程、最後のハッピーエンドに重みが出てきて萌えるんですよね~!
そんなんだから私が書く長編の半ばは、いっつもあんな感じなのです…w
ちょっとワンパターンだと反省していますが、どうしても自分の好きな展開に持っていきたくなっちゃうんですよね…;
そういう意味では『STEP』は新しい試みだったりするんですが…w
それと、Rosebank様が紹介して下さった王様動画を見ましたよ~!!
何コレ!! めっちゃぬるぬる動いているじゃないですか!!
こうやって見ると、やっぱり王様は格好良いですね~(*´д`*)
惚れ惚れしちゃいます!!
社長や城之内君も出てくれないかなぁ?
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>7月3日の9時台にコメントして下さった方へ
こんにちは、初めまして~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
『STEP』の感想をありがとうございます~!
あんな阿呆企画を待っていらっしゃったなんて…っ!
コメントに凄い驚いて、本当に心からありがたいと感じました。
嬉しかったです!
こちらの方こそありがとうございました!
ていうか…、あんな乙女感バリバリの海馬で良いのでしょうか…?w
不定期連載なんでちょくちょく更新は出来ませんが、多分ずっとあんな感じですよ?
何かもう海馬の乙女度が凄過ぎて、書いている私も本当にこの城海が結ばれるのか心配になってきました…w
とりあえずちゃんと結ばれるまで書き続けるつもりではいますが、大分時間がかかりそうです。
長い目で見守ってやって下さいませ(´・∀・`)
それではこれで失礼致します。
またお時間がある時にでも覗きにいらっしゃって下さいませ~!
ではまた~(・∀・)ノシ
城之内×海馬。
城之内の一人称。
ついにドSに目覚めてしまった城之内君による、ドM海馬のにゃんにゃんプレイです。
スマン…、自重できなかった…;
特別ゲストとして出演していた地方大会から帰って来てから五日後の金曜日の夜。
オレは海馬への土産を片手に、海馬邸へとやって来ていた。
本当は童実野町に帰って来たら直ぐにでも海馬に会いたかったけど、アイツも平日は仕事で忙しいからと我慢してたんだ。
という事で、海馬とはかれこれ半月振りの再会となる訳だ。実際に相手の身体に触れたセックスの有無で数えるならば、ほぼ三週間振りになる。
…テレフォンセックスなら一週間前にしたけどな。
恋人の身体に三週間も触れられないなんて十七歳の若い身体が耐えきれる筈も無く、今日のオレは久々にやる気満々だった。
そして多分海馬もそうなんだろう。
数時間前に「今日泊まりに行くから」という旨の電話をしたら、何言ってるか分かんないような返事が物凄い勢いで返ってきた。
興奮し過ぎだろう…。気持ちは分かるけど、少し落ち着け。
そんなこんなで絶対準備万端でオレを出迎えるに違いないと確信しつつ海馬の私室のドアを開けたら、やっぱりというか何ていうか、バスローブ一枚でオレを出迎えてくれた。
髪が少し濡れているところを見ると、もう既に風呂にも入ってしまったらしい…。
「凡骨!! 待ちかねたぞ! さぁ、やろう!」
満面の笑みを浮かべて抱きついてくるアイツを何とか押し留める。
いやいやいや、ちょっと待ってよ…。
オレに会えて嬉しいのは分かるけどさ、普通の恋人らしくもうちょっと半月振りの再会を噛み締めるとかしようよ。
何でそんなに、オレに会える=セックスって公式に拘るんだ…。
「ちょ、ちょっと待って!」
「む…。何だ、凡骨」
「何だじゃねーよ。いいから少し落ち着けってば」
「何を言う! 三週間ぶりなのだぞ! これが落ち着いていられるか…!」
「いや、それは分かってるから。オレも今日の夜から日曜までしっかり時間取ってあるからさ。だからそんなに焦るなよ。とりあえず土産くらい渡させてくれ」
「むぅ…」
「はい、とりあえずコレ。お土産のアノマロカリスサブレです。中に挟んである胡麻クリームが結構美味かったぜ」
海馬は差し出したお土産を渋い表情で受け取り、パッケージとオレを交互に見詰めていた。
余興が削がれて不満げにしながらも、そのお土産自体は結構気に入ってくれたらしい。
いそいそとガラステーブルにまで持って行って、それを大事そうに開け始めた。
中に詰まっていた動物型のサブレを取り出し、袋を開けてサクッと一口囓る。
そして「ふむ」と頷いて、二口目も囓り始めた。
良かった。どうやらお気に召したようだ。
だけどね海馬君。本当のお土産はこれからなんだよ。
サブレを囓りながら奇妙な生き物が描かれているパッケージをしげしげと眺めている海馬に近付き、オレは持っていたもう一つの紙袋を差し出した。
「はい、じゃぁこれはもう一つのお土産。三週間オレを我慢した海馬へのご褒美だよ」
「………? 何だコレは…」
「いいから開けてみなよ。今日はコレで遊ぼうな」
「………っ!!」
オレの一言で中に何が入っているのか、大方予想が付いたらしかった。
紙袋の中から綺麗に包装されたリボン付きの箱を取り出す。
見た目にも分かる程震える手で開けられたその箱に中身は、黒い猫耳のヘアバンドと揃いの猫尻尾付きバイブだ。
出てきた物体に唖然として言葉を発せずにいる海馬の肩をポンと叩き、オレは最高の笑みでヤツの耳元に囁いてやった。
「んじゃ、ベッドに行こうか。海馬君?」
真っ赤な表情でゆっくりと振り返りオレを見た海馬は、時間を掛けてコクリと一つ頷いた。
「本当は白猫が良かったんだけどなぁ。丁度売り切れでコレしか無かったんだよ。あ、でも黒猫も良く似合ってる」
ベッドの上でバスローブを脱ぎ素っ裸になった海馬に、オレは猫耳のヘアバンドを着けてやっていた。
簡単にずり落ちないようにピンで固定してやると、海馬は赤い顔のままその猫耳を撫でていた。
予想外に似合うその可愛い姿にドキドキしながらも、オレは箱の中から尻尾付きバイブを取り出す。
「はい、じゃこっちも入れるから。俯せになってお尻上げてくれる?」
素直に頷いて俯せになり腰を上げる海馬にこれまた欲情してしまった。
ヤベーなぁ…、このまま挿れたいなぁ…と思う気持ちをグッと我慢して、オレはサイドボードからローションの瓶を取り出した。
蓋を開けて傾けると、中からストロベリーの匂いのする粘液がトロリと流れ落ちてくる。
如何にも人工的な強い匂いだけど、オレは結構この匂いが好きだった。
だって海馬が滅茶苦茶美味そうに見えるんだもん。
ちなみに海馬は口にした事が無いから分かんないだろうけど、コレ…ちゃんと苺の味するんだぜ?
今度舐めさせてみるかなぁ…なんて想いながら掌で暖めたそれをヌルリと後孔に塗り付けると、俯せられた肩がビクリと震えた。
ぬるぬると入り口を撫でていると、身体全体が細かく震え出す。
頭に付けた猫耳ヘアバンドも震えていて、本当の猫みたいでちょっと萌えた。
そのまま入り口が柔らかくなったのを見計らって指を一本入れてみる。
三週間振りだというのにそれは簡単にツプリと指の根本まで入ってしまって、そう言えば一週間前にはコイツが自分で指入れてたんだもんなぁ…とか考えたら、何だか余裕が無くなってきた。
二本目の指も差し入れて、グチュグチュと中を掻き回す。
「ね、気持ちいい?」
「っ…。ふっ…ん…っ」
「なぁ、海馬。ちゃんと教えてくれよ。自分の指とオレの指。どっちが気持ちいい?」
「あっ…! じ…じょ…の…うちの…ゆび…が…いい…っ」
「うん。素直で宜しい」
中が大分解れて来たのを見計らって、オレは指を抜いて尻尾付きバイブを取り上げた。
バイブにもたっぷりとローションを垂らすと、オレはそれを後孔の入り口に押し当てる。
途端に海馬の背筋がピクンと緊張するのを見て取って、オレは宥めるように白い双丘を優しく撫で回した。
「大丈夫。力抜いて。一週間前には自分でバイブ入れたんでしょ?」
「わ…分かって…いる…っ」
そう応えると、海馬ははぁ~っと大きく息を吐き出してクタリと肩をシーツに沈ませた。
その瞬間にオレは持っていたバイブを海馬の体内に押し込める。
「っつ…う…! あっ…!」
「はい、暴れないで。良い子だから。そんなに大きくないから直ぐ入るよ」
「んっ…んっ…。やぁ…っ」
「もうちょっとだからねー。もうちょっと…」
「あぁっ…。城之…内ぃ…っ」
「はいはい、大丈夫。ほら、もう全部入ったよ」
尻尾付きバイブを全部海馬の中に収めてしまって、オレは少し離れて海馬の身体全体をじっくりと眺めた。
白いお尻から黒い尻尾を生やしているその姿はまさしく猫そのもので、羞恥でほんのりピンク色になっている白い身体にその黒い尻尾は良く映えた。
うわ…。コレは…可愛い…っ!!
絶対似合うとは思っていたけど、これは予想以上の出来だ。
「は…入った…の…か?」
恐る恐るこちらを振り返った海馬に、オレはニヤッと笑ってみせる。
猫耳と猫尻尾を付けるだけで満足して貰っちゃ困るんだよね。
「うん。バッチリ入ったぜ。すっげー可愛い」
「そ、そうか…」
「という訳で、こっから猫タイム突入ね」
「は?」
「猫耳と猫尻尾を付けた海馬君には、これから本当の猫になって貰います。言える言葉は『にゃー』だけ。人間語はダメだからな」
「な…? 何を言って…」
「はい、じゃぁ『にゃー』って鳴いて」
「城之内…。お前一体何を…」
「『にゃー』」
「じょ…の…」
「『にゃー』は?」
「………」
「オレの言う事が聞けないの?」
少し強い視線で海馬の顔を覗き込むと、それだけでアイツは顔を真っ赤に上気させた。
もうね、海馬君の性癖はよーく分かっているんです。
それによってオレ自身も変えられちゃった事もね。
だからコレはちょっとした仕返し。
仕返しでもあるし、オレの素質に気付いてそれを伸ばしてくれちゃったお前に対しての礼でもある。
流石にオレだってやられっぱなしは性に合わないし、それにこのプレイだったら両方楽しめるだろ?
そう思いつつじっと顔を見詰めてやったら、やがて海馬は真っ赤な顔で俯いて小さく震えだした。そして…。
「に…にゃ…ぁ…」
小さな小さな声だけど、それははっきりとオレの耳に届いた。
うわぁ…。ほんっとうに可愛い!!
さて…。これからが本番だぜ、海馬君?
白いシーツの上で黒猫が悶えている。
スイッチを入れられたバイブの震動に耐えきれないらしく、青い眼を潤ませながら荒い息づかいをしていた。
「くっ…! あぁ…っ。はぁ…んっ!」
「『にゃー』だよ、海馬。ちゃんと猫らしく喘いでみて」
「っう…! あっ! に…にぁ…にゃぁ…っ…あんっ!」
あーもうダメだコレ。すっげーゾクゾクくる。
でもオレが降参しちゃったら仕返しにならないので、ココは我慢の為所だ。
多分もうすぐ限界が来るだろう。そうしたら次の仕返しが待っているんだからな。
オレは徐ろに先程海馬が包みを解いたリボンを摘み上げて、そっと海馬の背後から近付いた。そして悶えているその身体をひっくり返す。
「に…っ。にゃぁ…っ!?」
「可愛い海馬は今は猫ちゃんだもんなぁ。猫ちゃんにはやっぱりリボンがお似合いだよな」
「にゃ…ぅ…」
「本当の猫ちゃんだったら首に巻いてやるところだけど、海馬の場合は身体が大きいからなぁ…。やっぱこっちだな」
「ひっ…! やぁ…っ!!」
そう言うとオレはすっかり勃ち上がって先走りの液をポタポタ垂らしている海馬のペニスを掴み、その根元をリボンでキュッと締め付けた。
あ、やっぱり。超可愛い。
何か一瞬人間語が聞こえたような気がするけど、そこは気にしないであげよう。
と、せっかく流してやろうと思ったのに、焦った海馬は人間語で喚き始めた。
「やっ…だ…! 嫌だ…これ…っ! これ…取って…! 城之内…っ!!」
「海馬。猫語忘れてるぜ?」
「やだ…っ。やだぁ…っ!」
「それ以上人間語喋ったらお仕置きだよ?」
「も…っ! いや…だぁ…っ!!」
「はい、お仕置き決定」
お仕置きされるって分かっててわざとそんな事するんだから…。
ドMの海馬君のする事なんて分かっているんです。
オレは海馬の顎を掴んでこちらに向けさせると、有無を言わさぬ勢いでこう告げた。
「これから先は本当に人間語禁止だからな。ちゃんと猫語でオレが欲しいって伝えられたら挿れてやるよ。それが出来なければ今日は絶対挿れてやらねーから、そのつもりでいろよ」
オレの目を見て、本気だと分かったんだろう。
少し青冷めた顔で海馬がコクリと頷き、そして「にゃぁ…」と一声鳴いた。
ネタを考えてみましたが挫折した二礼です、こんばんは。
昨日の日記で言っていたハードボイルド城海を、まぁネタだけでも考えてみようと思ったのですが…。
出てきたのが、魔法・超能力・召喚・異世界・魔族等々…ごっそりファンタジー要素ばかりでした。
おい、銃はどこに行った銃は!!
てな訳であえなく挫折でございます…orz
まぁ…銃は出てこなくてもそれっぽいのは書けるのかもしれませんが。
何かこう、お互いの命を狙う立場でありながら何故か惹かれ合っちゃう城海とか書きたいですなぁ…。
城之内と海馬はお互い殺し屋同士で、そのバックにはそれぞれデカイ組織が付いている訳ですよ。
最初は本当にただの標的(ターゲット)でしか無かったのに、その内相手に会いたいが為に標的を見つけ出す事に躍起になっていきます。
だけどついにお互いに気持ちを我慢出来なくなって、ある雨の日の夜にボロボロの連れ込み宿とかに駆け込んで結ばれるんですよ。
もうその時に、埃臭いスプリングが壊れかけているようなベッドで、滅茶苦茶余裕の無い必死なセックスとかしてくれたら最高。
海馬なんかが泣いて喚いて叫んで、お互いにイキ過ぎて気を失っちゃうくらいのヤツとか。
それで夜が明ける前にどちらかが先に部屋を出て(城之内より海馬の方がいいかも)、「明日からはまた敵同士だ。次に会った時は本気で殺すつもりだから、覚悟しておけ」とか捨て台詞を吐いてダウンタウンの闇の中に消えて行くんですよ。
城之内がベッドに横になったまま、敢えて海馬に背中を向けてそれを黙って聞いてたりしたらもっといい。
それで後日実際に相対した時に、一対一の戦いに別の殺し屋が突然介入してきて、どちらかが撃たれてしまい均衡が破られる訳です。
この場合怪我するのは城之内の方がいいなぁ。
いつまでも標的(城之内)を消すことが出来ない事に苛ついた海馬のバックに付いている組織が、別の殺し屋を用意して海馬に協力しろと命令した訳なんですね。
だけど海馬は、自分達の真剣勝負とか気持ちの問題とかを無残に踏みにじられて怒り心頭。
思いっきりキレて、まずその殺し屋を一発KO。
更に自分が付いている組織と城之内が付いている組織も、両方単独で木っ端微塵にしてくれたら超絶に格好いいと思います。
ヤバイ。超萌える!! ていうか萌えてキター!!
でも今は他のネタが一杯なので、そんなの書く余裕はありませんw
(つーか、ここで書いて満足しちゃったし…(*´∀`*))
※ちなみにこの話、『N/O/I/Z/』(n/m/7/0/2/1/0/8/5)というミク曲を聴きながら考えました。凄く格好いい曲なので興味のある方は是非聴いてみて下さい(´∀`)
長編『STEP』のすてっぷつーをUPしました。
上記の記事は何かハードな事になっているのに、こちらは甘々乙女海馬でございます…w
ていうかさ、全然一歩進んでないよね。
むしろ一歩後ろに下がってるよね、コレw
何か海馬の乙女度は加速する一方だし、妙にギャグっぽくなってるし…。
この二人…ちゃんと結ばれるんだろうか?(´∀`;
書いている方が心配になってきたわぁ~…w
以下は拍手のお返事になりま~す!!
>榊弛亞様
お久しぶりです~!
拍手とコメント、どうもありがとうございました~(´∀`)
『To you…』の感想をありがとうございます。
あ、ちゃんとあの城之内君が『勇気の証明』の城之内君だと分かって下さったのですね!
むしろそっちの方が嬉しかったです。
ありがとうございました~(*´∀`*)
あの後、あの海馬はちゃんと城之内君の想いを受け入れました。
他人を信じられないというトラウマは、多分城之内君と付合っていく内に少しずつ治っていったんだと思いますよ。
ていうか、城之内君自身が海馬の心の傷を精力的に治していったんでしょうねぇ。
考えれば考える程、この二人は本当にお似合いのカップルだと思います(*'-')
これからもこんな感じの二人を書けるように頑張っていこうと思っています。
お暇な時にでも、また構ってやって下さいませ~!
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
>Rosebank様
拍手とコメント、どうもありがとうございました~!!
『To you…』と日記の感想をありがとうでした~!
おぉ…! 流石です!!
やっぱりあの城之内君は『勇気の証明』の城之内君だと気付きましたか…w
あえてはっきりとは書きませんでしたが、他の方のコメントを見ても皆さん分かりきっていたみたいですね…(´∀`;
まぁ…結構分かりやすく書いたんで、当たり前だとは思いますが…w
『勇気の証明』は私が一番最初に形にした城海なので、彼等に対する想いは一入なんです。
私もこのサイトを始めてから色々な城海を書いてきましたが、やっぱり意識的には他の城海の先輩みたいな位置付けになっているんですよw
私の城海感の基本みたいな感じですしねー。
だから今回この海馬の説得役には、あの城之内君が一番だと思って登場させてみました。
で、今回この城之内君を出させるにあたって、久しぶりに自分自身で『勇気の証明』を読み返してみたのですが…。
う~ん…; 流石に初期に書いたものだけあって、表現方法とか漢字の使い方とかが全然違う…;
最近は城之内や海馬の一人称は『オレ』で統一しているのですが、『勇気の証明』だと『俺』になっているんですよね。
あとモクバの『兄サマ』も『兄さま』になってるし、今は連続した台詞の間に入れている改行も見当たりません。
もう読みにくいったらありゃしません。
すっげー書き直したい気分です…w
でもコレを直すとなると物凄い時間がかかりそうなので、見て見ぬ振りをする事にしました…(´∀`;
オレは…逃げるっ!!
それから例の台詞ですが、アレは自分でも結構気に入ってる台詞だったりするんですよー。
時たま、本当に時たまなんですが、本気で物凄く気に入る台詞が出てくる事があります。
アレはその内の一つなんですよねー。
確かにあの台詞一つに『勇気の証明』で伝えたかった事が凝縮されていると言っても過言じゃないと思います。
こういう風な台詞がもっと一杯書けるようになれたらいいなぁ…と思いますね(*'-')
それでは今日はこの辺りで失礼致します。
ではまた~(・∀・)ノシ
その日の朝は、今までに感じた事が無い位幸せな気分で目覚めた。
昨日の放課後、オレは城之内に抱き締められて人生で初めてのキスをした。
奴と恋人として付き合う事になって一ヶ月以上経って漸く進めた一歩だったが、その一歩がどれだけ嬉しかったか分からない。
目が覚めてもオレは暫くベッドから起き上がる事が出来なかった。
掛布の中にくるまって、暗闇の中でそっと自分の唇を指で撫でる。
この唇に…昨日…城之内の唇が直接触れた…。
ギュッと強く抱き締められて…城之内の匂いを感じて…キスをされた…。
今日は午前中にどうしても抜けられない会議があるから、早めに起きて会社に行かなければならない。
サイドボードに備え付けられているデジタル時計の数字は、もう起床しなければいけない時間をオーバーしていた。
だけどオレはベッドから出る事が出来なかった。
ずっとこの余韻に浸っていたかったのだ。
結局いつまでも起きてこないオレを心配したモクバが直接部屋に訪れるまで、オレはそうしてベッドの中で幸せな気分に酔いしれていたのだ。
もしかしたら体調が悪いのでは無いかと心配するモクバに、オレは「いや、大丈夫」と笑って答え会社に行く事にする。
海馬コーポレーションの社長として、私情で仕事を疎かにする訳にはいかないのだ。
それに社長が仕事そっちのけで恋愛にのめり込んでみろ。それこそ社員に示しが付かない。
そう心に強く思ったオレは、何とか会社にいる間は頭の中から城之内の幻影を追い出そうと躍起になった。
元々が仕事人間だから会議の間はそちらに集中出来たし、新しい企画も興味があったので暫くは城之内の事は思い出さずに済んだ。
だが会議が終わり一人で社長室に戻った時、唐突にあの明るい笑顔を思い出してしまったのだ。
城之内の顔を思い出すだけで、心臓が痛い程に激しく鳴り響く。
あの熱っぽい腕がオレの身体を抱き込んだ事と、その時感じた彼の体臭と、そしてその後のキスの事と…。
思い出すだけで顔がカーッと熱くなる。
今日は午後から学校に顔を出す予定だった。
だがこんな状態で城之内に会えるのだろうか…?
むしろ何の進展も無い事に落胆しながらも平気で城之内に会えていたあの一ヶ月が、懐かしく思える程だった。
とりあえず熱くなった顔を何とかしようと、オレは社長室に隣接している化粧室に顔を洗いに行く事にする。
洗面台の冷たい水で顔を洗うと、それで少しはサッパリしたような気がした。
持って来たハンドタオルで顔を拭こうと鏡を見上げた時、そこに知らない自分の顔が写っているのに気がついた。
前髪が水で濡れて額に張り付いている。
冷たい水で顔を洗ったのにも関わらず、頬はピンク色に紅潮していた。
自分の青い瞳がぼんやりと潤んでいて、唇が妙に紅く腫れぼったくなっている。
そっと濡れた指先で紅い唇をなぞった。
この唇に…城之内が…キスをした…。
キスをされた時の感触を思い出すように、そっと指先で唇を押す。
その途端自分の顔がより赤くなった。
潤んだ目がトロンと下がり、顔全体が蕩けるような表情になる。
だが、その顔を見てオレは一瞬で思考が平常時に戻った。
おい…ちょっと待て。
オレは…オレは…っ。
もしかしてオレは、昨日こんな顔を城之内に見せていたのか…っ!?
慌てて持っていたハンドタオルで顔を強く拭いて、今までの顔を消し去ろうとした。
有り得ない…、有り得ないぞ…っ!
この海馬瀬人とあろう者が、よりによってあんな顔をするなんて…っ!!
水気を拭った顔を左右にブンブンと振る。
いくら城之内が好きだからと言って、あの顔はダメだ…っ!
あんなみっともない顔をしていたら、いつか城之内に愛想をつかれてしまう!
もっとクールに!! クールにいかねば!!
そうでなければ海馬瀬人というイメージが即壊れてしまう…っ!!
オレは意識して普段通りの硬い表情を作ると、鏡の中の自分に頷いた。
よし。これでいい。
これで城之内との付き合いも円滑に行なっていける。
そう強く心に念じた。
…と、数時間前に会社で強く念じた顔は、今にも崩れ落ちそうになっていた。
午後から学校に顔を出したオレは、今屋上で城之内と二人で昼食を取っている。
オレはシェフが作ってくれた栄養満点の弁当、城之内は購買で買ってきたパンを食べていた。
既に成長期が終わっているオレと違って、城之内はまだ背が伸びる可能性が残っている。
しかも体力勝負のバイトをしているせいで筋肉がしっかりとついて、ひょろひょろと背が高いだけのオレとは違って随分と男らしい逞しい身体付きをしていた。
そんな身体を持っているくせに、そんな炭水化物ばかり食べて…。
コイツにはもっと栄養を取らせないとダメだと思ったオレは、自分の弁当の中からいくつかおかずを分け与えていた。
「このハンバーグもやる。食べろ」
「え? いいの? さっき唐揚げも貰っちゃったんだけど」
「構わない。野菜も食え。このニンジンのグラッセとほうれん草のソテーは逸品だぞ」
「お! 美味そうだな。じゃありがたく頂きます」
弁当の蓋に載せて渡してやったおかずを、オレから借りた箸で美味そうに食べている。
購買のパンを食べていたコイツは勿論箸なんて持っている筈もなく、最初に上げた唐揚げは指先で摘んで食べていたのだ。
だがそれじゃ余りにもみっともないと思ったオレは、自分の持っていた箸を貸してやる事にしたのだ。
他人から借りた箸だからてっきり箸をひっくり返して後ろ側を使うのかと思っていたのに、城之内はそのままの状態で箸を持ち、そしておかずを摘んで口に放り始めた。
ていうか…、あ…ちょ…ちょっと待ってくれ…っ。
その箸はオレが今まで使っていた箸であって…。
その箸の先は先程までオレが自分の口の中に入れていたものであって…。
あぁっ! 箸をそんな口の奥の方まで入れないでくれ…っ!!
間接キスになってしまうだろぉー!!
そんな事を考えてしまって一人でわたわたしていたら、あげたおかずを全部食べた城之内がずいっと箸と蓋をオレに返してきた。
「美味かったぜ! ごちそーさん!」
「あ…あぁ…」
手渡された箸を狼狽えながらも受け取り、自分の食事をする為に御飯を一口分すくって持ち上げた。
こ…この箸の先端が…、今の今まで…城之内の口の中に…っ。
震える手で何とか御飯を口まで運ぶ。
こんなに緊張しながら物を食べるのは初めてだった。
先程までの光景をなるべく考えないように無心に弁当を食べていたら、ふと横にいた城之内がオレの顔を凝視しているのに気付いた。
「なんだ…?」
「あぁ…うん。お前でもそんな事すんだなぁーって思ったら、何か可愛くなっちゃって」
「は?」
「いいから。ちょっと顔貸して」
何を言われているのか分からなくてそのままじっとしていたら、すっと城之内の手がオレの口元に伸びてきて何かを摘み取った。
「ほら、御飯粒。付いてたぜ」
そのままニッコリと笑うと、摘んでいた御飯粒をそのまま自分の口に持って行ってパクリと食べてしまった。
な…っ!
ななな…っ!!
なななななな何て事を…っ!!
余りの事にパニック状態になり真っ赤になって口をパクパクしていたら、そんなオレを見て城之内が笑う。
「あ、赤くなってら。お前…本当に可愛いなぁ…。キスしちゃお」
すっかり固まってしまったオレに、城之内がゆっくりと近付いてきた。
城之内の精悍な顔が少しずつ大きくなっていき、やがてその顔が視界一杯に広がった辺りでオレは耐えきれなくなって目を瞑ってしまう。
そして暗闇に閉ざされたその世界の中で、熱を持った手がオレの頬に添えられるのを感じた。
………。
……。
…。
ふにゅ。
…。
……。
………暗転。
唇に柔らかい感触を感じた瞬間、頭の中がスパークしてしまったオレは耐えきれなくなって昏倒してしまった…。
気がついたらそこはまだ屋上で、城之内の膝に頭を載せる形で横になっていた。
視線を上に上げると、心配そうな顔をして覗き込んでいる城之内と目が合う。
「あ、起きた。大丈夫か?」
小さく呟かれたその声に、オレは慌てて起き上がって周りを見渡した。
仰向けで寝ていたオレが眩しくないようにしてくれたのだろう。
いつの間にか給水塔の影に移動していて、傍らには布巾に包まれた弁当箱が置かれていた。
学校全体が余りに静かなので腕時計で時間を確認すると、もう既に午後の授業が始まってしまっている時間だった…。
「す…すまない…」
自分の失態に目の前が真っ暗になって思わずそう謝ると、目の前の城之内は優しそうに微笑んで首を横に振った。
「いや、別に全然構わないよ」
「だが、もう授業が…。オレのせいで出られなくなってしまって…」
「別にー。授業サボるなんてオレにとっちゃいつもの事だし。それより何より、授業に出るなんて事よりもっと貴重なものが見られたしな」
「………?」
「お前、凄かったぜー。倒れる直前なんて顔真っ赤っ赤でさ。これが漫画だったら絶対顔から湯気出てたぜ」
「なっ…! なななっ…!」
「ホンット可愛いなぁ…。キスなら昨日一度したじゃん。何でそんなに緊張しちゃったのよ」
パニックに陥りかけた頭を深呼吸をする事で何とか落ち着かせたオレは、城之内の質問に答えるべく口を開いた。
「それは…その…。意識する前とした後では…違うというか…。一度経験してしまったら…余計に緊張するというか…」
「あぁ、なるほど! それなら分かるぜ。オレもさっきお前にキスする時、昨日より緊張してたかもしれない」
城之内の言葉を聞きながら、オレは内心で「嘘付け」と思っていた。
何が緊張していただ。
あんなに自然にキスしてきおってからに。
想いの強さはオレの方が強い筈なのに、どうしてコイツはこんなにオレを翻弄するのが上手いんだ…と思わずにはいられなかった。
頭の中でだけで呟いていたと思っていた台詞が、どうやら口からも出てしまっていたらしい。
オレの方を暫く凝視していた城之内が、やがて少し困ったように笑って言った。
「ゴメンな。まだオレの方はお前の気持ちに追いつけて無いって思うけど…。でも、お前の事が好きだっていう気持ちは本当なんだ。好きだよ、海馬。大好き」
両耳から入って脳内に届いたその台詞に身体全体が熱くなる。
それによってまた意識が遠くなってグラリと傾く身体を、城之内が慌てて支えて何か叫んでいたが、それに応えることも出来ずにオレは再び意識を閉ざした。
意識を失う寸前に、オレはいつか城之内に殺されるんじゃないかと何となく思ってしまった。
ったく…。これじゃ命がいくつあっても足りやしない…。